縁繋の魔女〜小さな偶然達の集会で会いましょう〜   作:慈愛の魔女

9 / 12
その7 仮面と庭園

「ははぁ〜届いた届いた届きました。待ちに待ちましたよ本当に」

 

 アレから無事に退院した小鳥は、今日風紀委員会本部に届いた荷物を開けて、中から小鳥ちゃんが仕事中に良く被っている、鳥の嘴が付いた様なマスク⋯⋯ペストマスクを取り出しながらそう言いました。

 

「ミサちゃんミサちゃん、どうですか? 似合ってます? 似合ってます?」

 

「ふふ。そうですね。似合ってますよ。あっそうそうはい! いつも通りのお守りです♪」

 

 楽しそうな小鳥ちゃんに私は自分の事の様に嬉しくなりながらも、彼女に予め作って置いたお守り、基匂い袋を渡しました。

 

「おぉ! ミサちゃん特性の! サンキューでありますよ!」

 

 小鳥ちゃんはそう言うと私からお守り(匂い袋)を受け取り、そのままペストマスクの嘴となってる部分の筒の中に入れました。

 

「スーハー⋯⋯フフッ⋯⋯あぁ。やっぱりコレでありますなぁ」

 

「⋯⋯ミサ風紀副委員長⋯⋯何時も思うんだけど⋯⋯コレは本当に普通の匂い袋なんだよね⋯⋯ヤバい薬とかじゃなくて⋯⋯」

 

「⋯⋯? 普通に胡蝶蘭ですよ?」

 

 私は首を傾げる中、それでもホントか? 見たいにイオリちゃんは疑いの目で見てきました。何か解せませんね⋯⋯。

 

「一応言っておきますが⋯⋯胡蝶蘭は私のお気に入りで、私が愛用してる石鹸や香水に使用してますよ何なら嗅いでみますか?」

 

「⋯⋯あぁ⋯⋯なるほどね⋯⋯理解したわ⋯⋯」

 

 イオリちゃんは何か悟った見たいな顔をして、小鳥ちゃんをチラリと見た後、頭が痛いと言ったように片手で頭を抱えます。

 

「どうしました? 頭痛なようなら頭痛薬を用意しますよ?」

 

「場合によってはお願いするわね⋯⋯どちらかと言うと今は胃薬が欲しい所だけれど⋯⋯」

 

「胃薬ですか? 渡すのは明日で良ければ、後で作って起きますよ⋯⋯」

 

 イオリちゃんはそう言ってフラフラと仕事へと向かいました。あの状態で大丈夫でしょうか⋯⋯?

 

 後で他の子達にイオリちゃんの事を、お願いしておきましょう⋯⋯あの様子だとなんだか心配ですし⋯⋯。

 

「ひゃん!?」

 

 私はちょっと驚いてそんな声を出してしまいました。いや⋯⋯コレは仕方がないと思いますよ⋯⋯だって隣で小鳥ちゃんが、何故か私の首筋辺りに顔を近づけて匂いを嗅いでるんですよ⋯⋯。

 

「こっ小鳥ちゃん匂いを嗅ぐのは良いですが⋯⋯嗅ぐなら嗅ぐで予め言ってくださいよ! もう!!」

 

 私は明らかに怒ってますと頬をプクッと膨らませて、小鳥ちゃんに抗議します。

 

「あはははは⋯⋯ごめんでありますよ⋯⋯ただ何時も貰ってる匂い袋が、ミサちゃんと同じ匂いだと初めて聞いて、私個人としても気になってしまったんものでありますよ」

 

 えっと⋯⋯そういえば確かに香水や石鹸等の話しは言ってませんでしたね⋯⋯それならまぁ⋯⋯仕方ないのでしょうか? 私は首を捻りながらも時計を確認します。

 

「あっ⋯⋯そろそろ時間ですね」

 

「あぁ⋯⋯確かに時間でありますなぁ⋯⋯それではまた仕事が終わり次第⋯⋯」

 

「はいっ! 仕事が終わり次第また!」

 

 私はそう言って手を振り、その場を後にするのでした。

 

─────⋯⋯⋯⋯⋯

────⋯⋯⋯⋯

───⋯⋯⋯

──⋯⋯

─⋯

 

「やはりここのコーヒー豆はいいものだなぁキキキキ」

 

