1000年間浄化の光に当てられてたら悪性とか無くすよね   作:K+#ガソ林

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第一話

 俺、魔王だったらしいの。

 んでさ、今はなんか変な術を使われて従わさせられてる。魔力…ようは身体を流れるパワーなんだけど、制御ができない。

 セクタル?ってやつ。まぁ1000年も経ってればそれぐらいできるよね。

 あとね、やっぱね、1000年も経ってるとさ、言葉わかんない。闇の魔法使うとね、人の心読むやつとかあるんだけど、あれ使いたい気分だわ。使えないけど。

 山ぁ降りてくと、ところどころに聖獣の亡骸がある。おそらく聖地を守るために用意されてたんだろう。光の力を扱うためには、動物は理性を捨てなければならない。戦意が維持できないからだ。まぁ多分こいつらの練度なら楽勝だったろう。

 歩いていくと、平坦なところについたので、休憩することにしたらしい。顔見知りっぽい耳長人が俺に話しかけてくる。おっ、知ってる言語じゃんね。

 

───

 

「ここで休む。シル、飯作れ。あとオト、ドラコ。あの魔王を尋問する。連れてこい。」

 

「はーい。勇者王様。」

 

「魔王はここにいますよ。しかし、どうするんですか?道中話しかけましたが、言語が通じていないようです。」

 

「オト。お前、1000年前の生き残りだろう。その時の言葉で話せるんじゃないか?」

 

「……嫌です。こんな、不浄の輩と会話など…。」

 

「やれよ…。」

 

「…わかりました。わかりましたよ。はい。勇者王様。」

 

 オトは勇者の剣幕に押され、仕方なく会話を試みることにした。

 

『聞こえますか、魔王アベル。私はオト・ダルク。あなたが殺して回った耳長の生き残りです。反省の念はありますか?』

 

 魔王は、ここでやっと反応を返した。

 

『…すまなかった。』

 

『ほう。殊勝ですね。』

 

『…本当に、すまないことをした。』

 

『では、本題に移りますよ。あなたの更生を確かめさせていただきます。具体的には、勇者王様に従ってください。召使として。』

 

『…わかった。だが、言語が通じない。』

 

『しばらくは私が通訳します。都に戻ったら、教育を受けるのがよろしいでしょう。くれぐれも、怪しく思われるような行動は控えてください。殺してしまうかもしれませんので。』

 

『…了解した。』

 

 話がまとまると、オトは話の内容をアレックス達に伝える。

 

「というのが、会話の内容です。」

 

「まぁよろしい。よく頑張ったな、オト。」

 

「…エルフの代表として、失敗はしません。」

 

 アレックス達も納得したようだった。

 

「果たして、魔王に教育なんてできるんですかね?興味深い。」

 

「ご飯ができましたよー。」

 

───

 

 数日、アレックス達と過ごした。道中は安全、快適、とても有意義な旅であった。

 うん。無味乾燥だ。何も得れない。何もない。面白くも、なんともない。王都につくまで、俺の性能の説明と、この現世の言葉の勉強ぐらいしかしなかった。当然だが、読み書きはなんともならん。しかし、光の力に1000年も当てられていたからか、何も気力が湧いてこない。

 

『それでは、さようなら。魔王。私たちに協力してくださいね。』

 

『かまわない。オト、さようなら。』

 

 勇者一行とは、淡白に別れた。来週には悪魔軍の7将と合戦があるらしい。大変だな。俺は割り当てられた家の中で、1日眠った。

 

───

 

『アベル様、アベル様。』

 

「お前は…マクラ。夢魔のマクラか。」

 

『左様でございます。我がご主人。見つけるのに苦労しました。そこまで小さな闇になってしまうとは、封印の間から連れ出されたことにも気づけませんでした。』

 

 マクラは悪魔。動物の夢に現れ、その者の闇…つまりは夢を盗むことを生業としている。魔王時代の時は俺の闇をやる代償に、敵将の夢を覗かせていた。

 

「なんのようだ。この抜け殻に。」

 

『私、気づいたのです。今、この世にあなたほど闇を持っていない者はいません。なので、あなたから全ての闇を除き、究極の光にしたいのです。協力いただけますか?』

 

 闇がなくなるということは、自己が完全に消失するということだ。しかし、抵抗する気はない。

 

「興味がない。やるなら勝手にしろ。」

 

『ありがとうございます。では、あなたにこれを。』

 

「剣か?」

 

『その剣はあなたの闇の全てと同調している…悪魔の秘術。剣が折れた時、あなたの闇も粉々に砕け散る。砕け散った闇は、消える。どうか、その剣を酷使してください。よろしくお願いしますよ。』

 

───

 

 朝。目覚めると、女の子の姿があったんだよね。

 侍従らしい。俺の教育係も兼ねているっぽい。

 

「はじめまして。俺、アベル。よろしく。」

 

「エルゼラ・ルシルです。努めさせていただきます。よろしくお願いします。」

 

 簡単な挨拶くらいは覚えている。俺は侍従が作ったご飯を食べた後、その子に言われるまま、勉強を開始した。

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