ラインハルトの兄は魔女に魅入られている!   作:欠けたチーズ

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たったた

「…なんかあったのか?」

 

数時間前とは違い迷いの晴れたような顔に驚きそう声をかけてしまった

 

「そうだな、レインの言っていたことは正しいってことが分かったのと、尻を叩かれたって事ぐらいしかないな」

 

「魔女か」

 

「いやお前なんでこれだけで分かるんだよ」

 

魔女関係、適当に言ったがあっていたらしいとりあえずスバルの足を引っ掛け尻餅をつかせ、見下ろすような形を作る

 

「契約したのか?」

 

「してねぇよ!てかなんだよ急に!」

 

「よかったな、ちゃんと忠告聞けたのか」

 

契約していたらこのまま気絶させて、縛り上げようと思ったが契約してないならいいそう思い手を差し出し立たせる

 

「契約していたら、無理矢理にでも破棄させようと思ってな」

 

「お前は魔女に何をさせられたんだ」

 

「聞くな」

 

冗談混じりに言い放つスバルに真剣に答える

 

「それは二度と聞くな」

 

「お、おう分かった」

 

レインの真剣な面持ちにそう答えるしか出来なかった

 

ーーー

 

どこかに行ったと思えばそんなことを言いに戻ってきた

 

「屋敷の襲撃を指示したのはロズワールだった」

 

そう言う割にはどこか吹っ切れたような顔

 

納得がいった

エルザが王都で誰かに頼まれ徽章をフェルトに盗ませたのも

今屋敷を襲っているのも、この考えで行くならば魔獣騒動もロズワールの指示だろう

 

だが疑問は何故そんなことをする必要があるのか

 

「…あエミリア様か」

 

ロズワールの疑問よりも吹っ切れた顔の理由がわかった

 

「え、なんだよ急に」

 

怖、とでも言いたげに見つめてくる

 

「とんでもないことを言いに来た割に、吹っ切れた顔してるから、なんだと思ったんだが、合ってるだろ」

 

「…怖」

 

心配しているのにそう言い放つ姿に腹が立ち頭を掴み上げる

 

ーー

エミリアはスバルが

ガーフィール達はオットーとレインがどうにかする事になった

 

「ですが問題はロズワール辺境伯殿です」

 

スバルはリューズさんと話に行ってしまった、2人での話し合い

 

「まだ邪魔しねぇと思うぞ」

 

「どうしてですか?」

 

記憶にある限り、ロズワールが派手に動いた記憶はない、大兎の際も誰かが魔法を使った痕跡すらなかった

 

「さぁ俺が聞きてぇ」

 

何が目的なのか相変わらず分からない

 

そんな考えを知らずオットーは不安げにレインを見つめていた

 

「…不安なら足止めしとくが」

 

戦力的にそれはどうなのだろうかと考える、獣人化したガーフィールは強いオットーなんて触れただけで死ぬだろう

 

「それはそれで戦力が…」

 

「じゃそこら辺は何とかしとく」

 

ガーフィールを止めたとして、大兎を呼ぶためにロズワールが必ず動く、それを止めるあるいは足止めをしなければいけない

ガーフィールを止め終わったら急いでやりに行こうかと思っていてが、ここで順番を変えても大して変わらない

協力してくれそうな人物に心当たりがあり、あたることにした

 

ーー

 

1人になったタイミングを見て話しかけにいく

 

「バルス達がコソコソ悪巧みをしていたのは知っていたけれども、それにレイン様まで加わっていたのは知らなかったわ」

 

「そうかよ」

 

呆れた、とでも言いたげなラムの顔

 

「ラム協力する気はないか?」

 

「ラムはロズワール様にお使いしている身」

 

「魔女から解放できるかもしれない、と言えば」

 

ロズワールが魔女に執着していることは付き合いの長く、聖域を何度も出入りしている出あろうラムなら当然知っているだろう

 

そしてラムはロズワールに気があるのもレインは知っていた

 

「…」

 

「協力する気になったらオットーあたりに声をかけとけ」

 

「レイン様は、案外周りを見ているのね」

 

ラムにとってレインと言う人間は周りにも自分にも興味がなさげな人と言う印象が強かった

ラムにロズワールを魔女から解放できるかも、と言った時点でラムがロズワールに気があることも見抜いていると言うことに気づいた

 

「…さぁな」

 