「はぁ⋯⋯まぁ⋯⋯確かに良質な事は否定はしませんが⋯⋯」

 

 今、私の薬用植物園で休憩所の机に腰掛けてコーヒーを飲んでる三人⋯⋯。

 

 イロハちゃんとマコトちゃんとイブキちゃんの万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の子達です。

 

 まぁ⋯⋯どうして三人が風紀委員会のこの場所でこんな風にくつろいでるかと言いますと⋯⋯。

 

 実の所⋯⋯私としては全く意味は分かって無いのですが⋯⋯どうもこの薬用植物園の資金を免除する代わりに、条件として私が作るコーヒー豆をとの事らしいです。

 

 まぁ⋯⋯私としてはそれくらいなら別にタダでも構わないんですが⋯⋯この薬用植物園の実情を考えるとありがたい話なので受ける事にした感じですね⋯⋯。

 

 と言うのもこの植物園は、私のお姉ちゃんが私の為に建てた施設で⋯⋯そのお姉ちゃんがどうも⋯⋯私が入学するまでの間、色々とやってて生徒会長まで上り詰めた何か凄い人だったんですよね。

 

 私としてはゲヘナ学園に入学してから数日、いきなり強制連行されて初めて知ったのですが⋯⋯まぁ⋯⋯私自身も幼い頃は余命宣告受けてたり、血反吐を良く吐いてた事もあって、お姉ちゃんとしても死んでるものと思われていた見たいです。

 

 で私が入学してたまたま私の履歴書読んで、まさかと思い強制連行して、私と対面⋯⋯その後はお姉ちゃんは今まで会わなかった分の償いはするとか言って、なんか私が暮らしやすいゲヘナにするとかで、色々と今までの方針から一変して改革を行ったんですよね⋯⋯。

 

 その後は何か疾走してマコトちゃんに投げやった訳なのですが⋯⋯まぁ⋯⋯マコトちゃんはお姉ちゃんの残した遺産を就任後に色々と処分し始めまして、実はこの庭園も本来なら処分対象だったんですよね⋯⋯。

 

 それをコーヒー豆で処分しないでくれるって言うんですから、私としてもありがたい話ってものですね⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯その疾走したお姉ちゃんも今はモモトークで偶に私に会いに行く等の連絡したりしてきたりして来るのですが⋯⋯。

 

 あっそう言えば⋯⋯

 

「そういえばマコトちゃん達が来た事で思い出したのですが、明日くらいにお姉ちゃんが久々に私の薬用植物園に来るって言ってましたよ!」

 

「ブフッオッ!?」

 

 私はお姉ちゃんから久々に連絡があって、しかも疾走してから余り会う頻度が減ってしまったお姉ちゃんが久々に会いたいとモモトークで連絡があったのを思い出し、嬉しくてソレを今ココにいるマコトちゃんに言ったのですが⋯⋯何故かマコトちゃんは飲んでたコーヒーを吹き出しました⋯⋯解せぬ⋯⋯。

 

「ゴホッゴホッ⋯⋯ナナナナ、ナッ、ナンダッテェーーーーーー!!!???ミミミミミミサッ!?ソソソソ、ソレは真か!!?」

 

「あっはい⋯⋯一応お姉ちゃんとのモモトークの会話あるので見ます?」

 

 私がそう言ってスマホを見せると、マコトちゃんはそれを真剣な目で長めます。

 

「こっこうしてはいられん! 直ちに万魔殿に戻るぞ!?」

 

 マコトちゃんはそう言うと直ぐにイロハちゃん達を引き連れて帰り始めました⋯⋯えっとどゆことでしょうか⋯⋯私は困惑を隠せないままその場に立ち尽くすのでした。




おまけ
胡蝶蘭
ミサが大好きな花。ちなみに匂いは無臭に近いレベルで極めて薄い⋯⋯(なおミサが育てた胡蝶蘭はミサの神秘バフを受けてる為か、僅かながら感じ取れるレベルで匂いが強い)。
花言葉は幸福が飛んでくる、永遠の幸せ、あなたを愛します、変わらぬ愛、純粋な愛、純愛、愛情、清純、美機敏な人、容姿端麗、高級、豪華さ、上品、優雅

羽沼マコト
ミサを冗談半分でスカウトしてるバカ。ただし姉の存在とヒナの存在により、本当に万魔殿に入られると困るもよう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。