逸れてしまったパンドラを探すべく、人混みをかき分け探し回る
1ヶ月の2人分の食料を抱えているせいか時間が経つ度に手が痛くなる
「…」
だがそんな痛み今は気にしている暇など無かった、通る道、路地裏いろんなところに目線をやり探していた
無意識のうち焦りから、足は早く進んでいく
誰かが言い争う声が聞こえ、面倒事には関わりたく無い一心で離れようとした
「貴方方がここにいるはずがないのです。」
聞き間違えることのない少女の声
言い争う声の方から、腰につけている剣に視線を落とし駆け寄る
「やっと見つけた…?1人か?誰かと話していたような気がしたが」
数人と話していたような声が聞こえたが、周りを見渡すがどう見たって、ローブを来ていない布一枚のパンドラがいた
「ええ、今1人になりました」
「?そうか?ローブはどうした?」
「無くしてしまいました」
眉を顰めそう言った姿に、笑みが溢れる
「ならまた買おう」
「お兄様が選んでくださりますか?」
「パンドラがそうして欲しいなら」
手を差し出せば当たり前かのようにその手を取る小さな手
ーー
新しいローブを被り嬉しそうに微笑む姿に釣られて笑ってしまう
手を差し出せば喜んで取ってくれる
ああ
“兄様”
これは違う
この声を否定する
この少年の存在を否定する
「たまにはお兄様と出かけるのも良いですね」
「ああ俺もそう思うよ」
自分は似ても似つかない妹
行く前は嫌がっていたが何だかんだ行って仕舞えば楽しく過ごせた、そう考えつつパンドラから感じる手の体温に何故か安堵する
ーーー
月明かりが差し込む
この家に一つしかない寝台の上で夢の中に意識が落ちるのを待っていた時だったふと胸の下あたり、拘束されるような感覚
「どうかしたのか?」
背を向けていたが寝返りを打ちパンドラの姿を見つめる
2つの目で見つめてくるだけでなかなか口を開かない
「怖い夢でも見たのか?」
こんなに甘えてくるなんて珍しいそう思いながらパンドラの体に腕を回す
「お兄様は私を守ってくださりますか?」
たまにこうやって聞かれることがある、何かを確認するかのように、だからレインは決まって同じことを言う
「ああ俺はパンドラのお兄様だからな、どんな奴だろうが守るよ」
その言葉に魔女は1人ほくそ笑む
兄様、ではなくお兄様と自分のことを言い放った姿に
堕ちたのだ、レインは今魔女の手に
だがそれは幸福なことなのかもしれない、自分よりも遥かに強い弟を守ると言う重圧、目を覚まさない母親との約束、酒浸りで本音を語り合うことのできない父、不器用で弟を詰ったことのある祖父、これら全ての関係を断ち切り幸せに暮らせるのだから
前の生活よりも遥かに今の方が楽しく暮らせているのは確かだった
ーーー
腕の中で無防備に眠る妹を見つめる
静かな寝室でさえ耳を研ぎ澄ませないと寝息が聞こえないほど小さく可愛らしい寝息を聞きながら、自分とは似ても似つかない白金の髪を撫でる
パンドラは自分に何か隠している
だがどうでも良かった、それがどんな残酷なことだろうが尊厳を破壊するようなことだろうが、レインにとってどうでもいいことだった
パンドラは自分の妹ではない事も何となく気づいていた
でもどうでも良かった
今手にある幸せを手放したくなかった
今腕の中で眠る少女を手放したくなかった
ただ
ただただ
幸せでありたい。
それだけの欲の為に今を生きてた
レインとパンドラだけは超幸せエンドでした。
ハッピーエンドに決まりました!
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ラインハルトルート(和解)
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パンドラルート
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どっちも