ラインハルトの兄は魔女に魅入られている!   作:欠けたチーズ

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やめろやめろやめろ

切っても切っても湧いて出てくる

だが不思議な事に、いくら攻撃を仕掛けても、魔女教徒から攻撃を仕掛けることはない、避けたりする程度だ

 

『クズ肉の皆さん、元気にしてやがりますかー? 日に何度聞いても麗しい、アタクシの美声に大興奮してんじゃねーですか? きゃははははっ!』

 

2回目の放送が聞こえた

それと同時にさっきまで、足止めのように行く邪魔をしていた魔女教徒達は地面の中に沈んでいった

 

「…何だったんだ?」

 

何がしたいのかよく分からないが、都市中に聞こえた放送、あれをスバル達が止めに行くだろうと予想し、放送用ミィーティアがある都市庁舎に向かう事にした

 

カペラ・エメラダ・ルグニカ

存在しないはずの名前

 

「ルグニカ…嫌味か皮肉か?」

 

何故王族にしか許されない名を名乗るかなんて考えた所で意味なんてないのだが

 

「お母さん!」

 

今にも泣きそうな子供の声が聞こえ、足を止めて目を向ける

 

市民は避難し終えた後なのか、人気がほとんどない街中で服の裾を掴み泣きそうな声で顔で、必死に母親を探している少女

 

「っ…おい」

 

突然レインが来た事により怯え、今にも泣きそうな目が更に潤む

 

ため息をつき、視線を合わせるようにしゃがみ込む

 

「母親はどうした」

 

「人混みに紛れて…手離しちゃって…ぐす」

 

「近くの避難所わかるか?」

 

レインの言葉に少女は首を縦に振った

 

「なら案内してくれ、お前もそこまで送る」

 

「でもお母さんは」

 

「お前を送った後、俺が辺りを探す。それに避難所に先にいるかもしれねぇだろ?」

 

説得に納得したのか頷き歩き出した

 

「こっち」

 

「ああ」

 

小さな小幅では到着するのに時間がかかると判断して抱え走る

 

ーー

 

子供は無事避難所に届けた、何なら避難所に母親もいた

 

安堵しながら、都市庁舎に向かう

 

「…えぇ」

 

後少しで都市庁舎に到着する、そんな時大きな水の音が聞こえ、困惑しながら辺りを見渡した、必死に走っていたのと建物で見えなかった際で、目前まで水が迫っていることに気づかず、避けることなんて出来るわけなく、大量の水に飲み込まれた

 

ーー

 

目が覚めて1番感じたものは体に張り付く布の不快感目だった、そして次に空が夕焼きに染まり切っている事に気づき、急いで体を起こす

 

「っ」

 

多少の痛みが体を走るが…

 

水は引いた後なのか、あたりは水浸しの瓦礫まみれ

 

「…何処だよ」

 

今何処に自分がいるのかすらも分からない

迷子にはならないと息巻いておいて、迷子になった

仕方のないことだが、少し悔しい

 

ーー

 

とりあえず駆け回る、途中見たこともない魔獣のようで魔獣ではない何かと出会したが、案外簡単に倒せた

 

「っ!おいあんた」

 

「ひっ!」 

 

見えた人影、やっと人間に会えたと安堵して近づくが怯え、座り込んでしまった

 

「俺は魔女教徒じゃねぇ」

 

一応自分が全身真っ黒な服を着ているため、一応言っておく

 

「そそう、みたいだな」

 

茶髪の男が、立ち上がる

 

「近くの避難所分かるか?そこまで送る」

 

「駄目だ!避難所には誰も誰も…」

 

異常なほどまでに震え怯える姿に疑問が浮かぶ

普通こんな混乱の中避難所まで送ると言われたら、このような反応の逆を見せるだろう

 

「何があった?」

 

「急に、殺し合いが始まって…逃げて来たんだよ…」

 

「急に?」

 

何故そんなことが起きる?

気にはなるが放置するわけにもいかず、落ち着かせた後別の避難所に送り届け、殺し合いが起きたと言っていた避難所に向かう事にした

 

「…」

 

壁に床に血が飛び、中にいる全員が動いていなかった

 

外部からの干渉はおそらくない、中にいた人間同士で起きた

 

何故だ?何故起きた?

魔女教が来たからって、こんな事になるほどに追い詰められるものか?

