超能力の子   作:ガテル

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第6話

 

 

PK学園、それは元の世界で僕が通っている高校である。そこの生徒はバカや中二病に完璧美少女、熱血、元ヤン、霊能力者など他にも個性溢れる人物だらけ、だがここは別世界なのだ。学校が存在しなかったとしても仕方ないが、今更別の学校に通うというのも抵抗があるな。

 

やれやれ、金と学校の問題は両方かなり厄介だぞ?どうするか(私石油王デス、妻との大切な結婚指輪ナクシテシマイマシタ。ここは誰かに助けを求めるべきデスネ)

 

 

……こめかみを押さえながら僕はその声が聞こえた方向に振り向くと、頭にターバンを巻き全身白ローブというテンプレの塊な外国人がいた。

 

 

「私石油王デース!指輪見つけてクレタヒトには5000万円アゲマス!)

 

 

おいここは別世界だろ、何で斉木楠雄のΨ難に出てきそうなギャグ時空キャラがいるんだ?そういうのは僕の世界でやってくれ、推しの子にこんな奴出るわけないぞ。

 

 

「……そうだね、私が思うにあの人を助ければ君のお金問題は解決すると思うよ」

 

 

ツクヨミはこの状況に突っ込むのも面倒なのか、声に感情はなく目も完全に据わってており……まぁそうだな、お前の言う通りだ。というか問題の解決方法めちゃくちゃすぎるだろ。

 

 

 

 

僕は超能力を使って1分で指輪を見つけ出し、そして彼に渡した。

 

 

「アリガトウゴザイマース!あなたのおかげで妻との大切な宝物を失わずにスミマシタ、お礼にこのスーツケースをドウゾ。中には現金5000万円がハイッテマス!」

 

 

本当に僕が貰っていいのか?別に貰わなくても構わないぞ。

 

 

「あなたは私の恩人デス!遠慮する必要アリマセンヨ!」

 

 

何と言うか……まぁ、わかった。これは助かる、ありがとな。

 

その後石油王は僕に手を振りながら、嬉しそうに去って行った。

 

 

 

 

「私はツッコミ入れたら負けだと思い我慢していたが、君はそこまで驚いていないね。もしかして、そっちの世界ではこんなカオスが日常的に起きてるのかい?」

 

 

そんな引いた目でこっちを見るのはやめろ、僕の世界に対してあらぬ誤解をしないでくれるか?別にカオスなどでは……いや普通にカオスだったな。いつも大変な出来事ばかりだ。

 

 

ツッコミどころしかないが、お金についての問題はこれで解決したぞ。5000万あれば小屋なんかではなくアパートで一人暮らしもできるし、戸籍についてはいくらでも偽造で作れる。

 

 

「考えると頭が痛くなりそうだから、これ以上触れない事にするよ」

 

 

同意だな、しかしこれで残りは高校問題だけになるのか。それにしてもPK学園がないなら僕が他に知ってる学校も恐らく存在してないだろう、困ったぞ……ってどうしたんだツクヨミ。急にそんな考え込むような顔して、もう地上に現界していられる時間が少ないのか?

 

 

「現界時間とか私は天使じゃないぞ!?君が新しく通える高校について考えてただけさ、そうだね……あっ。今一つ思いついたよ、これは我ながらとてもいいアイデアじゃないかな?」

 

 

そう言ってツクヨミはからかうような表情で、僕を見つめてきた。いいアイデアだと?テレパシーで心は読めないが、その顔つきで面倒な事だけはわかるぞ。

 

ツクヨミはニヤニヤしながらその口を開いた。

 

 

「アクアとルビーの2人が通う事になる陽東高校……君もそこに通えばいい、どうだい?グッドアイデアだろう」

 

 

アイドルを目指すルビーが入学する高校ということは、つまり芸能科だろ?そもそも僕はそういうのに興味がない。それに入るとしても、芸能科はどこかの事務所に所属してるのが条件じゃないのか。

 

 

「確かに芸能科は条件付きだが、あの高校には普通科もあるのさ。そこなら君でも転入できる、彼もそっちに入るだろうしね。それに、そろそろ入学式も近い今がタイミングとしてもちょうどいいよ。ふふっ」

 

 

確かにルビーは中3と言っていた……というかさっきからニヤニヤしたり、笑ったりと随分嬉しそうだな。僕を入れさせるのには何か目的があるのか?

