カードゲーム世界に転生したが、どうやら俺はモブらしい   作:ドラゴンスキー

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作者はMTGはやったことないです。
遊戯王、ポケカ、デュエマは少しやっていて一番やっていたのはバトスピですかね。
バトルスピリッツブレイブは神アニメなのでみんなも観よう!



第一話 主人公の幼馴染み

海人(かいと)への指導した日から数日が経ったある日の放課後、俺はまたしても『カードショップねこや』に来ていた。

というか用事がない日は大体ここに入り浸ってる気がする。

俺が普段行動できる範囲の中では一番大きいカードショップだし、野良試合も盛んに行われているのでカードしたいときはここに来るのが一番だ。

それにしても……。

 

「はぁ………」

 

俺は今パック開封を行っている。

パック開封と言えば自分の目当てのカードがでるかとか、なんか強いカードこい!とかそういうわくわくやドキドキがあるものだがこの世界のパックから出てくるカードは結構渋い。パックには8枚カードが入っているが、効果があるカードは1、2枚入っていれば良い方だ。大体が効果のないスピリットなので、この世界でカードをガチでやってない人のデッキというのは単一の属性のDPが高いスピリットを主軸としたデッキを使っている傾向が高い。そのため今剥いているパックから効果カードが1枚もでていないのは珍しくないと言えば珍しくない。

 

「あら、良いカードはこなかった?」

 

背中越しに話しかけられそちらの方を向くとカードショップねこやの店長である優香(ゆうか)さんが立っていた。

 

「あ、優香さん。こんにちは。まあ……そうですね」

「はい、こんにちは。ま、あまり落ち込まないようにね。運試しみたいなものよ、1パックだけの開封なんて」

「運試し……ですか」

 

だったら、俺の今日の運勢はそんなに良くないってコトになっちゃうけど。

そう言えば今朝観たニュースでの星座占いでも10位くらいだった気がする。ラッキーカードはスペルカードだとか。

 

「じゃあ、今日のパック開封はここまでにしておきます」

「いいんじゃないかしら?そういえば、今日は烈火くんは来てないみたいね。烈火くんがきたら、店内が賑やかになるからすぐ分かるのよね」

「え?……確かに来てないみたいですね。まあ、あいつのことなのでどこか違う場所でスピードやってますよ。多分」

「ふふ。目に浮かぶわ」

 

烈火の様子を想像することができるのか、くすくすとおかしそうに笑う優香さん。

優香さんは24歳の美人さんで、このカードショップに足を運んでいる人はカードゲーム目当てではなく、優香さん目当てで来る人もそこそこいる。

俺も小学生でなければワンチャン……。

 

「あら、()()()()()()()()()()()()がきたみたい」

「烈火目当て……?ああ……」

 

そんなこんなしていると入り口の方から誰かを探すようにキョロキョロと周りを見ながら歩いてくる女の子の姿があった。

というか、俺と海人がバトルしていた裏で烈火とバトルしていた少女――― 土屋広美(つちやひろみ)だった。

 

「烈火のやつ……ここにもいないなんて。もう!せっかく今日こそリベンジしようと思ったのに!」

「ふふ、燃えてるわね、広美ちゃん」

「あ!優香さん!烈火のやつ見ました?」

「残念だけど……今日は見てないわね~」

「あいつめ~!ホントにどこいったのよ!」

 

プンプンと特徴的なツインテールを揺らし私怒ってます!というに地団駄を踏んだ。

海人が転校してきて日が浅いし、街の案内でもしてるんじゃないですかね(メタ読み)。

 

「その烈火くんのことについてはじめくんと話してたのよ。どうせどこか別の場所でスピードやってるだろうなーって」

「私も、そう思いますけど――――ってはじめくん?」

 

言われて始めて気づいたかのようにこちらを広美が認識する。

モブですみませんね。存在感あんまないかもしんないです。

 

「ども」

「井上くんって……()()()()()()()()()()()()

「………」

 

その言葉、結構グサッと心に刺さったよ……。

悲報、俺氏、名前すら知られてなかった。

烈火のヤツが名前で呼んでたのを聞いてたと思うんですけど。

悲しいね。でもモブだしそんなもんか。

俺も人の名前覚えるの得意じゃないし。

 

「じゃあ改めてということで……井上一です。よろしく」

「うん、よろしく!知ってるかもしれないけれど、土屋広美(つちやひろみ)よ」

 

