超能力の子   作:ガテル

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第24話

 

―――という事があってな、僕はルビーのアイドル活動を裏からサポートするのが決まったんだ。事務所に所属していながらマジシャンとしての活動がずっと宙に浮いた状態だったが、まぁこの世界でやる事が見つかったと言うべきだな。平穏でΨ難の無い静かな暮らしが僕のモットーなんだが、やれやれ。今回は仕方ない。

 

 

「はいはい、ツンデレ乙だね」

 

 

だから僕をツンデレ呼ばわりするのはやめろ。

 

 

「いい加減認めたらどうだい、君は立派なツンデレさ……にがっ!?」

 

 

目の前でコーヒーゼリーを食べているツクヨミ、自らを神に近い存在と名乗っているが僕の見立てでは割とポンコツで正体も恐らくは予想外なものだろう。未だにテレパシー遮断道具を持っているから心は読めないがな……MEMちょがB小町SECONDに加入し、そして僕がルビーからアイドル活動について協力を持ちかけられた日から数週間が経った。今は前に行った喫茶店でツクヨミに何があったかを説明している最中だ、僕が超能力者なのを知る数少ない存在でありルビーとアクアの前世について何かしらの関係があるっぽいから一応話しておこうと思ったんだがツンデレ呼ばわりされるとはな?

 

というか、前回来たときもコーヒーゼリーを食べて同じようなリアクションしてただろう。無理するのはやめた方がいいと思うぞ。

 

すると、ツクヨミはスプーンをテーブルに置き額に青筋に立てて。

 

 

「私がそんな子供舌なわけないですけど!?」

 

 

そっちもいい加減認めたらどうだ?

 

 

「カウンターとはやるじゃないか……まぁこの件についてはいい、それよりもまさか彼女がそんな提案をするとは驚きだよ。アイドルパフォーマンスと超能力を組み合わせるだなんてね、具体的にどういう事をするのかの案はあるのかい?」

 

 

そこに関しては、来週の土曜日にルビーと2人で人のいない場所に瞬間移動し実際に色々試してみるつもりだ。

 

僕は元の世界でもそういった人のいない場所で、超能力を使用してたしな……一度だけおばあさんに見つかったトラウマはあるが。

 

 

「私も君の超能力をいくつかこの目で見てきたが、彼女に超能力を使用するならしっかり注意したまえよ。私も正直暇で退屈で仕方ないから参加したいね、それに彼女と会話も……

 

 

ツクヨミの表情、それはまるで過去に想いを馳せるようで……参加したいのか?別に構わないぞ。

 

 

「えっ、参加しようと思えばできるのかい?」

 

 

ルビーに事情を話せばいいだけだしな、彼女は自分を前世で僕を超能力者の非化学的オカルト存在と言っていた。ツクヨミもその括りに入るだろ。

 

 

「非化学組とか何か嫌な括りだね??まぁ気持ちは嬉しいが、やっぱり遠慮しておくよ。参加しなくても見守ってるだけで私は……何でもないよ」

 

 

見守るにしても、今度の山奥はかなり遠くなんだぞ。どうやってくるんだ?

 

 

「そんなの飛んで―――き、君のように瞬間移動さ」

 

 

前からちょくちょくヒント自体は出ていたが、ようやく分かったぞ。ツクヨミの正体は種類こそ不明だが恐らく鳥「はぁー?なめんな、私がその程度の存在の訳ないだろ!?」

 

……必死すぎて実質答え合わせになってるぞ。

 

 

 

 

 

(あのルビーちゃんと一緒にいるメガネは何者だ!) (ああ、星野さんだけでなく寿さんとも……) (マキマさん助けて!俺脳がボロボロになっちまう!)

 

 

作者は映画が面白かったからってすぐにネタを入れるのはやめろ、ハマってるのバレバレだぞ……金曜日。明日は例の超能力試しが控えており、僕は今日珍しくルビーと寿さんの2人と中庭で昼食を取っている。元より騒がれるのは分かっているからするつもりはなかったが、離れていてもルビーが脳内で(明日また女の子になって!)とかテレパシー送ってくるしな、まぁそれ以上の問題が現在進行形で起きてるんだが……

 

 

「斉木さんと会うのはグ、グラビアの感想言ってもらって以来やね?あっ、あのときの事は本当に感謝しとります。おかげ様で不安な気持ちがかなり和らいでな、SNSでのファンの感想とかも身構えずに落ち着いて見る事ができたんよ……」

 

「えっ、斉木さんがグラビアの感想を言ったの??」

 

「言うてくれたよ?わざわざ載ってる雑誌まで学校に持ってきてなぁ」

 

(結局、斉木さんもオスなんだね……)

 

 

おいやめろ、そもそもはルビーが僕をグラビアファンという嘘情報を寿さんに伝えたのが原因だろう。

 

ルビーは僕がどんな感想を伝えたのか気になるらしく、後で僕をからかう気満々の悪い表情を浮かべながら寿さんに聞いていた。鳥束なら女子にからかわれようが喜ぶだろうが、僕にそんな癖はないぞ。

 

(ア、アレを誰かに伝えるのは流石に恥ずかしいんよ!??)

