元親友の両腕欠損盲目TSっ娘がめちゃめちゃ依存してくる話 作:うしみつ
「ユータ、ユータっ…!どこ…?どこにいるのっ…!」
「大丈夫だ、ハル。大丈夫、俺はここにいるから。落ち着けって」
ベッドの上で震えるハルの体を引き寄せ、安心させる様に抱き締める。
小さな体が腕の中で軋んで、ハルが怯えているのが痛いほど伝わってきた。
しばらく背中をトントンとさすっていると、安心できたのか、震えが収まってきた。
「…ふーっ…ふーっ………っ、あっ、ご、ごめん…こんな、急に泣き出したり、抱き着いたりして…」
「いいんだって」
「…嫌いに、ならない…?」
「当たり前だろ」
「ほんとに?」
「ああ、本当に」
「……よかったぁ…」
そう呟いて、腕を俺の体に投げ出すハル。
しかし、その腕が俺の体に当たる事はない。
何故なら、彼女の肘から先の腕は無いからだ。
「…ハル…」
「…?なに?……っぅ?」
ハルの顔を、"元は目があった場所"を撫でる。
そこには、本来あるはずの眼ではなく、横に走る痛々しい傷跡があった。
「……ごめんな。すぐ見つけてやれなくて」
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俺とハルが異世界に飛ばされたのは、今から3年前。
当初は、チートでハーレムでも作るかーなどとウハウハしていた。しかし、そんな淡い気持ちは一瞬で砕かれた。
転移する際に、女神様の不手際か何かで、ハルは女の体にされてしまい、しかもそれぞれ別々の場所に転移してしまった。
それに加えて、女神は転移させたっきり、何の情報も与えてくれなかった。
俺は必死でハルを探し回った。
必死で、必死で、ありとあらゆる場所を探し回った。
けれど、ハルを見つけたのは転移してから2年半が経ってからだった。
最初にハルを見た時は、思わず絶句した。
奴隷商に首輪を繋がれ、両腕を失い、存在しない目で虚空を見つめる姿はあまりに痛々しく、目を背けたくなる程だった。
俺がハルを助け出し、家に連れ帰った後も、暫くハルは心を開いてくれなかった。
いや、怯えて心を開けなかったと言う方が正しいかもしれない。
だから、初めてハルがまともに声を発してくれた時は、本当に安堵した。
それでも、以前のハルの様な生活は、とても無理があった。
目が見えないから、歩く時は常に俺が横にいないと踏み出せない。何かを食べる時も腕がないから、俺が食べさせてやらないといけない。
つまり、ハルは俺に依存しないと生きていけなくなっていた。
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「いいよ、今更そんな事言わないでよ」
「……でもな」
「やめて……!……もう、ユータが助けてくれる前の事、思い出したくないよ………」
「…すまん」
再び、ハルの体が小さく震える。抱きしめ、背中を撫でる事しか出来ないのが歯痒い。
もっと安心させてやりたい。ハルに安らいだ顔をして欲しい。
「ねぇ、ユータ。本当に、こんな僕で良いの…?」
「どういう事だ?」
「だって、僕男だったんだよ?男の癖に、こうやって親友にしがみついて、情けない顔で泣き散らすし。おまけに目も見えないし両手もないんだよ。
……そんなのッ……ただの役立たずじゃん……ッ。気持ち悪いだけのゴミ人間じゃん……ッ!」
「ッ………」
言葉が出なかった。
他人に依存しないと生きていけない、それは、ハルの尊厳を踏みにじるには大きすぎる枷だろう。
「ハル……お前がどんな姿だろうと、俺はハルを受け入れるし、絶対見捨てない。
だから、安心してくれないか…?
俺にどれだけ依存してもいい、どんな要求をしてもいい。
ハルが安心してくれるなら、俺はなんでもするから」
「じゃあ……離さないで。絶対に、どんな事があっても。
あと…もっとギュってして…。痛いくらい、痕が着いちゃう位に」
言われた通りに、ハルを強く抱きしめる。
「っーーー。ぅぅぅ……。ぁぅ、ユータぁ………」
腕の隙間から見える顔は、えらく庇護欲を掻き立てるような顔だった。
再び、体を抱き寄せる。
多分、この生活が改善される事は無いだろう。
でも、それで良い。
ハルが落ち着いてくれるなら、
腕に今にも消えてしまいそうな体の温もりを感じがら、俺はそんな事を考えた。