醜態を晒してきた作者ですが。
恥ずかしながらもう少し続きます。
今回はジークアクスと赤いガンダム戦。
そこに無理矢理混ざるジーンのザクの図。
改変点
夜・晴→夜・雨
ビット2→ビット1(ジーンが前に破壊した為)
劇中だと投げ飛ばし、ビット同士をぶつけて無力化してましたね。
『おやっさん、ナニ勝手に出してんだ!?』
無線がコックピットに響き渡る。
カネバンの区画ユニットが発信源。
その声はパイロット候補のジェシーだ。
奴からすりゃ愛機をパクられたもんだからな。
「へへ、悪ィな。 お前のザク奪っちまったぜ」
『ふざけんな、返しやがれ! いやまさか、やり合う気じゃねぇよな!?』
「そのまさかよ。 まぁ向こう次第だ、祈れ」
『やめてくれ、クラバに出られなくなる!』
「大丈夫、ちょっとだけだからよ。 最悪、俺のザクを使わせてやるから」
そう無線を切る刹那。
『そっか、おじさんのザク……!』
マチュの声が挟まりやがった!
不穏……ッ! まさか乗り込まねぇよな!?
そっちもまさかの事態になるのか!?
「って、気にしてる場合じゃねえ!」
モノアイ越し、雨降る夜空を見やる。
レンズ表面の水滴が市街地の光を吸い、金色のキラキラの先。 新型MSジークアクスと赤いガンダムが取っ組み合い、その合間を縫って1機のビットが推進剤を噴射しまくって周囲を跳ね回っている。
「……互いに撃たねぇ。 コロニーだからか」
ガンダムもシールドを持ってるくらいで、それ以上は腕力で殴り合い。 ビームサーベルを抜く素振りがない。 いや余裕がないのか。
対してジークアクス、エグザベ少尉も抜く様子がない。 あいや、宇宙での戦闘で失ったのか。
だとして初陣であそこまで動けるとは、機体性能のお陰もあるだろうが、判断力は彼のもの。 エースだと褒めてやりたいところだ。
悪く言えば、まるでデバイスがない機体同士の見苦しいクラバを見てるようでもある。
……サイド7でやらかした俺が馬鹿みてぇじゃねえか。 大佐もだが。 あいや、戦時の話だし、当時は少佐か。 それもコロニーに穴が開かないよう配慮したり、ガンダムと軍艦を鹵獲する成果を上げた。 ようは結果だ。 これも。
……俺はいつまで戦争してる気だ。
とっくに終わったんだ。 5年も前に。
「……へへ、周波数を合わせられっか?」
誤魔化すように端末を弄る。
観戦、偵察者として今は楽しませて貰うさ。
知ってる数値を弄ってると、やがて当たる。
『……サイコミュさえ使えれば、もっと早く反応出来るのに! 相手はビットを使えて、俺はオメガサイコミュを起動出来ないのか!』
おっ、エグザベ君の声を拾えたぞ。
コロニー内はミノフスキー粒子散布下にない筈だからな、通信状態は悪くない。
『このっ、うおおおお!!』
叫び声が聞こえるとジークアクス、虫みたいに周囲を鬱陶しく動き回っていたビットを抱えるように捕まえ、そのままマニピュレータで殴りまくる。 装甲の無いビットは素直にへこみ、噴射口が変形した関係か、内部の推進剤に引火、空中で爆発する。
「おお、やるじゃねえかエグザベ君」
『ジーンさん!? う、うおおおっ!?」
いけね、向こうも声を拾っちまったか。
気が散った隙を突き、ガンダムが体当たり。
そのまま人工重力に引かれるがまま一緒に落下。 近くの難民街に墜落していくと大きな砂埃と瓦礫、難民達の悲鳴が舞う。
シールドに限ってはこっちにスピンしながらきやがった!
「やべ、問題を増やしちまった!」
咄嗟にザクを軌道に合わせて動かし、機体を横向きにして肩部シールドを前に、脚部も衝撃に備えて前後に踏ん張れる形に。
刹那、シールド同士が衝突。 甲高い金属音と大きな衝撃がザク全体を震わした。
「ぐっ、もたせた!」
じゃなきゃ困る。
一瞬嫌なビジョンがチラついてゾッとしたわ。
ガンダムがシールドを投擲したり押し付けただけで、ザクが撃破される光景が見えたもんで。
『ジーンさん、ザクでは無理です!』
さても戦いは終わらんか。
「へへ、分かってる。 こちとら1度は戦ってんだ。 でも命令でさ。 何よりここいらとエグザベ君が可哀想でよ」
『あなたは!』
突如、アラート。
「ATTENTION」表示。 接近警報。
「へへ、来やがったな軍警」
モノアイを動かせば、メインカメラが空中で動く2点を捉え、四角で囲む。
コンピュータは俺の意図を汲むように、勝手に「TARGET」表示しやがる。
レーダーやサブカメラも見る。 赤いガンダムはいつの間にか遁走したらしい。 人工重力下でも早いことで。 なんならこのコロニーのどこかに隠れ家があるのかもな。
とにかく今は、自分と仲間の心配をしなきゃな。
「フゥ〜ッ…………戦争を教えてやる」
それはエグザベ君にか、軍警にか。
恐らく両方だろう。
『あなたも、まだ戦時下のつもりですか』
あなたもって。 中佐もそんな反応をしたか?
