本当は10月に出す予定でしたが、毎朝の散歩中に雨に打たれ、風邪をひいてダウンしてました。
誕生日プレゼントの豚ブロックを角煮にして食べたお陰で、だいぶ治りました。
会談と新商品の売り込み。
そしてようやく、子供達を救いに行きます。
あと、エルロックのスキル一覧等の話は1話の前に移動して、スキルが更新次第書き加えます。
2日後
「こっちです。お二方」
いよいよ会談本番の日だ。
流石に王族との会談でぞろぞろ行くのもアレだし、俺とエルロックだけだ。
……まぁうん、エルロックの内部に普通にリディス達が入って覗いているのは、ちょっと申し訳ない気持ちになるんだけどな。
初めこそ緊張はしたものの、言ってしまえば2日前の繰り返しだ。
ベルヤード男爵の奏上に、ブルムンド王が頷きあっという間に条約は締結された
「今後ともよろしく頼みますぞ。リムル殿」
明るく笑い、人好きのする笑顔で語りかけてくる
「ええ、こちらこそ」
「もし森を抜けてきた何らかの勢力が侵攻して来た場合には、即座に協力体制に移行しましょうぞ!。無論、我が国も惜しみなく協力致す所存である」
え、協力?。
そんな言葉を投げかけ呆然とする俺を尻目に、ブルムンド王は王妃を伴って、笑顔でそのまま部屋から退出して行った
(あのさ、エルロックは気づいてたか?)
(うん。他国が攻め込むのは考えられる話しだからね。特に東の帝国なんか覇権主義だって言うじゃないか)
(おま、それは先に言えよ!?)
(悪い話しでは無いよ?。そも
(確かに…。幾ら俺達が仲良くしたいって言っても、一般人には分からないもんな。明確に敵対しないという意志を、公的に示さなきゃいけないんだな)
「おや?意外ですね。あまり動揺なされておりませんが」
「まあな。俺達は魔人だから楔を打ちたかったんだろ?。条約通り、俺達が危機に陥れば
「…ええ。貴方達が良い魔人である事は理解しております。ですが、民衆はそうは思いません。何故ならば、何時どこで牙を剥くか分からないのですから。故に
「君達とは友好的に過ごしたいからね。私達にもメリットがあるのだから、あまり気にしなくても良い」
「今後とも良い関係でいたいものですね」
「ああ、今後ともよろしくな!」
そう言って泰然として話しを締めくくった。
騙された訳だが、不思議と腹立ちは無かった。
自分の浅はかさを悔やむ気持ちと、相手を賞賛する気持ち。
これが外交なんだなと、前世の政治家の苦労を理解した気持ちになったのだった。
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とはいえだ。
騙されたままでは面白くない。
こちらに大きなメリットのある話しをしよう。
って言っても、前回の話し合いでベルヤード男爵を騙したのんだけどな…
「旦那様。リムル様とエルロック様に、フューズ様がおいでです」
「応接室にお通ししろ」
男爵に許可され、入室する
「やぁ、男爵。一つお願いがあって来たんだ」
「…聞きましょうか」
「すみません男爵。お邪魔してます…」
「ジーギス。何故彼までここに?」
『
サプライズ目的でなんの説明もしなかったから、結構戸惑ってたけどな。
「彼には
そう言って、懐から『
「さぁ、一気に飲み干しなさい」
「あ、ああ」
蓋を開けてぐびぐびと飲んで行く。
途中で「変わった味だけどうめぇな」と口にしていた。
…そういえばエルロックの提案で、エナドリ風味にしてたんだった。
「彼に何を飲ませたんです?」
「『
「ご冗談を。あの技術に優れたドワーフ王国ですら…」
「まぁ、みててくれよ」
ゴトン。
何かが倒れる音が室内に響く。
「……え、義足…?」
「あ…あぁ。そんな、嘘だろ?」
「ジーギス?」
「もう、無理だって諦めてたってのに…。俺の足が生えた…!!」
『
