超能力の子   作:ガテル

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第4話

 

あの後僕は、約束通りルビーのせんせ大好き結婚して熱弁に最後まで付き合った。口から発せられる声と心の声両方からひたすら彼への愛を浴びされたが、話してるときの幸福に溢れた彼女の表情を見ればこの時間も悪くないと感じ。僕がこんな事を思うなんて自分でも珍しいと自覚しているぞ、だがルビーの……前世の家庭事情や闘病生活をテレパシーで知ってしまったからな。超能力者で世界を勝手に変えるような神を冒涜してる存在の僕でも、普通の人間らしく他者の幸せを願うくらいは許されるだろう。

 

 

初めは、元の世界へ帰る手がかりになるかもしれないと超能力者である事をバラしたが。話を聞いてる中で彼女を変な事に巻き込むわけにはいかないと思い、この話を聞き終えたら立ち去ろうと決めた

 

そして長い話も終わった今。

 

 

「せんせへの愛はママと同じでいくらでも話せちゃうよ~斉木さん、私の話聞いてくれてありがとね!」

 

 

別に構わない……話も終わった事だし、僕は行くぞ。ここでさよならだ、ルビ「えっ、急に唐突すぎない!?別の世界から迷い込んじゃって帰れないんだよね?私に超能力者な事バラしたのも助けが欲しいからって言ってたじゃん!」

 

 

……チッ、流石に勢い任せすぎたか。立ち上がろうとしたがルビーに腕を掴まれてしまった。最終手段として瞬間移動も考えていたが、これではできないな。

 

 

「ふっ、私が頼りないと思ってるなら大間違いだよ?これでも前世分の年齢合わせたら立派なオトナの女性だしね!」(12+16だから私実質28歳だし、せんせをオトナの魅力でイチコロに)

 

 

立派なオトナの女性はそんな子供じみた発言しないと思うが?まぁそれが理由じゃない。ルビーを僕の問題に巻き込むわけにはいかないと思っただけだ、そもそもこんな他人を気にする必要はないぞ。

 

 

僕は素直に善意の気持ちで伝えたつもりだったのだが、ルビーは腕を掴む力を強め真剣な表情で。

 

 

「知り合いや家族は元の世界にいて今は一人なんだよね?一人きりは、孤独はダメな事だって私は誰よりも知ってる。それに斉木さんは初対面の私の話を沢山聞いてくれたし、心配までしてくれた。この人はいい人だなって思ったよ、だから信頼してお兄ちゃんにだって深く話してない前世の話までしたんだもん」

 

 

それでも今日さっき知り合ったばかりの他人だ、巻き込むわけには。

 

そんな僕の言葉に対し、何故かルビーは嬉しそうに笑っていた。その左目の星もまるで財宝を発見した海賊のように光り輝いていて。

 

 

「……確かにさっき知り合ったばかりだけどさ、斉木さんは私の前世がさりなって事を唯一知った人なんだよ。例えるなら共有者かな、お兄ちゃんとはまた違った形のね?そんな存在を他人なんかで括れるわけないと思うし。純粋に力になりたいと思うんだ!!」

 

(高校生でまだ未成年だし、どうしよう……私の家に泊める?お兄ちゃんも前世あるし事情話せば理解してくれそうだよね。後ママに関してもいい感じの理由つければ勢いでいけるかも。あっ、でもアイの子供って事はバレちゃいけないから壱護さんが絶対許してくれないじゃん!)

 

 

……全く、捻くれ者の僕にはかなり眩しいぞ。アイドル目指す子は皆こうなのか?やれやれ、仕方ないな。

 

僕はポケットからスマホを取り出し、持った手をルビーに差し出した。

 

 

「スマホ?」

 

 

連絡先を交換しよう、困った事があったら連絡する。後家に止まるなんて迷惑はかけられない、だが問題はないぞ。僕は超能力者だ、寝泊りなどいくらでも対応できるからな。

 

数秒ポカーンとしていたルビーだったが、発言の意味を理解したらしく次第に自信満々のドヤ顔へと変化していき。

 

 

「……ママ譲りの天才少女であり、せんせをイチコロにさせる予定の私に何でも相談してね!即解決に導いてあげるよ!」

 

 

正直不安しか感じないぞ。

 

 

 

 

 

 

ルビーという頼もしいと信じたい味方と別れた僕は、とりあえず歩きながら今夜寝泊りする場所や今後について考えていた。別世界へ来た原因となる超能力のバグは次いつ起きるのかわからないし、自らバグを発生させる方法も一切思いつかないな……この件もあるが寝泊りも問題だ。いくらでも対応できると言ったが、困ったことに僕の手元には殆ど金がない状態。

 

かといってアポートで等価交換して金になるような価値のある物も持っていないし、瞬間移動や透明化でホテルの空き部屋に泊まる事も出来るが超能力で犯罪のような真似は僕のモラルに反する……ここは仕方ない。気が進まないが、人のいない山奥に小屋を作りそこに泊まるしかなさそうだ。

 

 

小屋泊まりを想像し虚しさを感じている僕の前に、外見的にまだ5歳辺りであろう幼女がどこからともなく突然現れた。

 

「こんにちはお兄ちゃん!暇ならちょっとお話しない?あたし、お兄ちゃんが知りたい事を知ってる……って何をそんな驚いてるんだ君は」

 

 

人の見た目でありながら、まるでマジックのように突如現れた事に驚いたわけではない。そんなのは慣れている、僕が驚いた理由はこの幼女の心が読めないからだ。

 

 

「ああ、テレパシーの件でそんな反応をしてるのかい?私を普通の人間と同じように当てはめるのはやめてほしいね、公園での君の会話を聞いてたから超能力については対策済みさ」

 

 

……さぞかし余裕ありますな笑みを浮かべているが、透視で何か道具を隠し持ってるのが見えたぞ。理論はわからないが、それはテレパシーをシャットアウトするものだろ?

 

 

「そっ、そんなわけないね!?これは私の力だ!」

 

 

よかったな、僕のテレパシーを遮断できたのは燃堂と兄に続いてお前が3人目だ。誇っていいぞ。

 

 

「……その面子に入るのは全然誇れない事な気がするのは気のせいかな」

 

 

気のせいだな、それよりさっきの言葉の意味を教えろ。僕が知らない事を知っているとは何だ?

 

不機嫌そうに顔を歪ませていた幼女は、ようやく本題に入れるのが嬉しいのか笑顔になった。コイツ割とポンコツか、現れたときは焦ったがそこまで脅威ではなさそうだな。

 

 

「なめてるのが伝わってきて凄く腹立つよ、後誤解してるようなら訂正するが別に私は敵じゃないさ。むしろ君に感謝してるくらいだからね」

 

 

……嘘をついてるようではなさそうだな。

 

 

「まずは自己紹介だ、私はツクヨミ。どういう存在かについてはいずれ語るよ、今はそれより話すべきことがあるからさ……君が過去でナイフを持った男を止めた事で世界がどう変化したかについて、とかね。どうだい?これは知りたい事だろ?」

 

 

 

 

 

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