カードゲーム世界に転生したが、どうやら俺はモブらしい   作:ドラゴンスキー

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第九話 龍神炎士

「おや、僕のことを知っているのかい?井上はじめくん?」

 

知らないはずはない。

烈火から自慢の父だと写真を見せられることもあったし、烈火は父親の形見のリストバンドをしている。烈火の父は何年も前に行方不明となってずっと見つからないままだったから死亡したことになっていたはず。

 

龍神炎士(たつがみえんじ)・・・・・・」

 

そんなあなたがどうしてここに・・・・・・。

 

「烈火がいつも、世話になっているね」

「あなたは、死んだはずでは・・・・・・!?」

「はは、死んでいないさ。だから今ここで君と話ができるんだ」

 

炎士はにこやかに笑うと尻餅をついている俺に手を差し伸べた。

 

「ありがとうございます・・・・・・」

「構わないさ。・・・・・・それよりも、残念だったね」

「見てた、んですね・・・・・・」

 

見られていた。

あんな情けない負け方をした自分を。

恥ずかしい。悔しい。情けない。

そんな負の感情がこみ上げてくる。

 

「まあね。烈火は順調そうに勝ち上がれているようだね」

「・・・・・・」

 

烈火は、俺とは違う・・・・・・。

努力したところで追いつくことなんて―――。

 

「すみません、ちょっと気分が悪いので失礼します・・・・・・」

 

これ以上ここにいたらまずい。

そう俺の本能が告げる。

気分が悪い。もう何も考えたくない。

 

「―――――君は、()()()()()()()()()?」

 

その言葉が俺の足を止めさせた。

 

「だが、()()()()()()()()()()()()

「今の、俺では・・・・・・?」

「そうだ」

「どういう意味ですか・・・・・・?」

「そのままの意味だとも」

 

そのままの意味・・・・・・?

 

「君は、心のどこかで君自身を見限っている。強くなりたい。でもできないだろうな。烈火に追いつきたい。でも、追いつけないだろうな。・・・・・・そんな風に考えたことはないかい?」

「・・・・・・!」

 

そんな風に考えたことはない、はずだ。

 

「自分のことをモブだと。他の有象無象の一員であると、そう思ったことは本当に一度もないと言えるかい?」

「・・・・・・」

「だから、君は強くはなれない」

 

正論だ。

 

「君が、一番に君を諦めているから」

「・・・・・・・・・・・・」

 

何も言えなかった。

言い返せるだけの言葉を持たない。

 

「・・・・・・炎士さんは今までどこにいたんですか?」

()()()()()

「あちら側・・・・・・?」

「精霊界と言われているところだよ。君は知らないかもしれないけれどね」

 

精霊界・・・・・・。

メタ的に予測するならスピリットとかが存在する世界のことだろう。

烈火が話していたカードもそこからきたのかもしれない。

 

「私は昔、魔力災害と言われるものにあってね、こちら側の世界から精霊界へと飛ばされた。それからはこちら側へ戻る方法を必死に調べたさ。何せ愛する妻と息子がいたからね。戻ってくるのは簡単ではなかった。地球への帰還する方法を探すため、私はたくさんの人と出会い、様々な場所を訪れた」

「・・・・・・」

 

魔力災害が何かは知らないが行きたくて行った訳ではないということか。

 

「本当にたくさんの人に出会ったよ。そして――――たくさんの地獄を見た」

「地獄・・・・・・」

「そう地獄だ。人間は亜人と呼ばれる種族に虐待、誘拐、殺害されている。表向きではされていないが少し裏に足を踏み入れれば簡単にその現場を目撃できるだろう。私は研究の過程で知り合ったお偉いさんに直訴したよ。だが無意味だった」

「無意味・・・・・・?」

「みんな知っているのさ。知りながら、見て見ぬ振りをしている」

「・・・・・・!」

 

