アイツの顔を見ても吐きそうにならなかったこれは大きな成長だ、聖域に向かう竜車の中誰も話さない気まずい空気の中そんな現実逃避をかます
「んで、助けた」
隣にいるガーフィールから聞こえた弱々しい声
燃える屋敷の中助けに行ったことを書かれて居るのだろう、ため息をつき答える
「お前が俺より年下だから」
「それだけで!」
死んでいたのかもしれない
年下だから、それだけで命懸けで助けるのかと抗議しようとしている姿に、めんどくさげに指を刺し言葉を被せ言い放った
「いいかガーフィール、お前はまだ成人もしてねぇ餓鬼だ、そんなお前にエルザを任せて死にかけたら見捨てるなんてクソッタレみたいなことはしねぇんだよ」
まともに戦えるのがガーフィールしか居なかったからの消去法だったが、任せたならば責任も持って助けるそれが年下なら尚更だ
唖然とし、固まるガーフィールにため息をつく
いまいち納得いってなさげなガーフィール顔に何を言えばいいかと頭をひねるが、答えは出なかった、出してはラインハルトに悪いそう思ってしまったから出さなかった
無言のまま聖域に着くのを待った
ーーー
オットー達よりもひと足先にスバル達がいる聖域に向かう
騒がしい声が聞こえ、その声にため息をつきつつ向かう
「あの…だから」
スバルと話している途中だったらしい、様子が少し変なことに疑問を持つ、スバルは慌てたように手を振り何かを必死に説明しようとしている、そして口籠るエミリア、顔は赤くなっていた
「あ?」
その様子に不思議に思い声を出してしまった、その声に反応してスバルが勢いよく振り返った
「レイン!丁度いいところに!」
振り返ったスバルの顔も赤くなっていた
「そのだから!私とスバルの赤ちゃんの話を」
最後の方は弱々しく言い放った言葉だった
「すげぇなお前いつヤったんだよ」
エミリアの発言を聞いスバルの方を見て感心してしまう
「違う!エミリアちょっと一旦落ち着こうか!間違いが誤解を生んでいる!」
あんな時間が無い中、と感心し始めるレインに焦りながらも必死に誤解を解こうとしているスバル
「だって、スバルと…そのちゅ、チューしたから!」
「…は?」
エミリアの言葉に驚き固まる
「だから!エミリア!チューで子供はできないって」
口籠もりながら言ったエミリアの発言にレインの誤解が今解けた
「よし、スバル俺を殴れ」
「お前も落ち着け!」
エミリアの純粋さに自分が恥ずかしくなった
スバルが行動に移さないのを見てレインは自分の頬を思いっきり自分で殴った
元々の傷に加え、手加減なしで自分を殴ったせいで雪の上に倒れ込む
「レイン!?」
「落ち着けって!」
地面に倒れ込むレインを心配そうに見つめる2人
「…」
自分の唇を噛み、何とも言えない気持ちを抑え込む
「レイン大丈夫?」
「…今はそっとしておこう、レインは今エミリアの純粋さと自分の心の汚さに苦しんでいるから」
案外平気そうだと判断したのかそんなことを言い、エミリアの肩にそっと手を置いていた
事実なので言い返せず冷たい雪の中空を見上げる
ーーー
聖域で全員の無事やロズワールのケジメなど終わらせ、屋敷に戻ってきた
ロズワール邸があった場所を眺める
火は消え、燃え残った木や石膏などが黒く残っていた
物が焼けた時の独特な匂いが鼻を掠める
ここに戻ってきた理由は2つある1つはエルザの生死を確かめるため
もう一つはレインがスバル達に死んだら燃やしておいて欲しいと言った物を探すため
レインの部屋があったであろう場所の近くを探す
瓦礫はてこの原理を利用してどかす
「…」
遠くでスバル達が集まっているのが見える、おそらくエルザが見つかったのだろう
数時間探しても見つからずそろそろ諦めようかと考え始めてた頃、何かに躓いた、転ぶことは無かったが、躓いた原意を目で追う
所々黒く焦げができ、少し穴が空いている、何かのお菓子の缶の入れ物のだったのが分かる
それを見て急いでそれを手に取る
「見つけた」
探していた物をやっと見つけ、安堵するが予想通り前持った時よりも軽いことに、ため息をつく
元々この缶に入っていたのはラインハルトからの手紙やら贈り物だ、いっきにまとめて処分すると言う言い訳付きで溜めて隠していた物だ
硬くなった缶を無理やり開ける、風に乗り灰が舞い散る
