どうして私は、先に相手のことを好きになってしまうんだろう。
「悪い……俺、一番に大切にしたい人がいる」
誰かを好きになるより、誰かから好かれるほうが楽なのに。
「だから結とは付き合えない」
先に好きになんてならなければ、気持ちの行き先でこんなに苦しむこともないのに。
「同じスポーツやってる
わかっているのに……どうして私は、
「初めてだなぁ、慧と2人だけで遊園地来るの」
「そうだね」
オフの土曜日。私は全中が終わったばかりの慧と一緒に遊園地に来ていた。
「でもほんとに遊園地で良かったの?」
「うん。だってせっかく姉ちゃんが貰ってきたチケットが無駄になるのは嫌だし、こういう
「あの慧が人に気を遣えるようになってお姉さんの私は嬉しいぞ…」
ゲートの中へ入る前に本当にここで良かったのか聞く私に、慧はつい3日前に全中のシングルスで優勝したとは思えない平常運転のテンションで思ったことをそのまま言葉にして伝える。すぐ表情に出る私とは正反対で感情の起伏が控えめな弟だけど、目の前にある入り口のゲートを見つめる視線は嬉しそうにしているからまずはひと安心。
「全中までバドを頑張ってきた分、今日は遊びまくるよ!」
「遊びすぎて明日の自主練に響かない程度にね」
「もちっ!」
『ごめん。週末は男バドで泊まりで海に行くことになったから厳しいわ_』
それなりの勇気を抱えてひだっちを遊園地に誘ったものの、“男バドの旅行”という先客が入っていたおかげで悩んだ末に弟より親友を選んだ私の決断は無駄になった。
『そっか!じゃあまたいつか!_』
まあでも、元は慧を連れて行くつもりで先輩からペアチケットを渡されて勝手に魔が差したってだけだから、ちょっとだけショックは受けたけど1分もすれば完全に立ち直った。
もし神様がいるとしたら、“このチケットは一番頑張ってきた人にあげなさい”ってことなのだろうと考えたら、すぐに納得できた。
「慧~、ここに遊園地のチケットが2枚あるんだけど、全中も無事終わったことだし“のんちゃん”とかと遊んだりする約束とかしてなかったら土曜に行かない?」
「うん。いいよ」
「え、ほんとに?」
「そう言ってるじゃんおれ」
そのお告げの通り……というのは例えとして、あんまり遊園地に興味がない慧を試しに誘ってみたら二つ返事で“OK”が返ってきて、全中が終わった疲れを中一日を挟んで取ってもらったあと、私は慧を連れてひだっちを誘おうと思っていた遊園地へ行くことになった。
のはいいものの、私も私で慧と2人だけで遊園地みたいなスポットに出掛けるのは初めてだし、慧の
「まずはなに乗りたい?」
「んー、姉ちゃんが乗りたいやつでいいよ」
「いやいやここは“本日の主役”が選んでくださいな」
ゲートをくぐって中に入り、先ずは最初に乗るアトラクションを決める。もちろんここは私ではなく、主役の慧に決めさせる。
「じゃあこれ」
数秒ほど悩んだ後、慧はメリーゴーランドのほうを指差す。中3になって顔つきも体格も声も大人びてきたけど、こういう些細な仕草は小さいときと変わらないままで、そのギャップが姉の私からすれば可愛くて仕方ない。
「メリーゴーランドかぁ……乗るのすごい久々」
「おれも」
そういえばメリーゴーランドに乗るのは久しぶりだ。記憶が正しければ最後に乗ったのは8歳くらいのときでそれまでは家族で遊園地に行くたびに必ず乗っていたけれど、だんだんと乗れるアトラクションが増えていくにつれていつの間にか乗らなくなったことをふと思い出す。
そして私がバドを習い始めた辺りから、千木良家の家族旅行は遊園地みたいな娯楽から自然や歴史的な建造物を楽しむ
「バド始めたら遊園地とかすっかり行かなくなったよね。おれたち」
