エミリア達は流れのまま会話を楽しむ事になった
レインは気まずさから逃げ、行くあてもなく街を徘徊していた
ガーフィールに兄呼びされてるの見られた
頭を抱え込みたかったが、人も多いいのでやめる事にした
レインは出来ることならばラインハルトだけの兄としていたい、だからスバルに兄様も嫌がり、ガーフィールの兄ぃ呼びもやめさせたかった、がすぐに諦めたのはガーフィールの弟属性に負けた
「あ?兄ちゃんも来てたのか?」
すれ違った金髪の少女がこちらを見て言った気がしたが、気がしただけだ、気のせいだそうであれ
知ってる声を無視して足を進める
「おい無視してんじゃねぇ!」
「っ」
背中に蹴りを入れられる流石に止まり振り返る
ラインハルトが来ていたことから想像はついていた
「フェルトサマお久しぶりで」
最初に出会った経緯がどうであれ、今は王戦候補者敬意を忘れてはいけない、少し片言になった部分もあるが
「その話し方やめろ、変にゾワっとする…でアンタが居るってことは姉ちゃん達も来てるんだろ?」
「エミリア様方は今は宿に…」
宿に、と言った時点で目つきが変わった
手を掴まれる
「じゃ私を宿まで案内してくれよ」
来ているとだけ言って別れればよかったと後悔している
ーーー
「そろそろ手を離せ」
王戦候補者も敬意も、今となってはどうでもいい、早く手を離してほしい
宿の前に着いたと言うのに手を離そうとしないむしろ中に引き込む勢いだ、と言っても力的に勝つのはレインだ、腕を引っ張られているだけで済んでいる
帰宅拒否する犬かのように宿の敷地内に入るのを嫌がっている
この流れ的に、王戦候補者が揃っていてもおかしく無い、ならばならばだ、ラインハルトは確定でいる、父親がプリシラの陣営に入ったと言う話も知っている、クルシュ陣営であるヴィルヘルムもきている可能性がある
ならばそんな家族が謎に集まっているだろう気まずい空間に入りたく無い
「何でそんなに嫌がるんだよ!」
全体重をかけて引っ張ってくるが、流石に幼女には負けない
いや待て、家族が集まっているとしたら、ラインハルトは大丈夫なのか?
祖父に詰られた事があり、父親からも嫌われている、そんな大切な弟を1人にしていいのか?
そんな考えがよぎり、重い足を一歩前に動かす
突然動いた事に不思議に思ったのか見つめてくる赤い瞳
「何を企んでいるかは知りませんが乗ってやるよ」
取り敢えず心配で向かうことを隠す為、なぜかムキになり宿に向かわせようとしているフェルトにカマをかけてみれば、牙を見せ笑っていた
何企んでいたんだよ、この人は
「しけたツラした奴と出来れば飯は食いたくねぇんだよ」
言っている意味が分からず首を傾げる
「だからその顔を変えるためにだ」
宿の中、靴を脱ぎ段差の上に登りさっきとは違う少し高い目線で見つめている
「兄ちゃんアンタにラインハルトと仲直りしてもらうぜ」
「…」
その言葉に驚いてしまう、フェルトはラインハルトのことを嫌っているそう思っていたからだ、しけた顔をして飯を食うのをやめさせるためにと、別々に食べるという発想は無かったのかと考えるが、だが
ラインハルトの主人がフェルトで安心してしまっている方が多かった
「…俺は協力しませんよ」
靴を脱ぎ上にあがる
「あ?何笑ってやがる」
そういい足を蹴られるが特に痛くは無い
「さぁな」
ーーーー
どこで話し合いが行われているのが分からず、宿の者に聞き、案内された変わった扉、襖と言うらしい、それをフェルトは迷わず開けた
心配と裏腹にいたのはクルシュ陣営(ヴィルヘルム不在)とエミリア陣営、アナスタシア陣営
だけだった、心配事に登場した可哀想なラインハルトはいなかったのだ
軽く部屋にいる面々に対して会釈をする
「へー、なんだ一思っていた以上に揃いしてんじゃねーか、兄ちゃんところとカララギ弁の姉ちゃんのとこだけだと思ってたんだけどな」
「何でレインも?」
「案内させられた」
さっき別れたばかりだと言うのに案外早い再開に驚いているスバル
「なんだ、あんまし見た目変わってねーのな。一年ぶりだからそれ期待してたのに面白くねーなー」
「…俺なりにやったつもりだったんだけどな」
「え?レイン的には俺はまだ変われたってこと?」
フェルトの言う通り見た目は変わってない、スバルが案外着痩せするせいと、思った以上に筋肉が付かなかったのが想定外だった
見た目は一年前と大して変わらないただの青年だ、内面はかなり成長したのだが
「フェルト様」
ラインハルトがフェルトをまっすぐ名を呼んでいた
さっきの話しの続きを聞こうとスバルが問い詰めているが知らない
「竜車の中で用意したはずのお召し物、どうされたんですか?」
「はん! 観光なんて方便に決まってんだろーが。ああ言ってテメーを先に宿にいかせて、その間にソッコーで着替えたんだよ。誰があんな着てるだけで全身が痒くなるよーな格好してられっか。いい加減にアタシの性格をわかれ!」
「本当にあなたという方は……」
案外楽しそうな姿に安堵する
フェルトは何だかんだ面倒見がいいな、ならもし俺に何かあっても、精神面でラインハルトを…
最悪の考えが頭によぎりすぐに考えるのをやめた
ーーー
話し合いも終わり、やる事もなく
いつもならばガーフィールの稽古の相手でもしているのだが、そんなことをしては宿側に迷惑がかかる
どうしたものかと悩んでいた時
「レイン」
声をかけられ振り向く
「お前いつも騎士服きてんな」
「騎士として当然だ」
そういい微笑むユリウスの姿
ラインハルトやフェリスでさえ今は私服だ、呼び出した陣営としては正装として着るのは正しいのだろうが、怠惰討伐の際も着ていたことを思い出し、レインの中でユリウスは私服がクソダサいか、買いに行けてないと勝手に結論付けた
クソダサいのはヨシュアが許さないだろう、私服が買いに行けてない?ヨシュアが選ぶ可能性もある、などと言った考えは除外する事にした
「それで何だ」
「用事が無ければ呼んではいけないのか?」
何だこいつ?