 

そう考えつつも今は弔えない事に謝罪をし、スバル達を探す

 

『――あー、ええっと、これでちゃんとみんなに声が聞こえてるか?』

 

聞こえて来た放送の声に反応して足が止まった

 

「…は?」

 

苛立ちが混じった声が漏れ出た

 

『それから期待させて悪いんだが、魔女教の奴らの脅威はまだ消えてない。都市庁舎は奪い返せたけど、制御搭に奴らはこもったまんまだ。都市が水に沈む危険も、そのための奴らの要求もまだ生きてる。そのことも、わかっていてくれ』

 

さっきの不安感を煽る声とは違う弱々しく震えている声

 

さっきの男から聞いた情報で道は把握していた、ため都市庁舎に向かい走る

間に合いはしないだろうだが走る、走って走って

 

そんな重荷お前が背負う必要あるのか?

 

どうしてこうも周りの奴は気づいた時に重荷を背負ってしまうのだろうか

 

『今、みんなはこの放送をどこで聞いてる? 避難所にいる人たちや、ひょっとすると避難所に逃げ込めてない人たちもいると思う。みんな不安でいっぱいなはずだ。怖いって膝を抱えたくなる気持ちもわかる。だってのに、わざわざ変にみんなの期待を煽るような真似して、俺を何様だと思ってると思う』

 

やめろ、英雄なんてクソみたいなものになる必要ないだろ?

 

責任を押し付けられ、期待されて、そんなものを背負う必要があるのだろうか

 

『俺は、何様でも何者でもないよ。みんなとおんなじで、状況に振り回されて、理不尽に押し潰されそうで、ビビッて足が震えてる。そんな程度の奴だ。こうして放送でみんなに呼びかける役目も、ひと悶着があってそれで引き受けてる。俺には荷が勝ちすぎだって今でも思ってるよ。本当ならもっと、こうしてみんなに話しかけるのに相応しい人は他にいるんだ。きっとそうだ』

 

これ以上お前は呪いを受け入れるのか?

 

理解できなかったしたくも無かった

スバルが何故こんな放送をする羽目になったのかは分からないでも、英雄になる恐ろしさは、英雄を1番近くで見ていたレインだから分かってしまっていた

スバルには荷が重すぎることも分かっていた

 

『だけど今、こうして俺が話してる。俺なんかよりよっぽどすごくて偉い人たちが、俺がやるべきだって、そう言ってくれてる。そうすることに意味があるんだって。俺の声、震えてないか? 人前に立つのなんて、俺のキャラじゃないんだよ。立派なことも言えないし、みんなを引っ張ってくカリスマだって俺にはない。弱くて、どうしようもなくて、こんな大一番、今だって逃げたくてしょうがなくて……』

 

なら逃げちまえ

 

スバルは人の上に立つ才はある、だが今はまだ精神が追いつけていない、だから

ラインハルトみたいな犠牲者を増やしたく無かった

 

「…おれが」

 

もっと強かったら

何度目かの後悔を抱え走る

 

『――それでも逃げられないから、戦う。俺は、それだけの奴だ』

 

「…」

 

馬鹿な奴だ、お前が無理をする必要はないお前が戦う必要なんてない

 

覚悟の決まった声を聞いて、アイツは何度も死んだのだと悟った

 

『もう一度、聞かせてくれ。この声を聞いてる人は、今どこにいる? 避難所に逃げ込めてるか? 自分の家に隠れてるのか? 一人で震えてたりしないか? 誰かと一緒にいられてるか? 一緒にいるのは大切な人か? 知らない顔でも、この数時間で見知った顔ぐらいにはなったか?勝手な話だし、難しいかもしれないけど、お願いだから一人にならないでくれ。一人でいると、つまんない考えばっかり浮かんでくるんだ。経験則だ。わかるよ。だから一人にならないでくれ。誰かと一緒にいてくれ。そして――』

 

『そしてできるなら、一緒にいる誰かの顔を見てくれ』

 

「っ!」

 

地面から生えてくるように出てくる魔女教徒

 

「邪魔すんなよ」

 

怒りのこもった声に怯むことなく、先と同様時間稼ぎのような行動を始めてくる

 




アンケート作りました。
アンケート自体初めて作ったのでよく分かってません。
取り敢えずどのくらい放置すれば良いのでしょうか?
それともある程度表が貯まったら引き上げた方がいいのでしょうか?

ハッピーエンドに決まりました!

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