「あはっ、確かにお兄と私がバドやり出してからほんとに行かなくなったよねぇ遊園地みたいなところ」
同じようなことを思い出していたのか、同じペースでゆっくりメリーゴーランドへと歩く横顔が前を見たまま呟く。
「って考えたら
「兄ちゃんは芸能人になったけどね」
「そっちのほうが余裕で凄いことだけどね」
少なくとも私は色んな自由を犠牲にするほどバドミントンを頑張ってきたっていう自覚はないけれど、家族でどこかに出掛ける機会が減ったことに心なしか若干の寂しさを感じてそうに見えなくもない慧の表情を見て、自分たちが思っていた以上に今日までバドに捧げて来たんだなって思った。
「…ひょっとしてバド始めてからこういう場所に全然行けてなかったこと気にしてたりする?」
「ううん。久しぶりだなって何となく思ってるだけ」
「…そっか」
純粋な眼つきと兄譲りの整った顔が、隣を歩く私に大して深い意味がないことを伝える。
どうやら慧はただ楽しんでいるだけで、勝手に耽っていたのは私だけだったみたい。
「さっ、乗りたいやつが決まったら乗ろ乗ろっ!一日は短いよっ!」
「今日の姉ちゃんいつもよりテンション高いね」
「ひだっちが男バドの先輩たちと海でバカンスしてるからこっちも負けないくらい楽しまないと!」
「そこで張り合う意味ってあるの?」
そうとわかれば今ごろ夏の海を満喫しているひだっちに負けないくらい楽しい思い出を作るまでと、8歳のときと同じように慧の手を引きながらメリーゴーランドへ進む足を速める。
「慧、こっちむいて」
カシャッ_
「タイトル、“白馬に乗った王子様”」
「どこが?」
隣の白い木馬に跨る慧を見て、動き出す前に写真を一枚。バド以外は無頓着で拘りがないからと私服のセンスが高いお兄と色違いの
♪~
発車を告げるベルが鳴り、オルゴール調のBGMと一緒に馬が動き出す。
「ユニコーンに乗ってるみたいで楽しいね!」
「ただ回るだけかと思ったら意外と動くんだねこれ」
「そう、今でも全然乗れるでしょ?」
「うん。意外と楽しいかも」
まるでユニコーンのように浮遊しながら動く白い馬にテンションが上がる私の隣で、とりあえず目の前にあったから選んだ割には満更でもなさそうな表情で久しぶりのメリーゴーランドを楽しむ弟。
「ははっ、それは良かった」
毎日見ている横顔なのに、こうして見るとすごく新鮮で、ちょっと大人になったらすっかり乗らなくなっていたアトラクションに乗っているシチュも相まって、何だか“エモい”。
「はぁ~久しぶりだったけど結構楽しかったね」
「うん」
空飛ぶ白馬に揺られる時間はあっという間に終わり、余韻を残したまま私と慧は次のアトラクションへ向かう。本当に楽しい時間というのは、なんでこんなに早いんだろうってつくづく思う。
「次どうする?」
「姉ちゃんってジェットコースター乗れる?」
「うん、あれぐらいなら余裕♪」
「じゃああれに乗ろう」
次はどのアトラクションに乗るか聞く私に、慧はすぐ近くにそびえ立つジェットコースターを指差す。正直何となく目に映ったものをただ選んでいる感は否めないけど、すっかり遊園地を楽しんでいるみたいで嬉しい。
「って、60分待ちだ」
列に並ぼうと入り口のほうへ行くとジェットコースターには長蛇の列が出来ていて、案内には“60分待ち”と書かれていた。さすが休日、人気のところはちゃんと混んでいる。
「慧ってこういうの待てたりする?」
「うん。1時間なら大丈夫」
「そっか」
「というかジェットコースター乗りたいって気分になってるから」
「私の
「大丈夫だよ。あれ全然恐くなかったし」
