カードゲーム世界に転生したが、どうやら俺はモブらしい   作:ドラゴンスキー

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第五話 特訓開始です!

「――それでですね?風花ちゃんは私の言葉は気にしてないって言ってたんです!抜け出したのも気分転換だって!」

「お、おう。そうか。よかったな」

 

ライブが終わったその日の夜、国民的アイドル様から電話がかかってきた。

どうやら五十嵐とも話して仲直り(?)が出来たらしい。だからこうして事の顛末を教えてくれているということだ。それにしても今電話している相手が朝比奈さんだからか心臓がバクバクとうるさい。こんな奇跡が起きて良いのか。

 

「そういえば朝比奈さんはスピード好きって言ってたけど、大会とかにはでるの?」

「南でいいですよ?私は、大会には参加してないですね・・・・・・。あ、今度のデュエルトーナメントではゲストとして参加することになったんです!」

「すごいね、おめでとう」

「はい!」

 

そっかもうそんな時期か。

一年に一度の祭典であり、カードバトラーが目指すべき大会。参加者は万を超える人数が参加することになり、予選からかなりの激戦が繰り広げられる。去年はあと一歩で本戦出場のところで負けた。思いっきり手札事故したね。今年こそは本戦に出たい。なお、去年本戦で活躍した人は『デュエルパス』を貰えて今年の予選をパスすることができる。星川光輝とかがその代表と言えるだろう。

 

「はじめくんもデュエルトーナメントでるんですよね?私も応援していますので、頑張ってください!」

「ああ、ありがとう。頑張るよ!」

「はい。それではおやすみなさい」

「おやすみー」

 

通話が切れる。

朝比奈南におやすみ言ってもらえたんだが!?

俺明日死ぬのかな・・・・・・?

 

「寝れねえ・・・・・・」

 

朝比奈さんのおやすみコールが頭から離れず眠れたのは結局2時くらいになってからだった。

 

 

 

そして翌日、いつものように起こされ、スピードニュースを見ながら飯を食べて、支度を済ませてから家をでる。

 

「おっはよう!」

 

肩をバシンと叩いてくるヤツが一人。

 

「おはよう烈火」

「おう!おはよう!」

 

んじゃーな!と走って行く烈火。

お前のその体力羨ましいよ。

 

「ふわぁああ」

 

眠い・・・・・・。

今日の授業はまずいかもしれんな。

 

 

 

気づけば放課後になっていた。

え、キング〇リムゾン・・・・・・?時間を飛ばされたんだが・・・・・・。

 

「珍しいね、はじめくんが授業中眠るなんて」

「そうだな。昨日はあんまり眠れなかったんだよ」

「俺も今日は眠っちまった!」

 

烈火、お前は今日はじゃなくて今日もだろうが。

 

「烈火くんはいつもだと思うけど・・・・・・」

「へへ、ま、いいじゃねえか細かいことは!それより―――」

 

細かくねえだろ。

 

「――特訓だよ!特訓!」

 

「「特訓?」」

 

俺と海人の声がハモる。

ここで昨日朝比奈さんと話した内容が蘇った。

 

「ああ、デュエルトーナメントに向けてってことか」

「そう、デュエルトーナメントには星川光輝も出場する!リベンジの機会だ!」

「リベンジするなら本戦に出ないとな」

「でも、予選であたるかもしれないよね?」

 

海人が首を傾げる。

 

「普通ならそうだが、デュエルトーナメントは本戦で良い結果を出すとデュエルパスというのが貰えて予選をしなくとも本戦に出られるんだ」

「なるほど、そうなんですね!」

「ああ、そのためにも―――」

 

「――――強くならなきゃ、でしょ?」

 

扉の方から声をかぶせるように言ってくる少女がいた。

 

「広美!」

「その話、私も乗ったわ!」

「おお、広美も参加してくれるなら心強いぜ!」

「これで4人ペアを作れるね」

 

海人の言うとおり3人しかいなかったら誰かはバトルできない状態になるからな・・・・・・。2人組作っては禁止カードだろ。

 

「じゃあ移動するか!」

 

ということでやってきました、お馴染みのカードショップねこや。

ここが俺らの第2の学校と言っても差し支えない。

 