 

 

その問いに対し、ツクヨミはやれやれといった感じでわざとらしく肩をすくめて。

 

 

「すぐに疑うのはよくないと思うね?私の目的は一つ、あの2人が幸せに生きてほしいだけだよ。彼は前世が大人だから心配はあまりいらないが、ルビーは知ってる通り前世は子供で今もまだ子供さ。だから君には同じ高校に入って、彼らを見守ってほしい」

 

 

……もう脅威は消えたのなら、その必要はないと思うが?

 

 

「確かに脅威はないよ、でもあの2人の関係は実はかなり複雑なものでね?まだその問題は残ってる」

 

 

互いに前世はあるが今は兄妹だろ、特に問題は……いやわかったぞ。アクアとルビーは前世で繋がりがあるんだな?

 

ツクヨミはただ笑っているだけで僕の問いに答えるつもりは全くなさそうだった。

 

 

「とりあえず話も終わったことだし、そろそろ私は帰るとするよ」

 

 

……答えないつもりなら遮断道具を奪って、心の声を聞けることもできるぞ?

 

 

「それはやめてくれないかな!?……まぁこれだけは言っておくよ、君がテレパシーでアクアの心の声を聞きある事実を知ったとしても。それを絶対ルビーにはバラしてほしくないんだ、それはあの2人で気づくべきものだからね?」

 

 

そしてツクヨミは一瞬で僕の視界から消え去った。

 

随分面倒な話題を残していったぞ?まぁ事実を知ろうがバラすような真似など僕はしない。それにしても陽東高校か、芸能関係のクラスは癖アリが多そうだからルビー以外と関わる気はないな。別の世界まで変な事に巻き込まれるのはご免だ、まぁ普通科なら関わる事もないだろ……くっ!?急に頭痛が!?

 

突発的な頭痛に襲われるときは、ほぼ予知夢が原因だ。一瞬だけ未来の情景が見える能力、今回見えたものはその情景の端に入学式の文字。そして僕に絡んでくる、一人の生徒。性別すらぼやけすぎて判断できなかったがよく理解した。

 

僕はやはりΨ難に巻き込まれるということをな。

 

 

 

 

 

 

 

入学式当日、無事普通科に転入した僕は今日から高校2年生……いやPK学園では高3なんだが。1年しかいられないのはツクヨミからの見守ってほしいという頼みや、いつ元の世界に戻れるか分からない僕にとっては色々都合が悪いからな?悪いと思うが偽らさせてもらった。

 

 

今は校門を通り、校舎に向かい歩いている途中だ。この生徒の多さだとテレパシーが上手く聞き取れないので、普通の人間と同じように見た目で判断するしかないこの状況。だがそんな中でも輝いた金髪を持つ少女はすぐにわかった。

 

彼女も僕に気づいたのか、小走りしながらこちらに近づいてきて……いや随分とテンション高めに見えるな、何故だ。

 

(学校にまで来るなんて私がそんなに頼りになっちゃう感じなんだね!それって娘である私もママと同じように溢れ出るオーラと知性が凄いってわけじゃん?流石ママの遺伝子!てかお兄ちゃんったら私が朝からママにベタベタ甘えてたら呆れて先に行っちゃったし、酷くない!?斉木さんもそう思うでしょ!?)

 

 

やれやれ、あの予知夢に出てきた生徒の正体はルビーだったのか。何か伏線ぽかったのに、特にそんな事はなかったな。それと朝から元気すぎるぞ……後テレパシーで話しかけてくるのは別に構わないが、内容はもっとマシにしてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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