めんどくさげに去っていく背を桃色の瞳はただ見つめていた

 

ーーー

 

「何だお前泥遊びでもしてたのか?」

 

集落で見つけたオットーの姿は泥まみれだった

 

「違いますよ!」

 

「そうか、戦力の方は何とかなりそうだ」

 

ロズワールの方にレインが行くとなると不安になるガーフィールへの戦力問題それを何とかなると言い放ったレインにオットーは期待を込めて見つめる

 

「アイツも馬鹿じゃないしな」

 

きっと今日中にはオットーに話しかけに行くはずだ

 

ーー

 

問題の5日目

 

エミリアがいなくなったそんな話をスバルから聞いて焦りはしたが、それよりも今は

 

「君と私の仲じゃなぁいか」

 

集落から少し離れた森の中

 

「…」

 

大兎を呼ぶロズワールの足止めをする

 

「魔女に執着する同士といいたかったのだ」

「違う」

 

「俺は魔女に執着してない」

 

レインの否定ようをみてピエロメイクをしていても分かるほどに笑っている

 

「弟の方と違い私を止められるとは思えないが」

 

「弟と比べたら駄目だろ」

 

剣を抜く、ロズワールの周りには色とりどりの光が飛んでいる

 

「君は殺せないのが厄介だ」

 

「それは俺も思うぜ」

 

ロズワールの目の前で死んだ記憶はない、殺せないと言っているのは利用目的なのかそれとも知っているのか分からないが、襲いくる魔法を避けつつ剣を当てようとする

 

ーー

 

痛い

 

体の色んなところから血が出ている

立つのがやっとで

 

最近不意打ちか、自分以上に強い奴ばっかだな

 

不満を心の中で垂れつつ、目の前で余裕そうに立つロズワールを眺める

 

「君はスバルくんとは違う方向で私と同じだ、魔女に執着している」

 

「残念だが俺は執着しねぇよ、何度だって言ってやるそこだけは譲れない」

 

息切れをしながら吐いた言葉にロズワールはただ笑っていた

レインが魔女に執着していると言うならばそれは殺すためだ    

だがロズワールの言う執着()とレインの執着(殺意)はまったくの別物だ

 

「いい加減気づいたらどおだぁい」

 

「っ!」

 

淡い光がレインに向かって放たれた、避けることもできず眺めることしかできなかった

 

ーー

 

文句を言おうスバルに

アイツは無茶をすぐする頼られるのは別にいいだが俺にできること以上は無理だ

 

夕焼け空を眺める

 

どうやら死なずに済んだらしい、その代わり身体中が痛く今にも死にそうだが

ロズワールの足止めは見事に失敗した、いや桃色のメイドからしてみれば成功だ

 

「…はぁ後は任せるからなラム」

 

ラムに頼まれたことの一つ、ロズワールの足止めをすると言ったら

「レイン様がロズワール様を倒すことなんて無理だと思うのだけれどもラムはロズワール様を解放したいの、だからマナを削るだけ削っておいて欲しい」

 

最初っから倒せることを期待されていない、そもそもレインも倒せないと思っているが

それにロズワールのマナ量すら知らないし、どれだけ削れたのかも分からない、レイン的には雪を降らせられないほど減ってほしいが、それは無理だろう

 

「…はぁ」

 

ため息をつき立ち上がる

歩くたびに血が落ちるが気にせず歩く

 

ーーー

 

墓所の前

 

スバルはエミリアに、ガーフィールはラムに膝枕をされている

 

「…」

 

「ちょ!?レインさん!な!え!」

 

指を刺しオットーに説明を求めるが、それよりも血まみれのレインに驚き使えない

 

「はぁ」

 

普通血を垂れ流している知り合いを見つけたらこうもなる

 

ーー

 

落ち着きを取り戻させ状況を簡単に聞く

 

「まぁガーフィールの方は上手く行ったみたいだな」

 

「はい、ちなみになんですけど辺境伯の方は」

 

「見ての通りボロ負けだ」

 

死んでないことが奇跡みたいなほどに血まみれの体を見せる、手を軽く広げ見せたがまだ完璧に血が止まっていなかったのか血が地面に落ちていく

その姿を見てオットーは顔を顰める、ガーフィールよりも厄介な相手を1人で任せてしまったそう言った後悔ができてしまった

 

「…オットーよくやった」

 

それだけいい目を覚ましたスバルの元に歩いて行った

レインなりの気遣いだった

 

