転生したら岩だった件   作:ぱのらま

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はい、今回は暴風大妖渦(カリュブディス)編です。

ちなみに私はモウカザメの唐揚げを食べた後に書いてます。

とても美味しかったです。ではどうぞ


カリュブディス襲来

 

「いやいや、待ってください、暴風大妖渦(カリュブディス)って言いましたか?。たしかに復活の時期に近づいてはいますが、肉体の適正は分からないにしても、生物を核として受肉すると聞きますぜ?。勇者が封印した事は周知の事実で、わざわざ藪をつつく馬鹿がいるとは思えねぇ!」

 

「しかし…暴風大妖渦(カリュブディス)の対処が可能な実力を持つ魔王や、雑把な魔物や人間を蹴散らしてジュラの大森林を管理しやすく、或いは侵略しやすくするように復活させる力ある魔人もいるのでは?」

 

「たかがそれだけの理由で復活させるというのか!?」

 

「現に復活しているではありませんか。ガロはエルロック様に報告に行ったのですから、今居る我々で出来る事を話し合わなければならないと思います」

 

「我が姉トレイニーが足止めを行っておりますが、あまり長くは保ちません。ご決断を」

 

…困ったな、非常に聞きづらい。

 

伝説では、異界の魔物を従える能力があるとか…

魔法が通じないという話しも聞いた事があります

 

これもヴェルドラ様消失の余波かもしれませぬな……

 

カリュブディスって何……

 

《説明しよう、リムル君》

 

っておわ、エルロック!?

 

《説明と言ってはなんだけど、私もそこまでの知識は無い。けど、配下の岩魔人(ロックマン)岩魔獣(ロックモン)の記憶から大体は分かっている。暴風大妖渦(カリュブディス)は我々よりはるか昔にヴェルドラさんの魔素溜まりから誕生した兄或いは姉と言うべき魔物だ。特筆すべき点は、自我や知識を持たず暴れ回るという点と、“竜種”(りゅうしゅ)に及ばないとはいえ、肉体さえ確保出来れば受肉出来るという点だ。厄介な事に魔法や飛行等を魔力妨害と重力操作で妨害されるらしい》

 

うわ、マジかよ。それじゃあ俺の手札の技術(アーツ)か、スキルしかないじゃん!

 

《いや、魔法が使いにくいだけで、倍の消費量で発動したら大丈夫だとは思うけど、とりあえずそちらに向かうよ?》

 

わかった!。

 

……大賢者(エイチアルモノ)から補足を貰ったけど、大体エルロックが説明した通りだった。

 

大賢者が凄い不貞腐れてる気がするけど、明確な意思が無いんじゃ蜂蜜なんかで餌付けも出来なさそうだな……。

 

知性が無いのにこの街を目指しているってのが謎だが、ヴェルドラの魔素溜まりから発生し、俺の胃袋にヴェルドラが居るから親に惹かれて来たのだろうか……

 

えー…既にその気配を感じ取っている者も居ると思うが、敵が急速接近中だ。だから倒す事にした。だから、怯え(びび)る必要は無い。侍大将(ベニマル)が迎撃体勢を整えている」

 

「非戦闘員はリグルの指示に従い、森の中へ避難するように。以上!慌てず騒がず行動開始!」

 

ヒュンッ

 

「私も魔国連邦(テンペスト)全域を監視し、暴風大妖渦(カリュブディス)を迎撃する手筈を整えている。安心して行動して欲しい!」

 

「お、エルロックも来たか。よし!ベスター、ガゼル王へ連絡を頼む」

 

「お任せを」

 

ベスターが連絡しに行ったが、来客のフューズが居る時に来るとはなぁ……。

絶対怪我させないようにしないとな!

