やはり俺が陰から奉仕部を見守るのは間違っている。   作:Mr.不器用

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この話は多分続かないです。


ここから始まる

 初めまして諸君。俺は横浜 拓哉、高校2年生だ。所謂俺は転生者というやつだ。とはいっても生まれたときから前世の記憶があったわけではない。ではいつ記憶を取り戻したのか少し説明しよう。

 

 中学3年の時、どの高校に入学しようか学校から配布されたパンフレットを見ていると総武高校という学校を見つけた。なぜか懐かしく思う高校名。その瞬間その高校名がトリガーとなったのか急に頭痛が走り前世の記憶がよみがえってきた。その代わり現世での記憶の一部がなくなった。特に小学生当たりの記憶にはもやがかかってるようで思い出せない。まぁ別に小学生の記憶なんて大したことはないだろうし別にいい。

 

 そして前世の記憶を思い出したことでこの総武高校は「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」という俺がかつて好きな作品の舞台となっている高校だということを思い出した。つまり俺は俺ガイルの世界に転生したことになる。だが、転生したからと言って原作に関わる気はない。なぜならあの物語は既に完成されているからだ。わざわざ第三者である俺が介入するなんて言う無粋な真似はしない。あのメンバーだからいいのだ。

 

 だがせっかく転生したのに何もしないというのは持った得ない。そこで思いついたのがせっかくだから陰ながら見ようそう思ったのだ。そこから行動は早い。前世はトップの大学に出ていたため今更中学レベルの勉強に苦戦するわけもなく余裕で総武高校に合格。

 

 そして時は放課後、現在俺は職員室の端っこの方に突っ立っている。なぜこうしているか一週間前「高校生活を振り返って」のテーマで作文課題が提出された。つまり比企谷が奉仕部に入部するためのイベントだ。これは何としても見たい。そのため俺はこの課題が出された時から毎日放課後職員室に入り浸っている。最初は教員に何だこいつみたいな感じで見られていたが人間不思議なもので一週間もたてばなれるもので今ではすっかり空気扱いだ。

 

「失礼しまーす。平塚先生に用があってきました」

 

 そしてついに主人公、比企谷八幡が現れた。

 

「よ、比企谷」

 

「横浜、お前も出しに来たのか?」

 

「まぁそんなとこだ。それよりちょっとお前の書いたやつ見せてくれよ」

 

「別にいいぞ、ほれ」

 

「サンキュー」

 

 比企谷からプリントをもらい内容を見る。あーあの伝説の作文だ。感動で涙が出そうだ。おっとこうしてはいられない。

 

「ちょっと待て、俺のプリントもってどこに行くんだよ」

 

「いや、コピーしてこようかなって」

 

「なんでだよ。コピーしてどうするんだよ。まさか教室に張り出すのか」

 

「そうだといったらどうする?」

 

「やめてくれよ。ただでさえ孤立してるのにこれ以上孤立したら俺は愛宕山の高さくらいまで孤立することになるぞ」

 

「愛宕山ってどこだよ」

 

「まじかお前。千葉県で一番高い山だ。千葉県民の常識だぞ」

 

「初めて知った。覚えとくわ。それより安心しろ。このコピーは俺が保存しておくためだ。こんな面白い文章保存しておかない手はない。そして1年後いや10年後にしよう。この分をお前に見せて高校時代の黒歴史として狂い悶えさせる」

 

「何お前俺に恨みでもあるの?」

 

「それより早く平塚先生に提出して来いよ」

 

「忘れるとこだった。ちょっくら行ってくるわ」

 

 なんで比企谷と親しげなのか、そんなの1年の時に仲良くなったからに決まってるだろ。影ながら奉仕部を見守る作戦を実行するにあたり不審者扱いやストーカー扱いされたらたまったものはないので最低限、比企谷と友達になっておいた。これで怪しまれても友達が心配だったという口実が生まれる。

 

 それよりついに比企谷と平塚先生のやり取りが始まった。俺はそれを小型のビデオカメラで撮影しながら見ている。記念すべき第一話、これは繰り返し見なくては。

 

 そしてついに2人が移動し始めた。それに合わせて俺も職員室を出る。だが、俺が行くのは奉仕部ではなく屋上だ。今奉仕部に行ってしまっては俺という存在が記念すべき2人の出会いを邪魔してしまう。ではどうするのか。

 

 俺はパソコンを開きヘッドホンを装着する。今から1週間前の昼休み俺は奉仕部の部室に忍び込み前世で学んだことを生かして稼いだ金で買った盗聴器とカメラをいくつか仕込んでおいた。そしてその記録がこのパソコンにリアルタイムで反映される。

 

 え?普通に犯罪だって?知るか!バレなきゃ犯罪じゃないんだ。そのため隠し場所はかなり工夫しておいた。大掃除をしない限り見つかりはしないだろう。

 

「さて始めるか」

 

 お、どうやら平塚先生が退出したところのようだ。そこで俺はあることに気が付く。

 

「クッソ!これ現実だから比企谷の中学での黒歴史シーンも俺が俺ガイルで一番好きな比企谷の心情語りないじゃん!あとであいつにアフレコしてもらうか。よし、そうしよう。マッ缶2本くらいでやってくれるはずだ」

 

『私が見たところによるとあなたが独りぼっちなのはその腐った根性やひねくれた感性原因ね』

 

『おいちょっと待て。一つ訂正だ』

 

『何かしら?腐敗具合が足りなかったかしら?』

 

『ちげーよ。俺にも一人だが友達はいる。横浜拓哉知ってるだろ。全科目で学年1位のやつだ』

 

 原作と少し変わってしまったが、主人公から友達認定されるとは嬉しすぎて涙が出そうだ。

 

