転生したら岩だった件   作:ぱのらま

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今回でようやくリムルとヴェルドラと出会います。

文章が長くなりましたが、他の作者さんと比べたらまだまだ短いと思います。

今回はおじいちゃんの名前と魔物の名前が出てきます。

それではどうぞ〜


スライムと暴風竜

おや、何か喧嘩している?

というよりこの頭に響く言葉はなんなんだ?

 

《解。ユニークスキル追撃者(オイハラウモノ)の効果により思念の傍受を行っています》

 

あぁ敵意だけじゃなくて意思そのものを感知出来るのか。

 

「出来たようだな。では、名を名乗る前にそこにいる魔物よ。出てくるがいい!」

 

ん?気づかれてしまったのか。

随分鋭い魔物だな。

 

《告。コモンスキル念話を獲得しました。》

 

「すまない。何か言い争っていたようだから、落ち着くまで待っていたんだ。少し怪しい風貌だが怪しい者では無いよ」

 

「いや!?怪しいだろ!」

 

おうなんとも気持ちの良いツッコミをくれるスライムさんだな。

 

「ほう、見た目は変わっているが岩魔人(ロックマン)のようだな。はて、岩魔人(ロックマン)は自然浄化の存在で意思は無い筈なのだがな」

 

「まぁよい!我が名は暴風竜ヴェルドラ。この世に4体のみ存在する“竜種”(りゅうしゅ)が1体である。

クァ━━━━ハハハハ!!」

 

……大きいドラゴンだなぁ。

 

「竜じゃねーか!!ってツッコミいれようとしたら怪しい人間?あぁ、さっき”岩魔人”(ロックマン)っていったか?。ロボットっぽい奴が来るし俺の情緒がヤバいわ!」

 

はは、ウケる

 

「もしや…君は悪いスライムかね?」

 

「悪いスライムじゃないよ!ってまさかあなたも!?」

 

「あぁ君も私と同じ魔物に転生した転生者なんだろう?」

 

「…おい。我を除け者にしてなにを話しておるのだ。

我も話しにいれよ」

 

「あぁすまない実は」

 

 

 

 

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「ほう。お前達は異世界からの転生者か。ものすごく稀な生まれ方をしたな。転生者はたまに生まれてくるし、異世界人も時たまやってくるが、異世界からの転生者なぞ我は知らん」

 

「あぁそうだよ。私の生前の名前は井沢邦夫。病気で死んでしまってね。スライム君。君はなんと呼べばいいかな」

 

「ん?あぁ俺の生前の名前は三上悟で、通り魔から後輩を庇って刺されて死んだんだ。って井沢邦夫って言いましたか?」

 

「急にかしこまったね。私の名前を知っているという事は同郷の方なのかな?」

 

「なんだお前コヤツの事を知っているのか?」

 

「井沢邦夫さんは俺の元いた世界で世界的に有名な彫刻家で80代でも現役バリバリの凄い有名人なんだよ!」

 

「別に畏まらなくて大丈夫だよ?。この世界に生まれ落ちた時点で君と私は同年代と同じさ。というよりも80代と言うなら、君は私が死ぬ前の年代から転生したんだね」

 

「あぁわかりました、じゃないな。わかった。邦夫さんはもしかして俺よりも未来から転生したのか?」

 

「あぁ。原因不明の死病でね。身体がだんだん石に変わる奇妙な病気に罹って、103歳で死んだかな」

 

「103歳ってだいぶ未来じゃねぇか!。というか身体が石?身体が骨になる病気なら知ってるけど…」

 

「ほう、仙人でも無い人間がそこまで長く生きたのか」

 

「仙人というのは分からないけれど、そうだね。私は確かに長生きしたよ。まぁ後悔ばかりの人生だったけど、幸せだったさ。ところで話を折ってしまうけど、異世界人って私達以外にもいるんだね」

 

「うむ。ヤツらはこちらの世界に渡る時望んだ能力を得るらしいぞ?。お前達も何かしらのスキルを得ている筈だ。まぁ無いやつもおるらしいがな」

 

「ふむふむ。もしかしたら俺達以外にも日本人がいるかもな」

 

「そうだね。せっかくだし悟君と一緒に探しに行ってみようかな。私も探している人が居てね…」

 

「そうだ!ヴェルドラさん。貴方はこの世界に詳しいのですよね!。80年前に失踪した妹と孫娘をさがしているんです!。異世界人がやってくるなら、もしかしたら!」

 