「ちょっとカード見てきていいか?」

「あ、私もみるわ」

 

大会前にめぼしいカードを補充しておくつもりか。

まあ、大会が近づけば近づくほどカードは無くなっていくので買うなら今のうちか。

カードショップは盛況だなあ。

 

「海人、せっかくだし俺らも見に行くか」

「・・・・・・!うん!」

 

カードを購入するのはいくつかの種類がある。まず普通にガチャやパックで手に入れる。店のばら売りで一枚単位で買う。店が作ったオリジナルパック――オリパを購入するのが一般的だろう。

 

「はじめくん、オリパって?」

「あそこを見てみろ」

「あれって、ポスター?」

 

ポスターというかオリパの当り枠のことだな。

 

「オリパの当りが書いてあるだろう?ようはこのオリジナルパックのどれかにあの当りが入っているということだ。まあ他のヤツが買ったオリパの中に入っていたらこの中にはないかもしれないが」

「へー・・・・・・って高いね!1パック2000円!?」

 

「オリパは高いわよ~?」

 

優香さんが話に入ってくる。店長をしているだけあって優香さんはグッズなどの値段にも詳しく、オリパだけでなく福袋も作っていたりする。

 

「まあ学生に向けた商品ではないわね、オリパは」

「ですよね」

「ま、たまにたくさん買っていく学生もいるけどね」

 

多分石油王の息子か何かやな。

 

「俺はガチャでもやって時間潰すかー・・・・・・」

 

近くにあった新弾のガチャに100円を入れて取っ手を回す。何がでるかな~?

4枚のカードがでてくるので、カードを纏めている紙を外し中身を確認する。

 

「お・・・・・・これは・・・・・・?」

 

「おーいはじめ!そろそろ始めるぞー!」

 

烈火から集合の合図が入ったので、カードをデッキに入れ、烈火達の元へ向かった。

烈火達はバトルスペースにいて、誰とするかを話していたようだ。

 

「誰とするかはどうやって決めるんだ?」

「ぐーぱーでいいんじゃない?」

「わかった、はじめくんもそれでいい?」

「ああ、かまわない」

 

ぐー、烈火、海人。

パー、俺、広美。

2つに綺麗に分かれたな。

 

 

「はじめにリベンジする絶好の機会ね!」

「できるのか?」

「やってやるわよ!」

 

ほう、ならお手並み拝見といきますか。

 

「「じゃんけんぽん!」」

 

俺のグーに対して広美はパー。

 

 

「先行は貰うわね!」

 

こいつにいっつも先行もっていかれるな・・・・・・!

 

「スタートフェイズ!ドローフェイズ!メインフェイズ!フィールドカード、『古代遺跡』を展開!」

 

古代遺跡はコスト3で、自身の効果があるスピリットのDP+1000、効果のないスピリットのDP+2000するカード。

DP勝負になるときついな。

 

「ターンエンド」

「俺のターンだ!スタートフェイズ!ドローフェイズ!」

 

お、早速きたか。

 

「エネルギーフェイズ!メインフェイズ!シャイニードラを召喚!さらにフィールドカード、『光の花園』展開!シャイニードラがいるので1エネルギー軽減だ」

 

「はじめもフィールドカード使うのね」

 

さっきガチャで当たったやつです。

 

「ああ。そしてバトルフェイズだ!シャイニードラで攻撃!」

「ソウルで受けるわ!」

 

広美の残りソウル4。

 

「ターンエンド。『光の花園』の効果でターン終了時、行動不能な光属性スピリット一体を回復させる。シャイニードラを回復」

「ぐっ・・・・・・けっこうめんどくさい効果ね」

 

ブロッカーを残さなくてもいいのは良い利点だ。

 

「まだまだこれから!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!メインフェイズ!『アイアンゴーレム』2体召喚!」

 

アイアンゴーレムの本来のDPは2000だが、古代遺跡の力で+2000され、合計4000となっている。

 

「バトルフェイズ!アイアンゴーレムで攻撃!」

「ソウルで受ける」

 

残りソウル4。

 

「次のアイアンゴーレムで攻撃!」

「それもソウルだ」

 

残り3。

 

「ターンエンドよ」

 

「俺のターン、スタートフェイズ!ドローフェイズ!・・・・・・!」

「・・・・・・!(なにかきたわね!)」

 

「エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!メインフェイズ!シャイニードラを召喚!そして『大天使ミカエル』召喚!」

 

ついにきたぜ、俺の切り札!

