遅筆ではありますが、新たなスキルとエルロックのTS形態お披露目回となります。
ガゼル王との外交と二国間友好宣言からしばらくして、意外な来客が
「お初にお目にかかります。ワシの名はニドル・マイガム。貴方様方に世話になったヨウムが住む地を治める貴族でございます」
「その妻、マーチ・マイガムと申します。此度は話し合いの場を設けてくださった事、感謝いたしますわ」
「は、初めまして。リムル=テンペストと言います」
「私は補佐と国の防衛を担うエルロック=テンペストだよ。貴方達の現状はヨウム君から聞いているよ。色々済まなかったね。後で過労死役満・酷使無双の別バージョンの過労死役満・対々和を課すから」
「それは…確かに。ワシが一時的とはいえ、死んだ事は事実。しかし、実際に修行した訳でもないワシがあまりの過酷さ故に死んでしまったのも事実だ。結果論ではあるが、ヨウムのスキルによってワシは大切な事を思い出せたのだ。あまり無理はさせないでほしい」
「過労死役満・酷使無双は、長きにわたる修行を一瞬に凝縮する過酷な修行らしいですが、過労死役満・対々和というのはなんなのですの?」
「簡単に言うとヨウム君の分身体を異なる肉体に受肉させて、別の経験値を得る方法だね。演算能力特化、肉体性能特化、魔法特化、武器術特化といった具合にね。所謂才能のある肉体で経験を積んで、ヨウム君に反映するのさ」
「受肉ですか…。さらりというのですね」
「『
「それは我々が高齢だからですかな?」
「高齢というよりも耐性の問題ですね。本来の肉体の経験は、異なるの肉体との差異に耐えきれないんだ。貴方達も過労死役満・酷使無双を乗り越えれば……ワンチャンありますね。あくまでも『
「うん、普通に修行した方がいいよな。あくまでもヨウムのは、急造で英雄にするべくやった訳だし」
「いやまぁ、キツイのは嫌だがそれで強くなれるなら頑張るさ。幸いにも心を強く持つ限り、肉体の能力を高めるユニークスキル『
oh......、ヨウムの目が死んでいる。
いや、身体が直ぐに治ってるという事は、心は折れていない。
強くなったな……ヨウム
「っと、話しがズレちゃったな。今回はどういう要件できたんでしたっけ?」
「此度来たのは、我が領地にエルロック殿の魔道具、トイレを領地の便器と同じ形の物を用意していただきたいと思ってきたのです」
「ある程度魔法や清掃でどうにかなるのですけれど、その労力と人材を割ければ、領地の運営を円滑に出来ると考えたのです。勿論それ相応の対価をお支払い致しますわ」
「なるほど、同じ形というのは他の貴族に悟られない為だね?」
「確かに衛生面は大事だよな。って事はある程度機能も落とした方がいいのか?」
「はい。あまり高性能ですと他貴族から怪しまれますからな。特に欲深い王の耳に入れば貴方達に要らぬ諍いを招きかねません。あくまでもトイレに備わった分解と浄化の機能で疫病のリスクを低くするのが狙いです」
「ヨウムを英雄として活躍させる以上、優れた武器制作技術があるのはバレてしまいますけれど、あくまでも理解出来る範囲で収まりますの。汚れを浄化し、常に清潔に保つ便器は目立ちますから。ある程度汚れやすく、軽い手入れで汚れが落ちるくらいが良いと思いますわ」
「色々要望を述べてしまいましたが、大丈夫ですかな?」
「構いませんよ。もうトイレの制作は
「ようは軽い掃除で汚れが落ちて、ある程度汚い排水が出る感じにすればいいだけだもんな。エルロックの魔道具よりかなり作りやすいから数は揃えられるな」
「農具関係とかも要りませんか?。草刈機というFランクの魔石で3時間くらい稼働する魔道具もあります。かがまなくても草を刈り取れるので便利ですよ。焦げ付きにくい鍋やフライパンもありますし」
「小麦粉とか米もあるな。ここら辺なら凄い目立つこともないんじゃないか?」
