縁繋の魔女〜小さな偶然達の集会で会いましょう〜   作:慈愛の魔女

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番外編②『居候でスマナイ』

 事の発端は、その日は何故かヒナの方からハーブティーの持参があった事だった。

 

 それを見たティーパーティーの面々は、最初こそどういう風の吹き回しかと困惑もしていたが、コレが万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の羽沼マコト等なら、悪意的な意図があっても可笑しくないと警戒もしただろうが⋯⋯相手はこういう物事には律儀かつ生真面目に接してくる風紀委員会の空崎ヒナだ。

 

 その点では信用に足り善意的な気持ちによるものと伺えた。

 

 その上にわざわざこちらに合わせての紅茶である、コレがコーヒー豆とかなら、この場に置いては似つかわしくない等理由をつけれたが、ハーブとはいえ紅茶である事には変わらない、故に無下にすると言うのも忍びない、なのでせっかくだからと今回は用意した紅茶とは別で、そのハーブティーを皆で飲む事にしたのだ。

 

「空崎ヒナさん⋯⋯このハーブティーは一体何処で手に入れましたか?」

 

 そして、ハーブティーを飲んだ後、真剣な眼差しで桐藤ナギサは空崎ヒナを見詰めながらそう言った。

 

「⋯⋯コレはミサの手作りよ⋯⋯ここに来る際に良かったら皆に振舞ってとお願いされたのよ」

 

「ミサ⋯⋯風紀委員会の副会長『黒木ミサ』さんの事ですね⋯⋯雷帝を改心させた暗黒期の救済者、つば広のとんがり帽子を被るその姿から、ゲヘナの魔女と呼ばれ⋯⋯噂によれば連邦の生徒会長とも中が良いとか⋯⋯なるほど⋯⋯その彼女が⋯⋯ですが⋯⋯それにしてもこれほどのモノを⋯⋯」

 

 そう言いながらティーカップに注がれた紅茶を眺めながらナギサは呟く。

 

 そんな彼女達のやり取りを興味深そうに眺めるものがいた。

 

「ふむ⋯⋯いいんじゃないかな?」

 

「⋯⋯? セイアさん?」

 

「私としてもコレは中々の良いものだったからね⋯⋯個人的にその礼は言いたいとは思ってはいるんだよ。それに⋯⋯何れにせよエデン条約の今後を考えるなら、彼女との面会も必要にはなるだろう⋯⋯ならばここはいっその事、彼女への礼のついでに面会を済ますのは悪い話では無いだろう⋯⋯」

 

 百合園セイアはそう言うと、Tカップを手にして紅茶を一口飲むのだった。

 

─────⋯⋯⋯⋯⋯

────⋯⋯⋯⋯

───⋯⋯⋯

──⋯⋯

─⋯

 

「楽園とはこういう場所にあったのだな⋯⋯」

 

「⋯⋯? セイアちゃん一体どうしました?」

 

 私の夢の中で何故か椅子に腰掛けながらティーテーブルの紅茶を飲んで一息ついたセイアちゃんが、そう言いました。

 

「ん⋯⋯あぁ⋯⋯普段は私の未来を予知する力の影響でね⋯⋯現実と夢の境目が曖昧になりがちで⋯⋯精神的な影響による、身体的な負荷が酷い有様だったものでね⋯⋯その点⋯⋯この空間は現実とは違う対極的な空間だ⋯⋯何も無い暗闇だけではあるが、このようにイメージだけで色々と出来るのは夢ならではと言うべきだろう⋯⋯しかも夢だから疲れたり体力的な負担も無いからまさに最高と言うべきだろう、故に結果としてだが、私にとっては安らぎの場となっている⋯⋯それに何よりも、この空間の住民⋯⋯基〇〇〇の存在は大きいと言えるな⋯⋯彼が自称する叡智をさずける悪魔と言うのはあながち間違いでは無いだろう、実に私としてはなかなか興味深い会話も出来ているしな⋯⋯フフフ⋯⋯」

 

「何か分かりませんが、喜んでくれているなら何よりです♪」

 

 何だか嬉しそうに流暢に話すセイアちゃん、私はそんなセイアちゃんに首を傾げながらもそう言いました。

 