知ってます。

カードゲームのアニメで出てくる女の子キャラは大体が美人だったり可愛かったりする。土屋広美も例に漏れず、美人系というより可愛い系で、この世界がアニメとして放送されてたら結構人気ありそう。同人誌とか作られまくるんだろうな。変なおっさんバトラーにやられて言いなりにされるみたいな同人誌が描かれることを簡単に想像できるぜ。

 

「……井上くん?」

「え、あ、どうした?」

「いや、なんかボーっとしてたから」

「悪い、ちょっと考え事してた」

「そう………?」

 

危ない危ない。

俺が変なこと考えていることに気づいた訳じゃなさそうだな。

せーふ。

俺が胸をなで下ろしていると「あ、そういえば」となにかを思い出したように広美が話を続ける。

 

「この前は助かったわ。ありがとう」

「この前………?」

 

別に土屋さんに何かしたことなんてなかったはずだけど……。

 

「ほら、烈火に代って転校生くんに教えてくれたことよ」

「あー……、そのことね。別にお礼を言われるほどのことじゃないと思うけど」

「あなたが転校生くんに指導してくれたから、私は烈火にリベンジするチャンスを得たのよ。結果は………まあ、負けちゃったんだけど」

「お、おう」

 

なんて言ったら良いのかわかんないよ。

 

「まあ、なんだ。俺も海人――――転校生に教えるのはなんだかんだ楽しかったしな。気にしなくて良いぞ」

「そうかもしれないけれど、あなたがしたことに対して、嬉しいと思ったのだから感謝を伝えるのは当然でしょ?」

 

育ちが良すぎます。

小学5年生とはとても思えないほどの言葉だぞ。

身体は子供でも頭脳は大人なのかも知れない。

 

「そういうことなら、どういたしまして?」

「ふふ、なんで疑問形なのよ。――――――でも!」

「うお」

 

急にどうした。

 

「でも!次こそは絶対に私が勝つんだから!」

 

そう言ってのける広美の目はまっすぐに輝いていて、あの日見た海人と同じ目をしていた。カードバトラー特有の負けん気と勝利に対する貪欲さを土屋広美もしっかり持っているらしい。

こういうところがあるからこういうキャラは応援したくなるんだよ。

やっぱ人気あるだろお前。

 

「そうだな」

「なら、もっと特訓して今より強くならないとね?」

 

話を聞いていた優香さんも会話に混ざってくる。

 

「優香さん………。そうですよね!どうせこのまま烈火を探しても見つからないだろうし、今日はここで特訓していきます!」

「その意気よ!」

 

優香さんの言葉でやる気がでたのかフンス!と意気込んでいる。

 

「それじゃあ早速バトルスペースに移動しようかしら……誰か強そうな相手は―――っと」

 

バトルスペースを見ながら対戦相手を吟味しているらしい。

戦いを求めるその瞳はさながら狩人といったところか。

 

「それなら、はじめくんとバトルすればいいんじゃない?」

「え?」

 

ワイですか?

 

「はじめくんは結構強いわよ。小さい大会にも結構出てるし、ウチでも確か優勝経験あったよね?」

「そうなの!?」

「まあ、一応」

 

スピードは世界的に有名でカードショップの大会などもそれは結構な頻度で開かれる。優勝賞品などがある大会はそれはもう人気で倍率が高い。

俺が優勝した大会は参加賞や優勝賞品がない、本当にバトルするだけの大会だったので比較的に人は少なかったので優勝できたってのはあるかもしれない。

優勝賞品がある大会にも出場したことはあるが、結構いいところまではいけたけど3位にすら入れなかったからなー。参加賞のパック剥いて、強そうだけど全然使わないカードが出たのは今となっては良い思い出だ。

 

「へえ。やるじゃない井上くん!」

「ホントに一応だぞ」

「一応でもなんでも、すごいものはすごいのよ!私も優勝経験があるから分かるけど、そんなに簡単なことじゃないって理解してるの。――――――いいわ!相手にとって不足なし!これから時間ある?」

「ある……けど……」

 

こういう流れになんのね。

アニメだと主人公である烈火を中心に映してるだろうしこれは所謂物語の裏側ってやつかもしれない。

せっかくヒロイン(?)と対戦できる機会だし、やらない理由もない。

 

「じゃ、決まりね!早速移動しましょ!」

 

ちょっとだけわくわくしてきたぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどモニターがあるバトルスペースが空き、運良く次の利用する予約まで1時間空いていたのでそこでバトルする運びとなった。

 

「「じゃんけん、ポン!」」

 