「金額によりますな。ある程度安定して購入させて頂きたいですから。便器なら余程手荒く扱わない限り壊れないでしょうし、農具は…分かりませんな。領民に最初はワシが負担して与えて、感想を聞いてからにしましょう」
「そうですわね。まずはヨウム達にそれとなく農民に探りを入れてもらうのがいいでしょうね。エルロック殿の岩魔獣を経由してヨウム達は移動出来ますし、ロンメルは絵が上手く、事細かな情報を書くのが得意ですし、頼みましょうか」
「絵なら他のメンバーも描けるぞ?。ってか、暇な時地面に落書きしてたしよ」
「とびきり上手いのがロンメル君ってだけで、君たちも普通に絵が上手いもんね」
「それならヨウム達全員に任せて紙に起こす方が、負担が少なくてよいな。勿論給金はしっかり払うぞ?。絵の出来栄えが良ければ、給金は上がるがやる気はあるか?」
「マジか。『
「うむ、やる気になってくれて良かった。では、我々は領地に戻るといたしましょう」
「1時間くらいお時間大丈夫かな?」
「うん?。そうですな、2時間くらいなら大丈夫ですが」
「昼も近いですし、料理を是非味わって頂きたい。その前に、お二方手をこちらに」
「「?」」
素直に手をエルロックに向ける夫妻。
その手を握り、数秒で手放した
「ふむ、ニドルさんは血管内に血栓…特に脳に少し大きめ。脂肪肝と糖尿病のリスク有り。マーチさんは椎間板ヘルニアの兆候あり…と。とりあえず血栓を分解し、不必要な脂肪細胞を破壊しておきました。マーチさんはいずれ普通に歩けなくなる恐れがありますし、骨を治しましょうか」
「い、今なにを?」
「芯流法と握撃という
私の肉体のデザインであるワンダー・オブ・Uの登場したジョジョリオンでは、異なる世界線のキラークイーンが登場する。
このスタンドは作中にて、シアーハートアタックという爆弾をミクロサイズに変化させ、血栓を破壊するという離れ業をやってのけた。
私はその能力に着想を得て、かつてより扱っていた
自身の肉体にも使ったけど、未知の要素で石に変わってしまうという絶望の結果に終わったけれど、この力が人を救える力であることは、私が誰よりも知っている。
芯流法で肉体を把握し、握撃で悪い部分を破壊する技は、卓越した技量がなければ扱う事は難しい。
見込みがあるのは、リグルドとガビルだろうか。
ガビルに至っては
「後はこのデザイアリングで、マーチさんの骨全体を健全な状態に治せば完了ですね。腰が痛くて歩けなくなるのは辛いでしょうし」
「……すまないが、ワシの髪も生えるようにしてはもらえないだろうか」
「構いませんよ。貴方達の見た目が良くなれば、領民の印象も変わると思いますしね。流石に最初からフサフサなのは不自然ですし、徐々に生え変わるようにしましょうか。代わりに健康に気をつけてくださいね?。ついでにシミやそばかすができないようにしましたよ」
「そうだな……。領地に帰ったら業務に影響の出ない範囲で頑張ってみようか。幸いといって良いかは分からぬが、ヨウムの記憶から効率の良い修行法を知っておるからな」
「貴方、私にも修行法を教えてもらえるかしら。自己流で鍛えるのも限界ですし、腰に負担のかからない方法を学べば良くなりますものね」
「……俺の頑張りが報われたようで嬉しいぜ」
「よし、となれば胃に優しく身体に良いメニューにしよう。今回はスキルも使おうかな」
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「お待ちどうさま。烏骨鶏の薬膳スープと、岩猪のステーキとご飯にキャベツの千切り定食です」
「岩猪は分かるが……なんだ、この黒い鶏は。キラキラ光り輝いておるし」
「ニドルさん達は私が異世界人である事はご存知でしょう。これは私のいた世界に存在する烏骨鶏という肉も骨も真っ黒な鶏です。煮崩れしにくく、身体に良いのですよ」
「へぇー、聞いた事あるけど初めてみたな。これは岩魔獣か?」
「いや?『
「あのスキルって
「嘘から出た真というのか、私達のいた世界やこの世界に存在する動植物は生み出せるみたいだね。意思は弱いけど、時間経過で消えないし、しっかり存在するよ。
