三つの女冠を手に、眩い憧れを目指して   作:ドーンローシェン

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あらし風に身を任せ

「うー……」

 

 怒られた、しっかりと。

 早乙女トレーナーをなんとか帰らせた後、そのまま走ろうとしたら寮長に見つかってしまった。

 心配して探しに来てくれたのと、誰かからか連絡があったらしい、誰だろうか。

 

 寮母さんがとても怖かった。

 寮長……?

 あれはかっこいいと言うのだろう。

 

「……ふう」

 

 シャワーは浴び終えたので、あとは寝るだけ。

 ルームメイトは既に眠りに着いているみたい。

 

「ふにゃ……うぅん」

 

「……ん、おやすみ」

 

 聞こえてないだろうけれど、一応。

 普段はムードメーカーと言った感じで、接していて楽しい子である。

 私自身はあまり喋ったり騒いだりしない方であるというのも関係しているのかもしれない。

 

「ざまぁみろトレーナー……ふやぁ……」

 

「……何の夢、見てるの……?」

 

 トレーナーって、まだ契約すらしていない筈なのだが、お互い。

 

 見下しているトレーナーを、いい成績を取って見返している、とか?

 ……まあ、私には関係ない話ではある、うん。

 

「ん……」

 

 散々寝たのに、もう眠気がやって来た。

 ……いやまあ、珍しく散々走ってもいるのだが、それはそれとして。

 

「……」

 

 横になり、目を瞑る。

 今日は色々なことがあった。

 

 ……胸をざわつかせるあの景色も、私を悔しそうだと言ったあのトレーナーも。

 色々あったし、振り回されたし、結局解決もしていない。

 骨折り損の、くたびれ儲け、と言う奴だ。

 

「……ハジメテは、疲れ……る……」

 

 

 

 


 

 

 

 

「専属……とれーらー?」

 

「トレーナー、よ。全く、牽引自動車(トレーラー)を専属にしてどうする気なのかしら」

 

「……ん」

 

 焦燥の答えが見つからないまま、結構な日にちが経った。

 相変わらずたまーに走ると感じることはできるのだが、どうにも規則性が見つからない。

 ところでキング、その専属トレーナーがどうしたのだろうか。

 

「後、あなただけなのよ」

 

「?」

 

「私達7人の中で、レースに出られないの」

 

「……」

 

 ふむふむ。

 ……ふむ?

 

「……?」

 

「あははっ、まだピーンと来てないみたいだよーキング〜?」

 

「くっ……! 予想以上ね!」

 

「なんの、こと?」

 

 またキングが悔しがってる。

 ……何かした? 私。

 

「ふふ、キングさんは皆で走りたいと仰ってるんですよ〜」

 

「……何、を?」

 

「そこからなのデスかっ!?」

 

「さ、流石ユズちゃん……ごほっ」

 

「? ……??」

 

 グラスに補足され、エルに突っ込まれ、ツヨちゃんに……褒められてない褒められ方をされた気がする、何故だろうか。

 

「スペちゃん、分かる?」

 

「あ、あはは……流石に分かるよ?」

 

 最後の砦、スペちゃんには苦笑い、解せぬ。

 

「……スペちゃんでも分かる……?」

 

「なんか酷いっ!?」

 

 ん、自覚あり。

 それはともかく、一緒に走りたいとはどう言うことだろうか。

 私、別に接戦とかした覚えはないし、実力的にはパッとしないと言うのが実情だと思うのだが。

 

「……なん、で?」

 

「んー、それはー……まぁ、ねえ?」

 

「折角なら、って奴?」

 

「けほっ……7人だからこそ、だね」

 

「……1番小さいの……私だけど」

 

「何でそうなるのよっ!」

 

「そういうことじゃないデスよ、ユズちゃん」

 

「……ん、分かった。トレーナー?」

 

 ……いや全く分かってないけど。

 とりあえずトレーナーを探して欲しいと言うことらしい、意図は理解できないが。

 

 ……というか、模擬レースが始まってまだ少しだよね、速くないかな皆。

 まあ、各々らしいやり方や出会いでトレーナーを見つけたのだろう、多分。

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