深く考えないでください。
ハッピーエンド故のご都合です。
逸れてしまったパンドラを探すべく、人混みをかき分け探し回る
1ヶ月の2人分の食料を抱えているせいか時間が経つ度に手が痛くなる
「…」
だがそんな痛み今は気にしている暇など無かった、通る道、路地裏いろんなところに目線をやり探していた
焦りからか足は早く進んでいく
誰かが言い争う声が聞こえ、面倒事には関わりたく無い一心で離れようとした
「兄様はどこに」
知るはずのない声、なのに無意識に足は進んで行ってしまった
「…」
自分に似た赤髪の青年、黒髪の目つきの悪い青年達がパンドラと敵対しているような構図が見えた
ふと、力が抜けた、買った食品が入った紙袋を地面に落としてしまった
その音に気づいたのか、全員の視線がこちらに向いた
「レイン!」
嬉しそうに名前を呼ぶ黒髪の青年
「兄様…」
泣きそうな顔で見つめてくる赤髪の青年
咄嗟に剣を抜き、パンドラの前に出て、2人の青年に向かって剣を向ける
小さな驚きの声をあげていた
「兄様?」
「レインなんでだよ!何でお前がそいつを守ろうとする!?」
「何言ってるのかよく分からないのだけれども…君らは誰何故パンドラに対して攻撃をしようとする」
睨みつけるようにみれば、黒髪の青年は目つきの悪い目をさらに悪くさせパンドラを見つめていた
赤髪の青年は今にも泣きそうだった
何故心が痛む?
「お兄様」
何故か痛む心に疑問を抱いていた時後ろからそんな声が聞こえ少し顔を動かしてパンドラを見つめる
ローブを弱々しく掴み
「守ってください」
「嗚呼、兄様が守るよ」
「…そう言うことかよ」
2人のやりとを見てか黒髪の青年がそんなことを怒りで震えた声で言っていた
「ラインハルト、レインはアイツに洗脳されているぽい」
赤髪の青年の名前はラインハルトと言うらしい、何故か不思議なくらい聞き馴染みがある
「スバル…僕は」
スバルと呼ばれた黒髪の青年も、ラインハルトほどではないが聞き馴染みがある気がする
「パンドラをぶっ倒して、レインの目を覚させてやろうぜ、そんで!お前にはラインハルトのことどう思ったいるか全部!ゲロってもらうぜ!レイン!」
意気揚々と指を刺し高らかに宣言した姿に眉を顰める
「何言ってるんだよお前」
「そんで、パンドラ。エミリアの事とレインのこと二つ纏めてやり返させてもらうからな」
「何のことを言っているのですか」
変なのに絡まれた。
剣を握る力が強くなる
「ラインハルト、お前ってレインの兄弟喧嘩した事ある?」
「無いが…」
「なら初めての兄弟喧嘩してこい、んで勝って兄様の目を覚させて何でも言う事聞いてもらえ」
「…スバル…兄弟喧嘩とはそう言うものなのかい?」
勝った方の言う事を聞くのは兄弟喧嘩ではなく普通の戦いの気もするが…
違う気がする、とは言葉には出さない
ーーー
ラインハルトと剣を交える、と言ってもラインハルトは剣なんて持っておらず素手でだ
「っ」
不思議なくらい攻撃はしてこない、剣を振り体に当てようとするが全て交わされてしまう
パンドラの方を見る
スバルと戦っている、と言ってもスバル自体あまり強く無いのか戦いよりも話の方が多いい
「兄様」
「…」
反応してしまう
剣を止め一定の距離を取りつつラインハルトを見つめる
自分と似た真っ赤な髪
片方の目とよく似た空のような目
「僕のせいで兄様がこんなことになってしまった」
何を言っているのかよく分からない
「ずっと後悔してました、兄様が僕を守ろうとしていたこと、1人で頑張ってきたこと、全てを知った時は全部遅かった」
泣きそうな顔で見つめてくる、その姿に手が伸びそうになった
今何をしようとした?