あいや、ガンダム捕獲に際して、ジークアクスを出撃する件か。
サイド6や本国サイド3に対して政治的な問題を避ける為、秘密作戦扱いした可能性がある。 ツッコミを入れたい気持ちもあるか。
俺に関しちゃ、軍警の態度次第だが。
「へへへ、ジークアクスは隠れた方が良いか。 この辺の地下に使われてない整備用トンネルがある……スモークを散布して、取り敢えずそこに身を隠しな」
『そうしたらジーンさんも!』
「軍警はガンダムを追ってる。 それと接触したジークアクスも捕まえようとする筈だ。 俺はその妨害、シンガリよ……表向き、ジオンじゃなく民間人の揉め事にしなきゃな」
まぁ、ガンダムを相手にするよりマシよ。
『ッ、了解! すみません、頼みます!』
言い終わるが早いか、ジークアクスは蹲る姿勢をとったと思えば、背面辺りからスモークディスチャージャーを連続発射、小気味良い音が連続で聞こえた次には、目眩しの黄色いスモークが一気に難民街を覆い尽くす。
近隣住民、難民には悪いが毒ガスじゃないからな、咽せる程度で済むので許して欲しい……いつかのようなモノじゃねえよ。
『くそっ、この辺には整備用トンネルに続くリフトがある筈だ! 奴はそこに逃げたに違いねぇ、探せ!』
雨もあり、少しスモークが晴れた頃、軍警ザク2機が難民街に降り立った。
装備からして特殊部隊仕様。 背面に高機動用ブースターを付ける。 着地するなりデットウェイトになるからとパージ、足元の建物を潰しやがった。
『建物の中じゃワカンねぇッス!』
『どうせ難民共の違法建築だ! 屋根を壊せ!』
『りょーかい!』
ラゴウチとアラガか。
だとして関係あるか。 やり始めた事はさっきのガンダムファイトより被害を出す街荒らしである。 力無き難民の悲鳴と怒号が、雨音と瓦礫が散る音で掻き消える。
「へ、へへへ……俺も怒ってるからな。 一応ここ、俺の職場兼拠点のある街だしよ」
ヒートホークを持つ。
刃の加熱が始まり赤熱。
ジュゥゥ……!
雨が刃にあたる程に蒸気が立ち、周囲の空気を、ザクの赤い目を揺らめかす。
『あん? 赤い目のザク……武装してるな!』
向こうが気付いた。 寄ってくる。
スモークの残り香がある内とはいえ、判断が遅い。 戦場なら先制されてる。 敢えてしなかったが。 向こうから手を出させた事にする。
『ジャンク屋がぁ!』
1機が飛び蹴りしてきたから、少し機体を横向きにして躱しつつ、相手の勢いに合わせてヒートホークを軽く振る。
すると、片腕をザクマシンガン改ごと人工の大地に落っことしては、機体バランサが崩れてゴロゴロと転がっていく軍警ザク。
『腕がっ!? くそっコイツ……!』
『よくもマブを! たかが斧1本でェ!』
僚機がマシンガンを構えるより先に、ヒートホークを投擲。 赤熱が止まり溶断力は失せるも、その質量のままに空中回転。
もう1機の軍警ザク、その頭にブッ刺さると、モノアイの赤い光が割れ消え、機体が仰向けに倒れた。
『がぁ!? メインカメラが……!』
「へへ、斧も投げれるんだぜ?」
『くっ……くそっ! こんな事を俺たち軍警にして、ただで済むと思うなよ!』
とはいえ、これで丸腰。
けども、そこは潤沢な軍警だ。 足元の、さっき切り落とした腕が絡まるザクマシンガン改を拾う。
規格は幸いにも合うから使えそうだ。 MSが武器を現地調達ってかぁ?
