ホシノの同級生になっていた話   作:キヴォトス一般人

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Act.19:対策会議③

「色々と話が逸れてしまいましたが、次の議題は借金返済についての話です」

 

 何回か話の骨を折ってしまったことに申し訳ないと思いつつ、アヤネちゃんの方を見ます。ブラックマーケットについては、さっきも言ったように今すぐどうこうできるものではないですからね。

 調査はしに行く必要はありますが、まずは準備をして行くべき場所です。あそこは危険な場所であるのは間違いないのですから。

 

「はいっ」

 

 そんなことを考えつつ、アヤネちゃんの話を聞いているとセリカちゃんが勢いよく手を上げました。……何だかちょっと嫌な予感がするのですが。このへんてこな記憶のせいですね?

 

「はい、黒見さん」

「……苗字で呼ばれるの違和感しかないんだけど。どうにかならない?」

「え、いやでも……会議ですし」

「いやさっきは普通に名前で呼んでたわよね?」

 

 前の議題のことを思い返しますが、確かに普通に名前を呼んでいた気がしますね。

 

「う……はい。セリカちゃん」

 

 アヤネちゃんもふと気が付いたのか、名前呼びに戻しました。というか、黒見さんって呼んでいましたけど、普通に呼びにくそうに無理して言っている感がありましたけど。

 

「皆も分かっていると思うけれど、現在のアビドスの財政状況は破産寸前よ! いえ……セレネ先輩のおかげもあって、そこそこの余裕があるけれど、それでも限界に近い状態なのは変わりないわ。それは分かっているわよね!?」

「まぁね……」

「ですね。現状、大半はセレネ先輩が支えてくれていますが……」

「ん、そう。だから私達も自分に使えるお金に若干余裕がある」

「セレネ先輩には頼りっぱなしで申し訳ないです」

「いいんですよ~。可愛い後輩の為ならば不肖、この星月セレネ、頑張ります!」

「いやセレネちゃんにこれ以上は負担はかけられないよ……」

 

 そうですかね?

 アビドスの為なら……強いてはホシノちゃんやノノミちゃんにシロコちゃん、セリカちゃん、アヤネちゃんの為ならばわたしは頑張れますよ。そうですね、とりあえず1.5倍くらいにノルマを……。

 

「セレネちゃん、何かよくないこと考えているでしょ」

「え、そんなことはないですよ?」

「とにかく!! セレネ先輩に頼りきりなのが現状よっ。私達も頑張って稼いでいるけれど、それでもまだまだ足りないわ!」

 

 ビシィっと背景に文字が出そうなくらいの勢いで言い放つセリカちゃん。可愛いですねえ。

 

「あはは、それは否定できないですね♧」

「ん……」

 

 もっと頼ってくれてもいいのですよ。わたし、もっと頑張りますし……と言うとまたホシノちゃんに何か言われそうなのでやめておきます。

 

「これまで通り指名手配犯を捕まえたり、苦情を解決したり、ボランティアするだけじゃ限界があるわ」

「それで?」

「セレネ先輩の負担もそうだけど、学校の借金減らすために一攫千金を狙う必要があるわ!」

「一攫千金ねえ……」

「懐かしいですね。昔、宝探しみたいなことをしていましたね」

「え、そうなの?」

「んーそうだね。結局は外れだったんだけどね~。まあそんな都合よくお宝が見つかる訳無かったよね。いや~あのときは若かった……」

「今でも十分若いですよね!? あれ何かデジャヴが……」

 

 セリカちゃんのツッコミは今日も鋭いですね。わたしはそんなやり取りをたぶんニコニコしながら見ていると思います。

 

「一攫千金は置いとくとして、具体的には?」

「これよこれ!」

 

 アヤネちゃんがセリカちゃんに問いかけるとセリカちゃんは鞄の中から1枚のポスターを取り出してわたし達に見せてくれます。

 

「これは……」

「んー? どれどれ……”ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金”……ねえ?」

「そうっ! これでガッポガッポ稼ごうよ!」

 

 いい笑顔をするセリカちゃんですが、残念ながらそれは恐らく詐欺ですね。ブレスレットで一攫千金だったら苦労はしないと思います。

 

「この間、街で声をかけられて説明会に連れて行ってもらったの。運気を上げるゲルマニウムブレスレットっていうのを売っているんだって!」

 

 きらきらさせるセリカちゃん。

 

「これ身につけるだけで運気が上がるんだって! これで周りの3人に売れば……」

「「「……」」」

 

 楽しそうに話すセリカちゃんですが、他の面々は何とも言えない表情でセリカちゃんを見ていました。セリカちゃん……。

 

「セレネ先輩? え? 皆どうしたの?」

 

 わたしはゆっくりとセリカちゃんの側に近付いて、セリカちゃんの肩に手を置きます。とは言え、セリカちゃんの方が身長が高いのですけどね。

 

「却下」

「ええ!?」

 

 無慈悲にもホシノちゃんの漢字二文字の言葉がセリカちゃんを一刀両断してしまいました。

 