 

「悪いな、せっかく休暇を楽しんでいたってのに。良ければフューズ君も彼等と一緒に避難してくれ」

 

「……なぜ、何故逃げないのですか?。カリュブディスは災厄級魔物(カラミティモンスター)ですが、その脅威度は災禍級(ディザスター)以上と考えられています。魔王(ディザスター)認定されない理由は、「知恵ある行動を取らない」…その一点のみです」

 

「貴方達は…魔王を相手にしようというのですか?」

 

「ふむ、確かに私達で魔王を相手どれるかは分からない。しかし、私達が築き上げたこの国と国民を捨てる訳にはいかないんだ」

 

「まぁ、俺達が負けたら皆に逃げる様に言ってるけどな。だけど一回ぶつかって負けても諦めるつもりはない。万が一の場合は、ブルムンド王国での住民の受け入れについて検討してみてくれよ」

 

「……そう、ですな。貴方達は、リムル殿とエルロック殿は魔物達の主…でしたね」

 

「そういう事だね。まぁ最悪は私が魔国連邦(テンペスト)の国民を岩魔人に転生させるしかないけどね」

 

「流石にそれは洒落にならないから、死ぬ気で魔国連邦(テンペスト)を守るよ!。……それに、魔王(ディザスター)に匹敵すると聞いたら尚更引く訳にはいかない」

 

「助けてくれたし、生き延びる方法を授けはしたけど、色々説明不足だったりトラウマを与えた魔王レオンを殴る為にも、カリュブディスにビビってる訳にはいかないんだ……!」

 

「…うん。俺もシズさんにこの姿を譲り受けたし、お兄ちゃんであるエルロックが張り切ってるから、この戦いは勝つよ」

 

「ええ、あの人の…シズ殿のお姿を受け継ぐ貴方と、その兄君であるエルロック殿ならば必ず勝てますよ」

 

「…1つ頼みがあるんだけど良いかな?」

 

「…聞きましょうか」

 

 

 

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もう直戦いがはじまる。

 

場所はドワーフ王国へ伸びる街道。

整備をしてくれたゲルド達には申し訳ないが、町が破壊されるより修復は楽な筈だ。

 

それに、路面に土壌固定と軍装天鎧を使って張り巡らされたプレートは並大抵の攻撃ではビクともしない。

実際に、餓鬼之行進演舞(デスマーチダンス)を当てても特に変化なかったらしい。

魔王種に進化したゲルドの力を再現された岩魔人であるオリガの耐久値と同等の硬さを持つプレートなら、カリュブディスの攻撃にもある程度持ちこたえる筈だ。

 

そして街道の周りの木々はストロングが木装天鎧を使って支配下においている為、耐久値がストロングと同等になっているから、倒れる心配はそんなにしてない。

天鎧系スキルはそれぞれの属性を自身と同等の耐久値に出来るからこその強みだな。

 

ここなら周りを気にしないで戦える。

故にここで迎え撃つ

 

「じゃあ手筈通りに暴風大妖渦(カリュブディス)は魔素を乱すから、物理攻撃で削る」

 

「ただ、超速再生のスキルもあるみたいだから絶えず攻撃をし、再生限界まで削らなければならないね」

 

「……補足してもよろしいでしょうか?」

 

「構わないよ、それで何かな?トライアさん」

 

暴風大妖渦(カリュブディス)は異界より空泳巨大鮫(メガロドン)という魔物を召喚し、魔力妨害も従魔である空泳巨大鮫(メガロドン)も保有しているのです」

 

うわ、マジかよ。

フューズの前でカッコつけて言ったことは本音だ。

でも、厄介さが半端ないな。

 

一応まだ試したことのない奥の手もあるにはあるが、正直それも通用するか分からない。

あ、そうだ!

 

「なぁエルロック、最大出力で撃退者(ゲキタイスルモノ)を使ってダメージを与えられないか?」

 

「まぁ間違いなく私に敵意や害意を向けるだろうからイケるかな。今回は殺しても大丈夫そうだし、強めにやってみるよ」

 

よし!

 

「ふっふっふ……何か忘れているのではないか?」

 

……え?

 

「ワタシが誰だか覚えてないとは言わせぬのだ!」

 

「ミリム!」

 

「デカイだけの魚などこのワタシの敵ではない」

 

お…おおお!!。

そうだよ、ミリム程の力があれば!。

 

よし……

 

「そりゃ駄目だぜ、ミリム様。アンタは客人で、この国の問題にかかわらせる訳にはいかない」

 

「そうです。私達の国の問題に関係の無いミリム様の手を借りる訳にはいきません」

 

「友達だからとなんでも頼ろうとするのは間違いです。リムル様や、エルロック様がどうしても困った時その時は、是非ともお力添えをお願い申し上げます」

 

ガロもシオンもシュナも何言ってんの!!。

俺今めちゃくちゃ困っているんですけど!?

 

「そっか……」

 

え───!!