私のユニークスキル『
詳しい仕様は、流石に夫妻の前では言えないけどね。
故に、生前に食べた高級食材もスキルで生み出し、飼育する事が出来るんだ。
病床に伏せっていた頃に、各国のお偉いさんから渡されたモノがこういう形で役に立つとは思わなかったけどね。
戦闘以外だと生み出す力の方が使い勝手が良いしね。
『
烏骨鶏も繁殖が進むにつれ、定着するだろう
「ふむ、何事も経験か」
「そうですわね。エルロック殿は料理人だと言う話しですし」
はむ……。
じわりと噛み締める度に溢れ出す肉汁に、普通のスープとは違う滋味深い味わいが、身体をポカポカと温めてくれる。
飲む度に不思議な事にお腹がくるくる鳴り出してしまうのは、何故だろうか
「この様な量を出されても、歳を重ねて食が細くなった身体には無理だと思っていたが、今は若い頃の食欲が湧き出てくるようだ……」
「確かに、健啖家でも無い私と胃が弱くなった貴方に、内心大丈夫かと思っていたのですけれど、寧ろ若い頃より食欲が湧いてきますわね。これが薬膳スープの効果ですの?」
「普通はぬるま湯に漢方薬材を浸して、烏骨鶏と長時間煮込むのだけど、思っていたよりも身体が弱っていたので全5種の秘伝スパイスを味を壊さない様に加えて煮込んだんだ。食欲が湧いてきたのは党参、黄耆、芡実にあまスパイスの効果ですね。似た効能の食材と組み合わせると効果が倍増するんですよ」
「うん、身体がポカポカして汗が噴き出してきそうだな。俺に汗腺ないと思うけど」
「それはにがスパイスの血行促進と、からスパイスの新陳代謝を助けて循環機能を高める効果の影響だね。さっき言った党参の働きも助けている。他の薬材の効果が内臓機能の強化をし、流れ出した毒素と弱った身体にすぱスパイスの効果と百合根が身体を潤し、精神の疲れを和らげてくれる」
「確かに……心做しか筋肉にハリが出て、今すぐにでも走り出したくなる様な活力が湧いてくる!」
「貴方……気の所為では無く筋肉が隆起してるわよ?。私も手足に力が漲っているし、実際に筋肉が強化されたというのかしら」
「しおスパイスは筋力低下に効果がある。ニドルさんの肝臓や腎機能の強化と再生を高めたんですよ。烏骨鶏は薬材と組み合わせると素晴らしい効果が期待できる。そして、秘伝スパイスは対応した食材と、他者の体調をしっかり見極めて調理すると、劇的な変化をその身に及ぼすんだ。リムル君に馴染みのある例えだと、過激な治り方をしないパール・ジャムだね」
ジョジョの奇妙な冒険のスタンド使いでも数少ない、技術を高めた結果発現したスタンド、パール・ジャム。
凄腕のイタリア料理人であるトニオ・トラサルディーが出す料理を食べた者は、眼精疲労を治す過程で、眼球が萎むほど涙が迸ったり、虫歯が弾けるように抜け飛んだ直後に、超高速で新品の歯に生え変わるというかなりショッキングな描写で有名だ。
秘伝スパイスはポケモンSVに登場する特殊なスパイスで、私が作中の薬草を『
正しく診察をし、それに合わせた調理をした場合、静かに確実に治るという恐るべき効果を発揮してしまった。
この事が判明したのはまだ1週間も経っていないのだけれど、シュナとゴブイチは芯流握撃と料理を極めんと、日夜修行をしていたりする。
難易度は非常に高いし、相手に合わせて少しも狂わない様に材料を入れ、寸分の狂いもなく調理するのはハッキリ言って狂気の沙汰だ。
ニドル夫妻、リムル君、ヨウム一行に出したメニューは同じだけど、分量も調理過程も違う。
スパコンを超えた
「パール・ジャムって随分ヤバいな。でも見た目はあまり変わってないな?。筋肉は確かについたとは思うけど」
「それはそうさ。夫妻はこれから領地に戻るからね。領民にはあまり変わってない状態を見せ、日々変わっていく夫妻を見せることで認識を変えるんだよ。今回のメニューは一気に肉体を整えて治すものだからね」