「…よくやったって…子供を褒めるみたいじゃないですか」

 

届かない文句を垂らす

 

レインの姿を見て驚き声を上げる男女の声が墓所の前に響いた

 

ーー

 

ガーフィールが試練を受けることになり、出てくるのを待っている間、エミリアから治癒魔法をうけ、血は完璧に止まった

 

「お前…よく生きてたな」

 

「不思議だな」

 

それをお前が言うのかと思ったが口に出すことはエミリア達がいる今出来なかったので適当に答えた

 

「レイン様」

 

「できる限りのことはやったぞ、何発も容赦なく魔法撃ち込まれた多少はマナも減ったろ」

 

傷だらけの状態の体を広げ見せる、傷は治ったが服は焦げていたり濡れていたり切れていたりと魔法を受けた痕跡がよくわかる

 

「ええ、あまり期待はしていなかったけれども、上出来ね」

 

「あーはいはい」

 

オットーから聞いていた話ではかなり負傷していたと言う話だったが、相変わらずの言いように、鬼族だからと言う考えよりもやっぱりラムはラムだなと言う安心がきた

 

ーーー

 

ガーフィールが出てくるまでの1時間最初の会話以外誰も話さなかった

墓所から出てきたガーフィールの顔はつきものが落ちたように見えた

 

「ガーフ。どうだったの?」

 

「目に見えて、どうだッつー成果はねェな。こんなもんか、って気はするけどよォ」

 

「なんか万引き自慢する中学生みたいな発言に聞こえるけど、そういうこと言い出すってことは……やったのかよ?」

 

「――区切りァ、付けてきたッつもりだ」

 

ガーフィールは『試練』を超え過去と決着を付けたと言うことだ

 

試練てのはどんなものかは分からないでも

 

白髪の魔女エキドナを思い出す、少し話しただけでもわかる、そもそも魔女と呼ばれているのだから察しはつくエキドナの用意する試練の厳しさを

 

それを乗り越えたガーフィールと見るからに弱って言っていたのにまだ乗り越えようとするエミリアにレインは尊敬の念まで抱いていた

レイン自身過去を見せられたら乗り越えられる自信が無いからだ

 

ーー

 

エミリアが試練を受けに墓所に入って行った、その姿が見えなくなったあたりで、屋敷を襲撃しにくるエルザ達を迎え撃つ、そのための話をし終わった

 

「お前すごいな、こんなにボロボロな人間をさらにボロボロにさせようなんてお前いつか歴史に名前残すんじゃねぇの?悪い意味で」

 

屋敷を襲撃するエルザを止めなければいけないがそれと同じくアーラム村に襲いくる魔獣達をどうにかしなければならない

エルザをガーフィールに任せるとして、頼れる戦力は今レインしかいなかった、それについてレインはさっきの鬱憤も合わせて文句を述べていた

 

「頼りにしてるからな、レイン」

 

「死んだら、部屋にある物は燃やしといてくれ」

 

「死ねないんじゃねぇのかよ!」

 

ため息混じりの言葉に、よく言っていた言葉を返す、スバルは何か目的があって死ねない発言だと思っているが、実際は言葉通り死ねないだけ、それを知っているレインはただの嫌味や冗談として言っていた

 

「レインさんの隠したい物は燃やさず色んな人に見せて回ったらレインさんも死に切れないのでは?」

 

「お!いい案だな」

 

「俺様も手合わせしてみてぇから!死なれちゃ困るしそうしようぜ!」

 

「考えが最悪だな、お前ら」

 

オットーの発言に便乗する2人

無視し続けていた胃の痛みに顔を歪める

 

ーーー

 

胃が痛いんだか、体の何処かが痛いのか分からないが取り敢えず痛みに耐え目に入る魔獣達を切り刻む

 

「…は?え、はあぁ!?」

 

木々の隙間から遠くに見えるロズワール邸が燃えていた

 

その光景に柄にもなく二度見どころか三度見ぐらいしていた

 

ーー

 

「スバルはどこ行きやがった!!」

 

村人を非難させ終えある程度魔獣を借り尽くしてからロズワール邸の前に行けば、オットーやペトラと言ったら知っている顔や村人らしき人間たちまでいたがその中、スバルの姿もない、スバルが助けると意気込んでいた精霊の姿もないが、それよりもレインの鬱憤が爆発した

 