くそ、負けたか。

 

「それじゃ、先行はもらうわ!」

「どぞ」

 

「スタートフェイズ!ドローフェイズ!」

 

広美がデッキから1枚カードを引く。

 

「メインフェイズ!『アイアンゴーレム』召喚!」

 

エネルギーゾーンのカード2枚を横に倒すことにより2エネルギーを生み出し『アイアンゴーレム』を召喚する。

DP2000の土属性の通常スピリットだ。

 

ちなみにスピードは6つの属性があり、火、水、土、風、光、闇がその内訳となっている。

 

「これでターンエンド!はい、次はあなたの番よ」

「ああ。スタートフェイズ。ドローフェイズで1枚ドロー!エネルギーフェイズ!」

 

自分の手札から1枚エネルギーゾーンへと出し、これで使用可能なエネルギーは4つとなった。

 

「へえ、井上くんって光属性つかいなのね」

 

俺のエネルギーゾーンのカードを見て広美は言う。

まあ、名前に光要素もなければ金髪でもないけどね。

別に光属性しか使わないわけじゃないし。

 

「メインフェイズ!『シャイニードラ』2体を召喚!」

 

モニターには幼い黄色いドラゴンが2体映しだされる。

『シャイニードラ』は1コストなので2エネルギーを横向きにし召喚を完了する。

『シャイニードラ』はDP1000の光属性通常スピリット。

 

「続けてバトルフェイズ!『シャイニードラ』で攻撃!」

「『アイアンゴーレム』でブロック!」

 

DPで負けた『シャイニードラ』は破壊されセメタリーゾーンへと送られる。

すまない、シャイニードラ。

必要な犠牲でした。

 

「まだまだ!もう一体の『シャイニードラ』で攻撃!」

「『アイアンゴーレム』は行動不能状態……。ソウルで受ける!」

 

相手のソウルカードを1枚選択してソウルを1つ破壊する。

広美はソウルが壊されたことによりエネルギーを一つ回復させ、取ったカードの内容を確認する。

ソウルが破壊されて、なんでエネルギーが回復するんですか!みたいな疑問があるけど、なんかソウル(魂)のエネルギーが補充されるとかなんとか(公式設定)。まあそんなこと言い出したら、なんでソウルが5個に分かれるんですか!っていうツッコミがまず来るよね。名前を呼んではいけないあの人かよ。

 

「ソウルカウンターは……ないわ!」

「ターンエンド」

 

こうして互いの最初のターンは終了した。

 

「いきなりソウルを削られた・・・・・・・まだまだこれから!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!カードを1枚出してエネルギーを4つに!リカバリーフェイズで行動不能の『アイアンゴーレム』とエネルギーを回復!」

 

そこまで言ってふぅと息をつく広美。

 

「メインフェイズ!『アイアンゴーレム』2体召喚!1エネルギー軽減できるから2エネルギーよ!」

 

エネルギーゾーンのカードを2枚使用する。

 

「バトルフェイズ!『アイアンゴーレム』でアタック!」

 

まだ使えるエネルギーが2枚残っているがもう出せないか、もしくはスペル用にとってあるのか・・・・・・。警戒はしておくか。

 

「ソウルで受ける」

 

指定されたソウルをめくり、手札に加える。

ソウルカウンターはないか。

使用されたエネルギーの内、一つを回復させる。

 

「まだアタックは続けるわ!もう1体の『アイアンゴーレム』でアタック!」

「それもソウルで受ける」

 

ソウルゾーンのカードを手札に加え、エネルギーを回復させる。

これで俺の残りソウルは3枚だ。

 

「ソウルカウンターはないようね」

「ああ、そうだな。もう1体残っているようだがどうする?」

「ターンエンドよ」

 

どんなもんよと広美は胸を張る。

ま、さすがにフルアタックしないか。

したところで俺は倒せないし、ブロッカーがいなくなってソウルががら空きになってしまう。

 

「俺のターン!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!」

 

ここまでの1連の流れまではいい。

使えるエネルギーは5つになったが、さてどうするか。

相手はブロッカー1対残っていて、ソウルは4枚ある。

対してこちらの場は『シャイニードラ』1対のみ。

ふむ。

 

「メインフェイズ!『シャイニードラ』を召喚!さらに『魔女見習いサラ』召喚!」

 

シャイニードラで1エネルギー、魔女見習いサラは5コストだがエネルギーを2つ軽減して3エネルギー必要とする。

 