『・・・・。あなたが友達だと認識してるだけで彼はあなたを友達と認識してるのかしら?あなたが友達だと思ってるだけならそれは友達とは言わないわよ』

 

 というか俺の名前出すなよ。ただでさえプライドが高い雪ノ下さんだぞ。本来なら雪ノ下が学年1位のところ俺がいるせいで毎回2位なんだ。雪ノ下にとって俺は印象はよくないはずだ。なんで1位を取っているかって?そんなのなんとなくだ。

 

『やめてくれよ。正直、なんであいつが俺なんかにかかわってくれてるのか疑問が尽きないんだからよ』

 

 もっと自信持て!お前は最高の男だ。雪ノ下も1年後にはお前にデレデレだから。

 

 おや、どうやら今日はここまでのようだ。また明日楽しむとしよう。

 

♢♢♢♢

 

 次の日

 

 昨日あの後比企谷に俺が書いた比企谷心情作文音読してもらった。最初に見せたときは嫌な顔されたし、「なんだこの文章まるで俺の心の中みたいだ。もしかしてお前っていき別れた兄弟?」みたいなことを言われたが事前に買っておいたマッ缶で黙らせて読ませた。その後サイゼに行って夜ご飯もおごってやった。

 

 そして帰ってからは映像と音声を編集して合体した。正直記念すべき回だったからやったが、毎回やるとさすがに比企谷に嫌われてしまう。それだけは絶対に嫌なのでしばらくは脳内再生で我慢しなくてはならない。

 

 さて今日だが、原作通りならガハマさんが初登場し調理室でクッキーづくりなのだが一つ問題がある。それは調理室は頻繁に人の出入りがあるかつカメラや盗聴器を仕掛けられるような場所がない。だがその程度のことで諦める俺ではない。あらかじめワイヤーとそれを掛けるフックを購入して学校にこっそり持ち込んだ。そして今屋上から調理室降下作戦の実行のための準備で現にどのようなやり取りが奉仕部で繰り広げてくれるかはわからない。帰ってからゆっくり聞くとしよう。

 

「よし、準備OKだ。これより降下作戦を開始する」

 

 服装は窓ふきの清掃員の恰好をしている。それが一番違和感ないからな。

 

 そしてビデオカメラを持ち調理室の窓の外に到着するとすでにクッキー作りは始まっていた。

 

 ゆきのんとガハマさんのエプロン姿やっぱかわいいな。生で見れて本当によかった。この二人と同じ空間で料理できるなんてそれに二人の手作りクッキーを食べられるなんてうらやましすぎるぞ比企谷。これが主人公なのかと痛いほど痛感する。

 

 そして時は流れ比企谷が真の手作りクッキーとは何たるかを教えてやると言って2人を教室の外に出した。

 

 そして俺のターンがやってくる。流石に3人に見つからず調理室に侵入するのは難しい。だが比企谷だけとなると話は別だ。休み時間中にあらかじめ開けておいた窓を開け音を殺し調理室に侵入する。比企谷の死角をつきながら皿の上に載っている目的物をいくつかくすねて定位置に戻った。

 

「よし、無事にゆきのんとガハマさんの手作りクッキーを入手したぞ。落としても困るし退散するか」

 

 正直今回ここまでしたのは二人のクッキーを食べたかったからだ。それも手に入ったので満足だ。

 

「では、すべての食材に感謝を込めていただきます」

 

 まずはガハマさんから

 

「うん。まずい。だけどこれがいい」

 

 まずいがガハマさんが作ったここが大切なのだ。次にゆきのん。

 

「あっめっちゃうまい。もっと持ってくればよかった」

 

 だが急に皿のクッキー大半がなくなっていたら違和感しかないので仕方ない。

 

 今日の目的は達成したので後は片づけて帰るだけだ。

 

♢♢♢♢

 

「せっかくだし奉仕部の前通って帰るか」

 

 せっかくだし今どんなやり取りをしてるのか生で聞きたいからな。やっぱり機械越しでもいいが生で聞くのが一番だ。

 

 そしていざ奉仕部の前を通ろうとしたときハプニングが起こった。何と奉仕部の扉が開き比企谷が出てきたのだ。

 

 いや、落ち着け。別に比企谷にあったからと言ってないが起きるわけでもない。軽く挨拶して立ち去ろう。長話になると、「この際お前が俺の友達だってことをあいつに教えてやる」的な展開になるかもしれないからな。

 

「横浜、丁度よかった。今からお前を探しに行こうと思ってたんだ」

 

「あーえーなんかあったのか」

 

「いや、雪ノ下がお前に用があるって」

 

「なんで?」

 

 いや、本当になんで。あれか「彼に直接比企谷君と友達なのか聞いてみましょ」みたいなことを言ったんだろ。よし、友達ですって言って帰ろう。変にかかわりもって3人の関係性に入るのはまずいからな。

 

「それにしてもビックリしたぞ」

 

「何がだよ」

 

 まさか調理室にいたことバレた?

 

「何って雪ノ下とお前が同じ小学校だったんだろ?そしていじめから助け出すなんて本当にすごいよな。それより中入れよ」

 

 もう何も考えられなくなったのでひとまず比企谷に言われた通りに部室に入る。

 

「丁度近くにいたから連れてきたぞー」

 

 やばい、思考が追い付かない。俺がゆきのんと同じ小学校でいじめから助けた?いやいやそんなことはないだろ。

 

「えっと、久しぶりね。ずっと会いたかったわ」

 

 なにこれー何その表情、初期比企谷に対してのツンツンゆきのんじゃなくて、1年後に見れるはずのデレのんじゃん。つまり、つまりだな。

 

「すでに原作崩壊してんじゃねーか!!!!!!!」




やっぱり比企谷のセリフを書くのは難しいですね。
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