待てるかどうかを聞くついでで絶叫系に乗ること自体も久しぶりだってことを思い出した私に、慧は余裕の表情で答える。言われてみれば思っていたより落ちるスピードが速くて少し驚いていた私とは対照的に、我が弟は小3にして
「なんかこうやって並ぶのも久しぶりだね」
「そうだね」
60分待ちの列に並び、遠くのほうから聞こえるチェーンを巻き上げる音と、その何秒かあとに聞こえる絶叫が駆け抜ける音と場内に流れる音楽をバックにしながら、仲良く順番を待つ
「私さ、こうやって自分たちの番が来るまで待ってる間の時間も結構好きなんだよね~」
「そうなんだ」
「自分の番が周ってくるまでの独特なワクワク感っていうか」
「あ~、おれもちょっとわかるかも」
「ほんと??」
「1回戦が終わって次の試合までの待ち時間とかおれも結構ワクワクするし」
「あー、まあ間違っちゃいないね(この感じで全中勝っちゃうんだよなぁこの子は…)」
自分の番が来るまで、何気ない会話をすればほぼ必ずバドの
「兄ちゃん来れるといいね、明日」
「う~ん、来てくれたら嬉しいけど
たった3分もすれば終わってしまう楽しみのために、小一時間もただ並んでその時を待つ。
なんて最高に時間を無駄に使っているこの感じはこういうところに来ないと味わえなくて、アトラクションに乗っているときよりも家族とか友達と他愛のない話をしながら順番を待つ退屈な瞬間ほど、家に帰ったらかけがえのない思い出になっていたりする。
「でもいないよりはいるほうが嬉しいでしょ?」
「そりゃそうだよ。もちろん慧がいるいまも楽しくて賑やかだけど、お兄が家にいたときはもっと賑やかだったし。でも意外と“予定より早く終わった~”って感じでしれっと帰って来たりして」
「なんか想像できる」
バドだけじゃなくて、こういう思い出もひだっちと作っていきたいな……
「…そうだ。飛鷹さんは元気?」
一瞬ひだっちのことを思い浮かべたタイミングで、慧が聞いてきた。表には出なかったけど、タイミングがジャストすぎてお化け屋敷のトラップに引っかかったときぐらい心臓がドキってなった。
「もちろん変わらず元気だよ。インハイ予選も終わって選手としても一皮むけてきたって感じ」
「そっか。いいじゃん」
「前の練習なんか大喜先輩っていうインハイに出た先輩相手をデュースに追い込んだらしいし」
「好調そうだね」
「練習日とか練習場所が微妙に合わないから夏休みはあんまり話せてないけど、お兄のアドバイスを受けてどんどん強くなってる」
結局この夏休みでひだっちといつもの体育館以外で会って話したのは、あの花火大会だけになった。
大喜先輩と西田
「私も負けてられないなぁ…」
あわよくば、ほんの頭の片隅でもいいからひだっちも私と
「姉ちゃんなら負けないよ」
凄いスピードで先輩たちに追いついていく親友とそこまで速く飛べない自分を比べた僅かな弱音混じりの呟きの隣から、自信に満ちた弟の声。
「努力を知ってるおれが保証する」
私の隣で、何一つ嘘のない精悍な瞳が小さく笑う。こう言えばこの人は喜んでくれるだろうなんて打算のない純粋な
「ありがと。慧」
そんな慧のたまに見せるお兄らしい表情や言動に、ひだっちとは
「でもこのままだとちょっとモテすぎちゃうかもね?」
「?なんの話?」
ただ姉として思うのは、本人は至って無自覚だということ。ただでさえお兄と負けず劣らずの外見を持ち合わせている上で平気でこういうことを言ってくることがあるから、変なふうにモテてしまわないかがお姉さんとしてはちょっとだけ心配でもあるのだが。
「もちろん負けるつもりなんかこれっぽっちないよ。ひだっちとは来年一緒にインターハイ行くって約束してるから_」
慧の何気ない一言に感化されたおかげなのか、心の中で微かに残っていた寂しさはワクワクでかなり和らいだ。というか今日は慧のことを祝うために来ているんだから、ひだっちと行けなかったことはもう考えないようにしよう。