「岩猪のステーキも柔らかく、香草の風味も良いな。ご飯が進む良い味付けだ」
「キャベツもみずみずしく、歯触りも良いですわね。肉の脂を流して食が進みます」
「烏骨鶏は低脂質でコラーゲンが豊富で、岩猪は普通の豚より低脂質で高タンパクだから身体に良い。脂肪分の摂りすぎは肥満や成人病の元だが、あまり摂りすぎないのも身体に悪い。タンパク質は筋肉を作り、コラーゲンは肌を綺麗に保つ成分ですね」
「なるほど…確かに、職務であまり運動をせずに脂身の多い物を摂れば、身体に悪影響が出る訳だな」
「確かに太るからと肉類を控えていたけれど、これからは肉と野菜をしっかり摂った方が良いかもしれませんね」
「後で市販の手に入りやすい食材の詳しい栄養素が書かれた食材表をお渡ししますよ。こういう食べ物が良いという程度ですがね。成分の名前も伝わるか不明ですし」
「感謝致しますぞ。食材表に書かれた物で、自領で生産出来る物があれば、育てても良いですな」
「素晴らしい食事をありがとうございます。貴方、そろそろ時間よ」
「うむ、リムル殿にエルロック殿。此度は誠に感謝致します。我々は自領に帰り、業務に取り掛からなくてはなりませんからな」
「お気を付けて、後ほどヨウム君経由でお伝えします」
「じゃあヨウムもしっかり護衛するんだぞ!」
「任せとけ!」
こうしてニドル伯爵領の依頼を済ませ、
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「外交後にシュナ達にバレない様に、エルロックの『
「そうだね、例えば『
無色透明と言った瞬間、其処にエルロックの姿は無かった。
……これはうらやまけしからん能力だな
「エルロック様が居なくなりました!?。いや、僕の嗅覚でそこに居るのは分かるのですが……」
「なるほど、無色透明とスキルを使って発言すると見えなくなる訳か」
「色々指定すれば嗅覚で、感知も出来なく出来るんだけどね」
「透明なまま喋られると頭が混乱するな……」
「ハハハ、ごめんごめん。ん?」
プルルルル……
『繋がったぞ!。久しぶりだな、エルロック!。む?近くにリムルも居るのだな』
「やぁ久しぶり、ミリム。何かあったのかい?」
『それがな?ラミリスの住処を見つけてな。前にエルロックが言っていたまっぴんぐ?とかいうので、地図を作ったのだ!。コレがあればラミリスの住処に行きやすいのではないか?』
「おお!でかしたミリム。コレがあればシズさんの教え子を救えるよ」
『でだな?褒美に何か特別な甘い物を用意して欲しいのだ!』
「わかったよ。霊蔵庫があるから君の都合のいい時に来てくれたら出すよ」
『ありがとうなのだ!。じゃあまだ忙しいから切るのだ』
プツ……
「ちゃんと約束果たしてくれたんだな。お、スマートウォッチに地図が送られてきたな。何処だここ?」
「あぁ、其処はウルグレイシアですね。魔導王朝サリオンに隣接している国です。拙の記憶によれば精霊信仰の盛んな国だったとありますね」
「なるほど、明確な場所さえ分かれば、私達とシズの都合のいい時に行けそうだね。ウルグレイシアの外れにディグダ達を派遣しておこう」
「助かるよ」
「しかし…ミリムに甘い物だけじゃ感謝が足りないな。リムル君がグローブを渡したし、私からも贈り物をしようか」
そう言ってエルロックは、魔鉱塊を糸の様に細長く彫り出した。
というか糸玉になったな。
つか、俺の感知能力だから糸だと分かったけど、ミクロサイズじゃないか?。
これを使って、なにをするんだ?
「なぁ、エルロック。なんでわざわざ『
「強力な魔道具を創るには、彫る難易度が重要でね。狂い無く彫りだした糸を1ミリのズレも無く編み込む事で、再現度を高めるんだよ。私のスキルは完成までの難易度で、出力が変わるからね」
そう言って話しながら超高速で編み込んでいく。
寸分の狂いもなく編み込むと言いながら、俺と話す余裕あるんだな……。
そして出来上がったのは…紺色の布?
