ホシノの同級生になっていた話   作:キヴォトス一般人

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アンケートと言うか要望が多かったのでちょくちょく過去の話を挟もうかなと思います。
ただ、原作改変をせざるを得ないため、ご注意ください。なるべく大きく壊さないように構成している……つもりです()

早速オリジナル要素入りまーす(


Act.10:ある過去の話① ホシノとセレネ

 ホシノにとってのセレネとは何かと言われれば、同級生であることと同時にアビドス生徒会メンバーとして3人で活動し、1人が居なくなってしまった後もセレネだけはホシノの傍に居てくれた大切な存在だ。

 

(……セレネちゃんが居なかったら私は)

 

 自分でも予想できるほど荒れていただろう。

 セレネが居たとしてもホシノ自身は荒れていたものの、そこまで酷いものでもなかった。自分のせいで居なくなってしまった、とホシノはホシノ自身を責めていたが、そう思ったときは必ずセレネが傍に居て、ホシノは悪くないと言ってくれていた。

 

 その何度もかけられる言葉にどれくらい救われただろうか、ホシノは考える。

 それでもやはり、失ったことによるショックは大きく、一時期何も行動できなかったこともあったが、ホシノがそんな状態になっていたときもセレネは傍に居た。そして代わりにアビドスの毎月の返済額を稼いでいた。1人で、である。

 

 そんなセレネの行動もあって、アビドスは存続することが出来、今では2年生と1年生の後輩も入ってくれた。

 

「ホシノちゃん」

「……セレネちゃん」

「ユメ先輩のことはわたしにはどうすることもできなかったけど、ホシノちゃんはそのままでいて欲しいです」

「うん……」

「それにまだ死んだとは限りません。諦めずに時間があったら探しましょう」

 

 そう言ってセレネはホシノのことを毎回慰めていた。

 それがホシノの心をどれだけ支えていただろうか。だからこそ、ホシノはトラウマとして残ってしまっているものの、何とか立ち直ることが出来た。

 

「現状、アビドス生徒会はわたしとホシノちゃんだけになってしまったので、まずは生徒会長を決めましょうか」

 

 それがまずは最初にやるべきことだと、セレネはホシノに言った。

 理由は生徒会長が居ない、アビドス生徒会は不安定であるからだった。生徒会を失ってしまえば、アビドス高校の発言権はなくなってしまい、学園として成り立たたなくなってしまうから、とセレネは説明する。

 

「わたしとしてはホシノちゃんになってもらいたいなって思ってるんですけど」

「え」

 

(いやいや、セレネちゃんの方が適任だと思うのですが?)

 

「ホシノちゃんの方がぴったりだと思いますよ? 一番頑張っているでしょうし」

「いやいや……セレネちゃんの方が頑張ってますよね?」

 

 それである。

 返済や治安維持などの活動を一番してくれていたのはセレネであることはホシノも知っている。全体的な貢献度を見てもセレネの方が群を抜いていると、とホシノは思っていた。

 

「わたしに生徒会長とかは向いてないかなと思いまして」

「それはないと思うんですけど!? というか、私が一時期何もできなかった間もやってくれていたのはセレネちゃんですよね!?」

「あれは仕方がないことですよ。逆に行動できてしまうわたしは薄情なのかもしれません」

「そんなことはないです」

「そう、でしょうか」

「はい」

 

 何を言い出すのかと思えば、とホシノは呟いた。

 セレネもユメのことは信頼していたし、何なら3人で楽しくやれていた。借金が巨額だとしても、苦しい状況だとしても3人であれば乗り越えられるとホシノは信じていたのだ。

 

「でもやっぱり生徒会長はホシノちゃんかなと思います」

「うへ」

「それとも……ユメ先輩の跡を継ぐのが辛いですか?」

「そ、それは……」

 

 図星である。

 ユメが居なくなってしまったのは自分のせいだとホシノは毎日のように責めていた。そんなホシノが会長の座に就く資格なんてないのだと、そう思っていた。

 