『お待たせしました“ワンダーバンディット”まもなく発車です』
バドミントンとひだっちの話題7割、その他3割くらいの
『それでは行ってらっしゃいっ』
係員の明るいアナウンスとブザーが鳴って、ジェットコースターは静かに動き出す。
ガタガタガタ_
「うわぁ空めちゃくちゃきれ~」
「雲がひとつもないからね」
ゆっくりと頂上へ登っていくレールの先に広がる雲一つない青空と、隣にはいつもより少しだけテンションが上がっている慧の横顔。何気にこうやって慧と隣同士でジェットコースターに乗るのは初めてだから、ちょっと新鮮な気分。
「慧って初めてじゃない?私の隣に座ってジェットコースター乗るの?」
「…そうだっけ?」
「だいたい家族で行ってたときって私はお兄、慧はママの隣に座って絶叫マシン乗れないパパが外からカメラで撮ってたし」
「…あー、思い出した」
ガタガタと巻き上げるチェーンの音と徐々に高くなっていく景色と一緒に、家族で最後に遊園地へ行ったときの思い出が脳内で蘇る。あまりに楽しすぎて大雑把にしか覚えてないけど、想像するだけでいま広がっている空みたいに晴れやかな気分になる最高の思い出。
「ひだっちも見てるかな?この綺麗な空」
「見てるんじゃない?多分」
「てゆーか海行ってるから絶対ここより景色も綺麗じゃん!」
「ここだって綺麗だよ」
「それっ!めっちゃ言いこと言った!」
「そうかな?」
気分が良くなって、つい男バドでバカンスに行ったひだっちのことをまた想像して、勝手に羨ましがってしまう私。
ひだっちって、こういうアトラクションって平気だったりするのかな?
ガタガタガタ_
お互いのことをよく知っている
「姉ちゃん」
「ん?」
「
もっと“飛鷹”のことを知りたいって思うたびに、会いたくなってしまう。
「姉ちゃんって、飛鷹さんの話になると
「…ふえっ?」
あと少しで頂上ってところで飛び込んできた全中覇者が放つ渾身のスマッシュ……ってぐらいストレートな一言。
「それはー、どういう意味かなぁ千木良慧くん?」
「普段の姉ちゃんは兄ちゃんみたいにカッコ良かったり明るいって感じの
「うん、だいたいわかったからもう大丈夫…」
やっぱり私には、お兄みたいに自分の弱点を最後まで隠し通す演技力も、慧みたいにいついかなるときも平常心でいられる強心臓もないみたいだ。
「…ってあれ、これこんなに高いの?」
「余裕じゃなかったの?」
「よく考えたら今まで平気だったの隣にお兄がいたからだった…」
「おれがいるから大丈夫」
「あはは、そうだよねっ、いやぁウチの弟もすっかり頼もしくなっ……え待ってこれ思ったより速っ…うわぁぁぁぁぁっ!!」
とりあえずジェットコースターは強がって乗るようなものじゃないと、私は肝に銘じた。
宿舎・男バド部屋_
「オイ見ろよ針生!“神童”が全中で優勝したぞ!」
「神童って誰だよってかうるせーよ」
「
エアコンが効いた部屋での受験勉強の、合間の休憩時間。一緒に参考書と睨めっこしていた西田が嬉しそうに興奮しながら俺にスマホの画面を見せびらかす。
「…すげえな、勝ったんだ」
「しかも全試合ストレート勝ちだってさ。もう神童通り越して神様だろ」
「本格的にバド始めたのが中1からなんだよなこの神童」
「それ俺も聞いたことあるけどマジなの?」
「神童の
画面に映っているのは、バドミントンの全中大会の結果をまとめたネットニュース。どうやら結の弟が全中のシングルスで優勝したらしく、それも決勝まで1ゲームも落とさない完全優勝だったという。
「針生って女バドの千木良さんとジュニアチームが同じだったっけ?」
