ラインハルトの兄は魔女に魅入られている!   作:欠けたチーズ

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目と目

 

レムに呼ばれたと言うことは何かあったと言うこと、急いでカルステンの邸宅向かった

 

通された部屋に行けば、壊れたスバルがいた

 

目の下に隈を作り普通じゃありえないほどに目を見開いていた

視界に入っても声をかけても反応がなかった

 

「…」

 

何があった?何を見た

 

嫌な汗が流れる

 

死に戻りを体験したとなればスバルは最低でも一回レインより先に死んでいる

 

「レイン様…」

 

どうすればいいのかと、答えを待っているレムを見る

 

「スバル君の魔女の匂いが酷くなってるんです」

 

「…」

 

なんて言えばいいんだ、どうすればいいんだ

スバルも魔女に魅入られて、巻き戻りが死なせたく無いための何かだとすれば、スバルは何回死んだんだ、壊れるまでこうなるまで

 

「メイザース領に戻ろう、責任は全部俺が負う」

 

「はい」

 

やっと出た言葉だった

 

ーー

 

竜車にスバルや荷物を乗せる

別れの挨拶をしているレムを眺め

 

「…」

 

何とも言えない顔でこちらを見ていた老人からすぐに目を逸らした

 

ーー

 

盗賊やらの心配があるため王都を出てから竜車の上に乗っている

来るとかしなかったのは戦力に余裕があったから、今下手に襲われればスバルが1番危険と判断しての行動だった

 

「よかったのか」

 

「何がですか?」

 

地竜の手綱を掴むレムの背を見て話しかける

 

「スバルの事、エミリア様に合わせると言う判断」

 

「言いたいことがわかりません」

 

手綱を握る力が強くなるのが見てわかる

 

「…お前はスバルに好意あんだろ」

 

「レムはスバル君が好きですよ、でも元気になって欲しいんです、前に見たいに笑って欲しいんです、だから」

 

「…悪かった」

 

口籠るレムにそれだけいい、あとは会話はしなかった

出来なかった

好意を寄せている相手は別の相手に好意を寄せている、それを目の当たりにして何とも言えなかった

 

あと少しでメイザース領に入るそんな時だった

 

「姉様?」

 

突然の反応に驚く

 

「何かあったのか?」

 

周囲を見張るために竜車の上から声をかける

 

「姉様に何かありました!早く、戻らないと!」

 

そういいスピードを上げるべく手綱を動かそうとした時

走る地竜の首が突然吹き飛び、引かれていた竜車は道を大きく外れ横転した

 

「っ」

 

突然のことにバランスも取れず地面にぶち当たる

地面に強くあたり転がり

 

意識が遠のく

がそんな暇はないと無理に体を動かす

 

頭から落ちる血

 

スバルに手を伸ばそうとする黒い服の人物

 

止めなきゃいけないなのに体は上手く動かない

鎖の音と共に手の伸ばそうとしていた人物は吹き飛んだ

 

「スバルくんには、なにもさせません」

 

必死に立っている間に次々と魔女教徒を倒していっている

 

「魔女教徒……ッ」

 

レムに加勢すべく剣を抜き、虫みたいに湧いてくる魔女教徒を切り刻む

 

切っても切っても囲まれていく

 

「スバル君!」

 

レムの叫びに周囲を見渡す、スバルの姿はなかった

 

「スバルを探しに行け!」

 

その言葉に頷き魔女教徒を薙ぎ払いながら走っていった

 

ーーー

 

手の感覚がない

 

膝をつき、折れた剣を見つめる

力が入らないもうまともに剣すら握れない

 

空を見上げれば夕焼けが見えた

それと同時に黒い装束が大勢見えた

囲まれている

 

何もできない、何もやれない

 

ただ何度目かの死を待つ、それしか出来なかった

 

ーー

 

右頬にある手が右目の方まで上がっていく

 

「知りたいのです」

 

眼球と瞼の間を細い指が入っていく

 

痛い

怖い

 

その2つが頭の中を埋め尽くす

 

「だから交換です」

 

嬉しそうに右目をくり抜きそれを見て笑っていた

 

その姿がただただ悍ましくって恐ろしくって

 

心に呪いとも言える傷を残した

 

ーー

 

「ひゅ」

 

呼吸がまともにできない

 

空気が口に入るが肺には届かない

 

「っ」

 

「大丈夫かよ」

 

自分の格好を見るに毎朝の日課をしている途中だと言うことに気づく、そしてフェルトが暇そうに見ていたことも思い出す

突然足をつき始めたからかフェルトが不思議そうに見ていた

 

「大丈夫だ…」

 

「本当かよ、顔色すげぇ悪りぃぞ」

 

「マナの流れがおかしくなっただけだ」

 

適当な嘘をつく、元々マナを一定量貯められないため、流れがおかしくなることもない

 

「ほーん、まぁ大丈夫ならそれでいいんだ」

 

それだけいい面白くなさげに去っていった

 

ラインハルトが今いないことに安堵する

 

ーーー

 

「毎夜の会談の内容は同盟締結について。こっちから差し出してる条件に関しては……一通り、レムから聞いてる」

 

「エリオール大森林の魔鉱石、その採掘権の分譲が主な取引き材料だな」

 

扉越しにそんな会話が聞こえてくる

あの後レムから連絡が入った、だからこの場に来ていた

 

「手つかずの採掘場の発見には飛びつかずにはおれませんよ。それが魔鉱石の出土と取引きで財を為した、しかし」

 

エミリアの騎士を名乗ったスバルならば、信憑性があっただろう、だがその前に騎士がいなければの話

 

「信憑性の話なら俺が保証も責任も取る」

 

ラッセルの言葉を被せるように部屋に入る

安心したような驚いたような顔のスバルが見えた

 

「お前が呼んだんだろ何驚いてやがる」

 

「本当に来るとは思わなかった」

 

ため息をつく

信頼されていないのか、記憶がないだけで何か一悶着あったのかと考えてしまう

 

「エミリア様の騎士でロズワール様に雇われて、落ちこぼれだがアストレア家の長男だ、信じられるくらいの肩書はある」

 

と言えば納得したような顔をして頷いていた

 

「最悪片目で何とかなるし」

 

「今さらっとすげぇ不穏な言葉が聞こえた!」

 

もし責任を取る羽目になってもロズワール相手ならば片目を渡すだけですむ多分

 

実際ロズワールはレインの右目に執着している、それを知っての発言だった

 

 




体の一部を交換するネタ好きなんですよ
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