この人の目は、闇だ。

負けたことで顔をまともに見れていなかったが、この人の瞳には光が灯っていない。

ただただ真っ暗な闇だけを映している。

それだけの地獄を見てきたのだろう。

 

「精霊界を真に守護する存在である神龍王も人間が置かれている状況は理解している。理解していて、助ける気がないのさ」

「理解しているのに、なぜ・・・・・・」

()()()()()

「・・・・・・!」

「まあ人間だって、牛や豚など自分たちより弱い存在を散々好きなようにしておきながら何を言っているんだと言いたくなる気持ちも分かるがね。それと同じさ。精霊界において人間は頂点ではないということだ」

「・・・・・・」

 

こちら側―――地球ではヒエラルキーが頂点にいるから問題ないだけなのであって、人間より上の存在がいれば人も飼われる側になるのかもしれない。

 

「そしてこの問題は精霊界側だけの問題ではないのだよ」

「・・・・・・!それはなぜですか」

()()()()()()()()()()()()()()()()()、だろうね」

「魔力災害とかいうものも含めて、ですか」

「そう。()()()()()()()()。頭の回転が速い。その通り、地球と精霊界は繋がっている。とは言っても普段はか細い繋がりさ。互いの世界に与えることなんてそんなにない。極まれに少しの通路(ゲート)が開いて、モノが行き交ったりすることもある、くらいだね。君にも覚えがあったりするんじゃないのかな?部屋に置いたはずのモノがどれだけ探してもでてこなくなったりすること」

「あります」

「出てこなくなったモノがあちらの世界に飛ばされているのかもしれないね。あちらの世界でも地球産のモノをたまに見かけたのもそういう訳があったということだ。それでも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。少なくとも数十年前までは」

 

炎士さんは魔力災害で飛ばされたと言った。

しかし魔力災害は本来そんなに大きな穴があくことなんてなかったのが、今では人間もを飛ばしてしまう危険があるということか。

 

「人間が虐められているのが直接的な原因ではないにしろ、間接的な影響を与えているのは明白だ。それでも、神龍王は動こうとはしない。精霊界には問題ないからね」

「問題があるのは――」

()()()()()()()()()()()()()()()()

「・・・・・・!」

「私は悩んだ。このままでは地球はただでは済まないかもしれない。もちろん可能性の話だ。だが、今は大丈夫だったとしても、1年後は?10年後は?誰にも分からないし、その時に気づいたとしてももう遅い。では、どうするか―――」

 

そこまで話して、龍神炎士は俺の目をジッと見つめた。

光を伴わない、闇の眼で俺を捉えている。

 

「―――はじめくん。新たな世界を作りだそうとする時、何が必要か。君に分かるかな?」

「・・・・・・破壊が必要、とでも言うつもりですか」

「はは、よく分かっているじゃないか。より正確に言うのであれば、【終わり】が必要なのだよ。終わらさなければ新しく始めることができない。だから私は、この愛する星を――――地球を救うために『破滅の精霊(カタストロフ)』となったのだ」

 

破滅の精霊(カタストロフ)』・・・・・・?

 

「『守護龍(ドラゴンコア)』がこちらの世界に逃げてきたことを知ったときは本当に焦ったよ。私の計画は精霊界のみで行い、地球でコトを起こすつもりはなかったからね」

「何を・・・・・・何を言ってるんです・・・・・・?」

「私にはまだしなければならないことが残っているから表舞台には出るわけにはいかない。しかし私は―――――()()()()()()()()()

「俺、を・・・・・・?」

 

理解しなければ。そう思うのに。

ここから離れなければ。そう本能が訴えかけてくるのに。

俺の身体は金縛りにでもあっているかのように動かない。

 

 

「君に頼み事があるんだ。井上はじめくん」

「頼み、ごと・・・・・・?」

 

ダメだ。聞いてはダメだ。

耳を貸してはいけない。

 

