VRゲームやってみたいですか?やってみたいですよね?そう、やってみたくなるんですよ   作:かるー7

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 師匠に街の外に出て、あの隠し扉の位置がわからず街に帰れなかったこととウサギにボコボコにされて死んで戻ってきたことなど諸々を伝える。

 

「お前さんほどなら兎など余裕のはずなんじゃがな? ……む? お前さん、一切土足使っておらんではないか。それでは勝てる敵にも勝てないというものよ」

 

 あ……そうじゃん! 土足使えばいいじゃん! すっかり土足と言えばあの石人形限定の技だとばっかり思い込んでしまっていた。

 

 とは言っても、土足を使っていたら本当に勝てたのか? 俺的には土足って硬い敵に自分にダメージが入らないように殴るための技術って感じなんだよな。だから柔らかい動物相手に使ってもそんなに効果がない気がする。……まだ土足についてあんまりわからないけど。

 

「ってか! 師匠何で俺が土足使っていないって分かったんですか?」

 

 これで遠くから見ていて俺がウサギにボコボコにされていたのを見ていておきながら見殺しにしたとかだったら俺の師匠への認識がいよいよもって鬼畜に固定されるぞ。

 

「そんなの体を観りゃわかるじゃろ。今のお前さんには土足を使った後特有の癖がない。死んでもその癖が消えないことはお前さんが散々儂の石人形に殺されよったから分かっとるからの」

 

 マジか……。そんなのがあったから師匠は俺が失敗したときと成功したときの差がすぐわかったんだな。

 

 そんな事は置いておいて土足が本当に動物みたいな柔らかい相手にも有効なのか聞いておかないと。

 

「師匠それともう一つ聞いておきたいことがあって……」

 

「む、なんじゃ?」

 

「土足って俺の中だと硬い敵を思いっきり殴れるようにする為の技みたいな印象なんですよね。だから動物相手とかに使ってもあんまり効果が無いような気がするんですよね」

 

「そんな事もわからんで土足を使っておったのか?」

 

 相変わらず酷え! 俺まだ土足使い始めてから3日も経ってないぞ! 三日坊主よりも短いレベルだからな! 

 

 師匠はショックを受けている俺を無視して話し始める。

 

「そもそも、土足とは坑道などの硬い地面の上で生活する民が足を痛めないように無意識の内に使っている歩法のことじゃ。歩法というべきか最早生活の知恵とかそういうレベルじゃの。そこに住んどる奴らなら殆ど、それこそ子供でさえ使えた。それでどのように足を痛めないようにしているかというと衝撃を自分を支えるためのもの以外殆ど地面に流すんじゃよ。……というか最初にこれ説明しなかったかの?」

 

 確かに言われたら最初の舞の時に言われた気がする……。直前に見たものが凄すぎて殆ど頭に入っていなかったけれど……。

 

「まぁまぁ。何で硬い地面の上で足を痛めないかは分かりましたけど、それが柔らかいものにも効果的なのは何でなんですか?」

 

「衝撃を殆ど地面に流すということは本当は自らの足で受け止めるべきものを殆ど地面に伝えているということじゃ。つまり地面を押す力と地面に押される力その2つを合わせた力が地面に加わる。そうすると大体元の力の2倍ぐらいの威力になる」

 

「はぁ……。なるほど……。つまり何やかんやあって土足を使うと威力が強くなるんですね」

 

「……認識が大分雑じゃがまぁいい、それでどうするかの?」

 

「どうするって何をですか?」

 

「お前さん兎にすら負けるとは思ってなかったからのう。このまま石人形の相手をさせ続けてもいいのじゃが……」

 

 そう言って師匠はこちらをチラリと見た。

 

「その様子だとそれは嫌みたいじゃな」

 

「え! そんなに顔にでてましたか!?」

 

「そりゃあもう、ありありと顔でここまで自らの意思を伝える奴に出会ったのは初めてじゃわい」

 

 本当にそんなに顔に出てたのか……。じゃあ俺これまでも滅茶苦茶な顔をしていたかもしれないってことかよ。ポーカーフェイスの練習とかしようかな……。

 

「流石に兎くらいには勝ってもらわんとな。ううむ……余りこの手段は好きではないのだがなぁ。……それで兎にも負けていたら本末転倒というものか……。あっ」

 

 お! 何か新しい技とか教えてくれるのか? もしかしたらステータスも解放されたり……。

 

 そうやって俺が期待しながら待っていると師匠はニヤリとしながら言った。

 

「仕方ない、今のお前さんには武器が必要じゃ。この街の近くに武器塚という物があってのう。そこには名前の通り武器が捨てられて出来た場所なのじゃ」

 

 へぇそんなのがあるのか。捨てられた武器で出来た塚ってどんだけ武器が捨てられてるんだ? 