エルロックのデザイアリングでデザインされた部位と同じ様に、新陳代謝が行われる事で元通りになる優れものだ。
……ちなみに、デザイアリングで手足を長くしたり、短くしたりすると、そのままの状態で固定されたりする。
しかし、失ってすぐじゃなくても生えるんだな。
エルロックが言うには『情報子』を参照しているんじゃないかって言ってたっけ。
「バカな!!『
「西方聖教会が秘匿する神の奇跡が…?おい、足をよく見せろジーギス!!」
いい歳のオッサン2人が、オッサンの生足を観察している…。
なに、この図。
「何処でこんなものすごい薬を…?」
「最近開発に成功した我が国自慢の薬だよ。2日に1個出来るかどうかではあるんだけど、かなりの効き目だろう?。流石にこれを売るのは色々問題があるだろうから、1/20に薄めたこれを特産品として売り出そうとしているのさ」
そう言って懐から『
「『
「ご名答!これを定期的にブルムンド王国に卸したいんだよ」
「なるほど…確かに『
「とはいえ、『
前世で見た様な白いシートの様な商品と、先端が曲がった細長い容器。キレイハナのイラストが描かれた丸い容器を取り出した。
「なんですかこれ。ひんやりしてプルプルしていますが……」
「この独特な形状の回復薬は、どういった意味があるのでしょうか」
「可愛らしい絵が描かれた容器ですね。回して開閉出来るようですけど」
「『パナケア』という痛みを和らげる商品だよ。湿布タイプと、蓋を開けて塗るタイプに、クリームを掬って塗り込むタイプの3つを売りたいんだ。筋肉痛や関節痛、肩こりなどの痛みや炎症を、ゆっくり確実に治す事が出来る。痛い部位に使用すると痛みを和らげてくれるから、そのまま仕事に行ける利点があるんだよ」
「
実際にはベスター達で、1日3つの『
更には『
クサイハナの悪臭の強い蜜を一定の割合で調合すると、軟膏になり、それを染み込ませると湿布になる。
いわゆる消炎鎮痛剤と呼ばれる薬に変わって、匂いはかなり良い。
効き目がゆっくりだけどしっかり治るし、しびれごなを一定の割合で配合すると、
蓋を開けて患部に直接塗り込むタイプは、気軽に塗れるし、クリームは使いたい分を広範囲に塗る事が出来る。
湿布は鎮痛作用が強めで、1度貼るとわざわざ剥がそうとしない限り、簡単に剥がれない仕様で用途ごとに使い分けが出来る。
値段も手が出しやすく、市民の味方の商品になる予定だ。
知らなかったんだけど、クサイハナの臭い蜜は凝縮するとかなり良い匂いに変化する。
香水以外にも、お菓子や薬にも使えて便利なのだ
「……売れますよ。これは確実に売れます!」
「平民が気兼ねなく手を出せ、時間がかかるものの傷を癒す商品ですか……。確かにこれは素晴らしい。痛みが和らぐなら、あらゆる場面で使えるでしょう。試してみてもよろしいですか?お恥ずかしながら書類作業をしていると、首や腰を痛めてしまうので…」
「勿論だよ!その為に持ってきたんだからさ」
そう言って各自、塗り貼りして効果を確かめていく。
……うん、分かるよ。俺ももうすぐ40になるオッサンだったからさ。
腰とか背中とか痛くなるし、なんなら節々の痛みとかの悩みとか経験してるからなぁ…
やっぱり首、肩、腰や関節の辺りに使用しているし、こっちの世界でも共通の悩みなんだな。
「本当に痛みが和らぎましたよ!このまま放置していれば治るのですか?」
「いや、1回では無理だね。1日2回程塗っていけば立てない程キツイ腰痛が2日後に完治する感じかな?冒険者は汗を沢山かくだろうから、汗で簡単に流れ落ちないようにしているよ」
「となると、起きて直ぐに塗り、就寝前に塗るのが効果的ですね…価格はどのくらいで販売するおつもりですか?」
「塗り薬は60gでどちらも銀貨3枚で、湿布は48枚セットで銀4貨枚で売ろうと思っていますね」
「『
「確かにそうだよな…普通に生活する分には大怪我なんてなかなかしないし、それよりも身体のあちこちが痛むし…あ、すいません!」