「コレは『
「宝具!?マジか。そんなのも作れたのかよ!」
「かなり厳しい制約を課してね。まず、神の娘である事。赤系統の髪である事、神と人間の間から産まれた事。これらに全て該当しなければ正しい効果を発揮出来ないという制約だ。そもそも条件に当てはまらなければ、製作者以外持てないけどね。一度使用者を見つければ、どんなに離れていても転移するし、使用者のエネルギーで修復もする」
「どういう力があるんだ?」
「使用者の神性と筋力、耐久、敏捷、魔力の値を大きく引き上げる事が出来るんだ。現代社会の神秘の薄さでは、一定以上の引き上げは無理なんだけど、この世界なら引き上げる事が出来ると思うよ。多分星王竜ヴェルダナーヴァにより近しい力を発揮出来るんじゃないかな?。転移と修復は後付けだけど」
「とんでもないもん作ってんじゃねーよ!?」
「しかしねぇ、ミリムの過去を知ってしまった以上、彼女が無事に健やかな生活を送れるよう願ってしまうのは、仕方ないと思わないかい?。子供を持つ親としての気持ちと、子を置いて死んでしまった親として思う所があるんだよ。私は子供達が自立するまで育ててあげられたんだけど……」
「あー…、それ言われると文句言えないな。ミリムの両親も、娘が元気な方が良いもんな」
「彼女は最古の魔王だから、そんな心配は無用だったりするのかも知れないけど、友として幸せを願ってあげたいのさ」
「しかし、条件がミリムに該当するものばかりだな。使用者を限定する事で、能力を強くしてるんだよな?」
「そうだよ。ただ、本来ならこれだけの制約では若干足りない。この宝具の持ち主であるサーヴァント、ヒッポリュテが赤い髪であり、ギリシャ神話の戦神アレスと月女神アルテミスの巫女たるオトレーレの間に生まれた子であるからこその出力だ。ミリムも神であるヴェルダナーヴァと妻であり、人間であるルシアから産まれた事と
「類似性を持つからより強力な魔道具に仕上がった訳か」
「そういう事さ。ミリムにはリストバンドでも良いし、女の子らしくリボンにしてもいい。乱雑に扱っても修復するし、汚れも付かない。更には使用者の魔素に馴染む事で成長もするからね」
「そうか、魔鋼だからこの布も成長する武器なのか!」
「馴染めばミリムのイメージで、原典を超えた魔道具になるかもしれないね」
「そりゃ凄いな!。なぁなぁ、俺にもなんか作ってくれたりは……」
「君に?。うーん、なにを贈ればいいだろう。考えておくよ。せっかくだから君には最高の物を作ってあげたいしね」
「よっしゃ!」
こうして、シズさんの教え子を救う手がかりが見つかった。
エルロックも彼等に贈るプレゼントを用意しているし、健やかに逞しく生きれる様に、手助けしたいもんな!。
……でも、エルロック。
特製の魔道具と相棒の
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シズさんの身体を捕食してから、シズさんの人間としての最後の心残りである教え子達の夢を見る。
だからこそ、どうにかして彼等を救いたいと思ったし、年端のいかない少年少女を理不尽から遠ざけたいと思っていた。
だから……
「エルロック、イングラシアに行こう」
「ん?彼等を救いに行くんだね」
何やら色んな魔道具を彫っているエルロックに向かって、俺は共に計画していた『教え子救命作戦』をエルロックに告げた
「てか、なに作ってるんだ?。教え子達に渡す魔道具は彫ったろ?」
「……これはね。私の性転換した姿が分からず、色々彫り出した魔道具だよ」
こいつ……、そんな事悩んでたのか。
ミリムの世話の際に俺が言った、娘や孫の姿に変化するという案は、エルロックの「娘も孫もおじいちゃんが自分に美肉するの嫌じゃない?」の一言で封殺された。
なるべく早く美肉すると言っていたが、自分の性転換した姿をイメージ出来ない事に苦悩していたらしい
「それが女体化の魔道具か?」
「性転換ジュースホルモンガー、
「また懐かしい魔道具達だな……。ころころダンジョくんってToLOVEるのか?」
「うん。私が彫り出したころころダンジョくんは、光線が当たった存在の魔素を消費して、女体化する魔道具だね。制限時間は無く、任意で解除が出来る。これを……」
そう言ってエルロックは、こめかみにころころダンジョくんを当て、光線を放った
「成功だ。コレが……私か」
メリハリのついた身体に、腰まで届く髪。
元々未亡人の様な見た目の中性的な顔立ちが、女体化によって色気がとんでもない事になっている。
180cmもある身長も、160cmに縮んでるし、どういう訳か胸と尻がとても大きい……。
まさかのカリュブディスショック再来である。
男性の時でさえ色気を放っていたエルロックが女体化すると、こうも破壊力が増すんだな……
《チッ……》
「……どうしたんだい?『
《告。舌打ちなどしておりません。言いがかりはどうかと思われます》
「そ、そうか。わかったよ。とりあえずこれでミリムのお世話も手伝えるし、なんならこの姿で旅しても良いだろう」
舌打ちされたのかよ……。
そんなに気に入らなかったのか?