 

「金も、武器を作ってくれるような知り合いもいないお前さんにとっては最高の場所じゃろ。どんな種類の武器でもあそこにはあると思っていいからの」

 

 師匠……そのとおりだけど酷すぎない? 俺そろそろ泣き叫んじゃうよ? 

 

「それじゃあ。自分はこれからは武器塚に行って武器を取ってくればいいんですね?」

 

「そうじゃ。お前さんは武器塚の場所は知らんじゃろ。武器塚まで儂も一緒について行ってやるからの」

 

 というわけで武器塚に向けて移動を始めた。歩き初めてかなりの時間が経ったころ師匠が止まった。

 

 街の壁のすぐ近くに少し開けた土地があり、そこには様々な武器が積み重なっていた。新品のように今すぐにでも使えそうなもの、逆に野外に長年放置されていたことで土や草などにまみれ錆だらけになってしまった物等ありとあらゆる武器が山のように積まれていた。

 

 とんでもない量だな! 周りの家よりも高く積み重なっているのか……。というか何でこんなにも武器が捨てられて居るんだ? 

 

 気になったら即師匠に聞こう。又ここを訪れても師匠がいるとは限らないし、この事を疑問に思った事もすぐ忘れてしまいそうだからな。

 

「あの、師匠。何でここってこんなにも武器が捨てられているんですか?」

 

「あぁ……。それか……そうだのう……。前に連合軍と戦った時の鹵獲品とかじゃあないかの?」

 

 へぇ〜。そんなんだ。というかこの国って他の国と戦争とかしてんのか。何かそういうのをイベントにしたのもあんのかな。まぁ、今の調子じゃあ参加したところで味方の士気を落とすだけだけどな。

 

 そんな事を考えながら武器と武器が積み重なった山の間に入って武器塚に足を踏み入れるとカチャという金属音がする。

 

 これは……。もしかしてこの下も武器で埋め尽くされているのか? 多分最初は武器がこんなにも盗みやすい感じで置かれてなくて、ちゃんと下に埋めていたんだろうな。それが量が多すぎて地上まで溢れてしまったのか。

 

 

 

 そんな事は置いておいて、早速武器探しだ! 

 

 デカい大剣とかないかな? ……あったわ。というかそこら中にあるわ。う〜ん、色々とあり過ぎてどれにしようか迷うな。

 

 そんな感じで武器塚をうろちょろとしていたら師匠が声をかけてきた。

 

「言い忘れておったのじゃが、お前さん選ぶ武器は篭手ぐらいにしておいたほうが良いぞ」

 

「え! マジか……。滅茶苦茶大剣とか、鞭とか、レイピアとか選ぶ気で居たのに……」

 

「お前さんそれを選んだところで本当に扱い切れるのか? どれも扱うのが非常に難しいものばかりだというのに。仮にまともに使えるようになるまで練習するとしたら、かなりの期間鍛錬を積まなければならないじゃろうな」

 

 そうなのか……。じゃあこういうのは諦めないといけないのか。

 

「まぁ、そんなに落ち込むではないわ。必要になれば儂がその武器の扱いを教えてやるからの。流石に一流とまではいかないだろうがそれなりに扱えようにはしてやるからの」

 

「師匠……。ありがとうございます!」

 

「それはそれとして余り扱いの難しい物だと下手に手でやるよりも弱くなってしまうから、今回は扱いやすいのを選んだほうがいいじゃろうな」

 

 そう言うことなら、今回は篭手と短剣ぐらいにしておこうかな。なるべくいいものを探してこよう。

 

 武器塚の山を掻き分けて篭手と何か扱えそうなものを探していく。それにしても本当に種類豊富だな。これは……何だ? 片方にノコギリみたいのがついている分厚い刀身の短剣みたいな奴とか、柄に刀身の部分が逆に2個ついている奴もある。

 

 

 

 そんな特殊過ぎるやつを横目に俺でも使えそうなものを探す。……これとかかなりいいんじゃあないか? 

 

 俺が見つけたのは黒い篭手だった。基本的に革で出来ているが、指の部分や手の甲などに鉄板で補強がされている。かなり着け心地は良さそうだし、そして何より文様のような物が革、金属を問わず黒く見えるほどびっしりと入っているのがとてもかっこいい。

 

 よし、これにするか。

 

 俺は早速篭手をつけてみた。不思議と革が吸い付くようにして腕にピッタリとくっついたのでサイズの心配はなさそうだ。手を動かしてみても違和感は感じられない。

 

 

 

 篭手に満足して視線を前に戻すとそこには武器塚の無数の武具が浮かんでこちらに向かってきていた。

 

 

 

 




Tips:一部の住民が生産するものについて
特定の住民しか生産出来ないものがあります。ですが同じ性能のものならば作れるようになっておりますのでストーリーの進行などについて支障はございません。
エレクトロウェーブ社
 
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