コスト6で軽減2つして4エネルギー払う。

 

「バトルフェイズだ!ミカエルで攻撃!」

「インスタントスペル、『大粉砕』を使用するわ!コスト3以下のスピリット一体を破壊よ!シャイニードラを破壊!」

 

「くっ・・・・・・!でも攻撃は続いている!」

「ソウルで受けるわ!」

 

広美の残りソウル3。

 

「『大天使ミカエル』の効果発動!相手のソウルを破壊したとき、自分の手札から1枚選びソウルゾーンへ置く。ただし、この効果で置いたカードのソウルカウンターは発動できない」

「ソウル回復効果・・・・・・!?」

 

俺の残りソウル4。

 

「ターンエンド。光の花園の効果でミカエルを回復」

「くぅ~!やるわね!でも私のターンよ!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!メインフェイズ!」

 

そこで広美が止まり、ふふんと笑う。

 

「いくわよ、私の新しい切り札!『土龍王グラウンドドラゴン』!」

「・・・・・・!」

 

烈火と同じようなカード・・・・・・!?

 

「グラウンドドラゴンはDPを自分以外のスピリット数+1000する効果があるわ!私のフィールドには2体いるから+2000で合計7000!」

 

7000!?ミカエルは4000やぞ!?

 

「バトルフェイズ!攻撃よ、グラウンドドラゴン!」

「ぐっ、ソウルだ!」

 

残りソウル3。

 

「続けてアイアンゴーレムで攻撃!」

「(古代遺跡の力で4000になってるからな・・・・・・)ソウルで受ける」

 

残り2。

 

「ターンエンド。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()!?」

 

DP7000の壁が・・・・・・!

 

「くそ、スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!メインフェイズ!」

 

(手札には『風の翼』と『ライフポーション』があるけど、相手のソウルは3・・・・・・!一手足りない!)

 

「魔女見習いサラを召喚!ターンエンド!」

 

(なんとかここを耐えるしかない!)

 

「私のターンよ!スタートフェイズ!ドローフェイズ!エネルギーフェイズ!リカバリーフェイズ!メインフェイズ!アイアンゴーレムとギガントゴーレム召喚!」

 

まずい!

 

「ギガントゴーレムで攻撃!」

 

ギガントゴーレムはソウルカウンター発動を阻害する効果がある!

 

「シャイニードラで防御だ!」

 

DPに負け、シャイニードラは破壊される。

 

「アイアンゴーレムで攻撃!」

「魔女見習いサラで防御する!」

 

サラもまた破壊される。

 

「次のアイアンゴーレムで攻撃!」

「ソウルだ・・・・・・!」

 

ソウルカウンターは、なし。

残り1。

 

「グラウンドドラゴンで攻撃よ!」

「・・・・・・ソウルで受けるよ」

 

残り、0。

 

「・・・・・・・・・・・・」

「これでリベンジ達成ね!」

「ああ、まいった・・・・・・」

 

完敗だ。

 

「・・・最後、まだミカエルが残ってたけど、負けが決まったから防御しなかったの?」

「・・・・・・ああ。防御したとしても、破壊されるだけだったからな・・・それなら――」

 

「―――それでも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「・・・・・・・・・・・・!!」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

それから、烈火達とも対戦を行ったが俺は1度も勝つことは出来なかった。

海人にすら、負けた。

 

烈火も、海人も、広美もドンドン強くなっている。

カードの性能だけじゃない、戦い方もより洗練されてきている。

いつか勝てなくなる、なんてどれだけ見通しが甘かったのだろう。

 

「悔しい・・・・・・」

 

悔しい、悔しい、悔しい、悔しい、悔しい―――。

 

これから俺はどうするべきなのだろう?

 

広美から言われた言葉が頭の中をぐるぐると回る。

最後まで戦いぬこうとしなかったから、ダメなのだろうか。

でも、あそこで防御することを選んだところで結果は変わらないというのに。

 

答えは出ないまま今日という日は過ぎていった。

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