「へへへ、良い銃じゃねえか」
『俺の銃を!? ま、待つッス! これ以上罪を重ねるのは! 抵抗しない相手にまでやる事じゃ! 荒らしたのは許して欲しいッス!』
火花散る片腕のザクが、マニピュレータの手のひらを此方に向けて後退り。
パイロットはラゴウチか。 慌てたのか、オープン回線とスピーカー両方を起動させ、慌て泣き叫ぶ声を難民街中に響かせた。
……これで皆の溜飲が下りるだろうかね。
「あー……へへ、駄目かもなァ」
『ヒィッ!?』
だが荒らされた難民の怒りは、軍警の声で爆発してしまったらしい。
物干し竿、鍋やフライパンで武装した老若男女問わない難民たちが斃れる2機の軍警ザクに群がり、怒声を上げ始め、装甲をカンカンと叩き始めたのだ。
それくらいでザクに損傷は与えられないし、身じろぎされたら、生身の人間は逆に吹き飛ばされたり潰れてしまう。
が、戦意を失った2人はそれすら出来ず。
『ぜ、絶対にコックピットから出るな! 応援が来るまで待機だ待機!』
『りょ、了解ッスよ!?』
情けなくコックピットで震えるしかなかった。
まぁ、俺もこれ以上は───。
ビィビィビィッ!
「……まぁ、これだけじゃねえよな」
再び「ATTENTION」アラート。
事態を重く見たのか、軍警ザクがもう1組。
「逃げるか。 コイツはカネバンのザクだし……いや、ジークアクスの駆動系に問題がありそうだ、整備用トンネルから動けない。 とはいえ、これ以上、難民街への被害を抑えるには……!」
『おじさーん!』
「なに!?」
別方面からの通信。
見やればジャンクパーツを付けた青目ザクが。
おぼつかない足取りで此方に歩いてくる。
「俺のザクじゃねえか!? そんで、その声はマチュか! ふざけてんのか!?」
『あっ聞こえた! へへへ、繋がらなかったらスマホ使おうかと思った!』
嫌な予感が的中しちまった……!
そうだよな、マチュならやりかねない……!
「なにしてやがる! ザクはオモチャじゃねえんだぞ! はやく降りて逃げろ!」
『今更でしょ。 それにアイツら許せないし。 私もおじさんとやっつけてやる!』
「だから……!」
『それにニャアンもいるよ?』
「はぁ!?」
『ご、ごめんなさいおじさん……助けたくて。 そしたら、マチュと思わず、つい……』
はぁ〜……なんで、こう。 なんで?
これが若さか? 俺が悪いのか……!?
「……へへ、タマキの苦労が少し分かるぜ」
頭を抱えつつ、思わずボヤく。
だとして、大人として責任は取るべきか。
「歩くのがやっとの奴が戦えるとは思えねぇ、というかソイツは武装が出来ない青目ザクだ。 対して相手はマシンガンで武装してる。 勝負にもならん、やめておけ」
『じゃあコッチにデバイス頂戴よ。 それならこんなポンコツでも役立てるかもよ』
このメスガキ、持主に言う事か!?
……いかんいかん、冷静に対処しろ。
「それより良い方法がある。 ここの地下にトンネルがある、そこにザクより強い奴、さっきのガンダムの1機がいる。 ソイツを守ってくれ……最悪、乗り込んで動かしてでも守れ」
『味方なの? おじさんとどんな関係?』
『……なにか事情があるんだね』
勘の良いガキは嫌いだぞ、俺は。
ニャアンのように察して下がってくれ。
「とにかく頼んだ。 これが出来るのはマチュ、それとニャアンだけだ。 信じてるぞ」
『う、うん! 分かんないけど、分かった!』
煽れば動く、それがマチュ。
必ずしもじゃねえが、機体も人間も分かりやすい奴の方が好きだぜ、俺は。
「その意味、中佐はワカンねぇんだからもう」
さても今のうちにヒートホークを回収。
軍警ザクの頭に刺さるソレのグリップを握って持ち上げれば、斧と一緒に頭が浮き上がるも、再び刃が加熱され赤色、刃の周囲が溶け、頭から斧が外れる。 その弾みでズドンと頭が落ち、水飛沫が上がった。
難民共もやっと、戦闘が終わってない事に気付いたらしい。 雨の中、慌てて散っていく。
「軍警ザク2、ザクマシンガン。 空中にいる内に撃ちたいが、流れ弾が怖いな。 向こうは容赦ないだろうが」
へへ、こんなんでナニ偉そうに戦争を教えるだ。
若い奴に困らせられる事もある一方、俺もザクもロートルってのも問題かもな。
「へ、へへへ……歳は取りたくねぇな」
俺はそう、自傷気味に笑った。
後書き
更新常に未定。
ガンダムの間にザクを挟まず(殴
ヒートホークの加熱はザクの腕越し、ジェネレータ出力で行っているとして、すると上手く両手持ちしたら加熱が早くなったり、安定するんでしょうか(無知
このままだと、マチュがジークアクスに乗り込まなそうですが、何とか辻褄を合わせたく。
劇中展開を最後まで書けるかな……(弱気)