VRゲームやってみたいですか?やってみたいですよね?そう、やってみたくなるんですよ   作:かるー7

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は? 何故かこちらに飛んでくる武器塚の武器たちを目の前にして疑問が脳内を埋め尽くすが、そんな事を考えていたら真っ直ぐに飛んでくる武器達に串刺しにされてしまうだろう。

 

 取り敢えず逃げた。

 

 何?! マジであれはなんなんだ?! 何で何もないのに武器が空を飛んでこちらを狙ってくる?! 

 

 全力で武器塚を駆け抜け……る暇もなく足元がグラリと揺れる。足元の武器も、周りに山のように積み上がった武器も全てがこちらを追いかけてくる。

 

 武器塚の外に見える景色がだんだんと路地から家の壁、そして家の屋根へと変化していく。武器塚の武器が真上にいる俺を追いかけているせいで俺を持ち上げてだんだんと上へと昇っていっていったのだろう。

 

 わけもわからないまま追いかけてくる武器から逃げていると、武器塚の外から師匠の声が聞こえてた。

 

「いや〜。思ったよりも凄いことになったのう。まさか武器塚か全体が持ち上がるとは、お前さんをここにつれてきて正解だったわい」

 

「どういうことですか師匠!?」

 

「説明は後でするからのう。今は頑張るのじゃぞ。旅人であろうと死ぬのは嫌なんじゃろう?」

 

 へっ?! あの爺! 助けてくれないのかよ! っていうか、ここにつれてきて正解ってこれを起こすことが目的だったの?! 

 

 大分町への被害がデカそうだけど、狙ってこれをやったとしたらあの爺テロリストじゃねぇか?! 

 

 その瞬間今までふよふよと浮かんでこちらに飛んできた武器達とは明らかに違う速度で細剣が飛んできた。顔面に向かって飛んでくるそれに向けて、今までの鍛錬のおかげだろうか拳を叩き込めたのは幸運と言っていいだろう。その瞬間不思議な事が起こった。まぁ、武器が飛んできている時点で不思議な事なのだが。

 

 拳いや、それが纏った黒色の文様に吸い込まれるようにして風のような速さで飛んできた細剣がヌルっと消えていった。あまりに唐突過ぎてそのまま貫かれたとも思ったが痛みはないし反対側から細剣の切っ先が突き出る様子もない。

 

 そんなことを体験した俺が思ったことは

 

 は?! である。

 

 正直武器が飛んできただけで大分パニックなのに、それと同じぐらいに不思議なことが立て続けに起こってしまったらもうキャパオーバーもいいところだ。

 

 だけど、今大事なことは、飛んできた武器に拳を叩き込んだら痛くないということだ。

 

 追いかけてきた武器達に反転して向かい合う。

 

 やってやらあ! 

 

「かかってこいやぁ! 全部俺の拳のサビにしてやるぜぇ!」

 

 試しに細剣ほどの速さはないが飛んできた錆だらけの短剣に拳を叩きつけると短剣はヌルっと吸い込まれるようにして消えた。

 

 よし! あの細剣以外もこの篭手に触れたらなんか消えるみたいだな! 

 

 次々と俺に追いついてくる武具に向けて拳を振るう。

 

 最初に追いついたロングソードに右拳を叩き込み、使い手がいないせいで全くもって速度がついていない鞭の先端を左手で掴み、ガチャガチャという金属音と共に足元から突き出してきた槍を仰け反りながらギリギリでかわし右手で掴む。

 

 仰け反ったことで見えた後ろから、迫ってくる何も番えていない弓を裏拳で迎撃し、投斧のように飛んでくる規格外な大きさの巨斧を足元の大きい盾を踏みしめながら殴りつけ、篭手に吸収させる。

 

 その間に横合いから飛んできた大剣を殴りつけ、それが篭手に吸い込まれた瞬間大剣の後ろで突っ掛かっていた武器たちが飛び出してくる。

 

「うおっ!?」

 

 慌てて、それらに向けてそれらに向けて拳を振るう。急だったせいであんまり力は入っていない、がそれでも篭手に吸われて武器は消えていく。

 

 大剣の後ろで突っ掛かっていた武器たちをしのいだ後足元がグラリと揺れる。足場にしていた巨大な盾がその上に乗っていた鎧や簡素な槍をふるい落としながら立ち上がりこちらに向かってゆっくりと倒れてくる。

 

「お前も動くのかよ!」

 

 急いで盾から離れ、周囲の鎧の上に飛び移る。先ほどまで足場にしていた盾ほど大きくないせいで不安定だ。

 

 これは……一箇所に留まろうとしたらダメだ! すぐにバランスを崩して下に真っ逆さまってことになりかねん! 一旦地上に戻らないと! 

 

 取り敢えずあの盾は一旦放置して、俺に飛んでくる武器を少しでも遮ってもらおう。そっから、地上に向かって飛んでる武器を伝って少しずつ降りればいい。

 

「よし! 作戦は出来た! 後は試すだけだ!」

 

 もう、作戦というかその場しのぎの案だけどな……。

 

 今いる場所の下は武器の密度が高すぎて降りられそうにない一度武器の密度が少ないところを見つけるまで走るか? 

 

 いや、そんな事悠長にしてたら背中に武器が刺さりまくってハリネズミみたいなのが完成して死んでしまう。だったら……。

 

 今この下の武器を篭手で消していくしかない! 多分、なんかこっちの方が成功率高い気がする! 

