ホシノの同級生になっていた話 作:キヴォトス一般人
Act.05の方は18時予定です。
明日は分かりません。
アビドスに先生がやってきたらしい。
……話を聞いた感じでは、シロコちゃんが遭難していた先生を発見し、アビドスに連れて来たようだった。ここは原作通りみたいですね……あの時の選択肢は謎でしたけどね。
「……」
ともかく、先生がやってきた。……それはつまり、対策委員会編のシナリオが始まる合図でもあります。ホシノちゃんと色々と話しましたけど、ひとまず、土地関係については皆には一旦伏せて置く方向となりました。現状、そこそこ厳しい状態でもありますし、そこにこんな爆弾を落とすのは得策ではないと判断したためです。
とはいえ、ずっと隠して置く訳にもいきませんし、最終的には皆さんに共有するつもりです。わたしの中ではその皆さんの中には先生も含まれているつもりですが、ホシノちゃんからするとどうかは分かりませんね。
何せ、最初に一番先生を警戒していたのはホシノちゃんな訳ですからね。まあホシノちゃんに黒服と契約させることは絶対させませんけどね。そういえば、ホシノちゃんには接触していますけど、わたしには接触してきていないですねあの黒服。
「……まあ、そっちの方が気が楽ですけど」
そもそも神秘をわたしが持っているかも怪しいところです。さほど興味がないのだと思いますよ? でも、一応ホシノちゃん同様に生徒会副会長だったわたしなので、黒服はたぶんわたしのことも簡単には調べてそうですね。
原作ではホシノちゃんを手に入れるために色々と暗躍してきますが……そして最後の生徒会メンバーであるホシノちゃんをアビドスから退学させることで、アビドスにとどめを刺そうと企てている訳ですが……この世界では生徒会メンバーはもう1人居る訳ですよ。
「……仮にホシノちゃんを退学させられてしまった場合、どうしてくるかは謎ですね」
そんなことはさせませんけど。
それに残念ながら対策委員会は生徒会の別称としての扱いとしているので、名前は違えど生徒会同等の組織になっている訳です。ほらトリニティならティーパーティー、ゲヘナなら万魔殿、ミレニアムならセミナーとそれぞれ生徒会の役割を持っている組織の名前は違いますからね。
要するに”アビドス廃校対策委員会”というのが、このアビドス高等学校の生徒会に準ずる組織となっている訳です。原作ではあやふやな立ち位置の委員会ですが、この世界においてはちゃんとそういう組織として機能しているため、あやふやな立ち位置ではなく確立した立ち位置となっている訳です。
「これについては、原作とは異なる大きなところですね」
分岐点。
原作になかった分岐先の世界です。大きな影響を与えているとは思います。……対策委員会が正式な生徒会に準ずる組織となっているのであれば、ホシノちゃんを狙う意味もほぼなくなります。狙わせる気もないですが、とにかく大きな変化ではあるでしょうね。
「わたし、優秀過ぎなのでは」
……別にナルシストではないですよ。これはあくまで記憶を取り戻す前のわたしに対する誉め言葉です。結局はわたし自身なので、傍から見れば自画自賛と言われても仕方がないでしょうけど……ここには誰も居ないですしね。
「わたしも頑張らないとですね」
今のわたしも頑張らなくてはいけませんね。
とはいえ……結局のところ、頑張りようがないのですよね……借金についてはどうしようもないですし、今までのように地道にコツコツ返済して行く他ないです。
「それに仮に一括払いが出来たとしても……あいつらのことですし、何やかんや理由をつけて返済済にはしないでしょうしね」
目的が目的ですからね。
なので借金については今は置いときましょう、先生に投げておこう……いえ、普通に生徒の立場じゃどうしようもないですし。
「買い戻しの再開でも……「駄目だよ~」え?」
暫くの間は買い戻したりしていなかったので、今であれば1つくらいなら買っても怪しまれないかもしれませんね。