「僕は兄様の兄さんの弟でありたい」
何を言っているのか分からない
俺に弟なんていないのに
目の前にいる男が何故自分の事を兄様と呼ぶのか、何故自分はそれを受け入れてしまっているのかが分からない
「なぁお前」
「お兄様」
不意に聞こえた声、大切な妹の声
「お兄様。お兄様は私のお兄様ですよね?」
悲しそうな顔でそう言われていることに気づいた
「え、嗚呼」
「よかったです」
「違う兄様は僕の兄様だ」
正面にいるラインハルトにそう言われ何故か否定する事もできなかった
「だぁあ!お前は!レイン・アストレアだろうが!ラインハルトの兄だろが!それにそもそもそいつお前より長生きしているのに妹って何だよ!?」
曖昧な答えに痺れを切らしたのかスバルが地団駄を踏み声を荒げていた
「何言ってるんだよお前…」
そもそも家名なんてない、パンドラだって妹なんだから年下だろ、歳の差だって…
「…」
わからない、大切な妹なのに歳がわからなくなった
「お兄様」
「兄様ごめんなさい」
スバルに気を取られすぎていた、接近していたラインハルトに気づくことが出来なかった
謝罪の後に腹に一撃をいられ、立つことが出来ず地面に這いずる
「ごほ、が」
「今度は僕が兄様を守りたい。」
「守るって何だよ、今思いっきり攻撃しただろ」
言っていることがおかしい
そんな言葉を無視してラインハルトはパンドラの元に行ってしまう
何故か止めないとと言う気持ちは湧き出なかった
ーーー
兄様が連れ去られて、半年以上がたった
その間にいろんなことが起きた、父様やお祖父様のこと…色々
手の中にある焼き焦げた跡がある金具を見つめる
昔、兄様にあげたブローチの部品だと思う
あの場に…兄様がいなくなったあの場に落ちていた物だった
兄様は僕を嫌ってなんていなかった
兄様は僕を守ろうとしていた
『剣聖』と呼ばれ兄やりも強いはずの自分を
ーいいか!俺は絶対にラインハルトの味方だ!俺はラインハルトの兄様なんだからな!ー
幼い頃にそう言ってくれた
ずっと兄様は味方でいてくれたんだ
それに気づかず、ずっと嫌われていたと思っていた
ずっと
兄様の気持ちに気づかなかった。
噂で兄様に似た人物が現れると言う街にスバルやエミリア様達がと向かうことになった
本来はエミリア様方で行く予定だったが無理を言って連れて行ってもらうことなった
エミリア様方は宿で休憩をしている中スバルと2人で買い出しに向かった
「…ラインハルトあれ」
スバルが指を刺した先にいた黒いローブの男と白いローブを被った少女
黒いローブ被った男は横にいる少女よ方を見ていたため横顔が見えた
酷く安心した、自分が傷つけて殺しかけたのだ
元気に歩いている姿を見て涙が出そうなほどに安心した
「兄様」
ならば白いローブの人物が、パンドラそう呼ばれた人物
何故兄様があそこまで怯えた人物と一緒にいるのか疑問に思った
エミリア様達と合流することにするかを話し合っていた時、パンドラと目があった
「…ラインハルト、もう逃す訳にはいかない…俺たちで何とかするしかない」
プリステラでの際目を離した一瞬で兄様と共に消えた事を思い出す
「任せてほしい。今度は僕が兄様を助ける番だ」
ーー
上手く立ち上がれない体
頭では立ち上がらなければと、必死になっているのに何故か体はうまく動かない、それは痛みのせいなのかそれまた違う要因があるのか
「兄様」
ー兄様ー
頭の中で少年の声が聞こえる
何故か目の前にいるラインハルトとその少年がリンクする
「まて」
いつもと同じような顔で微笑むパンドラの前に立つラインハルトに手を伸ばす
止めなければいけない、だってその子は俺の大切な妹なのだから
真っ赤な血が飛び散った
ラインハルトが手を横に動かすだけで、パンドラの体は切れてしまった
たったそれだけの行動で肉を骨を切った姿にただ唖然とするしか無かった
「パンドラ?」
「いい加減」
唖然とはした、だが自然と悲しみはなかった、心のどこかで安心感まで芽生えていた
「ああ、お兄様酷いです」
「…ぁあ」
耳元で囁く
「あ」
頭を掻き回されるような痛み
「おれは」
「レインは私のお兄様ですよ」
「アイツ!また!」
ーー
何してたんだっけ
ふわふわとままならない意識
赤髪の男と黒髪の男がいて
ああそうだ、こいつらはパンドラを攫おうとする人攫いだ、なんとしてでもパンドラを守り抜かなければならない
おれはにいさまだから
呪じみた言葉を心の中で唱える
この言葉がなければきっとこんな結末にはなっていなかっただろう
剣を構えパンドラの前に立つ