 

「……」

 

うわぁ、ミリムが俺をしょんぼりした顔して見つめてくる……。

 

でも確かに俺達の国の問題に遊びに来た客を巻き込む訳にはいかないもんな!

 

「そうだぞミリム、まぁ俺を信じろ!」

 

……まぁ、明らかに魔王級の魔物を相手にしたくないけどな!

 

「……来たようだね」

 

「ああ、腹を括るしかないな。まぁやるだけやってみるか」

 

 

 

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「…ねぇ、やっぱり私達も手伝った方が良くなぁい?」

 

「…半端な攻撃は通用しない。足手まといだろう」

 

「でもぉ…」

 

それに…リムル殿は私に頼まれたのだ。

 

もし負けたら人間の国に対策を取ってもらう必要がある、だから結末を見届けてくれ、と。

 

不思議な方達だ。

シズさんと同じ世界から転生した異世界人のお二人。

 

あの方達ならば必ず!

 

か、暴風大妖渦(カリュブディス)だ!

 

ボゴォォォ……!!

 

「……始まっちまったか。開戦の狼煙だ」

 

 

 

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「ベニマルの黒炎獄(ヘルフレア)でもこれか……」

 

黒炎獄(ヘルフレア)は結界内の敵を焼き尽くす技だ。

 

本来の威力が発揮されていれば、結界が消えた後には炭すら残らない

 

「…お供が一頭焦げただけか。聞きしに勝る厄介さだな。魔力妨害ってのは」

 

「ええ、それに範囲内に捕らえた筈の本命は、もはや痛痒を感じてはいないようです」

 

 

グギョオオオ!!

 

 

「ぎゃー、凄い勢いで来るっす!。皆避けるっすよ!!」

 

 

グギョ……

 

 

ズシンと空泳巨大鮫(メガロドン)達は落下していく

 

「うん。やっぱり最大出力なら命を奪うのも問題ないようだね。ただ……」

 

「あ、ありがとうっす。エルロック様!」

 

「ん?どうしたエルロック」

 

暴風大妖渦(カリュブディス)の取り巻きの空泳巨大鮫(メガロドン)達は凄い敵意を向けてきたから倒せたけど、暴風大妖渦(カリュブディス)は私に敵意も害意もないようだ。というより……あの感情の波はフォビオじゃないかい?」

 

「は?フォビオってこの前来た豹の獣人か?」

 

「なんか凄いミリム許さんって意思を感じ……危ない!」

 

はぁ!?ミリムだって?。

暴風大妖渦(カリュブディス)に自我が無いのは聞いてたから、エルロックの言う通りなら暴風大妖渦(カリュブディス)の素体は、フォビオか!。

 

って、うわっ凄い量の鱗の弾幕飛ばしてきやがった。

 

あれは流石に躱せないな、けど!

 

「大丈夫だエルロック。お前が取り巻きを倒したんだし、次は俺の番だ!」

 

豚頭魔王(オーク・ディザスター)戦を経て、俺には二つの変化があった。

 

一つは人型に擬態した時の背が少し伸びたこと。

 

もう一つは今日まで使う事が無かった「新しい力」

 

「リムル様!」

 

──────《「飢餓者(ウエルモノ)」を吸収統合。同系統の能力を得たことにより、「捕食者(クラウモノ)」は進化します。…成功しました。その名は─》

 

暴食者(グラトニー)

 

ズゾゾゾゾ、ゾルン!

 

「凄いなリムル君の新しい力、暴食者(グラトニー)は。名前に恥じない能力のようだね」

 

「あれだけの鱗が一瞬で…」

 

シュッ!

 

「よっと」

 

ズゾ……

 

「……!」

 

 

グギョオオオ!!

 

 

暴風大妖渦(カリュブディス)が大きく身体をくねらせ、暴食者(グラトニー)ごとリムルを弾き飛ばした

 

「……やっぱり本体は喰えないか。けど、「腐食」の方は多少効いたみたいだな」

 

うーむ、なかなかに手強いな。

 

……あ、そういえば暴風大妖渦(カリュブディス)の素体がフォビオなら、暴風大妖渦(カリュブディス)はフォビオの意思で来てるんだよな?。

自我が無いわけだし。

 

つまり、これは魔国連邦(テンペスト)の問題でも無く、ミリムの問題なんじゃ……

 

「あのさ、ミリム」

 

