ホシノの同級生になっていた話 作:キヴォトス一般人
ようやく話が進みます()
「ということで……定例会議を始めたいと思います」
気を引き締めるようにアヤネちゃんが宣言します。
委員長はホシノちゃんで副委員長はわたしなんですけど、やはりこういうなんて言うのでしょうか? 取りまとめとかは苦手なので、アヤネちゃんにやってもらっています。
流石はアヤネちゃん、様になっていますね。……因みにこの定例会議というのは、毎日やっている訳ではなかったりします。わたし達もわたし達で借金返済の為に色々としているのもありますしね。とはいえ、それでも結構な頻度で実施しています。
そして今日は先日起きたセリカちゃんの襲撃事件もありましたから、それに対する話も今日のものに含まれています。
「今日は先生にも参加していだたいているので、真面目な議論ができると思います!」
「は~い☆」
「ん……」
「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない……」
「先生、よろしく~」
「”よろしくね”」
「よろしくお願いします」
わたし達は真ん中の机群を囲むようにそれぞれの定位置に移動します。
「”セレネは大丈夫?”」
「そうですね、セレネ先輩は一番の被害者でしたし。もしきつかったりしたら休んで大丈夫ですよ」
「……セレネ先輩、あのときはありがとう。先生もみんなも」
ホシノちゃんも含め、皆の視線がわたしの方に向きます。
「大丈夫ですよ。心配をおかけしました。……セリカちゃんも無事で何よりです」
それが一番です。セリカちゃんに怪我がなくてよかったと思います。
というか、一番の被害者はわたしじゃなくてセリカちゃんだと思うのですよね。バイト先を特定されて帰りにヘルメット団に襲撃されるとか、不幸でしかないですよ。
「”無理しないようにね”」
「はい」
「うへ、本当だよー。今度無理したらおじさん怒っちゃうからねー」
「それは怖いですね」
そんなやり取りをすれば一同で笑い合いました。部屋の中の空気がだいぶ晴れたような、そんな感じがしました。
「それで早速ですが、まずは私から」
そう言ってアヤネちゃんが話を始めます。内容はやはり、ヘルメット団の戦力や武装と言ったものについてでした。
「カタカタヘルメット団が襲撃することは別に珍しくはありませんが、問題はその武装や戦力と言った点です。一介の不良生徒が使えるような代物じゃないものばかりを持っています。……まあそれもあって、補給が出来ることは否定出来ないのですが」
「それはそうかも」
「ん」
「そうね……」
「でも、今回は先生が補給物資を持ってきてくれたのでかなり楽ですよね☆」
「そうですね。本当に助かります」
「”気にしないで”」
そういえば今更ですけど、先生とまともに顔を合わせられたのは今ですね。
襲撃のときは校舎にわたしは居ませんでしたし……まあ通信越しでは会っているのですが、こうやってちゃんと顔を合わせるのは初めてでしたね。
「今更ですが、こうやってちゃんと顔を合わせるのは初めてですね、先生」
「あ、そういえばそうですよね、セレネ先輩は」
「”そうだね”」
ここはちゃんと自己紹介をしないといけませんね。ホシノちゃんは既に済ましているようでしたし。
「改めて、わたしはアビドス高等学校3年の
「”よろしく、セレネ!”」
簡単に先生と握手を交わします。
「さて、話を戻すのですが……とにかく、ヘルメット団は戦力を持ち過ぎています」
「ん。あとしつこい」
「それありますね。なぜこうも執着にアビドスを狙うかは謎ですけど」
話して行けば行くほど謎は深まるばかりです。とはいえ、わたしはこの余計な知識のせいで分かってしまっていますが……結局、証拠とかがないから何にも言えないのですよ。残念ながら。
「それでセレネ先輩とセリカちゃんが襲われたときに使われていた戦車の部品を回収して解析したのですが……どうも、今では使われていない型番のものであることが分かりました」
「廃番ってこと?」
「はい」
「うへ。そんなものをどうやってあいつらは手に入れたのかねえ」
使われていないということは取引もされていないはずの部品たちである
それをカタカタヘルメット団が使っているということは、普通に考えておかしいと判断できるでしょう。ヘルメット団はヘルメット団と名前はありますが、その実態は不良生徒であることに変わりはありません。
そんな不良生徒がまともな手段で武器や兵器を準備することは不可能に近いです。
「ホシノちゃんはもう予想していますよね」
「え、そうなんですか、ホシノ先輩?」
「うへぇ……それを言うならセレネちゃんもでしょ」
「え、そうなんですか!?」
「”2人とも、教えて欲しい”」
一同が驚く様を見てホシノちゃんを苦笑いしあいます。
「あくまで予想というか推測なので何とも言えないのですけどね」
「そうだね……私達が思うに、ヘルメット団による襲撃の裏に誰かが居る」
「!」
「その裏に居る誰かが手引きしていたのだと考えれば……戦力を持っていてもおかしくはないです。そしてその誰かはかなりの影響力や資金を持っていると思われます」
わたしはそう答えます。
この”誰か”が誰なのかはわたしも分かりません。知識として分かっていてもそれを言ったところで何にもなりませんからね。それに、色々と齟齬もありますし、違う可能性もゼロとは言い難いため、これをそのまま言うのは危険です。
「でも仮にそうだとしても……どこで取引なんて。そんな戦車とかの取引だったら……」
「おおよその予想は付きます」
アヤネちゃんが言うと皆がそっちを向きます。
「……ブラックマーケットですね」
「はい。セレネ先輩の言う通りです」
「”ブラックマーケット……”」
「ん……」
「まあそこしかないよねぇ」
「一度調査してみる必要はありそうです」
「だね。とりあえず今日は次の議題に行こっか。今考えたところで意味ないからね。もし調査するなら準備も必要だろうし」
「そうですね。ホシノ先輩の言う通りです。あそこは危険ですし」
ブラックマーケットはその名の通り闇市とも呼べる場所です。
違法改造された兵器や武器、限定グッズ等と言った武器以外にも色々と裏取引が行われている場所。それが実はこのアビドス自治区に存在しているのですよね。
流石に規模が大きくなりすぎてしまっているため、わたし達程度ではどうにもできない場所です。徹底的に排除するべきなんでしょうが、それが出来たら苦労はしませんね。
「この話は一旦保留ということで、次の議題に行こうと思います」
「おっけー」
今話したところでどうしようもないので、ブラックマーケットの話は一旦今回は置いておく方向となったのでした。
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