「レイン!お前いい加減に」
「スバル」
掴みかかって来そうな勢いの黒髪の男を止めたのは赤髪の男だった
止め、首を横に張っていた
「…っ」
「あの時、手を取ってくれたあの日のように僕は兄様を助ける」
そう宣言された、だが何を言ったいるのかは今のレインには理解なんて出来ないだろう
「スバル、彼女はおそらく生存向けの能力…僕が兄様を助けるまで時間を稼いで欲しい」
「任せとけ!」
鞭を構え、レインの後ろにいるパンドラを睨みつけている姿に警戒していた時
一瞬瞬きした瞬間に赤髪の男の姿が消えた
「はっ!?」
無意識に体が動いた、それが無意識的な危険察知能力だったのかそれとも反射的に動いただけなのか、それとも弟の動きを見ていたから無意識に防げたのかは分からない
ただ横に一撃、かなり重いのを入れられた、運良く防げたおかげで持ち直せは出来た
「…っ」
「流石兄様です」
少し悲しげに呟くように言った姿に何故か酷く心が痛んだ
「行きます」
そう宣言してから攻撃して来た、舐めているのかとも思ったが何故か頭には相変わらず真面目だなと言うよく分からない考えが湧いて来ていた
「…」
何故か知っている攻撃を交わし
躊躇してしまう攻撃をなんとか入れようとするが全て避けられて
ずっとこうしたかった気がして
「………」
「お兄様」
呼ばれる、なんとなく違う気がする
「…」
「兄様」
それが正しい気がする
おかしい、だって記憶上はパンドラが大切な妹で目の前にいるのは名前も知らない男だ
なのに
手を止め、剣を下ろし、男を見つめる
「ラインハルト」
何故かこの名前がしっかり来た、何故かこの名前がそうなのだろうと感じてしまっていた
「はい!兄様!」
嬉しそうに笑いかける姿に、心底安堵してしまった
後少しでレインの洗脳も解ける、微笑ましい兄弟の再会
そんなこと魔女が許すはずもない
「兄様、後で沢山話をしましょう、今は」
そういいパンドラの方を眺める、ラインハルトに何をするのかを理解していた、でも止める気にはならなかった、止めなかった
パンドラを殺しに行くであろうラインハルトを止めず見送った
両目で微かに違う青色の瞳と目が合う
「酷いですよ、お兄様」
「…そうかもな」
逃げるように近づいて来たパンドラな顔は怒りなどなく相変わらず人外級に整った顔でアピールするかのように頬を膨らましていた
何故ここまで余裕が持てるのかは分からなかった
「兄様避けてください!」
鉄棒を持ちそれを振り下ろした、それだけで風の刃が飛んできた
それを見て驚きなどはせず、相変わらずと謎の安心感まで湧いて来ていた
パンドラを突き放しそれから避けたつもりだった
「また、やり直しましょう何度でも」
笑うパンドラの顔がよく見えた
「兄様!」
また絶望したような声が聞こえる
肩から腹まで切られ、意識を落とす
ことなく、痛みに怯むことなくレインはパンドラに手を伸ばし
珍しく驚いた顔のパンドラを見つめつつ腰に刺し直していた剣を抜きパンドラの体に突き立て、溢れ出す真っ赤な血は、肌が白いせいもあってか、綺麗に見えた
こぽこぽと口からこぼれ出す血
レインは迷うことなくそれに自分の口を合わせた
近くでいたから暮らしていたから、理解していた必ず言葉を使っていた、口を塞がっているような場では絶対に権能を発動しないということを
血と血が混ざり合う
混ざって混ざり合ってぐちゃぐちゃになって
パンドラの生が感じられなくなったのを見て、口を離し体を離す
「にいさま、にいさん」
目に涙を溜めているラインハルトに手招きをすれば昔のように簡単に近づき怪我に配慮しつつ抱きしめられる
「俺はお前の兄様なんだ、ラインハルトの攻撃で死ぬわけないだろ?」
「お前案外…いや安心したよ。」
珍しく声をあげて泣いているラインハルトの声を聞きながら耐えていた意識が落ちた
ラインハルトって何考えてるか分からない
パンドラの殺し方なんて分からないので個人的な癖を詰め込みました。
パンドラの能力が言霊を頼りにするということが大前提になってました。
ハッピーエンドに決まりました!
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ラインハルトルート(和解)
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パンドラルート
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どっちも