「うぅむ…我も人間一人一人なぞ把握しとらんし、なによりも300年前に勇者に封印されて以来このままなのだ

しかし、うぅむ…」

 

「分かりませんか…。すみません無理を言ってしまって…」

 

「待て待て待つがよい!偶発的にこの世界に転移した『来訪者』と召喚儀式によって意図的に世界に呼び出された『召喚者』の2パターンが居るのだ!。そして先程も言ったがこちらの世界に渡る時望んだ能力を得る。

故にお前の妹と孫娘も何かしらのスキルを得て生き延びているやも知れんし、先程言った仙人や聖人の様な特殊な進化を果たして生きているかもしれんぞ!」

 

「励ましてくださってありがとうございます。ですがすみません。仙人?や聖人に進化とはなんなのでしょうか」

 

「む、そうであったな。知らぬのも無理は無い。まず進化とはこの世界の全種族に起こる事象だな。仙人や聖人は人間と亜人の進化系譜であり、人が過酷な修練を積むことで、長き時の果てに至る最初の進化が仙人で、聖人はその先の進化なのだよ。魔物の進化とは異なり、完全な進化には時間が掛かるが、お前の妹と孫娘が実力者で修練を積めばお前と会えるのではないかと思ってな。あと、お前の種族である岩魔人は素体となる岩と地の精霊が合わさり生まれる魔物で、素体となる岩が良ければ良いほど高性能な魔物となる。我の魔素を大量に含んだ超高純度の魔鉱石で出来たお前は凄まじい成長性を秘めているぞ?。これならばお前自身が強くなればそれだけで、生存率が上がり出会う可能性が高いだろう」

 

「邦夫さん。俺も妹さんとお孫さんを探すの手伝うよ!」

 

なんと面倒みの良い人達だろうか…!。

私は本当に良い縁に巡り会えたのだな

 

「…そうか、行ってしまうのか」

 

「そういえばヴェルドラさんは勇者に封印されてるんでしたね…」

 

「勇者は強かったぞ?見た目は可憐な少女といった感じだったが、ユニークスキル絶対切断(ぜったいせつだん)無限牢獄(むげんろうごく)を駆使し、我を封印せしめたのだ」

 

「…もしや見とれて負けたんじゃ…」

 

「ばっ…そんな訳なかろう!

 

やや小柄でほっそりしていて白い肌に黒銀の髪を一つにまとめていて真紅の小さな唇で身長はそんなに高くなく、輪郭から察するに女性で眼はマスクで隠されていたがその美しさは隠しようもない……

 

ほほう?

 

「詳しく聞かせてください!。今!彫りますから!」

 

うぉぉ!行くぞ探索者(タンサクスルモノ)ぉ!

 

《…告。スキル自己補填を使用し、石材を創り出します。材質はいかがなさいますか?YES/NO》

 

とりあえず私の身体と同じ材質で!

 

「告。身体を構成する魔鉱石と同じ材質を再現します。

 

…告。成功しました。続いてユニークスキル彫刻家(ホリダスモノ)を使用しますか?YES/NO」

 

当然YESだ!

 

「あの、邦夫さん?なんですかその岩と鑿は」

 

「当然彫るのさ!ヴェルドラさんの言っていた勇者を!」

 

「なにぃっ!?彫ってくれるのか!。では、今思念伝達を気合いで獲得したからこれでお前の頭に勇者のイメージを送るぞ!」

 

「…なんだこりゃ」

 

 

 

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「出来た。出来たぞヴェルドラさん!」

 

「おぉ!素晴らしい出来ではないか!。白い肌にはためくマントに我を斬った刀!。凄まじい再現度では無いか!。マスクは我の提案で眼の部分以外は無しにしてもらったが、これは良いな!」

 

「うわぁ本当に彫ったよこの人。てか、岩だったのに布の質感バッチリ出てるし、マジでそこに勇者が居るみたいだ…」

 

我ながら良い彫像を掘れたな。

しかし、美人さんだなぁ。

特徴からして日本人かな?。

でも外国人の要素も感じられるし、ハーフかクオーターかな?