「む、なんなのだ?ようやくワタシに任せる気になったのか?」

 

「……どうやらさ、エルロックが言うには暴風大妖渦(カリュブディス)の素体になってるのは、この前来たフォビオらしいんだよ」

 

「ふむ、ワタシの竜眼(ミリムアイ)で確認するのだ。……確かに覚えがあるのだこの感じ。あの時のフォビオとかいう魔人だ」

 

フォビオは魔王カリオンの使いとして来て、ミリムに伸された魔人だ。

依り代(フォビオ)の意思に従って、魔国連邦(テンペスト)を目指していたコイツは……

 

「フォビオがお前に伸された恨みで暴風大妖渦(カリュブディス)の素体に、自分からなったのか利用されたのか分からないが、わざわざ魔国連邦(テンペスト)に来たようだな」

 

「ほほう、つまりアヤツはワタシの獲物だな?」

 

「あぁそうだ。ありゃミリムの敵だ」

 

ったく、どういう経緯で素体になったか分からんがはた迷惑なヤツだなぁ。

じゃあ一旦皆を退避させるか!

 

《全員よく聞いてくれ、詳しい事は後で話すが予定変更だ。速やかにこの場から離れろ。繰り返す、速やかにこの場から離れろ》

 

「急げ!リムル様の指示に従って避難するんだ!」

 

「なるほど?フォビオの意思と先程のリムル君とミリムの会話で大体わかった。岩魔人(ロックマン)岩魔獣(ロックモン)達には、ミリムの技の余波を吸収して私に転送する様に伝達しよう」

 

《ミリム、こっちの退避は終わったぞ》

 

《うむ》

 

《あ…っと出来ればでいいんだけど、フォビオを残してカリュブディスだけ吹っ飛ばせるか?》

 

《わははは!容易いことなのだ!》

 

《魔王カリオンの配下を始末してしまったら、後々面倒かもしれないからな》

 

《リムルは変なことを気にするのだ。だが親友(マブダチ)の頼みは聞かねばならぬ。ワタシも最近手加減を覚えたし、丁度いいのだ!》

 

手加減…?。

 

え、まさかヨウムの時にか?

 

「見せてやろう」

 

ジジジ……

 

これが────手加減というものだ

 

カッ!

 

 

竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!」

 

 

ミリムの掌から生み出された光球から分かたれ、無数の光線として暴風大妖渦(カリュブディス)に飛来する。

リムルの暴食者(グラトニー)も弾き、生半可な攻撃ではビクともしないその身は、数の暴力というべき光線に身体を吹き飛ばされた

 

 

ドドドドドドド!!

 

 

《──!?解析不能。情報収集に失敗しました。》

 

「っぐ……やはり、ミリムの力は余波でも凄い様だね。けど、これで」

 

《告。「傷病者(ウムモノ)」が蓄積ダメージを越えました。「修行者(ツミカサネルモノ)」により、ダメージをエネルギーに変換します。「忘却者(ワスレルモノ)」と「希望者(ノゾムモノ)」、余剰エネルギーを統合。「忘却者(ワスレルモノ)」は進化します。…成功しました。その名は─》

 

《「虚飾者(ヴァニティ)」》

 

「……これなら、シズの教え子を救えるかもしれない」

 

 

 

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「うわぁ…」

 

こりゃフォビオごと逝ったかな…。

 

ん?煙の中に人影が……あれだ!!

 

ビシュン!!

 

「おお……あの火力で服も破けてない!。流石ミリム、見事な手加減だったよ」

 

高空でにこやかにピースサインをするミリム。

 

なんつーか、硬い木の実の殻を高火力で吹っ飛ばして中だけ綺麗に取り出す様な、大雑把に見えてかなり繊細な攻撃だったんだな……

 

「さてと、どうだ?大賢者(エイチアルモノ)

 

《解。個体名フォビオと、個体名カリュブディスの融合率は九割以上。再びカリュブディスとして復活するまでの時間は一時間もありません。》

 

マジかよ、短いな。

 

なら予定通り暴食者(グラトニー)で……

 

「リムル君、ちょっと失礼するよ」

 

「ん?エルロックどうし……」

 

シュルルル……パシッ!