「君の友達である海人くんや、私の息子の烈火が持つ『守護龍』のカードを回収して欲しい」

「・・・・・・!それは烈火達の敵になれ。ということですか」

「そうだ。しかし、君にとっても悪い話ではないとも」

「・・・・・・」

「私なら、君を強くすることができる」

「・・・・・・!」

 

それは、俺が今一番欲しいものだ。

強くなりたい。

肩を並べて戦っていたい。ライバルでありたい。

でも――――。

 

「―――今の君はライバルでもなんでもない。()()()()()()。烈火達は君に優しく接するだろう―――友達として。今のままではライバルどころか、敵としてさえ認識してはくれないだろうね」

「・・・・・・!」

 

手を伸ばしたんだ。

烈火に。

海人に。

広美に。

だけど俺の手は空を切るばかりで―――。

 

「――このまま、置いて行かれてもいいのかい?」

「・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・!」

 

息が苦しい。

何も、何も考えが思いつかない。

烈火達の敵になる・・・・・・?

それでいいのか。

だがこのままでは()()()()()()()()

 

 

――――本戦には、強い人はいるかな?

 

海人は俺を強い人とは認識していなかった。

 

――――お前、弱いモノいじめみたいなマネはやめろよ!

 

烈火にとって、俺は弱いモノだった。

 

 

 

 

 

「さあ、はじめくん。聞かせてくれ。私の仲間にならないか?」

「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・!」

 

俺は。

俺は――――――――。

 

「・・・・・・ならない」

「・・・なんだって?」

「俺は、あんたの仲間にはならない。俺がこの先、どれだけの努力を重ねたところで、本気のアイツらに勝つことなんてできないのかもしれない!それでも!――――それでも、俺は広美や海人、そして烈火を、友達を裏切ることなんて、俺には出来ない!」

「ふむ・・・・・・そうか・・・・・・」

 

炎士さんは手を顎にあて少し何か考えているようだ。

だがこれでいい。

これでいいんだ。

俺はアイツらを裏切りたくな―――。

 

「君はもう少し、賢いと思っていたのだがね」

「ガッ!?」

 

炎士さんの手が俺の頭を掴んだ。

大人の手には小学生の頭なんて小さいらしく、簡単には振りほどけそうにない。

 

「グッ・・・・・・!なんだ、これは・・・・・・!?」

 

 

波だ。

情報の波が、俺に押し寄せてくる。

 

地獄を見た。

それは龍神炎士という人間が精霊界に飛ばされてしまったときの記憶。

人間が虐待され、痛めつけられ、あげく殺される。

周りは自分は構うまいと見て見ぬ振りをしてさっさと通り過ぎる。

そして自分も、ただ身を隠しながらそんな現場を見ていることしかできない己の弱さを嘆いた。

 

地獄を聞いた。

なんとか自分のできたコネで直談判をしてみるも、下等な生物である人間にそこまでしてやる義理はないと断られたこと。人間なんてたくさんいるのだから少し減った方がいいまであると笑う声を聞いた。

 

地獄を知った。

そうした状況は精霊界だけでなく、巡り巡って地球にまで影響が及んでいることを知った。自分がこの世界に来れてしまったほどの影響が既に出ているということ。もうそれほど長く猶予は残されていないかもしれないことを知った。

 

龍神炎士の嘆きが。怒りが。悲しみが。憎しみが。憤りが、俺に向かって津波のように押し寄せる。

 

ダメだ・・・・・・!

流されていく・・・・・・!

俺のせめてもの抵抗しようとする意思なんて、簡単に押し流していく。

消える。

変わっていく。

自分が。自分の心が。

俺はどうするべきなんだ?

どうしたいんだったけ?

