英雄天使の放浪旅   作:タスク・アスク

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スランプなので気分転換がてらに溜めていた2話を投稿します。


2話

「まさかお前が生きているとは【神秘の戦天使(ルシファー)】」

「その二つ名、嫌いだから呼ばないでほしいんだけだな〜」

 

誰にも察知されることなくウラノスの謁見室にたどり着いたルシアートはランプを持った老人(ハーミット)のタロットカードを弄りながら侵入してきたことに対して一切動揺しない老神(ろうじん)を睨む。

 

「どうやって生き延びた?とは聞かない方がいいか?」

「あなたは私の出自は知ってるでしょう?」

「まさか、虚空の呼びかけに答えたのか」

「一時的にかつ、途中で強引に切ったけどね」

「無茶をする………それで、何用だ?」

「エレボスに言われて来たの。私、今あの神の眷属だから」

「……エレボスはなんと?」

貴神(あなた)と共に見届けろって」

「だろうな」

「ということで害するつもりはないからそこのフードちゃんも出ておいで」

『バレていたか、流石ヘラ・ファミリア』

 

何もない空間から黒ローブの人物が現れる。ルシアートは黒ローブの人物を睥睨し、再びウラノスを睨む。

 

「ウラノスの伏兵?」

『そうだ私はフェルズ、ギルドでは亡霊(ゴースト)なんて呼ばれている』

「へー、それで?私にしてほしい事はある?」

()はない」

「……なるほど、後始末か」

「察しがよくて助かる」

「まぁこれでも宗教国家の王女でしたし?これぐらい察しがよくないと神の相手は出来ませんよ」

「………それもそうだな」

「では、時が来るまで私は空からでも観戦してようかなー?」

 

ルシアートはおちゃらけた口調のままウラノスをチラ見するが、ウラノスはルシアートの態度に対しても一切顔色を変えない。

 

「………好きにしろ」

 

────────────────────

「さてさてさーて、一夜明けたオラリオの状況は?」

 

隠者(ハーミット)の効果で誰からも認識されてないルシアートは堂々とオラリオの街並みを見て回る。だが、悲鳴叫び声嗚咽……とにかく雑音が多すぎて不愉快でしかなかった。

 

「ん〜、やっぱり観光は出来ないか〜」

 

少し離れた場所から鐘の音が鳴ったかと思えば唐突に建物が吹き飛んだ。

 

「おー、派手にやってんなー。アレで最初は弱い魔法だったんだから驚きだよな〜」

 

ルシアートは飛んできた建物を蹴り飛ばしながら翼を展開し、空へと羽ばたく。

 

「どこだ〜?」

 

ルシアートは在りし日の教会の近くで翡翠髪のハイエルフ(リヴェリア)金髪の童(アイズ)がアルフィアによって蹂躙(ボコボコ)されているを発見した。

 

「お〜いた。ん?……待ってあの金髪の子……()()()()()()()?……あー、そっかそっか。ロキファミリアが手に入れたか〜どうりで救界(アキア)をウラノス様が諦めないわけだ。けれど……」

 

別の戦場地では闇派閥(イヴィルス)がオラリオの民を、冒険者を殺し回っていた。

 

「惨劇は止められない。一粒程度の『正義』では何も変えられない──────さて、どうする?」

 

別の場所でもザルドが暴れている。チビ【勇者】(フィン)も他のファミリアの団長たちも対応に追われて援軍に向かえない。完全に八方塞がりだ。だが……

 

「ありゃ?」

 

突如現れた一つのファミリアによって戦場の空気が一変した。

市民を守りながらも闇派閥(イヴィルス)達を押し返していく。

 

「ほぉ、【アストレア・ファミリア】……正義のファミリアね……神エレボスが目指す先に必要な派閥かな?」

「その通りだ」

 

屋根に降りたルシアートの背後にアルフィアが突如現れる。その瞬間隠者(ハーミット)の効果が終了し、隠密が解かれた。

 

「……あれ、アルフィア?私の隠者(ハーミット)にどうやって気付いたの?」

「風を避ける微かな音と勘」

「……流石アルフィア」

「やめろその視線は気持ち悪い。とりあえず移動するぞ」

 

まだ周囲を警戒しているファミリアの視線を掻い潜ってルシアートが昔使っていた隠れ家兼工房に入った。

 

