ふと目が覚めた
寝ぼけた目で映る情報をうまく働かない頭で受け取る
まだ薄暗く、二度寝しても平気な時間だということだけはわかる
嫌に暖かい腕の中に目をやる
前に買ったワンピースを身につけ、眠っているパンドラの姿が見えた
前に服を着ないと一緒に寝ないと言ったからだろう
いつも可愛らしいが、ちゃんと言いつけを守る姿が愛らしく口元が緩む
腕の中にいるパンドラを抱き寄せ二度寝を決め込む
ーーー
『兄様』
そういいながら扉を開けたラインハルトに目をやる
自分の枕を抱きしめている姿につい口元が緩んでいた
「だから怖い本読むのやめろって言ったろ?」
その言葉に視線を泳がせていた
自分よりも年下で大切で可愛い
読んでいたのは明るい時間だったから平気と判断していたのだろう
『ごめんなさい』
扉を閉めようとしたラインハルトに待ったをかけ、手招きをする
「兄様が守ってやるからおいで」
その言葉に笑みを浮かべ駆け足で向かってくる
幼い笑み
「いいか?兄様は、ラインハルトの兄様だからどんな悪いやつだろうがお化けだろうが魔女だろうが守ってやるからな」
『兄様はすごいです、すごい僕の兄様です』
嬉しいのか抱きついてきた小さな体を抱き寄せる
暖かくって柔らかくって
大切な
俺の弟…
ーーー
「ラインハルト」
寝言でその名前を読んだレインを魔女は冷たい眼差しで見つめていた
ただ何をするでもなくレインの体に手を回し、その名前を出した口を見つめていた
ーー
食料が入っていた戸棚を開け、ため息をつく
ほとんど空っぽと言っていいほどに何もない
人気のない山奥に住んでいる、そのため月に一回は街に降りる必要がある
その日が今日になった
数日前からそろそろ行かないととは思っていた、だが何故か街に降りることはどうしょうもないほどに憂鬱なのだ
「お兄様?どうかしましたか?」
ため息を聞きつけたのであろうパンドラが顔を出して聞いてきた
その姿にさっきまでの憂鬱は消えていた
「そろそろ買い出しに行かないとと思ってな」
ため息をつき、出かける準備をする
「パンドラはどうする?」
黒いローブを手に取り聞く
パンドラの容姿はとてつもないほどに整っている、そのため変なのに目をつけられやすい
それが嫌でたまに留守番をさせていた…
「私も行きます」
そう微笑み白いローブに手を伸ばしていた
不満そうな視線に気づいたのか目があった
自分と同じ片方の目と、似ているようで違う青い目
「何かあったら守ってくれますよね?」
「兄様が守るけど」
「なら大丈夫ですよ、“お兄様”」
「…」
パンドラは本当に自分の妹かと疑いたくなるほどに顔がいい、レインも自分の顔は整っている方だとは思っているが
だが、心配なものは心配なのだ
布一枚の格好の上にローブを被ったパンドラを見つめる考える
どう説得させるかを
「お兄様と久しぶりのお出かけ楽しみです」
「そうだな」
確かにそうだ、そう思い納得してしまった
レインはいつになっても妹には弱い
ーー
自分よりも小さな手を握り歩く
これ以上力を入れたならば手が握り潰されてしまうんじゃないのかと不安になってしまうほどに小さく細く柔らかい
「お兄様と一緒にお出かけができて嬉しいですね」
「いつも一緒にいるだろ?」
「それもいいですが。たまにはですよ」
分かってないなぁ、とでも言いたげに見つめてくる姿に手を伸ばす
優しくフードを被ったパンドラの頭に手を伸ばす
撫でようとした手は何故が止まった
「お兄様?」
何か違うような違和感
「…いやなんか…最近調子が良くないな…」
伸ばした手を自分の口元に置き考え込む
その姿を見て心配してからか、手を引っ張られる
「買い物ついでに気分転換もしませんか?」
「ああ、そうだな」
手を引っ張られ、パンドラの思うがまま歩き出す
『兄様』
この少年の声は気のせいだ
知っている、大切で守りたいとずっと思っていた声
最近の違和感は全て気のせいだと思い込み歩く
自分には妹しかいない、自分を兄様と呼ぶ少年のことなんて記憶に一切ないのだから
ーーー
手に抱えた持つ食料、用は済んだが呆然とその場に立ち尽くす
焦りと不安だけが頭をぐるぐると回す
買い物をしている間にパンドラとは逸れてしまった
そうレインが想定していた最悪な状況が今起きていた
今日何かあるのかいつもくる時よりも人は多く見つけ出せそうになかった
人混みをかき分け歩く
白いローブを自分が見間違えるわけの無い姿を探すために歩き出す
ハッピーエンドに決まりました!
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ラインハルトルート(和解)
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パンドラルート
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どっちも