何を―――――考えていたっけ。

 

そこで津波の様に押し寄せる情報の中、思いを――願いを見つけた。

 

『強くならなければ』。

 

弱ければ奪われるだけだ。

弱ければ、見向きもされない。大切になんてされない。向き合ってもらえない。

 

その気持ちはよく分かった。

よく理解していた。

 

『強くなりたい』。

 

そう願っていた自分と炎士の姿が、重なったように見えた―――。

 

 

「――――――――ぁ」

 

深海にいるみたいだ。

手を伸ばしても、海面には届きそうもない。

ごめん。広美。海人。

ごめん、烈火――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、はじめくん。目は覚めたかな?」

「ああ、()()()()()()()()()。ぐっすりな」

 

何か、大切にしていることを忘れた気がするけど、もういいか。

よく思い出せない。

思い出せないってことは大切ではないってことだ。

 

今俺が大切にしていることは『守護龍(ドラゴンコア)』を回収して地球を魔の手から守ることだけだ。

地球には母さんや父さんもいるんだ。

少しでも危険があるのなら排除するべきだろう。

 

「そうだ。生まれたばかり(ハッピーバースデー)の君にはプレゼントを渡さないとね」

「ああ、サンキュ」

 

炎士からカードを受け取り、そのままデッキに入れる。

 

「じゃあ行ってくるわ」

「行ってらっしゃい、気をつけてね」

 

その場から離れていくはじめを見送る炎士は手を振って送り出した。

 

「はじめくん、君を見つけることができたのはラッキーだった。君は強くなれないと言ったが、それは違う。君に足りなかったのは才能でも、努力でもない。強くなるための理由と覚悟が足りなかった」

 

炎士は友達とはじめを戦わせることには少し心が痛んだが、そうしなければならない。今、自分は表舞台には立てないし、はじめには強くなってもらわねばなるまい。これから何が起きるか分からない以上、保険は掛けておくべきだろう。

 

「この世界で私が動けない以上、誰かに動いて貰う他にない。さあ――――()()()()()()()()。地球の命運がかかった戦いを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「ケッ!星川光輝の前に、この俺が烈火っていうガキに負けただと・・・・・・?ありえねえ・・・・・・くそっ!」

 

けっ!イライラするぜ!

このイライラをどこかで発散させねえとな。

 

『ちょっと、また弱いモノイジメみたいなマネは止めなさいよね!見苦しいわよ!』

 

「うるせえぞ、ネス」

 

俺の周りで飛び回るネスの小言はいつもうるさいぜ。

俺だって別に雑魚を狩りたいわけじゃねえ。雑魚しかいないのが悪いんだろ。

 

「おい」

「あん?誰だぁ、俺に気安く声かけてくんのは?」

 

おいおい、マジかよ。

 

「カカッ!お前、昨日の今日じゃなくて、今日の今日じゃねえか!口ほどにもねえ雑魚が何しに来やがった?」

 

『気をつけて!何か良くないモノを感じる!』

 

「はぁ?ネス、こんな雑魚に何を気をつけろってんだ?」

「『世界の壁を越えて(アクセラレーション)』」

「・・・・・・!?バトルフィールドだと――――」

 

 

 

戦場世界へ行くための光が俺たちを包み込む。

 

 

「おい、雑魚。これはいったいどういうことだ?なぜお前が知っている?」

「俺に勝てたら教えてやる」

「・・・なんだと?俺を舐めているのか?」

「その代わり、俺が勝てば『守護龍』―――闇龍王ダークネスドラゴンは貰うぞ」

「舐めてんじゃねえぞクソガキが!」

 

コイツは潰す!

俺に負けて、負け犬のごとく逃げ出したお前が俺に勝つだあ?

 

「先行は貰うぞ。スタートフェイズ――――」

 

第一ターンはクソガキからだ。

お前の手の内なんざ知り尽くしてんだよ。

弱虫のごとくDP勝負を避けたスペル主体の光属性のデッキだろ。

 

「――――メインフェイズ。『()()()()()』召喚」

 

目の前のフィールドに闇の幼い龍が現れる。

 

()()()()()!?」

 

俺と同じ属性・・・・・・!