 

「良し、後はリムル君に任せたよ?」

 

「あ!お前まさか」

 

《……告。個体名フォビオから個体名カリュブディスの心核(ココロ)が切除されました。復活の危険性はありません。ただし、融合した核がどのような影響を及ぼすかは不明です。》

 

「あー、うん。とりあえず核を取り除くか」

 

「そんなことが出来るのか?」

 

「大丈夫だ。フォビオからカリュブディスの(抜け殻)を完全に分離する」

 

本来であれば素体から分離させると、精神生命体であるカリュブディスは逃げ出してしまうのだが……。

 

うん、エルロックが玉に収納したんだよな。

カリュブディスってどんなヤツなんだ?。

 

ってか自我が無いから赤ん坊みたいな感じになるのだろうか……。

 

ま、当初の予定よりだいぶ楽になったんだし、さっさと終わらせるか

 

《「変質者(ウツロウモノ)」と「暴食者(グラトニー)」を並列起動。》

 

大賢者(エイチアルモノ)は能力の制御に回れ、()()は俺がやる」

 

《了。》

 

変質者(ウツロウモノ)で分離させたそばから、暴食者(グラトニー)で喰い尽くす。

 

たったそれだけだ

 

「ふぅ…」

 

「……どうなのだ?」

 

「ああ、成功したよ。戦闘も短時間で終わったし、案外大丈夫だった……」

 

「リムル殿!ただ今我ら天翔騎士団(ペガサスナイツ)、到着しました!!。暴風大妖渦(カリュブディス)はまだ襲来してはいないのでしょうか?」

 

「あ」

 

そういえばガゼルに連絡するように言ってたわ。

 

早く終わったし、濃い内容だったからすっかり忘れてたな……

 

「……言いにくいんだけど、暴風大妖渦(カリュブディス)はもう討伐したんだ」

 

「……?連絡を受けて駆けつけるのに、二時間もかかっていない筈ですが」

 

「ごめんな?しばらく魔国連邦(テンペスト)で疲れを癒してくれ。詳しい話しは後でするよ」

 

「は……?」

 

 

 

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「スマン!…いや、スミマセンでした!。今回の件は俺の一存でした事、魔王カリオン様は関係ないんだ。なんとか俺の命一つで許して欲しい…!」

 

「馬鹿言うなよ、ここでお前を殺したら何のために助けたかわからんだろ。それより質問にこたえてくれ。トレイニーさん、この先の質問を任せるよ」

 

「はい。では貴方は何故暴風大妖渦(カリュブディス)の封印場所を知っていたのですか?。あれは勇者から託された我ら樹妖精(ドライアド)しか知らぬ場所。偶然見つけたとは言わせません」

 

「…教えられた。仮面を被った二人組の道化に…」

 

「仮面の道化?」

 

「横から失礼するよ、フォビオ。君が見たのはこの魔人かい?」

 

そう言ってエルロックは片目を閉じ、白く長い耳のような頭巾を被った仮面の魔人の絵を見せる

 

「確かに服装は似ているが、俺が見たのは涙目の仮面の少女と、怒った仮面の太った男の二人組だ。名前は確か……女はティアで、片方はフットマンだな」

 

「…怒りの仮面の太った男だと?」

 

そういえばベニマル達の集落を襲ったオーク…、それを率いていたのが、仮面の魔人だったって言ってたな

 

「怒り面の太った男…。確かゲルミュッドの使者を名乗る上位魔人がそんな仮面をつけいていました。そこのフォビオが申すとおり名はフットマンです。中庸なんとかいう組織の者だとか…」

 

「中庸道化連だ。奴らは何でも屋だと言っていた」

 

「ああ、それだ」

 

「んん…?そういえばエルロック殿の絵の男は見覚えがありますぞ。ゲルミュッドからの使者でラプラスと名乗った道化が…」

 

「あぁ、君達が騙されていた時にディグダに盗聴と監視をさせていたからね。この絵はその時の映像を私が描いたんだ」

 

「なんと!」

 

「フットマンね…。その名覚えておくとしよう」

 

「んー…」

 

「ミリム?」

 

豚頭帝(オークロード)計画を仕切っていたのはゲルミュッドだが、中庸道化連などという連中知らんのだ。そんな面白そうな奴らが居るのなら会ってみたかったのだ。まったく、ゲルミュッドのヤツめ…」

 

「ゲルミュッドの心核(ココロ)は完全に砕けて居たからねぇ……。一応オリガに混じっていたのかゲルミュッドのスキルは使えるようだけど、なんか分かるかい?」

 