口には出さないが、顔には出ていたらしいユリウスの口角が上がった
「暇そうだったからね、温泉に入ることを薦めようと思ってね」
「…お前なんか企んでるだろ」
若干様子がおかしく、問い詰めればさっきまでの笑みは消え、焦ったような顔になっていた
「…君は案外人のことを見ているんだね」
「…」
ラムにも似たようなことを言われたな
ため息をつく、そう思われているなら別にそれでいい、逆に都合がいい
「何企んでたかはしらねぇし興味もねぇ」
それだけいいさっさと歩き出す
温泉に何かあるのか、それとも
しばらくは部屋に引き篭もるか
そう結論を出してからは早かった、用意された部屋に向かい始めていた
「兄様」
名前を呼ばれ襖を開けようとしていたてが止まる
振り変える
相変わらず変わりない姿のラインハルトが見えた
何か言葉を出そうとしている姿に、首を傾げつつ、声を掛けようか悩んでいた
「兄様その、一緒に温泉に行きませんか?」
期待に満ちた目、だが
「他を誘え」
そう言うしか無かった
襖に手を伸ばそうとした時、地面に向かって下がっている手を、袖を掴まれた
「だめ、ですか?」
捨てられた子犬のように言い放つ姿
絶対スバルが何か変なこと教えやがった!
普段のラインハルトならしない行動を見せ、混乱する頭で正解に辿り着いた
だがこの可愛らしい弟からのお願いもレインは断らなければ行けなかった
こんな事ならユリウスの奴言えよ!?
言い訳を考える時間が出来たというのに
「ああ」
言い訳が出て来ない今、断るしか出来なかった
ーー
しょぼくれた顔のラインハルトが去ってから数分
とてつもない罪悪感に苛まれていた
部屋にいるのも、落ち着かず廊下を歩き回っていた
木出てきた地面を歩き、月が見え、いつもとは違う新鮮さ…
ーーー
気まずさから皆との夕食も断り
朝日を見つめる
「…」
肩を落とし、昨日の後悔を抱える
ーー
ガーフィールは昨日の時点で宿から出たのは知っていた、だが
手に持った小袋を見つめる
もしもの時ようにとフレデリカから持たされていた財布だ
これを置いて出て行ったということはガーフィールは無一文、ガーフィールのことだから上手くやっていけているとは思うだが
食べ盛りに一食抜くのは可哀想、そう思い宿を出る
「ビィクトリー!」
宿の扉を出てすぐ、開けた場所でラジオ体操をしていたスバル達が見えた
すぐ近くに座っているベアトリスと桶を抱え顔色の悪いオットーも見えた
「…」
オットーの方が年下だが、こうはなりたくないと常々思う
「よう、レイン珍しいな、ラジオ体操に参加しにきたのか?だが残念もう終わったぞ」
「ちげぇよ」
レインは一度もラジオ体操に参加したことはなかった
「何処か行くの?」
「ガーフィールを探しに」
「レインって案外心配性なんだな…」
「その微笑ましい顔をやめろ」
軽くスバルの腹を突く、座り込んだがいつものことなので気にしない
駆け寄ってきたベアトリスには悪いとは思うが
「すごーく心配さんね」
「きょうびきかねぇ」
ガーフィールのことを信頼していると思われ始めている事に焦り小袋を見せる
「それは?」
「フレデリカが持たせていた財布です」
「じゃぁガーフィールは今無一文なのかしら?」
「はい」
さっきまで微笑ましそうだった顔は若干心配した顔に変わる
「少し探してきます。朝食の時間までには戻ります」
昨日は夕食時に顔を出さなかった、流石に朝食までとはいかない
見送るエミリア達を背に歩き出す
ーーー
ガーフィールは見つけ出すことはできなかった
宿に戻っているとも考えられないが、一旦戻る事にする
「…」
宿の前に立っている赤髪の男を見て足をとめた
「…何をしているので?」
驚いたような顔で見つめている、手には酒瓶が見え、少しだけ悲しくなった
母様が知れば悲しむよな…
母様は父様が好きだから、こんな不健康的な生活…
酒浸りの日々、相変わらずな事に悲しく思うが突き放してしまった今それを心配することなんて出来ない
「何で、騎士を降りたお前がここに居る」
それはレイン自身も聞きたいが
「エミリア様の命です」
嫌そうな顔をしている
「まぁいい、どうせここに親父もラインハルトもきているんだろう」
「何をするつもりで?」
「白鯨討伐のお祝いの言葉を送ろうと思ってな」
