ホシノの同級生になっていた話   作:キヴォトス一般人

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何番煎じか分かりませんが生暖かい目で見てやってくださると幸いです。


Act.01:屋上とホシノ

 

 

「……」

 

 場所はアビドス高校の屋上。

 わたしは1人、雲一つない空を見ていました。

 

「アビドス……アビドスかぁ」

 

 突然ですが皆さんは転生って知ってますか? 聞いたことはあると思いますけど、実際にしたことがある人は居ないでしょうね。そもそもそんなことを信じていない人の方が多いかもしれません。わたしもその1人でした……こうなるまでは。

 

 前世……とはいっても、この世界がゲームの世界であることくらいしか覚えていませんが、この記憶を思い出したのは結構最近でした。

 

「……」

 

 思い出すのが遅すぎたようです。

 世界は原作通りに進行しており、アビドスの借金事情は同じ状況に陥っていました。あ、でも少し違うのはその借金額ですかね? 原作では9億とかだった気がしますけど、5億だそうです。この違いは何でしょうか? ……恐らくというか推測になってしまうのですが、わたしが居たからじゃないかなと思いますね。

 

「いやわたし……何してるんでしょうね」

 

 いえ……前世を思い出す以前の記憶、大本の記憶は残っているので何をしていたのかは分かるのですが……かなり稼いでいたようです。それが借金額が減った理由の1つになるかもしれません。他にも推測でしかありませんが理由はありそうな感じですね。

 

 ……まあそれでもかなり借金があることに間違いないのですが。

 

 話を戻しましょうか。

 記憶を取り戻すのが遅すぎた……と言った件ですが、これについてはもおおよそ理解したのではないでしょうか。わたしはこう言いました。借金額を除き原作通りに進行していると。

 それはつまり……アビドス編で大きなカギの1つとも言えるユメ先輩こと梔子ユメが居ないところは同じなのです。

 

「……でも早く記憶を思い出したところで、わたし程度が彼女のことを救えたかは怪しいですね」

 

 変に干渉しておかしな方向に進んでしまった場合、対策ができなくなってしまいます。それでも……何か出来ることをしたかったです。

 

「……」

 

 とはいえ、そもそもわたしという存在がアビドスに居る時点で何かしらの歯車は壊れてしまっているかもしれませんね。原作には存在しないのですから。

 

「ですが……手遅れ、とはまだ言い切れないですかね」

 

 ユメ先輩のことは遅すぎたのかもしれませんが、まだアビドス編の話が始まっていません。それに、前世の記憶が思い出す前もわたしはわたしとして行動をしていたみたいですしね。

 

「……これをいつ話しましょうか」

 

 何枚かの紙が束になっている中の1枚……そこにはアビドスの土地の所有権の詳細がきっちりと書かれていました。ほとんどの土地がカイザーのものになってしまっています。ここは原作通りですが、相違点もあります。

 それは原作ではアビドス高校がある場所以外がカイザーのものになっていましたが、わたしが記憶を思い出す前にも行動をしていた結果、幾つかの土地がまだアビドスの土地のままになっていたのです。

 

「わたし、やりますね」

 

 自画自賛ではありませんが……結構頑張っていたようです。十分なことをしてくれていますね……これ記憶思い出さない方が良かったのではないでしょうか。

 今更ですかね……もちろん、記憶が戻ってきた後も何もしてなかった訳ではありませんよ。こつこつお金を貯めつつ、アビドス所有となっている土地にこっそり手を入れたりとかしていました。

 アビドスとして土地を買い戻そうとすれば、あのカイザーのことです。色々と吹っ掛けてくるでしょうし、原作よりも酷く襲ってくる可能性も否定できなかったため、匿名……と言っても単なる偽名ですが、それで土地の交渉をしていました。これは思い出す前のわたしもやっていたことですね。

 

 とはいえ、それでも恐らくカイザーが一番欲しかった土地については手を付けていません。恐らくあそこは何が何でも取引を拒否するでしょうし、無理をしてわたしのことがバレても面倒ですので、比較的影響のなさそうなところを買えるときは買っていました。

 

「とはいえ……流石にやりすぎるとこちらのことがバレる可能性が高くなるので今は抑えていますが」

 

 自治区の土地の取引は生徒会しか出来ませんが、企業の持つ土地についてはそんな制約はないですからね。買い戻すのは売るより簡単だったりします。現状、アビドス自治区として扱えないのが痛いところですが。

 ただ原作でもよく出てくるというか、セリカちゃんがバイトしている柴関ラーメンの店舗がある土地はアビドスのもののままで予想外というか、うれしい方の予想外ですね。

 

「……」

 

 この改変がこの先どう影響するかは分かりませんが……せめて、アビドスの皆を支えられればいいなとは思ってます。

 

「あ、居た居たセレネちゃん」

「うん? ホシノちゃんですか。こんにちは? いえ、こんばんはでしょうか?」

「うん、こんばんは。……皆が心配してたよ」

「それは悪いことをしましたね」

「何をしてたの?」

「ちょっと色々と……青い空を見ていただけですよ」

「青い空を見ていた、ねえ」

 

 そう言いつつわたしの隣に移動するホシノちゃん。

 当然ですが、アビドスの生徒となっているので普通に原作のアビドスメンバーとは交流関係があります。ホシノちゃんもそうですが、ユメ先輩についてもそうですね。まあユメ先輩と面識があるのは前世を思い出す前のわたしなのですが、どのみちわたしなので変わらないですね。

 

「本当にそれだけ?」

「さてどうでしょうか」

「んー何か怪しいなあ」

「大丈夫ですよ、ホシノちゃんはかわいいです」

「!?」

 

 中でもホシノちゃんとはだいぶ長い付き合いですね。それもそのはずで、1年の時から居ますし、何なら生徒会に入っていたので。

 

「おじさんを揶揄うのはやめて欲しいなあ」

「別に揶揄っていませんよ」

「うへ」

 

 今のホシノちゃんは昔と比べると色々と変わってしまいましたが、これもホシノちゃんなので特に気にしていません。何なら原作ではこっちがメインですしね。結局、何故おじさんが一人称になったのかが分かりませんが……たぶんユメ先輩の影響ですかね。

 

「……ホシノちゃん」

「どうしたの?」

「大事な話があります」

「……」

 

 ふざけるのはこれくらいにしましょうか。

 わたしは先ほどの書類を取り出して、ホシノちゃんの方を向くのでした。

 

 

ホシノとセレネの生徒会時代の話(過去編)

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