そう思って口にしていたら物凄く聞き覚えのある、緩い声が聞こえてきました。思わず、声のした方を向くと案の定、ホシノちゃんが立っていました。い、いつの間に……全く気配を感じなかったですよ? 流石はホシノちゃん……。
「おじさん言ったよね……危ないことはしないでって」
「……そうですね」
「おじさんもあまり人のこと言えないけど……でもやっぱり、セレネちゃんには危ないことはして欲しくないよ」
「うーん……それはホシノちゃんの行動次第かなと思いますよ」
「う……痛いところ突いてくるねぇ」
「絶対黒服のところには行かせませんからね」
「……セレネちゃん」
それは何が何でも阻止! 阻止です! 全ての元凶なのでこればかりは絶対に譲る気はありませんよ。もし、ホシノちゃんがそっちの選択を取るのであればわたしも動きます。
「な、何かすごい燃えてない? セレネちゃん」
「気のせいですよ」
「そう? ……黒服のことについては安心してよ。断ったからさ」
「え」
「色々考えたんだけどね……」
断るの早い。あれ? 対策委員会編が始まる前に終わりました? ……いえ、いいことではあるのですが。でも油断はできませんよ。あの黒服がすんなりを諦めるとは思えないですしね。
「私が……犠牲になれば皆は助かる、そう思ってすぐ断ることが出来ずに保留にしていたんだけどね」
「……ホシノちゃん」
「今更考えたんだけど、私が犠牲になって助かったとしても皆が喜ぶの? って改めて考えさせられてね」
「ホシノちゃんはどう思いますか? それで仮に助かって……皆はどういう反応になると思いますか」
「うへ」
既に答えは出ているのでしょうけどね。
喜ぶ子なんて居ないと思いますよ。それはわたしもそうですけど、1人が犠牲になって他が助かる……特定の状況では一理ある手段ですが、残された側からすれば苦痛でしょう。
「まあもう答えは出ていると思うので何も言いませんが」
「そうだね」
「ホシノちゃんがアビドスやアビドスの皆を守りたいっていう気持ちは分かりますよ。でもホシノちゃんだけではないでしょう?」
「うん、そうだね……シロコちゃんもノノミちゃんも、アヤネちゃんもセリカちゃんもそれは同じ」
「もちろん、わたしもですよ」
前世の記憶があるわたしではありますけど、既にこの世界のアビドスの生徒の1人ですからね。それに前世と言っても前にも言ったけど、ゲームの世界であること以外は全く分からないんですよ。性別も何をしていたのかも……ちょっとした知識はあるみたいですけどね。
「……セレネちゃんも危ないことはしないように」
「……はい」
これは何も言えない。
『ちょっと! ホシノ先輩もセレネ先輩もどこに居るんですか!?』
そんなこと話していると、セリカちゃんの怒りの声が通信に流れてくる。あ……本来なら先生が来た時って、ホシノちゃんはお昼寝していたけど……早速、また原作と違う状態ですね……いや違うも何もわたしが居る時点で全部違いますけど。
『ごめんね! ちょっと用事があって……何かあった?』
慌てたホシノちゃんがそう返信しますが、怒りもありますけどちょっと焦っているような感じもあったので何かあったのかもしれませんね。
『ホシノ先輩、セレネ先輩と一緒でしょうか?』
『一緒ですよー……何かありましたか?』
『よかった! あの、至急戻ってきて欲しいです』
アヤネちゃんの言葉にホシノちゃんと顔を見合わせる。
『んー? 穏やかじゃないね』
『ん。また襲撃……でも今回はちょっと強そう』
『!』
ちょっとだけシロコちゃんが楽しそうに聞こえるのは気の所為でしょうか? いや、それは置いておいて、これは向かわないといけませんね。
『分かったよ、セレネちゃんとすぐに戻るね』
『お願いします!』
そこで通信が一度切れる。
「行きますか」
「だね」
幸い、ここから学校まではそう遠くないので間に合うと思いますよ。そんなこんなで武器を取り出して、わたしとホシノちゃんは学校の方に駆け出すのでした。
諸事情により2話投稿予定()
次回はちょっと視点が変わります。
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