「大丈夫です。ホシノちゃんは悪くありません」

「セレネちゃん……」

「何度だって言いますよ」

「……」

 

 ホシノはその優しさに、セレネという少女のやさしさの温もりに、どうしようもない気持ちが沸き上がっていた。

 

「それならこうしましょう!」

「?」

「生徒会じゃなくて名前を変えるんですよ! 例えばアビドス廃校対策委員会とかに!」

「え」

「そうすれば生徒会長じゃなくて委員長という役職になりますし、これなら大丈夫じゃないですか!」

「え。いやそれは……どうなんでしょう」

 

 分からない。

 しかしながらホシノはふと思い返す。アビドス以外にも学園が存在するこのキヴォトスだが、他の学園にも生徒会のような組織は存在している。しかしながらどれ1つ生徒会という名前を使っていないのである。

 

「名前は違うけど生徒会に準ずる組織になりますし、まだまだ行動できますよ!」

「それは……」

「ホシノちゃんさえ良ければ、アビドス廃校対策委員会とかそういった名前にして連邦生徒会に認可申請を送るけど」

「え」

「アビドス生徒会はちゃんと認可されているから、名前を変えるには申請も必要ですしね」

 

 いつの間にかそっちの方向で進んでいることに困惑するホシノであったが、いつも前向きなセレネのことを見て苦笑いをする。

 

「……ホシノちゃん?」

「少しこのままにさせてください」

「いいですよ、よしよし」

「! 恥ずかしいですよ!」

「いや抱き着いてきたのはホシノちゃんじゃないですか」

「う」

 

 ホシノは自分よりも少しだけ小さいセレネに抱き着くように身体を預けていた。

 

「ホシノちゃんはホシノちゃんでいいんですよ。それともアビドスが嫌いになっちゃいましたか」

「そんなことはないです」

「ふふ、それなら良かったです」

 

 そんな優しい声にホシノは自然と心が晴れていくような気がした。完全な立ち直りとはいかないが、それでもまだアビドスにはセレネが残っている。長い道のりになるかもしれない、それでもホシノはもう少し頑張りたいと思った。

 

「分かりました。委員長の役職、貰いますよ」

「うんうん。それで名前はどうしますか?」

「さっきのアビドス廃校対策委員会でいいんじゃないですか? 何かしっくりきます」

「正式名称はアビドス廃校対策委員会で、略称は対策委員会にしよっか」

「いいですね」

「じゃあ早速、アビドス廃校対策委員会が生徒会として認可されるように申請してみるね」

「はい」

 

 申請については、2人の予想外の速さで受理され、正式な組織として結成された。

 予想外ではあったものの、すんなりと申請が通ったことにより、たった2人しか居ないアビドス高等学校に生徒会に準ずる新組織”アビドス廃校対策委員会”が発足したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「セレネちゃん!!」

 

 傷ついたセレネを見たホシノは焦ったものの、無事だと分かり安堵した。無事とはいえ、戦車砲の攻撃。もろに受けているため、気を失っているセレネの怪我は軽傷とは言えないレベルであった。

 

(私の大切な仲間に手を出したこと、許さないから)

 

「セレネちゃんやセリカちゃんに手を出したこと、後悔させてあげる」

 

 ホシノは静かに怒りをあらわにし、全ての元凶であるヘルメット団の方を睨みつけ、そう一言だけ言い放つのだった。

 

 

 




一人称と三人称の使い分けですが、一応主人公視点は一人称、他者視点や過去については三人称で行くつもりです。

過去のセレネ→前世を思い出していないので扱いとしては他者

念の為、補足をしますが過去も現在もセレネは本人です。
別人というわけではなく、元々セレネという生徒の中に記憶が入り込んだという形のつもりなので人格が変わることも別人となることもありません。記憶は共有しています。

簡単に言ってしまえば、過去のセレネに原作の記憶だけ入り込んだという形ですね。

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