「魔女見習いサラ・・・・・・厄介なのが出てきたわね」 

「まあな」

 

魔女見習いサラは、バトルフェイズに使用するスペルカードに限り、必要なエネルギーを1つ少なくする。この効果は重複しないがそれでも十分すぎるほどに有用だ。

 

「そしてバトルフェイズ!『魔女見習いサラ』で攻撃!」

「サラのDPは4000・・・・・・ソウルで受けるわ」

 

残りソウル3枚。

 

「シャイニードラで攻撃!」

「まだ攻撃を続けるの!?アイアンゴーレムでブロック!」

 

アイアンゴーレムのDPには勝てずシャイニードラは破壊されてしまう。

 

「もう1体のシャイニードラで攻撃!」

「ぐッ・・・・・・ソウルよ!」

 

残りソウル2枚

 

「ソウルカウンターは・・・・・・ない!」

「ターンエンドだ」

 

この状況を分析し、広美は狼狽える。

自身の残りソウルが2枚になってしまったことではない。

広美の場には3体のモンスターがいるのにも関わらずブロッカーを1体も残さなかったことに対してだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()!ブロッカーを残さなかったのは次のターンをどうにかできる自信があるってこと!)

 

だとしても広美のやることは変わらない。

スペルカードがもし相手にあって次のターンで倒せなかったとしても、

その次のターンで倒せばいいってこと!

そう意気込んでゲームを続ける。

次のターンこそが正念場だ。

 

「私のターン!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!アイアンゴーレムを回復!」

 

(私の場には3体のアイアンゴーレムがいるからこの全ての攻撃が決まれば私の勝ち・・・・・・・。だけど相手は十中八九スペルカードを持ってるだろうし、なによりソウルカウンターもあるかもしれない。私がこのターンでするべきことは相手のカウンターを防げるように準備することよね・・・・・・)

 

そこまで考えて次のフェイズに移行する。

 

「メインフェイズ!『ギガントゴーレム』召喚!コスト5だけれど2つ軽減して3エネルギーよ!」

 

ギガントゴーレムはコスト5の土属性のスピリット。DPは4000。

アイアンゴーレムよりも体格がデカいゴーレムがモニターに映し出される。

ギガントゴーレムの攻撃はソウルカウンターを発動できなくする強力な効果がある。

 

「いくわよ!バトルフェイズ!アイアンゴーレムでアタック!」

「アイアンゴーレムの攻撃に対してインスタントスペル、『通行禁止』を使用する。コスト4で軽減2つだからエネルギーは本来2つ必要だが『魔女見習いサラ』の効果で1つコストが下がるから1エネルギーで使用することができる!」

「やっぱり持ってたわね・・・・・・!」

「『通行禁止』の効果で現在行われているバトルが終了した時、強制的にバトルフェイズを終了させる!」

「でもまだ攻撃は続いてるわ!」

「その攻撃はソウルで受ける!」

 

インスタントスペルとはバトルフェイズにおいてもエネルギーを使用することにより使えるスペルの事だ。

そしてはじめのソウルが残り2枚になる。

 

「ソウルカウンターはない・・・・・・・。だがアイアンゴーレムの攻撃は終了したのでバトルフェイズも終了だ」

「・・・・・・・ターン、エンド」

 

案の定相手のソウルを削り切ることはできなかったがそれは想定内。

 

(私のソウルは残り2枚で、アイアンゴーレムが2体とギガントゴーレムがいる。そして手札にはスペルでDPをあげるスペルを持ってるから、よほどのことではDP勝負で負けない)

 

悪くない・・・・・・・と広美は考える。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!どこからでも来なさい!)

 

「俺のターン!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!エネルギーとスピリット達を回復!」

「・・・・・・・・・・・」

「そしてメインフェイズーーーーーーー」

 

(さあ、どう来る!?)

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーー()()()()()()!バトルフェイズ!」

「!!?」

 

メインフェイズに何もしないということを聞いて一気に広美の頭は混乱した。

 

「魔女見習いサラで攻撃!」

 

(サラとギガントゴーレムのDPは互角!だけど・・・・・・!)