「おう。何なら花恋の次くらいに長い付き合いだ」
「はぁ~いいなぁ
「誰もそんな話してねえだろ」
“神童”と呼ばれているこの弟のことは結から聞いているとはいえ、バドを本格的に始めてからたった2年と少しで全国制覇してしまう才能は、俺的には凄いを通り越して恐さを覚える。
「栄明に来てくれないかな~」
「来てくれたら頼もしいな」
「でも佐知川が取っていきそうだよな~」
「それもあり得るな」
「佐知川に進んだりしたら遊佐くんが卒業しても神童がまだ2年もいるってことになるからなぁ……そうだ、針生のほうから千木良さんに神童が栄明のスポーツ推薦受けるようお願いしといてよ」
「やだよなんで俺が後輩に頭下げなきゃならねえんだ」
「弁護士目指してる奴が言う台詞かよそれ」
もし彼が高校に上がって栄明に来たとしても、別の
「どっちにしろ。今の1,2年にとっては引き続きインハイへの道のりはラクじゃなさそうだな」
ましてや佐知川になんて進学でもしたら……大喜やその下の代が率いる栄明にとっては今まで以上にインハイへの道が険しくなるだろう。
「そう言う割に嬉しそうな顔してんじゃん針生」
「どうしようもないくらい手強い奴が1人はいたほうが色々と刺激になって相乗効果で1人1人が成長できるだろ。むしろウィンウィンだ」
「よく分からんが説得力がレべチだな…」
無論、
「…そういや千木良さんでふと思ったことあるんだけど、飛鷹って千木良さんと結構仲良い感じだよな?」
急に思い出したかのように、西田が飛鷹と結の
「あー、練習の合間とかにちょくちょく話したりしてるし、こないだの花火大会も2人だけで行ったらしいからな」
結の口から“親友になった”と告げられたのは県予選の前のこと。あれから体育館の片隅で仲良さそうに話しているのをたまに見たり、
「友達ではなく“親友”です」
本人たちには絶対言わないが、結が飛鷹と変わらず仲良さそうにしている光景をたまに目にするたびに、俺もまた少しだけ晴れやかな気分になる。
「あの2人ってワンチャン付き合ったりとかするんかな?」
畳の上に仰向けで寝転がりながら、天井を見上げて西田が俺に呟く。
「
「俺だってたまには恋バナで盛り上がりたいときぐらいあるわ」
色恋沙汰とは全くと言っていいほど無縁な
「一応友達から“親友”になったのは結から聞いてる」
「親友……なるほどそういう感じか」
「何が?」
ひとまず“親友になった”こと以外は特に聞いていないからそう答えると、西田は寝転がったまま考え込む仕草をする。
「もしかして昨日夜に素振りに行ったのも、本当は千木良さんと電話するためだったとか?」
「電話ぐらいならロビーでも出来るだろ」
「いや例えば夜の海をバックにしてビデオ通話で話すみたいなさ」
「そんなに気になるんなら飛鷹に直接聞けよ」
「あぁ、確かに」
そして冗談半分ぐらいのノリで勝手に推理みたいなことを始めて、飛鷹の昨日の行動を疑い出す。まあわざわざ言うつもりはないとして、昨日の飛鷹については俺も“素振りだけじゃねえな”と何となく勘づいてはいるが。
「てかお前ってそんなに恋愛とかに興味ある奴だったか?」
にしても、恋愛にさほど興味がなくて基本バドや筋トレのことしか考えていないようなこいつが自分から恋愛絡みの話をしてくるのは少し意外だ。
「…飲み物買ってくるわ」
何気なく思ったことを聞くと、西田はスッと立ち上がって質問から逃げるように飲み物を買いに部屋を出て行った。
「……分かりやす過ぎんだろ」
とりあえず、絶対
~おまけ。ジェットコースターを乗り終えた後の2人~
「ジェットコースターって終わるのあっという間だよね」←余裕の弟
「私は大満足だったけどね…」←ギリギリの姉