ラインハルトの兄は魔女に魅入られている!   作:欠けたチーズ

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言葉に乗せられない気持ち

「俺の名前はナツキ・スバル! ロズワール邸の下男にして、こちらにおわす王候補――エミリア様の騎士!」

 

頭を抱えた

 

元々王都に来ること自体ストレスでどうしようもなかったレインにとってこの状況は胃痛案件そのものだ

 

止めに入るエミリアを横目にレインはため息をつき、現実逃避を始めていた

 

「スバル」

 

がすぐに助けを求めるようなエミリアの目と目が合い、スバルの頭を掴み上げる、スバルよりレインの身長の方が高いが故に、少し手の位置を高くすればスバルはつま先立ちになった

 

「なぁちょ!?」

 

「お前が何をしたか多分自覚ねぇだろ」

 

「何言って」

 

「…はぁ」

 

もう今日で何度目かのため息をつく

 

「取り敢えず黙れ」

 

騎士に喧嘩を売り終えたスバルを必死に黙らせようとする

これ以上火に油を注ぐわけにはいかないと

 

「何もしなかったレインに言われたくねぇよ」

 

「あ?」

 

レインの腕を掴み拘束から逃げたスバルは普段から悪い目つきをさらに悪くして睨みつけてきた

 

エミリアのフォローもアピールもしなかった、なのにスバルがでしゃばれば止めに入るその姿がスバルには納得が行かなかった

 

レインからしてみれば、エミリアの騎士をやっているのはロズワールとの契約だ、レインの目的を魔女殺しの手伝いをする、そのためにロズワールの目的を果たす、そのためにエミリアの騎士になれと言われたから形だけの騎士になっている、フォローもアピールも要らないと判断したからしなかったそれだけだ

 

この会話が聞くに耐えなかったのか、ユリウスが参戦してきた

 

ユリウスは騎士としてのあれこれが他よりあるからな

 

そう思いもうめんどくさくなったので全部ユリウスに投げた

ーー

 

王戦が本格的に始まった

控え室にいるスバルの元に行く

 

すでにラインハルトやフェルスも来ていたが、気にせず入る

 

「何考えてあんなことしやがった」

 

項垂れるスバルの心情を無視しそう口を開いた

 

「っレイン」

 

「兄様」

 

何とも言えない顔のスバルと不安げにそう呼びかけたラインハルトを無視して、答えを待つが

 

ユリウスがスバルを連れ出しせいで答えが聞けなかった

 

「チッ」

 

「兄様はスバルと仲がいいのですね」

 

「何処がだ」

 

「スバルの事を心配しています」

 

不満げな顔を見つめため息をつく

 

「止めれたやらかしを止められなかったからイラついてんだよ、あの阿保を心配する理由もねぇ、勝手に思い込むな」

 

それだけいい不満げな視線を無視してスバルの後を追う

 

ーー

 

執事服の上着を持つ

と言うか持たされた

 

「スバル」

 

「止めても無駄だからな」

 

「好きにしろよ」

 

壁に寄りかかり、ユリウスを止めようとしているラインハルトを眺める

 

アイツは人の心がいまいち分かってねぇ時がある、もしこれがなかったら、ラインハルトともっと話せたらもっと人らしく自由にいられたのか?

 

後悔の念を抱えながら右目を眼帯越しにを触る

 

「これより、騎士の誇りを汚した不逞の輩に誅を下す! 否やあるか!」

 

「兄様」

 

駆け寄ってきたラインハルト

 

「兄様2人を止めさせるのを手伝ってください」

 

顔も目も向けずに答える

 

「何でだ?」

 

「え?」

 

心底不思議そうに困惑した声が聞こえた

 

「スバルはこれを望んでいる、ユリウスだって同じだろ、止める理由がない」

 

「それでも僕は友人同士が傷つけあうのを見たくないです」

 

「ラインハルト」

 

久しぶりに名前を呼んだ気がする

それはラインハルトもそう思ったのだろう驚いたような顔をしていた

 

「止めるな」

 

だがその言葉を聞き嬉しさが混じった顔は疑問に塗りつぶされた

 

ここで止めて仕舞えば、騎士に恨みを買ったスバルが後々酷い目を見ると分かっていたから、目の前の光景を止めるより今後起きるであろう事を止めることを優先した

 

ーーー

 

ボロボロで気絶したスバルを運ぶ

 

悲しげな顔のエミリアを見つめ

 

「スバルが選んだ事だから止めませんでした」

 

それだけいい言われた部屋にスバルを投げ込み、あとはフェリスに任せた

 

ーー

 

レムには怒られた、なぜ助けなかったとか言われたが「スバルのお世話ができていいじゃねぇか」と言ったら納得した顔で何も言わなかった

 

アイツ本当に大丈夫か?

 

魔獣騒動以降、レムは目に見えてスバルに甘いそれはそれは心配になるほどだ

 

「レムはスバル君にあまいからぁね」

 

「王都に残り、監視あるいは世話役ですか」

 

2人しかいない部屋の中そんなことを話す

 

「そのとぉり、レムには何かあったらすぐに報告するよぉに言ってあるかぁら心配はいらないよ」

 

ロズワールの目的は分からない、だからこそ油断が出来ない

 

ーーー

 

と言うような会話をしたのが昨日だ

スバル達はカルステン邸宅にいる

レインは王都にある、アストレア家にいた

 

「だーかーらー!」

 

そういいラインハルトを指差すフェルト

突然部屋に押しかけたと思ったらこれだ

 

「アイツの兄なら!止めろよ!弟がドレス持って私を追いかけてんだぞ!」

 

「知らない見てない、見ない」

 

2人から目を逸らす

あの出来事があってから、いつもはこの家にいるだけで引っ付き虫かのように話しかけてくるラインハルトも少し距離を置いているように見える、いやフェルトの世話で忙しいのかもしれない

 

「フェルト様、あまり兄様を困らせないでください」

 

「お前がドレス着させようとしてこなきゃ困らせねぇよ!」

 

別陣営のフェルトと一緒にいるのは仕方がないのだ、ラインハルトがフェルトの後ろ盾となったのだから

 

2人の会話から目を逸らし紅茶を啜る

 

「何とかしてくれよ!」

 

助けを求めるフェルトを見て飲んでいた紅茶を置き、ついでにティーポットを持ち何処か静かな場所に向かう

 

「逃げんな!」

 

「別陣営に口出しすることは無い」

 

ーー

 

ラインハルトはしばらく家を空けるらしい、何でも遠い所での仕事とのこと

 

「…」

 

アイツはこれで幸せなのか?

 

邪魔な考えを振り払い剣を振るう

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