「ふふ、構わないよ。口調が砕けてしまう位悩んでいたんだろう?君の場合は足が欠損した状態で、鍛錬をしていたのだろうし、普通の人よりも疲れやすかっただろうからね」
「はい…やっぱり自分の足と義足では、勝手が違うんです。だからか負荷がかかったりして痛む事があったので、本当に素晴らしい薬ですよ」
「ちなみに切り傷や火傷にも使用出来るよ。その場合は、クリームタイプか湿布タイプがおすすめだね。直接押し当てて塗るタイプだと、患部を痛める可能性があるからさ」
ポケモンを再現した『
その名を『
完全再現によって元になる技や特徴を使用する事が出来るという、『
『
今回の湿布や塗り薬は、特殊な配合により効果を半永久的に保っている。
故に下手に弄ったりすると効力を失うのだ。
今回の場合は消炎鎮痛剤としての機能が失われて、塗りにくくなるだけで下位回復薬としては使えるんだけどな。
全てが揃うと時間がかかるが、しっかり治る効能を発揮し、『
芯流法を使って均一に混ぜないと行けないから、ガビルが主に作っていたりする。
「では、契約内容を決めましょう。この後お時間はありますか?」
「大丈夫だ。じっくり話そう。これが広まれば生活がより豊かになること間違い無しだ!」
こうして、高ランク冒険者向けと、平民や駆け出し冒険者向けの回復薬のアピールをする事が出来た。
実演販売は成功だな!
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流石にジーギスの件は隠せないので、謎の司祭に大金を支払って治療してもらったと口裏を合わせる事になった。
また冒険者に復帰出来るとそれはもう喜んでいた。
『
『
噂を聞きつけた冒険者達がブルムンド王国に集まるようになれば、その商品を提供している魔国連邦の存在も公になる。
その時までに、コツコツ信用を積み重ねていけばいいのだ。
人とは現金なもので、自分が得するとわかれば、多少の事は受け入れ利用する。
魔物が作った薬だと発覚しても、既に出回った薬が便利なら気にせず利用し続ける者も居るはずだ。
なんでも試してみなくちゃ分からないもんな。
「無事身分証も手に入ったし、俺達はイングラシア王国に向かうとするよ」
「わかりました。カバル、お前達もキッチリとお守りするんだぞ?」
「勿論ですぜ」
「任せて下さいよぅ!リディスちゃんの馬車もあるし、いつもより余裕あるしぃ?」
「イングラシア方面は安全でやんすし、あっしらでも楽勝でやんす」
「ったく……リディス殿の正体が正体とはいえ、油断して足を引っ張るなよ?」
「う、分かりやした」
「じゃあイングラシアに向かって貰えるかな?」
「は、はい。拙にお任せを!」
こうしてシズさんと教え子達に会う為、イングラシア王国に向かって出発したのであった。
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揺れの無い快適な旅をして、ようやく俺達はイングラシア王国に辿り着いた。
「おー、あれがイングラシア王国か」
「そうだね。ようやく彼等を救う事が出来る」
そうして、馬車を降りて検問所で冒険者証を提示する。
「Bランク冒険者!?こんな小さなお嬢さんが!?」
「彼は私の弟で、横の妹と同じBランク冒険者なんですよ」
「とても可愛らしい顔立ちなので、仮面で隠していますけれど、とっても強いんですよ?」
「えぇ?いや、すまないな。勘違いしてしまって。確かに確認しました。どうぞお通りください」
「おう、次から間違えないでくれよな?こう見えて成人してんだからよ」
「可愛い声でオッサン口調か。もったいない」
「何言ってんだ。そこがいいんじゃないか!」
……凄い小声だけど聞こえちまったよ。
なんか後ろがヒュンとしたわ!