「屋敷まで燃やしやがって!アイツ何考えてる!?」

 

このままスバルと出会えば問答無用で切り捨てそうなほどの勢いに恐怖よりも驚きが来ていた

 

「その、スバルじゃなくって、スバル様は屋敷を燃やしてないよう」

 

恐る恐る手を上げそう言い放ったのは寝巻き姿のペトラだった、そして隣にいたオットーを指差し

 

「オットーさんが燃やしたの、だからスバルを怒らないであげて」

 

「え!?ペトラちゃん!?」

 

「…はぁ」

 

「違いますからね!仕方なく!仕方なくなんですよ!」

 

たった今、レインの中ではまともな人間のオットーでさえスバルと同じ何しでかすか分からない人間の仲間入りになった

 

「オットー様、ガーフはどこにいるか分かりますか?」

 

青い髪の三つ編みの少女を抱えて、合流したフレデリカは焦りながらオットーに問いかけていた

 

「ガーフィール?…まさかまだ」

 

そういい炎に包まれる屋敷を見ている

走り出しかけたフレデリカを止め、屋敷に走る

 

「待ってろ!」

 

井戸があった場所に向かい水を被る、炎ではない損壊がある場所に向かう

 

ーーーー

 

見つけたのは、倒れているガーフィールと魔獣の死体

 

「…おい起きろ」

 

「っ」

 

地霊の加護持ちとは言え回復には時間がかかるのか地面に倒れ込んでいる

今日で何度目か分からないため息をつきガーフィールを抱え走る

 

「あ?何しやがっるんだ!」

 

「黙ってろ」

 

「このままじゃあお前も」

 

炎に包まれた屋敷からの脱出は不可能そう思っているのか、そんなことを言わらが、レインの中にガーフィールを見捨てると言う選択肢はない

 

屋敷の庭が見えた、若干芝生にも火は燃え移っているが

 

音を立てて崩れる屋敷、このままではガーフィールの言った通り2人も死ぬ事になる、だからレインがきたのだ、やり直しが効くレインが

 

「は」

 

ガーフィールを芝生目がけ投げる、数時間前聖域にいた時には考えられないような間抜けな声が聞こえた

ガーフィールが芝生に顔面から着地したのを見て、燃えた柱に押し潰される

 

ーー

 

肌が熱にさらされる、皮膚が焦げ肉が焼かれ

空気が吸えず、うまく息ができず苦しくって

 

「…ははは…何でいるんだよ」

 

燃える屋敷には見合わない白い布を纏った少女

柱に押しつぶされギリギリ上半身が出ているレインを愛おしそうに見つめていた

その姿に極度な緊張や不安恐怖を覚え、笑みが出ていた

 

「近くを通ったので様子をと思った次第です」

 

そう言い放ったパンドラに唖然としながらも息がしづらい中答える

 

「…帰れよ」

 

もし、ガーフィールがオットー達と合流し屋敷にレインが残っていると分かったならば助けに来るそう分かっているから必死に引き離そうとする

 

「大丈夫ですよ、レインの知り合い方にはお会いしませんから、今日は」

 

「ずっと会わないでくれ」

 

「悲しいことをおっしゃいますね」

 

しゃがみ込む、不思議な事にパンドラの身に纏っている布や、白金の髪は燃えることはなかった

 

「私は危機に陥ったレインを助けに来るほど愛しているというのに」

 

「…誰のせいで」

 

こんな無理をする選択肢ができた、そう言いたかったがやめた

 

口ごもるその姿を見て楽しそうにレインの頬を撫でる

 

「レインさん!」

 

遠くからオットーの声が聞こえた、もう来てしまったらしい

 

「時間みたいですね、残念ですが今日はここで」

 

頬を撫でる手を離し、立ち上がる

 

「次会う時は」

 

ーーー

 

燃える屋敷、天井がなくなり星がよく見える

 

「無理しすぎですよ!」

 

水を被っているのか濡れているオットーに担がれながら崩れゆく屋敷から脱出する

 

権能を使われたのか気づいた頃には無傷で燃える屋敷の中立っていた、その後煙を吸いすぎ死にかけていた時オットーに見つけられる今に至る

 

「…」

 

次会う時は…何だよ

聞き取れなかった言葉、碌なことはないだろう

 

嫌になる

ハッピーエンドに決まりました!

  • ラインハルトルート(和解)
  • パンドラルート
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