「うーん、でもその姿だと分かりにくいんじゃないか?。皆はシズさんのお兄さんだって認識してる訳だし」
「ふむ、だが使わないのはもったいないな。よし、『
《……告。『技能発動』に『超音波』と『念話』を、余剰エネルギーと統合し、ユニークスキル『
「なんとなく出来そうだと思ったけど、成功して良かったよ」
「え、お前スキル作ったの?。このタイミングで?」
「うん。今出来たスキルの効果も予想通りだし、やってみようかな」
そう言ってエルロックは、胸にいつも使っている魂を捕獲する玉……めんどいな。
そして、先程の肉体を分身で生み出し、
「……これは、なにをしたのですか?。
「何ってそりゃ、せっかくの身体なんだし、相棒である君に使わせようかと思ったのさ。君も『
「なぁエルロック、さっきの与える形ってなんだ?」
「私の『
「つまり、与える形次第では四角いゼリーや、丸いゼリーが出来るんだな。望んだスキルを作れるのは凄いな!」
「とは言っても、材料が足りないと不足分のエネルギーを必要とするんだ。かなり材料足りなかったから、リディスの罪悪感から借用したんだ。ちなみに烏骨鶏も情報を型として、私の魔素から生み出したから、魔素溜りから発生する魔物と同じだね。遺伝子も生態も全く同じだけど、魔物なんだよねぇ…」
「嘘の定義とはいかに…」
「嘘だから剥がれ落ちるけど、剥がる前に中身を作ってしまえば問題無いんだよ。シュレディンガーの猫と同じ仕組みさ。あるか定かでは無いが、実際に出てしまえば、世界は認めざるを得ない。『
「
「肉体と『
『拝命致します。これより我が名は『クニエダ』。どうしますか?兄さんとお呼びすればいいでしょうか』
「そうだね。
「よし、そうと決まれば、まずは人間の姿でブルムンド王国に行こう。転移は怪しまれるしな」
「僕や他の
「影にランガもいるしな!」
「複数名の岩魔人がいるなら必要無いかもしれませんが、俺の分身体をリムル様達との連絡役に回しましょう」
「助かるよ、ソウエイ君。で行先はわかっているのかい?」
「おう、事前にゴブタに頼んで連れてきてもらったからな。近くで待機してるよ。エレン、カバル、ギド。そろそろ良いぞ〜!」
「話しは纏まったようでやすな。早速向かうんでしょう?」
「うわぁ、凄い美人さんだ!。私はエレン。よろしくね!」
「しかし、言われても魔人とか分かんねぇな。これなら町でも大丈夫だろ」
「事前に積み込んだ物資もバッチリです。後は拙の馬車で向かいますよ。ルートも把握済みです!」
「頼んだ!」
こうしてブルムンド王国とイングラシア王国に向かう旅に出た。
まさかのスキルが美女になってびっくりしたけど、賑やかで良いし、シズさんを驚かせる良いネタが出来た。
いきなり兄に似た美女が姉って名乗ったら、かなり驚くだろうしな
ステータス
名前:
種族:
称号:暴風の紋章
魔法:なし
ユニークスキル:『
エクストラスキル:『毒霧吐息』『麻痺吐息』『威圧』『嵐装天鎧』『木装天鎧』『土壌固定』『氷零弾』『陽装天鎧』「炎熱操作」『
耐性:痛覚無効、耐熱耐性、刺突耐性、物理攻撃耐性、電流耐性、麻痺耐性、腐食耐性、土耐性、熱変動無効、病毒無効、精神苦痛耐性
今回は『
エルロックのTSした姿は、FGOの紫式部に似た感じですね。
ぽこあやってて小説書くの忘れてました笑。
あと少しでケンヤ達と出会います。
それではまた次回