しかし声か、なるほどね。
シズさん似の容姿に加え、あまり気にしてなかったけど、確かに声が高めか?
今の俺はリディスと大して変わらん身長だしな。
今更声を弄るのも面倒だし、中性的な声の少年という設定でいこう。
前に成人って言っちゃったけど、心は常に少年だからいいのだ。
「おぉ〜凄いな。建物が高いし、ロード・オブ・ザ・リングに出てくる様な城もあるぞ!」
「確かに見事だね。流石は『
久しぶりに感じる都会の空気にはしゃいでしまった。
帰ったら負けないくらい立派な建物の建設を、本気で検討してみよう。
「街は綺麗だし、治安が良さそうだな。警備がしっかりしてそうだし。衣装も統一されてるけど、警備組織なのか?」
「ああ、彼等は西方聖教会所属の兵士ですね」
「西方聖教会という事は孫が所属している組織か。話してみたいけど、今は辞めた方が良さそうだね」
「えぇ!?お孫さんが所属してるんですかい?」
「そらまた凄いな。エルロックさんの事は知ってるのか?」
「いや、シズから聞いただけでまだ会ってないね。聖騎士団長を務めているみたいだし、魔物と敵対している組織だから、しばらく先になるかな」
「それってヒ」
「おおっと、ストップだエレン。あまり聞かれたら不味いからさ」
「ご、ごめんねぇ。でも、そんな重大な話しをいきなり振らないで欲しいわよぅ…」
「確かに私が悪かったよ。次から気をつけよう」
「いくら生前が人間とはいっても、魔物の殲滅を教義にしてるから、旦那達は気をつけた方がいいぜ」
「簡単にやられたりはしないと思いやすが、彼等は対魔物のエキスパートなんでやす」
「なるほど…敵対するのもヤダし、仲良くなれる機会もあるだろうしな。とりあえず明日備えて休むか!」
そうして宿に泊まり、明日に備えるのだった。
……でも、エレンとクニエダと同じ部屋じゃなくてもよくないか?
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────翌日。
「これまた立派な建物だな。入口なんてガラス貼りだし…なぁエルロック。これって自動ドアだよな?」
「そうだね。
「確かにドワーフ王国とか技術力凄かったし、イケるのか…?」
「これが異世界の常識なのねぇ……2年前はこうじゃなかった筈なんだけどぉ」
エレンも驚くって事は、ココ最近変わったんだな。
中に踏み入ると、扉の傍に控えていたお姉さんが、話しかけてきた。
「ようこそ!本日はどのような御用向きですか?」
凄い丁寧でにこやかなスマイル!
洗練された対応だな。
失礼な言い方になるが、ブルムンド支部とは大違いだった。
「
そう告げて紹介状を手渡した。
「確認してまいります。少々お待ちください」
そのまま待つこと数分。
「お待たせしました。リムル様とエルロック様のみお遠しするように、と言い付かりましたので、御案内します」
ザワリと周囲に緊張が走った。
まぁそりゃそうだよな。
自由組合のトップがわざわざ会うなんて、なかなかある事じゃない。
カバル達が冒険者達に俺達の武勇伝を語っているが、恥ずかしいから止めて欲しい。
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「静かに待っているんだよ?」
専属の秘書だと言うエルフのお姉さんに着いていく。
「
バタンと扉が閉まり、部屋で待機する。
うーん、シズさんから話しは聞いてるだろうけど…
「なぁなぁエルロック」
「なんだい?」
「
「別に構わないよ」
そうして愛くるしいひんやりスライムと、スーツ姿の胡散臭いロボ紳士に戻ってしばらく。
「お待たせしました。僕が
ピシリと固まるユウキ。
意外と若いな。
「うわっスライム!?…ゴーレム?いや、まさか『
「初めまして。魔国連邦の盟主のリムル=テンペストという。俺の事もリムルと呼んでくれ」
「同じく魔国連邦の守り手のエルロック=テンペストだよ」
「は、はあ」
まずは軽く挨拶をして、握手をする。
ドッキリは成功したし、人の姿になるか。
フィィィン…
ピシッパキ…
「あ、それが冒険者としての姿ですか。いや、驚きましたよ。フューズから聞いてはいましたが、噂の魔物の国を興したのがまさか…その……」
「スライムだとは思わなかったって?でも俺の方も驚いたよ。その若さでここの総帥なんだろ?」