「うわここ懐かしい!まだ残ってたんだ!」

「ここはお前がヘラの眷属以外に認知出来ないようにしたはずだが?」

「ごめん忘れた。それで?用件は?」

「あの時はザルドもエレボスもいたから言えなかったが……()()()は現在メーテリアの子と一緒にいる。」

「あー、やっぱり一緒かー。ここ(オラリオ)にいない時点で何となくそんな気はしていたけどね…」

「会いに行くか?」

「そだね、これが全て終わっらね。」

「ならば憂いはない。後進は希望は覚悟を示した。私達も終焉に向けて歩き出す」

「ッ!!そうか……これが最後の挨拶?」

「あぁ、勝っても負けてもこれが最後だ」

「一応聞いておく。未練はない……?」

「ない……と言いたいが、甥の顔は見たかった。だが………」

「だが?」

「『おばさん』は嫌だ」

 

アルフィアの『おばさん』拒否発見に目を丸くし、思わず笑ってしまう。

 

「あははははっ!!それはそうだ!『おばさん』はごめん被りたいね!!」

「だろう?だから……行ってくる」

「ありゃ、もう行くの?」

「教会から出たお前もこのくらいの速さで出ていったが?お陰でお前を探す羽目になった」

「え?、あ、それはそうだごめん」

「まったくだ。……『黒き終末をお前達が乗り越えんことを』」

「ッ!アルフィアそれは……」

「託したぞ、未来を」

「──任された!!!」

────────────────────

エレボス(絶対悪)の最終目的、それはダンジョンの【厄災】を地上に呼び出すことだった。

 

「で?貴方は上がってくるモンスターには気付けていたんですか?」

「いや、気付けていなかった。これに関してはエレボスが上手だった」

「で、これからどうするです?」

 

ウラノスに呼び出されたルシアートはこれからの動向を問い詰める。

 

『会議の様子を確認する限り、ダンジョンと地上の二手に別れて行動するみたいだ。【猛者】は【暴喰】との一騎打ちを、他の【フレイヤ・ファミリア】の面々はダンジョンから溢れ出てくるモンスターの殲滅。指揮官の【勇者】を除いた【ロキ・ファミリア】の主力陣と【アストレア・ファミリア】全員がダンジョンで【静寂】と【厄災】を相手するみたいだ』

 

眼晶(オクルス)を利用して会議の話を傍聴していたフェルズは把握している情報を共有する。ウラノスは一度目を閉じ思案すると最善の選択を叩き出す。

 

「………フェルズ、避難の準備は整えておけ」

『それはつまり、逃げるということか?』

「いや、あくまで準備だ。【神秘の戦天使(ルシファー)】………いや、ルシアート・セファル。お前に頼みたいことがある」

「……なんです?」

「決戦地よりも下の階層に行き、どうなっているのか確認してきてくれ」

「……了解」

 

こうして、ルシアートはアルフィア達の最終決戦を見届けることなく下層に向かうことになった。

 

 

──────────────────── 

 

 

「────かくして、かつての英雄は死をもって次代の英雄に全てを託し次の時代に突入する……ね」

「ッ!?誰だ!?」

 

バベルの頂上。追放されるエレボスと執行人のアストレア、そして見届け人のヘルメスを除いて誰もいないはずだ。それなのにバベルより上から声がしたことにヘルメスは動揺する。

 

「安心しろヘルメス、俺の最後の眷属だ」

「と、いっても眷属らしいことはしてませんけどね」

 

背中にある翼を羽ばたかせながら上からルシアートが降りてくる。

 

「き、君はまさか【神秘の戦天使(ルシファー)】!?生きていたのか!?」

「お久しぶりです神ヘルメス。残念ながら五体満足で生きていますよ」

「ヘルメス、彼女は?」

「ルシアート・セファル。【ヘラ・ファミリア】のLv7で幹部の一人だ」

「そう……ヘラの。ところで貴方、今エレボスの眷属って言った?」

「言いました。一応言っておきますけど私は闇派閥(イヴィルス)として活動は一切していないです」

「彼女は現役でアルフィア達と違って病もないから恐らく今のオラリオでは彼女一人に太刀打ち出来ない。だからウラノスと共に見届けてもらっていたんだよ」

「そのせいでアルフィア達の最後を見届けられませんでしたけどね」

「そういえば君、今まで何処にいたの?」

「ダンジョンの下層ですよ。貴方が呼び出した【厄災】によって被害にあった階層の被害状況を確認と流出しようとしたモンスターを殲滅していたんですよ!!」

「ごめんごめん」

 

どうやら下層のモンスターが流出しなかったのは彼女がせき止めていてくれていたかららしい。

 

「さて、神エレボス。貴方の計略、お見事でした。そして……アルフィア達のこと、ありがとうございました」

「よしてくれ、俺は悪を作っただけだぜ?」

「それでも、貴方の言う通り時計の針は進んだ」

「そうだな……。さてヘルメス、俺からのお願いだが……彼女のこれからについては君に任せたい」

「……何故俺なんだ、ウラノスじゃダメなのか?」

「私が()について調査に出たいからだよ。あと、オラリオにいるといつか見つかって面倒くさいことになりそうだし……」

「それは……確かに。わかった、引き受けた」

「ちょっといいかしら?」

「神アストレア?どうぞ何か聞きたいことはありますか?」

 

ヘルメスとエレボスの会話が終わった事を確認したアストレアは、覚悟を決めた顔でルシアートを見る。

 

「─────貴方は私達を恨んでいるかしら?」

「────────────────────は?