酔っている今変なことを言い出す、嫌確実にラインハルトの嫌がることをしかねない
なら兄としてするべき行動は
「残念ですができません」
宿に入ろうとしたハインケルの前にレインが立つ
眉を顰め見つめている
「退け」
「残念ながら、ここに関係のない者を入れることは出来ません」
「関係無い?随分冷たいこと言うなレイン、俺はお前の父親だぞ」
「ですが、招待されていない客人を入れるわけにも行きません。」
他人行儀で話し始める姿にか、一向に入れようとしない、姿にかハインケルは苛立ち始めていた
「あ?」
掴みかかってきそうな勢いにも怯まずレインはただ立っていた
「何をしておる」
ハインケルがいることで想定はしていたが
真っ赤なドレス、橙色の髪の可憐な少女
その後ろには可憐な少女には似合わない兜の男と可愛らしい桃色の髪の少年がいた
「何をしておる凡愚そこを退け」
ズイズイとレインの前に歩き寄り、扇子を広げて口元を隠している
「招待されていない客人を通すわけには行きません」
「だってよ、姫さん此処は一旦戻ろうぜ?」
「妾に命令するで無いアル」
赤い瞳はさっきまでの可愛らしい目つきをやめ、鋭い目つきで後ろにいるアルを睨みつけているが、慣れたように返事をしている
「貴様のような凡愚に付き合っている暇はない、退け」
「先も言ったお通りです」
眉を顰め見つめてくる
「何故そこまでする」
「…絶対何かやらかすでしょう、アンタら」
スバルがボコボコにされていた時も笑っていた人間だ信用できない
「伝言などは受け入れます」
ため息混じりに言い放った言葉
「待て!」
「姫さん!」
静止を無視して、突然何処からか取り出した黒く赤い剣、それを迷うことなく、レインの首に突きつけた
「ほう、顔色一つ変えぬか、それとも状況が読み込めておらぬか?」
「はぁ…問題を起こして後悔するのは貴方方の方では?」
首に当たる直前で止まった剣
何も無かったかのように顔色ひとつ変えずに話し始める姿にハインケルは動揺していた
ハインケルの記憶にあった幼いレインとはかけ離れていたから
「気に入った」
「何でだよ」
突然のプリシラの言葉につい素が出たがまあもういい
剣を下ろし、満足げに笑う姿
「貴様は『剣聖』の兄という肩書きだけでは無かったらしい」
この場の意味が分からず首を傾げる
「あの半魔が嫌に慣れば妾の所にいつでもくれば良い」
「あー、レイン変に気に入られちまったな、まあどんまい!」
「どんまい?意味が分からないが…褒められてないよな?」
状況が理解できずただ首を傾げるしか出来なかった
プリシラが背を見せ来た道を戻り始めた、よく分からないが帰るらしい
代わりにアルが近寄り肩に手を置いた
「お互い大変だろうけど、死なずに済んで良かったな、死んでたら助けていけどな」
「死んでるなら意味無くないか?」
主従揃って変な奴だな、そう思いながらも兜で見えない顔を見つめる
「兄弟によろしく伝えといてくれよ、兄様」
「お前の兄じゃ無い、やめろ、お前のほうが年上だろ、後兄弟って誰だよ」
肩に乗せられていた手を払い退ける
「そうだった…兄弟は…菜月昴って言えばわかるだろ?」
「ああ…」
「じゃぁなレイン」
会話もまともにしたことないというのに何故かフレンドリーなアルに困惑しながら、去っていく姿を見つめる
桃色の髪の少年は、短い足で必死に歩いている
ハインケルはまだ何か言いたげだったがプリシラの一声で歩いていく
嵐のように去っていくプリシラ陣営
まだ朝だというのにどっと疲れが噴き出る
レインの気力と引き換えに、宿の中、朝食の場では
弟(妹)属性に弱い
エミリア陣営では、年上の方の23歳
聖域を終えた1年間で察しのいいメンバーには弟(妹)属性に弱い事に気づかれ、いいように使われてたりしている。
ハッピーエンドに決まりました!
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ラインハルトルート(和解)
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パンドラルート
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どっちも