「いえ、オレの記憶にも中庸道化連という組織の記憶はありませんな」

 

「あ、もしかしたらゲルミュッドじゃなくて…」

 

「じゃなくて?」

 

「クレイマンのヤツが何か企んでいたのかもしれぬ」

 

「クレイマン?誰だそれ」

 

「あ、それなら分かるよ。クレイマンは傀儡国ジスターヴって国を治めている妖死族(デスマン)の魔王だね」

 

「すまないがシズ。妖死族(デスマン)ってどんな種族なんだい?」

 

「えっと、確か人間を素体とした魔人形(ゴーレム)みたいな種族だったかな。魔人形(ゴーレム)は鉱物とか木みたいな無機物を組み立てて素体とするんだけど、妖死族(デスマン)は無数の死体を粘土みたいに捏ねくり回して生まれる魔物だね」

 

「へぇー、流石シズさんだな」

 

「私も数十年前に黒を名乗る多分、上位魔将クラスの悪魔と戦った事があってね。その一件から調べた時に魔人形(ゴーレム)関係の文献を読み漁ってたから知ってたんだよ。悪魔は精神生命体だから器として良いらしいから」

 

「つまりフレッシュミートゴーレムの一種という訳だね。あ、ごめんミリム。クレイマンについて教えて貰えるかな?」

 

「構わぬ。寧ろワタシも妖死族(デスマン)についてそこまで知らなかったから助かったのだ。ヤツはこういう裏でコソコソと動くのが大好きなのだ。抜け駆けするとしたらヤツしかおるまい」

 

なるほどクレイマンは暗躍が得意なタイプの魔王なのか。

ってか、沢山の死体を捏ねくり回して生み出すって、フランケンシュタインよりヤバい生まれだな……。

 

まぁ、今のところ確証があることではないので保留だな

 

「今後は謎の何でも屋に注意するとして…。とりあえず今日はお開きだ。皆ゆっくり体を休めてくれ」

 

「さて、フォビオは無事助かったのだし、カリオンの所に帰りなさい。ちゃんと気をつけて行くんだよ?」

 

「…はっ!?いや、俺は許されないだろう!!」

 

「まぁ無罪ではないけどな。真犯人に利用されてたみたいだし、被害としては多少木々の枝が折れたり、路面のプレートにヒビが入るくらいで人的被害は無いしな」

 

「だが…っ。いや待て暴風大妖渦(カリュブディス)と戦ってそれだけで済んだのか!?」

 

「違う違う、暴風大妖渦(カリュブディス)の攻撃じゃなくてミリムの攻撃だ。ミリムもフォビオを帰していいだろ?」

 

「うむ!一発殴ろうと思っていたが、許してやるのだ!」

 

「まぁ私がミリムの攻撃の余波を吸収してなければ、普通に色々壊れていたとは思うけどね」

 

「うむ、なぁカリオンもそれでいいだろう?」

 

え!?

 

「やはり気づいていたか、ミリム」

 

「カリオン様…!」

 

「そいつを殺さずに助けてくれたこと、礼を言うぜ」

 

「あんたが魔王カリオンか。…わざわざ出向いてくれるとはな。俺はリムル=テンペスト、この森の魔物達で作った魔国連邦(テンペスト)の盟主だ」

 

「私はエルロック=テンペスト。この国の守り手をしている」

 

「フッ、たかだか一匹のスライムが国を興すとは。……お前、豚頭帝(オークロード)を喰ったな?

 

「…ああ、その通りだ。で?それが何か悪いのか?」

 

「ぶっ、ふははは面白いな!ミリムが気に入るわけだ!。悪かったな、俺の部下が暴走しちまったようだ。俺の監督不行届ってことで一つ許してやってほしい。今回の件は借り一つにしておく。何かあれば俺様を頼ってくれていい」

 

「…それなら、俺達との不可侵協定を結んでくれると嬉しいんだが…」

 

「そんなことで良いのか?。良かろう、獅子王(ビーストマスター)カリオンの名にかけて誓ってやる。獣王国(ユーラザニア)魔国連邦(テンペスト)に牙を剥かん、とな」

 

流石魔王、器がデカ…

 

ズガン!!

 

え?