「おいおいアストレア様、それは……」

「私達はアルフィア達を足場として次へ進む。その事に対して貴方は恨んでいるのでは────」

 

アストレアが話終わるよりも早く、ルシアートはアストレアが持っていた剣を奪い彼女の首すじに当てられる。

 

「ッ!?」

「ルシアート、一体何を……!?」

「それ以上あいつらを侮辱するなら神であろうと殺す」

「ま、そうなるよな」

 

首すじに刃をアストレアは驚愕で硬直し、わけがわからないヘルメスは慌て、エレボスは当然といった表情で納得する。

 

「アルフィアやザルドは死に場所を求めて、責めて自分達が次世代できることをやろうと思って……()としてオラリオに試練を与えた。決してそれは哀れるものじゃない!!」

「………ごめんなさい、配慮が足らなかったわ」

「だったら二度と聞くな」

「えぇ」

 

ルシアートは怒りを隠さずに不貞腐れた顔で剣をアストレアに向かって投げ返す。

 

「おいおい、時間押してるぞー」

「え?あぁそうだったわね」

 

本来であれば追放する時間だったにも関わらず、ルシアートの登場で遅れてしまっていたアストレアはエレボスの前に立つ。

 

「……ここであったことを知るのは三柱の神と、()()の眷属で十分だ」

「……そうですね、私も口外はしませんよ。()()()は知りませんけど」

「そうだな、この口の軽いヘルメスも口外しないと約束しよう」

 

こうして、絶対悪は天界(そら)へと還っていった。

 

 

────────────────────

 

 

 

ルシアートのLv、7時の最終ステータスを公開しておきます。

 

ルシアート・セファル

Lv、7

 

力∶SSS1205

耐久∶SS1050

器用∶SS1032

敏捷∶SSS1506

魔力∶SSS1674

 

発展アビリティ

飛行∶S 耐異常∶D 幻想∶A 神秘∶B 斬光∶E 跳躍∶B 占術∶C 天撃∶F 

 

 

《スキル》

光天翔翼(ルー・ウィング)

・背に翼を展開可能。翼の数によって全ステータスへの高補正。翼の数はLv、意志によって変動する。

・発展アビリティ『飛行』の獲得

・自身が飛行する際、外的効果を全て無効にする。

 

虚空魔王(カオス・アザトース)

・別次元へのアクセス可能

・虚空への理解、虚無への誘い

・■■■■■■■■■■■■■■■■

 

暁之明星(トワイライト・ルシフェル)

・限界突破

・発展アビリティ『跳躍』の獲得

・獲得経験値に高補正

・【虚空魔王(カオス・アザトース)】による効果を全て無効にする。

 

夢想占術(ドリーム・アルカナ)

・召喚魔法を使用する際の精神力の消費軽減。

・精神力の永続回復。

・魔法発動の工程を簡略化。(魔力を大量に消費代わりに無詠唱で発動可)

 

魔法

【】

【】

第一階梯

【カレイド・アルカナム】

神秘召喚魔法

自身の周囲に22枚のカードを召喚し、その中から1枚を選択しそのカードの能力が使用可能になる。

人物が違い、選択したカードも違うのならば複数人にかけることも可能。

 

【呼び出すはこの世の真理、形作られた運命。我は占う者。万物を見定め、ここに未来を示せ】

 

第二階梯

【アザトート・ワールドエンド】

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閲覧不可

 

 

9:隠者、

選択した人物に『隠密』を付与。

『隠密』中、全ての攻撃を無効化する。

デメリット、認識されたら解ける。

 

20:審配、

対象の人物に『再生』を付与。状態異常を無効化する。

戦闘時、因果律が操作され、被弾確率を減少させる。

デメリット、再生を長時間使い過ぎると体が耐えられず死ぬ。再生に耐えられる時間はレベルに依存する。

 




次の更新は未定です、ストックはあるので気まぐれに更新するかもしれません。気長にお待ち下さい。
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