「ああ、いえ。実際には20代後半です。僕は異世界からの転移者なのですが、この世界に来た時スキルを獲得出来なかったんです」
そういえば俺やエルロックにシズさんは、界渡りで強く望んだ能力や、耐性を得たけど、ユウキは獲得しなかったのか。
「その代わりなのか、身体能力は異常に発達しまして。肉体の成長もそこで止まってしまったようなんです」
「つまりスキルや耐性のリソースを、肉体に全て割り振ったという感じなんだね。そういう事も有り得るのか」
「そのせいにするのもなんですが、なかなか大人の男として見てもらえなくて。未だに女性と付き合った事もなくて…。エルロックさんは、確か既婚者でしたよね?何かアドバイスとかあったりは……」
「すまないね。私は恋愛に疎く、妻と付き合う事になったのも、妻に無理やり手篭めにされたからなんだ。炊き出しで疲れた夜にそのまま」
え、意外な馴れ初めを聞いてしまった。
こいつ奥さんに喰われたのかよ…
「…アグレッシブな方なんですね。いや、当時なら女の人からガツガツいくんですかね?」
「そこは分からないけど、私は妻に調伏されて以降妻一筋だね」
「なーに、その内いい事あるさ!」
「なんでそんな嬉しそうなんです?シズ先生似の顔で言われると、調子狂いますね…。話が脱線してしまいましたね。シズ先生からお話しは伺っています」
そういうと、ユウキは立ち上がり頭を下げた。
「本当にありがとうございます。シズ先生を助けてくれて」
「頭を上げてください。そも、私が長年探していた大切な妹ですからね。助けないという選択肢はありません」
「そうそう。あんな良い人を助けないなんてありえないよ」
「…少々複雑ですが、リムルさんの姿はシズ先生の…」
「そうだ。俺がシズさんから遺体を貰った。俺は喰った相手に擬態出来るんだよ」
「エルロックさんはそれで良かったんですか?」
「シズの決めた事だ。私がとやかく言う事でもないし、あの子のこの世界に埋葬されたくない気持ちも分かるからね」
「わかりました。当人達で納得している様ですしね。リムルさん達は異世界人で、日本から転生したんですよね?」
「おう、俺は2013年で、通り魔に刺されて、死んでスライムになったんだ」
「私は2025年だね。身体が下半身から石化していき、新年を迎える前の日に、心臓が石化して死んだんだよ。石化のイメージからか、『
「なるほど…シズ先生を疑う訳ではないのですが」
「まぁそりゃ疑うよな。なら、君の望む物を見せてやる」
頼んだぞ、大賢者。
《…了》
大賢者に頼み、製本化する俺。
エルロックが植林して、抄紙機なんかも彫ったから紙には不足してないんだよね。
つか、エルロックとストロングなら、『木装天鎧』で紙を何枚も生み出せるし。
「鋼の錬金術師の最終巻!?発売日前にこっちの世界に来てしまい、どれ程悔しかったことか…!!」
「ついでに全巻だしといてやろう。存分に読みたまえ」
「紙はストックしてあるから、何か読みたい本があったら言うといいよ。私もだせるからね」
そうなのだ。
エルロックは、『木装天鎧』で紙を生み出す際に、ある程度形と図を決めてだせるのだ。
…俺が死んだ後の漫画を頼んでだして貰ったのは、いい思い出だよ。
棚の様子から彼の趣味は把握した。
まさに大賢者の無駄遣い。
「つまり…リムルさんとエルロックさんは、未来の漫画を出せると!?言い値で買いましょう!」
「お、おう」
そうして俺とエルロックが、読んだ漫画や小説を次々と出していく。
…思わぬ金策の機会だな。
「あああ…もう二度と続きは読めないと諦めていたのに…ありがとうございます。師匠!!エルロックさんは大先生とお呼びしても!?」
「う、うむ」
「君の好きな様に呼んでいいよ」
たかがスライムから師匠か。
エルロックが大先生なのは、シズさんのお兄ちゃんだからか?。
漫画って凄いな。
「そういえば、まだ用件を伺っていませんでした。いらしたのには何か理由があるんですよね?シズ先生に再開出来ましたし、漫画をまた読めるようにしてくれましたしね!勿論協力させていただきますよ!」
よし、なかなかの好印象だな。
友好関係を結んで、自由学園に入れるように手配してもらう…
「やはり帰還方法を探している。とか?」
え、帰還?