 

「ったく、しょうがねぇ。おら、帰んぞ」

 

体育会系…!。

いっぱい血が出てますけど!。

 

……暴風大妖渦(カリュブディス)と戦った俺達より重症なんじゃ

 

「後日使者を送る。なに、今度は礼を守らせるさ。また会おうリムル」

 

こうして慌ただしくもなんとか脅威を乗り越えた。

一段落だな!

 

「木々は無事だけど、やっぱりプレートがひび割れてるのは駄目だね。よし、オリガが生み出したプレートを一枚一枚丁寧に貼り直しなさい。良いね?」

 

「は、はい!迷惑かけた分頑張ります!」

 

「うん、まかせたよ?カリュブディス」

 

……。

 

………?。

 

なんか増えてね?




ステータス
名前:エルロック=テンペスト(クニオ・イザワ)
種族:岩魔人(ロックマン)
称号:暴風の紋章
魔法:なし
ユニークスキル:『探索者(タンサクスルモノ)』『彫刻家(ホリダスモノ)』『撃退者(ゲキタイスルモノ)』『追撃者(オイハラウモノ)』『傷病者(ウムモノ)』『 変質者(ウツロウモノ)』『集合者 (ツドウモノ)』『隣人者 (トナリアウモノ)』『 飢餓者(ウエルモノ)』『修行者(ツミカサネルモノ)』『虚飾者(ヴァニティ)
エクストラスキル:『毒霧吐息』『麻痺吐息』『超音波』『威圧』『嵐装天鎧』『木装天鎧』『土壌固定』『氷零弾』『陽装天鎧』「炎熱操作」『 炎化爆獄陣(フレアサークル)』『 火炎蜥蜴召喚(サラマンダーしょうかん)』『溶装天鎧』『縮小玉』『魔塊転生』『超速再生』『武装具現』『妖血操糸』『技能発動』『種子改良』『軍装天鎧』『氷装天鎧』『電装天鎧』『記録複製』『魔物召喚(サモンモンスター)』『魔力妨害』『重力操作』『空装天鎧』
コモンスキル:『念話』
耐性:痛覚無効、耐熱耐性、刺突耐性、物理攻撃耐性、電流耐性、麻痺耐性、腐食耐性、土耐性、熱変動無効、病毒無効、精神苦痛耐性
技術(アーツ)『握撃』『芯流法』『朧流』『暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)』『破邪眼光線』

今回の話しで獲得したユニークスキル『虚飾者(ヴァニティ)』の説明は次回に持ち越します。

暴風大妖渦(カリュブディス)の眼から怪光線を放つ技は良く分からないので、オリジナルで『破邪眼光線』とします。

これでエルロックの眼から怪光線が飛び出します。

ちなみにこの文章より下は前回のヨウム一行の修行内容を感想欄で返した分です。
長いので面倒くさい場合は見なくても大丈夫です。

次回は新たな仲間と、ヨウム一行のファルムス王国に帰還した後の後日談です。

エルロックはNARUTOもですが、ハンターハンターのビスケの魔法美容師からも着想を得てます。

ただ桃色吐息と違い、秒で疲労回復と筋肉に高負荷をかけて、分身体では無く本体が常に食事をし肉体をより強くしています。

……また、回復要員であるハピナスがリラックス効果を、ウツロイドが特殊な神経毒を用いて脳に深い眠り状態だと誤認させ、成長ホルモンを分泌させます。

こんな地獄の訓練を何回も繰り返し、精神苦痛耐性がある為に狂えない。
かと思えばあまりにも過酷過ぎて、耐性を貫通。

それをヨウムの意思で何とかやった結果、異世界人でも無く勇者の卵も無い男が短期間で“仙人”に至った理由です。

ちなみに作中で登場する秘伝スパイスは、ポケモンSVに登場する凄まじい薬効を持つスパイスで、弱りきった伝説のポケモンが食べる度に回復し、全ての種類のスパイスを食べた結果、完全回復した代物です。

ちなみにヨウム以外のメンバーは流石に、ヨウムよりまだマシな修行なので精神はギリギリ大丈夫です。

ただ、憧れが止まらないロンメルは同じ修行をし、魔法先生ネギまの主人公のネギと同じ、魔法拳士になりました。

ちなみに修行を断った場合、モモワロウという岩魔獣で操って修行させていました。
ただ、精神にあまり負荷がかからない為仙人にはなっていないと思います。

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