1000年間浄化の光に当てられてたら悪性とか無くすよね   作:K+#ガソ林

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第7話

 腑抜けた。

 エドナスから見て、魔王アベルはその通りだった。

 

「腑抜けたな。魔王アベル。」

 

「もう何かするつもりはない。これはまったくの本心のつもり。エドナスちゃん。」

 

 オカマ言葉に、平和主義。

 敵意たる敵意もなし。

 

「1000年の罰はよほど退屈だったか。」

 

「言葉に詰まるわ。」

 

「どういうことだ?」

 

「1000年間、光に当てられた俺は、安息だった。あそこには俺を急かすものも、駆り立てるものもない。そこには、安息が満ちていた。」

 

 あれは罰というには、上等すぎる。そう魔王アベルは話した。

 

「手放すことが、怖くなくなった。」

 

「命もか?」

 

「苦しくないなら、あげてもいいよ。…ああ、苦しいのは以前より増して苦手になったと思う。」

 

「ふむ。」

 

 仙人のようだ。過去の魔王アベルは、当然ながら苛烈だった。憎しみと、速度に満ちていた。

 

「昔のお前の方が、迷惑だったぞ。」

 

「ご迷惑をおかけしました。」

 

「あれだけ殺しといて、別人のようだな。」

 

「…ほんとに、言葉に詰まる。」

 

 リュカが声を出した。

 

「魔王アベル。実際、どう考えているのだ?贖罪を。バルサラック大陸軍の大勢を無辜の民ごと轢き殺し、我らの祖先まで無差別に殺して回ったお前自身は。」

 

「…1人の人間にできていいことでは、なかった。」

 

「どこか他人事だな。」

 

「人間、1人だとよくない考えに走りがちなのよ。だから、そんな俺がやっていいことじゃなかった。」

 

「一理ある。で?」

 

「俺1人で、決めていい罰じゃない。ということ。過去からせめて、学ばなければならないと思った。」

 

 魔王アベルの顔は、苦悶にやや染まっていた。追悼の色である。

 何度なりとも、責め立てれよう。彼の者こそ、魔王アベルなのだから。だが、それに意味はない。

 

 魔王アベルの贖罪もまた、意味はない。

 

───

 

「ロヴォス村に着いたわね。」

 

「ぬおーっ!」

 

 伸びをする一行。しばらく、ここで生活することになるだろう。住居は…。こ、この草ボーボーなとこ…。

 

「住居、ここ?」

 

「掃除のしがいがありますね。」

 

「掃除っていうか、建て直しよ。屋根がないじゃない!」

 

「ゴーレム兵用の基地を改装して使っていたが、白虎に襲撃されてから放置しているようだ。」

 

「元気が有り余っている我々が、疲弊している村民の方々に迷惑をかけるわけにはいかない!ここは力を合わせていこう!」

 

「おー!」

 

 可愛く雄叫びるエルゼラの横で、アマネ様が小さく微笑んだ気がした。

 

───

 

 草が生えている→リュカの炎魔法で消毒

 床が汚い→エルゼラちゃんが掃除

 瓦礫がいっぱい→俺とエドナスでどかす

 屋根がない→俺が木を取ってくる&エドナスが加工して屋根に設置&エルゼラとリュカの植物魔法で蔓を絡ませて補強する&釘を打つ

 

 あとは壁を治すとかしたんだけど、こういう感じで修繕した。

 俺とエドナスが魔法使えない分、リュカとエルゼラが頑張ってくれた。すでに日も落ちているが、暖炉に火をつけることができた。

 

「2人とも、魔法使えたんだ。」

 

「騎士団では、サバイバルに必要な魔法は覚えさせられるのだ!植物魔法は雨風を凌ぐのに便利だ!」

 

「私は教養として、いくつか修めています。リュカさんほどではないですが…。」

 

「うむ!俺ほど練度も知識もないが、制御に見どころがある!学べば、平均以上の実力は得れるだろう!」

 

 嬉しいです、とエルゼラが頭を下げる。作業もひと段落したので、今日は前線基地で一眠りかな。

 

「そういえば、寝具どうするの!?」

 

「…アマネ様の近くにいれば、多少雑に寝ても全快は出来るはずだ!」

 

「当てがある。ここの地下は見たか?」

 

「地下!?そんなものが…。まさか、ベッドあるの?」

 

「瓦礫をどかす途中で見つけた。確約はできん。まだ見てないからな。ここは基地というのに寝具の類はまるでなかった。地下に生活空間があるなら、納得できる。」

 

「案内してくれ!エルゼラ殿、アマネ様も連れてきてくれ。念の為に。」

 

「わかりました。」

 

───

 

「なにこれ。」

 

 階段を降りた先にあったのは…オンボロなスチールゴーレムだった。

 

「気密が確保されているとは思えませんから、錆びてしまったのでしょう。」

 

「当てが外れたな。他の部屋へ続く扉もない。地下にはこの部屋一つしか無いようだ!」

 

「このゴーレム、動かせるか?」

 

『───zzi───』

 

 その時、1人でにゴーレムが動き出した。立ち上がり、直立する。おそらくはアマネ様の光の波動で、多少復旧したのだろう。

 

「……。」

 

『ノヴァ王国の、皆さん。を、為に、承認ください。』

 

「何を?」

 

 ノヴァ王国は、勇者王アレックス・ノヴァの国。

 つまりはこの国だ。

 

『承認ください。力を。』

 

 

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