あちらの世界への帰還か…
だが、あちらの三上悟は既に死んでいるのだし、エルロックも病死している。
今更俺の居場所はないだろうし、この姿じゃ信じてもらえない。
更に言えば、エルロックと俺の死んだ時間軸も違う訳だしな…
今となっては、アイツらを置いて行く方が有り得ない。
でも可能なのかは、気になる所だ。
「出来そうなのか?」
沈痛な顔になるユウキ。
…やはり駄目か。
「可能性が無いとは思っていません。喚ぶ事が出来るのなら、還す事が出来たっていい」
「喚ぶというのは、シズが召喚された方法かい?」
「そう、ですね。シズ先生から何か聞いていますか?」
「ふむ、教え子達が召喚者で、膨大な魔素に肉体が耐えきれないというのは聞いているよ」
「ああ、俺達は5人の子供達を救いたい。だからこの国に来たんだ」
「わかりました。ですが、それは簡単ではありません」
「わかっているよ。彼女がなし得なかった事をするんだ。朝飯前とはいかない」
「だけど、助けられる方法がわかった今。私達が動かない理由がないんだよ」
「……そうですか、僕も貴方達に託してみます」
そうして、ユウキから自由学園へ入る為の手配をしてもらい、待たせていたエレン達と合流して、宿に戻るのだった。
✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎ ✦︎✦︎
「まさかここまで長く話し込むとは、思わなかった。悪いなずっと待たせちまって」
「気にしないで下さいよ!同じ異世界人で、同郷なんだろ?なら、話しも長くなるさ」
「グラマスと目的の話しは出来たのぅ?」
「ああ、まあな」
「それでなんだけど、明日から自由学園で行動する事になるから、君達とはお別れだ」
「「「へ?」」」
「子供達を助ける為にも、自由学園でしばらくシズさんと行動するのが良いと思ってな。旅は中断だ」
「確かに俺達が行ってもしょうがないか」
「安心してくださいよぅ!何かあったら連絡してくれれば、いつでも向かいますから!シズさんにはよろしくねぇ?」
「旦那達は俺達に構わず、子供達を助けるでやすよ!」
そうして、夜が明けた後に馬車と装備を見繕い、別れるのだった。
ころからしばらく、イングラシアで5人暮らしだ。
新しくアプリリアも人化して、フューズから認定してもらったCランクの冒険者証と共に、自由学園でしばらく臨時の教師として寮を借りながら過ごすのだった。
…教師として。
リディスとクニエダは別々で過ごし、冒険者として滞在中に過ごすようだ。
ちなみにアプリリアは、留学生としてシズさんのクラスに編入する事となった。
……何故?
ステータス
名前:
種族:
称号:暴風の紋章
魔法:なし
ユニークスキル:『
エクストラスキル:『毒霧吐息』『麻痺吐息』『威圧』『嵐装天鎧』『木装天鎧』『土壌固定』『氷零弾』『陽装天鎧』「炎熱操作」『
耐性:痛覚無効、耐熱耐性、刺突耐性、物理攻撃耐性、電流耐性、麻痺耐性、腐食耐性、土耐性、熱変動無効、病毒無効、精神苦痛耐性