「セリカちゃん、それマルチ商法だから……」

「ん、儲かる訳ない」

「へっ!?」

「そもそもゲルマニウムと運気アップって関係あるのかな……こんな怪しいところでまともなビジネスを提案なんてしてくれるはずないよ……」

「そ、そうなの?! 私2個買っちゃったんだけど!?」

 

 わなわなとするセリカちゃん。気持ちは分かります……そもそも、アビドスでそんなうまい話がある訳ないですよ……。

 

「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆」

「……!!」

「全くセリカちゃんは世間知らずだねー。気をつけないと悪い大人に騙されて、人生取り返しがつかなくなっちゃうかもよー?」

「そ、そんなぁ……そんな風には見えなかったのに……せっかくお昼抜いて貯めたお金で買ったのに……」

「セリカちゃん……よしよし」

「うえぇん! セレネせんぱぃ」

 

 セリカちゃんが抱きついてきたので優しく慰めてあげます。

 セリカちゃんの純粋なところはいいところなんですから。どうかそのままで居てください。でも流石に詐欺とかに騙されないか心配ですね。

 

「うぅ……」

「まあまあ。人生失敗することは何度もありますよ」

「そうですね☆ 大丈夫ですよ、セリカちゃん。今度私がご馳走してあげますから」

「ノノミせんぱいぃ……」

「よしよしー」

 

 わたしとノノミちゃんに挟まれて慰められるセリカちゃんでした。でもまあ、わたしよりはノノミちゃんの方が包容力はあると思いますね。

 

「え、えっと……セリカちゃんの意見はこの辺りで」

 

 そう言って苦笑いするアヤネちゃん。

 

「他にご意見がある方……」

「はい! はい!」

 

 おっとここでホシノちゃんが手を上げましたね……。嫌な予感もしますけど。

 

「えっと、はい……ホシノ先輩……何か嫌な予感がしますが」

 

 アヤネちゃん、同感です。

 

「うむむ。えっへん!」

 

 あ、これなんかよくないこと考えているホシノちゃんの顔ですね。まあ聞くだけ聞きましょう……もしかしたらちゃんとした意見かもしれませんし。

 

「我が校の一番の問題は、全校生徒が此処にいる数人だけって事なんだよねー、ぶっちゃけ生徒の数イコール学校の力、トリニティやゲヘナみたいに、生徒の数を桁違いに増やせば毎月のお金だけでもかなりの金額なるはずー」

「えっ、そ、そうなんですか?」

「そういうことー! だからまずは生徒の数を増やさないと、まずはそこからだねー!」

「ホシノちゃん、結構まともなこと言ってますね」

「えー? おじさんはいつもまともだよー?」

「それはどうでしょう……」

「セレネちゃん酷いよー」

 

 意外とまともな話だったので驚きましたけど、何故か嫌な予感が消えないのはどういうことでしょうか。

 

「鋭いご指摘ですが、どうすれば?」

「簡単だよー! 他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

「はいぃ!?」

 

 ……前言撤回です。やっぱりホシノちゃんはホシノちゃんでした。

 

「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないと、バスから降車出来ない様にする! うへ~、これで生徒数がぐんと増えること間違いなーし!」

「それ、興味深いね、ターゲットはトリニティ? ゲヘナ? ミレニアム? 学校によっては作戦を変える必要がある……」

「うへぇそうだなぁ。トリニティ? いやゲヘナにしよう!」

「シロコちゃん、ホシノちゃん、却下ですよ」

「うへ」

「ん」

 

 流石に止めないといけない気がしましたので、止めることにします。

 

「ホシノちゃん……」

「うへ、ごめんってセレネちゃん」

「全く、やっぱりホシノちゃんはホシノちゃんですね」

「ええ? それってどういう意味ぃ?」

「そのままの意味ですよ」

「痛いよー」

 

 ホシノちゃんの頭を軽くぺちっと叩きます。いや絶対痛くないですよね?

 

「セレネ先輩ありがとうございます……ホシノ先輩もちゃんとした意見をお願いします!」

「うへぇ」

 

 そんなことをして生徒数を増やして金額を増やすくらいならわたしがもっと頑張りますよ。犯罪みたいなことはしちゃ駄目です。……まあホシノちゃんのことなので、本気ではないのでしょうけどね。思わず苦笑いをするのでした。

 

 




アンケの投票ありがとうございます。
現段階では夕方が多いので、しばらくは18時投稿で様子を見たいと思います。


少々、思うところがあり、書き直しを行おうと思ってます。
見切り発車やら初投稿というのありますし、何番煎じか分からないものでしたが読んでくださる方々が思ったより多くて驚いています。

一応ストックが後3話ほどあるので更新する予定ですが、それ以降は一旦書き直し期間に入ります。
申し訳ないです。

予定では構成が大きく変わるかなと思います。

これ自体を変更するのか、新しくするのかについては後者にしようかなと思ってます。
こちらは残して置く予定です。

評価や感想、お気に入り等々本当ありがとうございます!
書き直し版の方が出来たらこちらにもリンクは載せると思いますが、また読んでくださると幸いです。

連載(未完)に変更しました。

投稿時間(参考にさせてください)

  • 朝(6時~10時)
  • 昼(11時~14時)
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  • 夜(20時~24時)
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