 

「ギガントゴーレムでブロック!そしてインスタントスペル、『大粉砕』使用!これによりギガントゴーレムのDPは2000追加され合計6000!」

 

大粉砕はコスト4のスペルで軽減が2つ。残ったエネルギーを2つとも使用しスペルを唱える。

 

「こちらもインスタントスペル、『風の翼』を使用!魔女見習いサラを指定!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

()()()()()()()()!?まずい!」

「さらにインスタントスペル、『ライフポーション』使用!魔女見習いサラを指定!()()()()()()()()()()()()()()()!」

「・・・・・・・!!」

 

風の翼はコスト5、軽減2。

ライフポーションはコスト4、軽減2。

そのどちらもサラによりコストが1つダウンしている。

 

(風の翼とライフポーションのコンボ・・・・・・・!しかもサラによるシナジーは抜群!メインフェイズをスキップしたのはこの2枚があったから・・・・・・・!!)

 

3体ものブロッカーを残していても、ブロックできないのでは意味がない。広美のバトル場にも手札にも現状を打開できるカードは存在しない。

 

 

(でも・・・・・・・!!()()()()()()()()()()()()()!ソウルカウンターが残ってる!最後まで諦めない・・・・・・・!)

 

「ソウルで受けるわ・・・・・・・!!」

 

ソウルカードの残りが1枚となる

 

(お願い・・・・・・・!!)

 

広美は祈るようにカードを確認する。

 

「・・・・・・・・・・ふぅ」

「・・・・・・・・回復した魔女見習いサラで攻撃」

 

風の翼の効果はターンの間持続するのでブロックすることはできない。

 

「ソウルで、受けるわ」

 

最後のソウルが0となりはじめの勝利となる。

 

「・・・・・・・!」

 

最後のカードを見た広美は目を見開いた。

 

(・・・・・・・()()()()()()()()()()()()()()・・・・・・。遅いってのよ、まったく)

 

ゲームのシステム的にはソウルカウンターの効果が終わったときにソウルが0になっていたら負けとなるので効果自体は発動できるのだが、最後に引いたソウルカウンターの効果は、相手のコスト6以下のスピリットを1体破壊する効果なのでサラを破壊したとしても負けとなる

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そんな事を考えてしまうのはカードバトラーなら1度はあるだろう。

だがどんなに後悔しても結果は変わらない。

それがカードゲームであり、勝負なのだから。

 

「・・・・・・・完敗よ。やっぱり強いじゃない」

「ありがとう。でも、最後の順番が違ったら分からなかったけどな」

「・・・・・・・!気づいてたの?」

「まぁ、そういう顔してたし。俺もそういう経験あるからな」

「・・・・・・・そっか」

 

 

あと1歩。

カードゲームにおいてその1歩がどれだけ遠いか。カードバトラーならよく知っている。

少しのプレイングミスや選択が違っていたら勝敗がひっくり返っていたかもしれないなんてのは日常なのだ。

だからこそ、カードゲームは面白いのだが。

 

 

「く〜〜〜!!烈火にリベンジする前にまた負けた〜〜〜!!」

「はは・・・・・・・」

 

そうえば烈火にリベンジするための特訓としてバトルしてたんだったか。

 

「だからーーーーーーーー」

 

そして土屋広美はこちらをビシッと指差して宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたにも、いつかリベンジするから!覚えておきなさい、()()()!」

 

「・・・・・・・!」

 

 

 

 

 

やはり土屋広美という少女はこの物語の主要人物であり、尊敬できる人なのだと実感した。

 

 

「ああ。俺も、負ける気はないよ。広美」

「・・・・・・・!ふん、上等よ!烈火もはじめも倒していつか世界一になってやるんだから!」

 

 

絶対よ!という言葉を残して広美はカードショップを後にした。

 

こんな、物語の裏側だったとしても人の数だけ物語がある。

だから俺がモブだったとしても、俺なりの物語を紡いでいけばいいだけなのだ。

 

そう思い、店長に挨拶してからはじめも帰路に着いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  

 

 

 

 

「烈火くん、もう帰ろうよ・・・・・・・」

「いや、あるはずなんだ・・・・・・!ここに、伝説のカードが・・・・・・!!」

「ないと思うんだけど・・・・・・・。はぁ・・・・・・」

 

一方その頃、烈火と海人は商店街の人に聞いた噂の真実を確かめるべく、人気のないところを探していたり、たまたまそこにいた人が伝説のカードを持っていると勘違いしてバトルするなどの一悶着あったが、結局日が暮れても伝説のカードを見つけることはできなかった。

 




あと1歩のところで勝てない。
ここでこっちにしていれば。

カードゲームをやっている人はこういった経験をした人は多いのではないでしょうか?

よろしければ感想や、評価、お気に入りしていただけると執筆作業が捗り作者も嬉しいです!
では、また!
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