デッキが変わってやがる。

いや、デッキだけじゃねえ。 

ネスの言っていた通り、コイツは今までの雰囲気とは違う。

コイツに何が起りやがった・・・・・・!?

 

「続けて、『堕天使ララエル』召喚。召喚時効果発動、デッキからフィールドカード1枚を選んで手札に加える。俺は『絶望の奈落』を手札に加える。ターンエンド」

 

確かにコイツは変わったのかもしれねえ。

それがどうした。

 

「俺が俺であることは変わらねぇ・・・・・・!行くぞ、俺のターンだ――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・!」

 

俺が、ヤツのソウルを一つも削れないだと!?

何が、起っている・・・・・・!

 

「何なんだ、お前は・・・・・・!」

「・・・・・・」

「チッ!だんまりかよ!」

 

俺のソウルはあと一つしかねえ。

ここは盤面を固める!

 

「メインフェイズ!――――闇より出でよ、黒死の龍!『闇龍王ダークネスドラゴン』を召喚!!ターンエンド」

 

まだだ・・・・・・。

ここをしのげば勝機は必ずくる!

 

 

「――――メインフェイズ。暗黒より生まれし壊滅の龍よ。今こそ全てをぶち壊せ。『滅龍王カタストロフドラゴン』、召喚」

「なんだ、そのカードは!?」

 

フィールドより禍々しいオーラを放った龍が誕生する。

口から漏れ出す瘴気やゆらゆらと揺れる眼光が恐ろしい。

 

「バトルフェイズ。滅龍王カタストロフドラゴンで攻撃。カタストロフドラゴンの攻撃時の効果を発動。相手の行動不能になってない『龍族』を指定してバトルすることができる」

『強制バトルだと!?」

 

カードには種族という概念があり、ダークネスドラゴンは龍族だ。

 

「クソッ!ダークネスドラゴンで防御!」

「カタストロフドラゴンは『龍族』とバトルする時、DP+4000だ」

「DP+4000だと!?」

 

フィールドで必死に抵抗しようとするダークネスドラゴンだが圧倒的な強さの前には為す術なくカタストロフドラゴンによって破壊され、爆散した。

 

「あ・・・・・・。あぁあああ・・・・・・!」

 

ば、バカな。

そんな、ネスが負けた・・・・・・?

 

「トドメだ。ダークドラで攻撃」

「――――――ぁ」

 

もうやつの攻撃を止める術はない。

ダークドラが走り込んでくる。そのまま俺のフィールドを駆け、最後のソウルを打ち砕いた。

 

「グワアアアアアアアアア!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、こいつは貰っていくぞ」

「あ・・・・・・」

 

バトルに負けて、散らばったカードの中から井上はじめがダークネスドラゴンを手に取る。

 

「い、嫌だ・・・・・・!」

「あ?」

 

いやだ。

嫌だ嫌だ嫌だ!

 

ダークネスドラゴンは、ネスは俺の初めての友達なんだ・・・・・・!

人とうまく喋れないし、性格も悪いことなんて自覚している!

そんな俺でもネスは友達でいてくれたんだ・・・・・・!

 

「ほ、他のカードなら全て渡す!金も、そこそこ持ってる!だから――――」

「黙れ」

 

そこにいたのは雑魚ではなかった。

俺が馬鹿にしていたヤツの面影なんてどこにもない。

闇だ。

ただ、漆黒の闇が俺を見ていた。

見下していた。

かつて俺がそうしたように。

俺が、こいつにしたように。

 

 

 

 

「負け犬がビービー喚くな。鬱陶しい」

「――――――ぁ」

 

連れて行かれる。

ネスを。たった一人の友達を。

 

「あああああぁああああああああああ!!」

 

俺の叫びが誰もいない夜の空に響く。

ヤツは――――――井上はじめはその叫びが聞こえても振り返ることは一度もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






モブの姿か、これが・・・・・・?


モブらしい(主観)
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