 

「ふぅ…満足したし、悟君そろそろ行こうか」

 

「もう、行ってしまうのか…」

 

あぁそうか封印されているから私達が行けば彼は一人ぼっちになるのか…

 

「よし!じゃあ俺達と友達にならないか?」

 

「なっ、ス、スライムと岩魔人(ロックマン)の分際でこの暴風竜ヴェルドラとトモダチだと!?」

 

「私もかい?まぁ話して良い人…いや、竜さんだと分かってるし良いけど、ヴェルドラさんは嫌かい?」

 

「馬鹿お前!誰も嫌だなどと言っておらぬだろうが!!。…ど、どうしてもと言うなら、考えてやっても…」

 

「どうしても、だ。決定な!。嫌なら絶交二度と来ない!」

 

「し、仕方ないな。我が友達になってやるわ!」

 

「おう!よろしくな」

 

「よろしくねヴェルドラさん」

 

まさか異世界でドラゴンと友達になれるなんて夢にも思わなかったよ。

実りある異世界生活になりそうだね

 

「さて、じゃあこの封印どうするかな…。せっかく友達になれたのに放っておけないだろ?」

 

「ふむふむ…俺の大賢者に聞いてみたけど、物理ダメージで破壊は不可能だけど、捕食者でヴェルドラを喰って大賢者で無限牢獄(むげんろうごく)の内と外から解析出来れば解除出来るかもってさ!」

 

「む、しかし我のスキルは我と共に封印されて使えぬぞ?」

 

「大丈夫!ヴェルドラは情報だけ寄越してくれれば、俺の大賢者がやるらしいからな。

 

…言っておいてなんだけど俺の胃袋に入る事になるけど大丈夫か?」

 

「ククク、クハハ、クハハハハハハハ!!。面白いぜひやってくれ。お前に我の全てを委ねる!」

 

「スライムに胃袋ってあるの?」

 

「細かい事はいいの!。…でもそんなに簡単に信じていいのか?」

 

「無論だ。ここでお前達の帰りを待つよりも、共に無限牢獄(むげんろうごく)を破る方が面白そうだ!」

 

「じゃあ今から」

 

「おっとその前にお前達に名をやろう。お前達も我ら共通の名を考えよ。同格ということを魂に刻むのだ。」

 

名前?つまり異世界での、魔物としての名前か!

 

「うーん、私はあまり名付けが得意じゃなくてね…。悟君に任せても良いかな?」

 

「え、俺!?。うーん…暴風竜、暴風、嵐?。うん、“テンペスト”とかどうだ?」

 

「素晴らしい響きだ!

今日から我はヴェルドラ=テンペストだ!。そしてお前達には…」

 

どんな名前になるんだろうか。

日本人の私がこんな洋風なオシャレな苗字だなんて照れるなぁ…

 

「スライムは“リムル”。岩魔人(ロックマン)は“エルロック”の名を授ける!。リムル=テンペストとエルロック=テンペストの名を名乗るがよい!!」

 

エルロック=テンペスト!カッコイイ名前貰っちゃったぞ。それにエルにロックか。

なかなか良いネーミングセンスだ

 

「では頼んだぞ友達よ」

 

「さっさと無限牢獄(むげんろうごく)から脱出して来いよ?ヴェルドラ」

 

「君が脱出した時迄にあっと驚くような作品を作って待ってるよ。ヴェルドラさん!」

 

「任せておけ!そんなに待たせず相まみえようぞリムル、エルロックよ!」

 

そして、悟君…いや、リムル=テンペストのユニークスキル捕食者によってヴェルドラさんの解析が始まり、

私達の冒険が始まるのである。




ステータス
名前:エルロック=テンペスト(クニオ・イザワ)
種族:岩魔人(ロックマン)
称号:暴風の紋章
魔法:なし
ユニークスキル:『探索者(タンサクスルモノ)』『彫刻家(ホリダスモノ)』『忘却者(ワスレルモノ)』『撃退者(ゲキタイスルモノ)』『追撃者(オイハラウモノ)』『希望者(ノゾムモノ)』『傷病者(ウムモノ)
エクストラスキル:『自己補填』『魔力感知』『完全記憶』『並列演算』
コモンスキル:『念話』
耐性:痛覚無効、傷病耐性
技術(アーツ)『握撃』『芯流法』

井澤邦夫。
足が不自由な代わりにコンクリートを潰す独自の 技術(アーツ)握撃と足を起点としない独自の柔術、芯流法を扱えるだけの普通の爺。
現代に生まれ変わったアントニオ・コッラディーニとも呼ばれる。


ヴェルドラを倒した勇者って抗魔の仮面着けてるのにヴェルドラの語りだと漫画では唇とか言ってるし、ヴェルドラ日記でも唇と言う。
よく分からなかったので、戦闘中に仮面がズレて眼以外がヴェルドラに見えたってことにします。
ヴェルドラの案により彫像はアイマスクみたいになってます。

主人公が死ぬのは2025年なので、リムルが知ってる年齢を80代後半としました。
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