何とも言えない気持ちで、灰を見送る
「…はぁ」
ため息をつき缶を捨てようとした時缶の底に何があった、手に取り見てみてば、数年前にラインハルトからもらったブローチだった真っ黒に焦げ一部燃えて金属部分しか残っていない
元々は青い飾りが付いていた綺麗なブローチだったが今は、青い部分もなくただ焦げた金属の塊をポケットに入れ、スバル達の元に向かう
ーーー
赤い絨毯、並べられた無数の蝋燭、何度か来た事があるが全てにおいて良い思い出も悪い思い出もなかった場所、だが今日は良い思い出としてこの場所を記憶に残すことになる
壁際に並ぶ、屋敷の関係者
普段は見るのすら嫌な、白い騎士服を見に纏う
普段着慣れない礼服のせいか、首周りがきついのかずっと気にしているガーフィールが目に入る
「騎士の授与が終わったらボタン1つ外していいぞ」
「おう」
人が多いこともあってか普段より大人しい姿に、借りた猫と言う言葉が頭をよぎる
ガーフィールの隣のオットーを見る、着こなせてないのに気付いていない風なオットーの滑稽さが際立って見える、先ほどからスバルがオットーをチラチラ見ては肩を必死震わせている理由がよく分かる
今この瞬間からレインはエミリアの騎士だった人間になる
そして、エミリアの騎士はスバルになる
エミリアは騎士が2人いてもいいと言ったが、それを拒否したのはレインだった、スバルのためではない、ただ自分の為に騎士を降りた
燃える屋敷でパンドラと何度目かの再会をした日から考えていた、このままでは主人であるエミリアに何かされるのではないかと、自分の心を守りたいが為にエミリアから距離を置く事にした、それだけだった
と言っても、今後騎士になりたてのスバルの補助をしなければならない、肩書きが無くなっただけでやる事は今までと変わらない、仕事も減らない何処ろか増えたのだ
「スバルゥ」
さっきからスバルの元に行かないように、捕まえている精霊が鳴き声かのように、自分の契約者の名前を呼んでいる
「スバルにとってもいい事だ、大人しく眺めてようぜ」
「むっ!分かっているのよ」
拗ねたようにそういい頬を膨らましている
ベアトリスとはあまり関わりが無かった、扉渡りすらも破ったことが一度もなかった、屋敷に来て数日目に食堂で顔を合わせ、自己紹介した以来の会話だった
ーーー
スバルが騎士になることで、レインの仕事が増えるが、今この状況、それは悪いことではなく良い事として考えていた
スバルの頑張りを知っている、どれだけ足掻いていたのを知って居る
だからレインからしてみればこの状況は喜ばしいことだった
普段は飲まない酒に口をつける
成人になり立場的に飲まなければいけない場があり、酒が弱いと言う事がその場で分かった事があった、それから酔った勢いで契約の事などを話すんじゃないか?、ラインハルトと昔みたいに話をしてしまうんじゃないか?気付いていないだけで父親と同じ酒癖が悪いのでは?と不安になり、避けてきたがレインも喜ばしいこの状況に気が緩んでいた
テラスに目を向ければスバルが1人感情にで浸って居るのかこちらを眺めていた、その隣にはベアトリスの姿はなく、周りを見れば着飾ったペトラと楽しげに話していた、400年生きた精霊と聞いていたが此処だけ見れば、ただの幼女だ
「お前飲むの早くね?」
「そうですか?」
空のグラスに高そうな酒を注ごうとしているオットー
レインがグラス半分飲むのに対してオットーは三杯も飲んでいた
呂律もちゃんと回っている、若干頬が赤くはなって居るが
「レインさんが遅いんじゃないですか?」
そういいくすくすと笑っている
あまり飲み慣れていないので、一瞬オットーの言い分が正しいのか?と思ったが、父親と同じペースなので自分が正しいと考え直した
「早く酔い潰れろ」
「何ですか!いきなり」
自分よりも酒に強い事に若干腹が立った
「羽目外しずきんなよ」
「分かってますよ」
そう言いながらもグラスに酒を注いでいる姿に危機感を覚え、今残って居るグラスの酒で飲むのは最後にすることを決めた
見て居るこっちがヒヤヒヤする
ラインハルトから貰った物は全部「後で捨てる」と言う言い訳で大切にしまっていた。
ハッピーエンドに決まりました!
-
ラインハルトルート(和解)
-
パンドラルート
-
どっちも