戦犯回避√ジーンの野望   作:ハヤモ

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前書き
評価、登録、感想ありがとうございます。
誤字や設定の甘さの指摘もありましたが、見続けてくれる方がいると思うと嬉しいです。
ビックタイトルに甘えず、潔く1、2話で切り上げるべきだったのですが、情熱に浮かされる内に書きたい気持ちもあり。
付き合ってくれる方がいれば幸いです。


マチュとの出会い

視えるビション。 存在するがしない記憶。

或いは、それは未来の出来事だ。

 

 

「くそっ、ザク借りるぞ!」

 

 

その日は咄嗟だった。

中佐からジークアクスの援護をしろと言われたが、突然過ぎる。

もしくは、目の前に民間MSザクがあるのを知っての命令だったのか。

 

だが考える余裕が無いのは確か。

ジャンク屋が隠していた民間払い下げの青目ザク、さしずめホビーモビルスーツのコックピットに潜り込む。

中で起動シーケンスを実行していたクランバトルのチームポメラニアンズ、眼鏡のジョジーを払いのけ、計器類を一瞥。

中は軍用と大きく変わらない、か。 それならやれる。 そう思わなきゃ動けねぇ。

 

 

「コイツ、動くな」

 

 

仮にも俺はザク乗りだ。 動かし方は体が覚えている。 体力の衰えは否めないが、ヒョロ眼鏡をシートから退かす力は幸い残っていた。

 

 

「なに勝手に入ってきてんだ!?」

「緊急だ、黙ってやらせろ」

 

 

座席下にある差し込み口に、ザクを武装化できるパーツを差し込む。

青目のモノアイが消えた、刹那。

 

 

グポォン……!

 

 

赤目のモノアイが、光る。

ジオン系MS独特の起動音が心を震わせる。

 

 

「悔しいが、俺はザク乗りなんだ」

「は、はぁ?」

「戦争帰りなんだよ!」

 

 

操縦桿を動かす。

手に馴染む感触。 起きる1つ目の巨人。

右手マニピュレータを腰に回し、ヒートホークを掴んで武装する。

 

 

「悪く思うな」

 

 

寝起きに1発、不意打ちをかます。

すると、あっさり軍警ザクの頭部が刎ねた。

ドアンじゃねえが、格闘は心得がある。

それにしてもだ……戦後で鈍ってんな、俺も、相手も。

 

 

「まず1つ。 テメェの不幸を呪っとけ」

『なっ、テメェ!! よくも俺のマブを!!』

 

 

僚機がやられた事に怒る軍警ザクの片割れ。

メインカメラが消えて動けなくなっただけで死んじゃいないが、まぁマブをやられちゃな、あとはタイマンよ。

相手は仮にも市街地がある自国コロニー内なのに120ミリザクマシンガンで武装中だが、ここはMSが1、2機通れる幅しかない地下通路だ、間合いをミスらなきゃヒートホークでも何とかやれる。

かと思っていたら。

 

 

「おじさん! 今助けるから!」

『うぐっ!?』

 

 

アマテ……マチュの声。

刹那、ガンダム、いやジークアクスが軍警に体当たりをかます。

 

 

「マチュか!? いや、今は目の前だ……!」

 

 

初めてとは思えない熟練の動きをする彼女。

それは大佐と似て非なるもの。

だがニュータイプだとでもいうべき卓越さ。

 

 

「悲しいけど、これ仕事なんでな」

 

 

取り敢えず倒れた相手の首を切り落とす。

俺はこの時、妙な興奮を覚えていたね。

"ガンダム"とまた共闘出来たからか、可愛い女の子と共に戦えたからか、任務が上手くいきそうだからか、或いはビジョンが叶ったからか……。

分からんが、取り敢えずは。

 

 

「軍警への言い訳、どうしようねぇ」

 

 

始末書で済むか、コレ?

これがアマテ・ユズリハことマチュと出会ってから4、5年後の出来事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はアマテ・ユズリハに近づいた。

中佐の権限と資金の協力を取り付け、彼女の自宅近くに越したのだ。

都合、軍服やノーマルスーツとは暫くお別れだ。 次着る時は民間用か新型かもな。

 

 

「散々宇宙にいて、今更恋しくなるのも妙な話だがな」

 

 

重力のない自由があれば、遠心力で外壁に押さえ込まれる束縛もある。

だが生活する上では、重力はあった方が良い。 スペースノイドだのニュータイプだの気取っても、地球から派生した人類に過ぎないんだからな。

まぁ目が大きい子供を見てると、古い本で見聞きしたような宇宙人を連想させるが。 いつかそうなるのかね。

 

さても任務だ。

ジャンク屋、民間人のフリをしつつ生活し、彼女の母と思われる人の警戒心を解き、本人、アマテの興味を引いていく。

こうして見ると快活な子で、下心より老姿心が湧いてきやがる。 任務だから情に流される訳にはいかんのにな。

 

アマテはやがて、ニックネームを教えてくれた。 マチュというらしい。

どっちでも良いと言ったが、彼女的に言いやすいからか、好んでマチュと呼んで欲しいと言ってきたんでそうする。

 

 

「ジーンおじさん、そらって、自由ですか?」

 

 

思い出したように、彼女は問うてくる。

マチュはコロニーの足下に広がる、本物の宇宙、そして地球に興味があるようだった。

どうもマチュは、コロニーの日常を、どこか偽物に感じているようだった。

 

 

「宇宙は自由だ。 騒がしい時もあるがな」

 

 

こんな子だ、きっと盗んだMSで走り出しても妙に感じないだろう。

それこそガンダムをパクっても。 寧ろガンダムってパクられる運命に感じてしまうんだが、妙だな?

軍の機密はどうなってんだ、機密は!

 

 

「いざとなりゃ、おじさんが宇宙を見せてやる。 これでも顔は効くんだ」

「そうだろうね。 だっておじさん、イヤラシイ顔してるし、軍警察とかに世話になってそう」

「そりゃねぇだろ!?」

「ふっ、ははは! その顔も面白いよ!」

 

 

時々俗物以下扱いされるのが、この任務の辛いところだな……。

代償に笑顔を見られるにしてもだぞ……。

 

 

 

ああさて。

まだ出会い頭の内の今、まだ中学といったところなんで、ビジョンに浮かぶ事件はまだ先だろうが、既に出るところはで始めて女のラインを強調していた。

俺の自宅部屋に貼った、彼女の古い写真とを見比べると、幼さに面影を残しつつ成長しているのが分かる。

 

 

「へ、へへへ……ここから理想通りの女になるってもんよ……!」

 

 

やっぱり俺、戦犯顔だわ。

よくマチュに近寄れたと、我ながら思うわ。

 

……汗が出るわ。 涙な気もするが。




後書き
常に羞恥心で削除の恐れ。
どこまで書けるか分からないのもあり。
妙な不安感、焦燥感もある中……。
シャリアブルはシャア大佐に遠慮して、あえて中佐に留まってる説。
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