 

 急いで屈んで足元の鎧を消しそのすぐ下にある、長槍を消し、短剣を鉈を短槍を剣を柄を盾を刃を鋼を消して消して消す。

 

 そうして出来た穴に先程の巨大な盾が覆いかぶさり擬似的なシェルターが出来上がる。

 

 ふぅ、これで一安心……。と思った矢先、前から矢がとんでもないスピードで飛んできて顔の横に突き刺さった。

 

 ブリキの人形のようにギクシャクとした動きで横を見るとそこには金属製の鎧を深々と貫通した矢があった。

 

 ぜんっぜん一安心じゃねぇ! 

 

 足元を再び篭手で掘り始めると壁から千枚通しのようなものが壁にあった盾を貫通して勢い良く突き出して眼前で止まる。恐らく柄の部分が盾に引っかかって此方にこれてはいないのだろうが、それでも此方に来ようとカチャカチャと音を立てているので殺意を物凄く感じる。

 

 取り敢えず篭手で消した。

 

 両手を掘るのに使ったら死ぬな。これ。

 

 左手で掘り右手で飛んでくるものを防御することにした。また下に掘るのを再開したが、少し止まっていた間に周囲からの音が凄いことになっている。

 

 周りの武具が全て此方に向かってきているため、ギチギチという金属と金属が擦れ合う音が鳴り響いている。

 

 暗い空間でそんな音を聞きながらいつ武器が飛んでくるかビクビクとしながら掘り進めるから精神がおかしくなりそうだ。

 

 しかも、この空間が潰れていないのは周りの武具たちが此方に来ようと力をかけているためにその力と力がぶつかって支え合っているからこそであって、その支え合っている部分を消してしまうとペチャンコになってしまうから余計に神経を使う。

 

 こんな空間から一刻でも早く出たいという思いを糧にして掘り進め続けると武具と武具の間から光が見えた。

 

 よし多分この先は地上だろう。この武器の塊の下の方に俺は居たから少しずつ地上に向かって降りてきたに違いない。

 

 最後の武器を消して直ぐに外に出て地上に降り立つ。……と同時に後ろの空間が物凄い音を立てて潰れていく。

 

 危ねぇ……。後少しで俺マジでペチャンコだったじゃねえか。

 

 予想通り地上のすぐ上にたどり着いていたようだ。俺が地上に来たことで頭上の武器の塊も少しずつ高度を下ろしていた。

 

「ここなら存分にテメェらの相手してやれるからな!」

 

 上から飛んでくる武器を次から次へと消していく。武具が全て上にあるので足元の心配をしなくて済むのがありがたい。足場も先ほどまでとは比べものにならないほどいい。

 

 元々、あの細剣以外はあまり早くないのだ。とは言っても油断していたら普通に串刺しにされかねないが……まぁ何とかなるだろ! 

 

上を見てどれから対処すべきか考えながらやらないと間に合わねえ!。正直周りを武器に囲まれていたとき俺に当たらなかったのは奇跡と言っていい。

 

俺に届く順番は短剣!槍!細剣!大剣は移動速度が遅いから今は無視!そんでモーニングスター!?

 

対処をしていて気づいたが武器は大きいものほど遅い。逆に小さいものほど速く動く。たまに最初の細剣みたいにその法則から外れてくる奴もいるが……大体の武器はその法則に従って動くためその事も考えながら対処するとやりやすい。

 

 上から降ってくる武器達を消していく。ほんの少しずつだが上を覆う武器の量が少なくなってきた気がする。

 

 そうやって日が暮れるまで武器を消し続けてようやっと全ての武器を消す事が出来た。

 

 もうすでに日が傾いてオレンジ色に染まった少し広めの空間に地中に埋まっていた物が丸ごとなくなったせいで出来た空間に寝転ぶ。

 

「あ゙ー! 疲れた……」

 

 そんな様子を見てからか師匠がどこからともなく現れてこちらに向かってくる。色々と聞きたいこともあったし丁度いい。早速、気になっていたことを聞いてしまおう。上体を勢い良く持ち上げて師匠と向き合う。

 

「師匠。何で武器が俺の方に飛んできたんです?それとここに武器がこんなにもあるのは何でなんです?あと、周りに被害とか出てないですか?」

 

「慌てなくても全部答えてやるからの。息でも整えながら楽にしてるといい」

 

そういうと師匠はしばらく悩むような仕草を見せたあと答え始めた。

 

「前提から話さないと多分お前さんが話についてこれないじゃろうし、ここの武器塚が出来た経緯から説明し始めるとするかの」

 

「ここの武器塚が出来た経緯ですか?……師匠さっきは連合軍の鹵獲品とかって言っていたじゃあないですか」

 

「まぁ、それもあるんじゃが……。町中にこれだけの大量の武器があるというのはおかしいとは思わなかったかの?誰かが人を傷つけようと思ったのならば直ぐに安全に凶器が調達出来てしまうし、治安もすこぶる悪くなってしまう」

 

まぁ、確かにこれだけの量の武器があったら一家に一つ武器を配ったってお釣りがきそうなくらいだもんな。クーデターでも起こす気があるなら人を集めるだけで簡単に出来るんじゃあないか?元々軍のものって言ってたし全然今も使えそうなのもあったからな。

 

「それでも大丈夫な理由は2つあるんじゃが、一つはここの武器が呪われとるからじゃ」

 

え?

 

「それじゃあ、俺呪いの装備をつけちゃったって事!?」

 

俺の声が既に暗くなり始めている街に響き渡った。

 

 




Tips:プレイヤーのスタート位置について
プレイヤーのスタート位置は王国、帝国、聖国、魔国、闘国の5つからランダムに選ばれます。
国ごとに特徴があるのでぜひ他の国も訪ねてみてください。
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