 

寿さんだけならいいんだ、あの発言をルビーに伝えるのをためらっているしな。だが問題は今こちらに向かってきている存在だ、それは。

 

 

「―――エロかった。ぞ?」

 

「えっ」

 

「ルビー、斉木さんはあのときそう言ってた」(ああいうギャップのある発言は面白いよね、無表情に見えて案外むっつりという設定は全然アリ)

 

 

不知火さん、彼女が近づいてるのが分かった瞬間からこの状況は詰んでいたというわけだ。もう分かってはいたが、思いっきり言ったな……後ルビーは僕をニヤニヤしながら見てくるのやめろ。

 

 

「し、知ってたん!?」

 

 

寿さんは顔を真っ赤にして驚いている。

 

 

「うん、偶然聞いちゃって。私も載ってる雑誌読んだけど良かったよ、何て言うか……エロかった。よね?」(ちょっと真似してみた、これ多分流行る。今年の流行語大賞間違いなし)

 

 

……今すぐこの場から去っていいか?

 

人目があるにも関わらず瞬間移動を使いたくなっている僕に対して、言われた本人である寿さんの反応はというと。

 

 

(聞かれてたんや……でも何でやろ、斉木さんに言われたのがSNSのどの感想よりも嬉しかったんよね。シ、シンプルやけど直球の誉め言葉やしそういう所がよかったんかな?)

 

顔を赤くし、何やら考え込むように黙っていた……その気持ちに断じて変なものはないぞ、ああ間違いなくな。

 

(えっこの反応最高すぎでしょ、今ので多分視力上がったと思う。それにこの感じ……斉木さん、ガンバ)

 

まぁ、アレだ……僕はそういう事に関して興味が無いんだ。だから反応に困る声援はやめてくれ。

 

 

 

翌日。

 

 

 

「―――めっちゃ景色綺麗だよ斉木さん!空気も澄んでて最高~!」

 

 

例の超能力使用の日になり、僕はルビーを連れて瞬間移動し東京から遥か遠くの山岳地帯に来ていた。人がいないのはテレパシーで確認済みだ、それにここは開けた場所だから超能力を使っても周りの自然に被害が出る事はない。ルビーも気合い満々といった感じだ。

 

 

「MEMちょが入ってくれたおかげで私達のチャンネルも凄く人気が上がって、そろそろダンス練習も本格的に始まるし……こっちの方も頑張らないとね!」

 

 

僕がこういった形で超能力を使い、誰かと協力するのは鳥束や相トと組んでたPK学園サイキッカーズ以来で久しぶりである。アレもこう思い返すと案外悪くなかったと言えるな……まぁ今はルビーの件に集中するとしよう。

 

僕は何の超能力とアイドルパフォーマンスを組み合わせたらいいか、まるでピンとこないが……ルビーは何かあるか?超能力については数日前に一通り説明しただろう。

 

ルビーはドヤ顔で左目の星を強く輝かせ。

 

 

「何もないよ!だからとりあえず片っ端から試してみて、合いそうな能力を探してみるね!」

 

 

これは長くなりそうだな……最初は何を希望するんだ?安全に関しては僕が保証するから、制御装置とマインドコントロール以外なら構わないぞ。

 

 

「うーん、そうだね……じゃあまずは縮小化かな」

 

 

……それはアイドル組み合わせるの無理だろうと思いつつ、とりあえず縮小化を使った。

 

 

 

「うっわ!斉木さんが本当に小さくなってる!ねぇ写真撮ってもいい!?」

 

 

遊んでないか??

 

 

「ご、ごめんね、縮小化ってどんな感じなのか凄く見たかったんだ。もう遊ぶのはやめにするから……あっ!?」

 

 

どうした―――ソレは僕の目の前にいた、今まで何度も世界の危機を防いできたこの僕でさえ冷や汗が止まらないほどの絶望。この世界でも、この世界でもお前と対峙するのか。

 

 

G「よう!」

 

 

「斉木さん!?」

 

 

―――僕は自分のプライドを捨て去り、無我夢中で逃げた。

 

 







かわいそ…

次回に続きます!
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