「フフ⋯⋯そうだね⋯⋯とはいえ有意義といえば君との会話も実に気に入ってはいるよ」

 

「⋯⋯? そうなのですか?」

 

「まぁね⋯⋯君の私には無い柔軟な発想は非常に私には無かった見解を見せてくれる⋯⋯『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』と言う議題に対し、その楽園は100人中100人が納得する必要性があると言う前提自体が可笑しいのでは? と言う意見は実に面白かったし⋯⋯王様が国を守ろうとして結果として滅んだ話等は、私の王様だったからと言う結論に対し、王様が孤独だったからと言う見方等は中々興味深いものだったよ⋯⋯特に孤独云々の降りで例題にだした、『いらない王様』と言う話は実に興味深かったしね⋯⋯」

 

「いらない王様ですか?」

 

 私はそう言って首を傾げました。と言うのも確かに私はお幼い頃に魔女の集会とは別に、父さんから聞かされたその話をした事はありました。

 

 政策も実力も完璧だったけど何時も怒って怒鳴ってバカりなせいで、貴方はいらないと言われ追放された王様⋯⋯そんな王様に付いていき、たとえ拒絶されても王様に心から笑って欲しいと、最後の最後まで王様の傍らにいた優しい道化師の話⋯⋯。

 

「あぁ⋯⋯その話の道化師のような人が王様にはいなかったから、独りで全てを解決しようとしてしまい、王様はやり方を間違えてしまった⋯⋯だったな⋯⋯確かに言い得て妙だと思ったよ⋯⋯それを聞いた時に私は君は正しくその道化師のようだとも思ったよ⋯⋯」

 

「道化師ですか? あはは⋯⋯私は魔女になりたいんですがね⋯⋯」

 

「いやいや⋯⋯この道化師だって見方さえ違えば、いらない王様を有能な王様に変える魔法を持った魔女とも取れる⋯⋯そう思えば以外と悪くは思えないかな?」

 

「ふぇっ!?たっ確かにそう言われたらそうですね!!」

 

 私はそう言うと何故かセイアちゃんは、ヤレヤレと言った雰囲気で肩を竦めました。

 

 えっと何でそうしたんでしょうか? 分かりませんが何か解せませんね⋯⋯。




オマケ
桐藤ナギサ
思わずシェフを読んで感覚でヒナに聞く程に、まじでハーブティーは美味しかった。ミサの事は一応ティーパーティーなので調べてはいるが、調べた情報と実際の彼女が全然イメージと合わない余りに、本物かどうかすら疑ったりした。

百合園セイア
ミサの存在が自分の未来予知に登場せず、ハーブティーの件等わずかばかりに未来が変動した為、かなり興味を抱いてナギサに彼女を呼び出そうと話を持ち出した。ちなみに襲撃の際はミサから貰った薬により原作よりも軽傷で身を隠してはいるが、偶にウラワーと密談してたりする。

浦和ハナコ
偶にシスターフッドで密談してる。最近はよくミサの話を聞かされてたりする。ちなみに『いらない王様』の話はセイア同様に興味深かった模様⋯⋯。

いらない王様
NHKの『おはなしのくに』と言う番組で、やってた物語。内容は完璧超人なのに何時も周囲に怒って怒鳴り散らしてた王様が、国民達からいらないと言われて追放され、その後にただ一人着いてきた道化師と共に新たに国を再建しながら改心していくと言うもの、最後は追放した国民が、王様が居なくなって国の行政が傾きだしたから帰って来てと、王様に謝罪と同時に祈願して王様はそれを承諾。そして、王様に自分の役目は終わっとそのまま立ち去ろうとする道化師(実は女の子だった)を妻に娶り、いらない王様と道化師は消えてハッピーエンドと言う感じの話だった。(ちなみに作者のお気に入りの物語)ちなみにミサの世界線では魔女の集会と共に、両親がミサに語った話となっている。

作者のどうでもいい話⋯⋯
ミカ⋯⋯ナギサ⋯⋯セイア⋯⋯まさかまさかの水着全部来ちまったよ⋯⋯しかも通常ナギサピックアップも引き当てて残るは通常ミカだけ⋯⋯もうコレは番外編でもいいからティーパーティーの話書くしかないじゃない!!
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