今回が初投稿になります。よろしくお願いします。m(_ _)m
初めての執筆のため、稚拙で面白味のない文になりますが、読んでいただければ幸いです。また、作者自身かなりの気分屋なので、良くて超不定期投稿、悪くて打ち切りになります。
予め言っておくと現在この作品は、作者の頭の中ではバッドエンドにする予定です。また、残酷な描写も出てくるため、そういったものが苦手な方は、お読みいただくのを控えてください。それでも良いという方は──
どうぞ、お楽しみください。
近未来の景色の広がる都会。その中で、『観測研究所』と記された白い建物があった。
一人のスーツ姿の人間が、その白い建物の前でバスから降り、扉に向かうと、丁度同じようなスーツ姿をした、どこかやつれてフラフラと歩く人間とすれ違った。
フラフラと歩く人間は、そのままの足取りでバスに乗ると、バスは発進して行った。
その光景を少し不気味に思いつつも、スーツ姿の人間は再び白い建物の扉に向かって歩き始めた──
中に入ると、耳から、目から、鼻から、色んな情報が伝わってくる。病院のような薬品の匂い、受付や職員が楽しそうに、笑いながら会話している光景、つけっぱなしのテレビから聞こえる、最近話題になっているという『植物人間現象』について、被害者が510,000人を超えたというニュース。
特に、ニュースでは『植物人間現象』から回復できたのが、僅か100人に満たない極小人数しかおらず、なおかつ100人全員が錯乱し、訳の分からないことを訴えていると、アナウンサーが答えていた。
ホールの真ん中辺りまで、スーツ姿の人間が歩いて行くと、出迎えるように一人の初老頃の穏やかな表情をした男性が近付いて来る。
「君が、今日からココで観測を担う『観測者』かな?おっと、急にすまないね、まずは自己紹介から、私はこの『観測研究所』の所長をしている者だ。よろしく。」
そう言って、右手を差し出す初老の男─所長に対し、スーツ姿の人間─『観測者』と呼ばれた者は、同じように手を差し出し、握手を交わした。
口を開き、何かを言おうとするが、しかし『観測者』から発せられる『音』は何も無かった。それに対し、所長は─
「なるほど、発声が出来ないというのは本当のようだね。発声が出来ないとなると、今まで大変だっただろう。しかし、この時代になっても対策出来ていないことを考えると、声帯そのものが無いのか、あるいは···」
そこまで言って所長は、ふと『観測者』が少し困ったような顔をしていることに気が付き、謝罪した。
「あぁ、すまない。別に詮索するつもりは無いんだ。ただ、この時代になっても治せない病気というのは珍しいのでね。つい気になってしまったんだ。不快に思ってしまったのなら申し訳ない。」
対し、『観測者』は首を横に振り、胸ポケットから手帳を出しページを捲っていく。そして、目的のページを開き所長に見せる。そこには「慣れてますから」と書かれていた。
「そう言って貰えると助かるね。昔から気になることに対して深く考えてしまう癖があってね。直そうと思っても、もはや習慣と化した癖は、なかなか直せなくてね。──っと、すまないね、長々おじさんの話を聞くのも退屈だろう。自己紹介も終わったし、早速だが君の職場に案内しよう。大丈夫、『観測者』という職業において、発声が出来ないというのは些細なことだ。─さっ、着いてきてくれ。」
そう言い終わると、所長は『観測者』を背に奥へと歩み出した。通路を右へ左へと歩く中で、所長が「ただ歩くだけでは退屈だろう」と言うことで世間話を始めた。
「──ここ数十年での技術の進歩は著しいねぇ。私が若い頃は、娯楽と言えば本や漫画、映画やアニメ、ゲームと言ったものが主流だった。映画やゲームは今も人気なコンテンツだけど、昔と違って没入型や体験型が主流になっている。昔は感動したものだよ、今まで液晶の中にしか無かった、近くにあるようで、限りなく遠くにあるモノが、目の前にあるように感じられるんだから。技術の進歩とは、素晴らしいものだね!─っと、すまないね、年甲斐もなくはしゃいでしまって。君のように若い世代には分かりずらい話だったね。」
長々と話していたが、『観測者』の顔が引き攣って来ていることに気がつき、慌てて謝罪した。対し『観測者』は、また手帳を捲り「羨ましいです」と所長に伝えた。
そうしてしばらく通路を進んでいくと、『136』と書かれた部屋の前で足を止めた。
「ここが、君の職場となる。さっ、中に入ってくれ。」
そう促され中に入ると、そこには、何も置かれていない四角い部屋があるだけだった。故に、より一層の目立つものが一つ。部屋の中心に浮かんだ球体、その球体の中では誰かの視点なのか、暗い─まるで地下のような空間で、街灯の仄かな明かりに照らされた、退廃的な街並みが上下に揺れながら移り変わっていく─おそらく、走っているのだろうことが分かる光景が『観測者』の目に映った。
その光景に、『観測者』が驚いていると─
「やはり、あの球体が気になるかね。あの球体は『シミュレーション特化型観測装置』と呼ばれるものだ。皆は、『観測装置』と呼んでいる。」
話しながら、所長は持っていたタブレットを操作し、目的の資料を見つけたのか操作を辞め、タブレットを『観測者』に手渡した。そこには、『513-136』と言うタイトルが着けられたページがあった。
「それが、その『観測装置』の中に映っている世界の概要だ。と言っても、前任者が観測をする前に、必ず読んでおいてくれ。『513-136』と言うのは、513番目分岐点の136通り目を意味する。観測を開始する時は、『観測装置』を注視すれば、意識が『観測装置』に移動する。では、あとは任せたよ。」
それだけ言うと、所長は部屋を出ていき、部屋には『観測者』と未だに景色の変わっている『観測装置』が残るだけだった。
『観測者』は、所長の言った通り、『513-136』の概要を読み始めた。
生物─特に人類種が誕生し、西暦が2XXX年になるまでは『Origin』と細かな違いはあれど、大幅には変わらず。
西暦が3XXX年頃になり、戦争が勃発。世界中が巻き込まれ、約15年後に終結するも大地や海、大気が汚染され、地上での生活が不可能になった。そのため人類は宇宙への避難を計画・敢行した。
しかし、無数の人類を乗せた脱出艇は、宇宙にて原因不明の爆発。宇宙空間に数え切れない程の宇宙ゴミを作る結果に。
その後、諦めず幾度か脱出を試みるも、
ついに、脱出不可能な程に宇宙ゴミが増え、人類は地下生活を余儀なくされた。人類は地下に街を作り、『コロニー』と名付けた。『コロナー』は最初、15箇所あったが、現在観測時においてその数は3箇所にまで減っている。
『コロニー』設立当初から現在観測時までの約500年の間に、地上では奇怪な生物─通称『Monster』が誕生。また、この頃より、所属不明機体─通称『Destroyer』の出現と、宇宙ゴミの地上への落下が時々発生することが確認されている。
人類は落下してきた宇宙ゴミを資源として回収。その際、取り合いになった『コロニー』との武力紛争が頻発。この戦争と、『Monster』や『Destroyer』による襲撃で『コロニー』は、その数を減らした。
私は、いつまでこんな悲惨な光景を見なければいけないんだ・・・
所長の言っていた通り、かなり簡素な内容しか記載がされていなかった。
『観測者』は概要を読み終えると、早速『観測装置』に近付き、注視した。
しばらく注視していると、『観測者』が微動だにしなくなった。どうやら観測を開始したらしい。先程まで、等速で動いていた『観測装置』の中が、急速に進み始めた。外から見れば何が起こっているのか一切分からない程の速さで。
-666──終