TS転生者は負けヒロインたちに温水君を攻略させたい 作:あどべんちゃ
8月下旬。臨時の部会で学校を訪れた俺は、好感度がリセットされた小鞠の心を開くのに悪戦苦闘していた。おかしいな、周堂に(無理やり)連れてかれた焼塩とのランニングで顔は合わせてるはずなんだが。
可愛い動物の話を始めて10分ほど経った頃、周堂が部室に姿を現した。
「す、周堂。た、助けてくれ、温水が延々と齧歯類の話を……」
と、小鞠が席を勢いよく立って周堂の後ろに隠れてしまった。
「何してるんですか、温水君」
「いや、俺はただ小鞠と楽しく話をしようとしただけで……というか、俺と周堂で随分態度が違くないか」
「だ、だって、周堂、四月からずっと部活で一緒。お前、幽霊」
む……それを言われると確かに弱い。そもそも入部した自覚は無かったのだが、とはいえ俺が幽霊部員だったのは紛れもない事実だ。
「おや。そんなに信頼されていますか、僕」
「ぬ、温水よりはってだけだ」
「あら残念」
大げさに肩を落とす周堂。こいつ、こういう細かい仕草がいちいち様になるんだよな……。
と、廊下から足音が聞こえてきた。
「はいはい、ちょっとどいてね~」
開きっぱなしになっていた扉から、段ボールを抱えた八奈見が入って来た。立ち上がって段ボールを受け取り机の上に置く。
「ありがと温水君。まだ先輩たち来てないんだね」
「素麺ですか。随分ありますね」
「そうなんだよ、ほんと大変でさあ。あ、小鞠ちゃんも持ってってくれるかな」
いつの間にか部屋の隅に移動していた小鞠は、無言のままこくこくと頷く。
少し待っていると、約束の時間に僅かに遅れて部長たちがやって来た。
中々本題に入らなかったが、話の内容はこうだ。夏休みの活動実績を生徒会に報告しなければならないが、月之木先輩が多忙のためそのことを忘れてしまっていたのだという。
そこで各々の作品をまとめ、部誌として出すことにしたのだとか。
それから、明日の図書室の蔵書整理の手伝いを誰かできないか、という話もあった。毎年人手を貸しているらしい。丁度暇していたので、小鞠と一緒に手伝うことになった。あくまで丁度暇だっただけであり、たまたまであることをご留意いただきたい。
話がまとまったところで解散となった。その後は志喜屋さんに水を飲ませる謎のイベントが発生したが、概ね平穏な一日だったと言えよう。
翌日。退屈な蔵書整理を終え、綾野に本の返却を頼まれて部室に立ち寄る。半開きの扉を開けると――そこには周堂と、着替え中の焼塩がいた。
「あ、ぬっくんだ」
「おおおおわあああああ!?」
勢いよく扉を閉める。焼塩が扉を開く。グラデーションのかかった俺の悲鳴が響いた。
「おっ、お前らっ、そ、そういう関係だったのか!?」
「そういうって、どういう?」
「あー……焼塩さん、ちょっと」
周堂は焼塩を手招きし、何事かひそひそと話し始めた。え、マジでどういう距離感?
「実は、温水君は僕のことを男子だと思っていて。話すタイミングが無いというか、いっそのこといつ自分で気付くか気になるというか」
「なるほど、ぬっくんも鈍いねえ。秘密にしておくってことでいいのかな」
「ひとまずそれでお願いします」
聞こえそうで聞こえない内緒話が終わると、焼塩はジト目で俺を見つめる。え、邪魔しやがってってこと?
「そういうとこだね、ぬっくん」
「何が、っていうか早く服着てくれ!」
「それについては同意します。ほら温水君、扉閉めてください」
「あ、ああ」
なぜ一切動じていないんだこいつは。というか、焼塩が着替えるのを見てたってことだよな。マジでそういう関係なのか?
焼塩が着替え終わるのを待って、口を開く。
「それで、焼塩はなんでここで着替えてるんだ」
「陸上部の部室狭くてさぁ。ここ借りたほうが早いんだ。ぬっくんこそ、今夏休みだけどなんで学校に?」
「図書室で蔵書整理の手伝いがあってな。周堂はなんで……というか、何してたんだ」
「元々家族の買い物に付き合う予定だったのですが、思ったより早く終わりまして。学校には先程着いたばかりです、借りていた部室の本を返してから図書室に向かおうと思っていたのですが……少々遅かったようですね」
「ああ、まあそっちも気になるんだけど……俺が聞きたいのはなんで着替えてる焼塩と一緒にいたかってことなんだが」
「……どうしてだと思います?ちなみに、誓って焼塩さんと特別な関係という訳ではありませんよ」
にやりと笑って、周堂は問いかけてくる。……まさか。
「と、特別な関係でもないのに着替えを……!?」
「……はぁ。その発想は零点ですよ、温水君」
赤点をもらってしまった。え、結局答えは教えてもらえないのか。
俺と周堂が話している間に身支度を整えていた焼塩は、スマホの通知に顔を綻ばせて上機嫌で部室を出て行った。
ふと、小鞠が話していたことを思いだす。街中で、誰かと一緒。やけに上機嫌な様子。
……まさかな。
俺は頭を振って、本の世界に身を委ねるのだった。
気付かなかったな、温水君。結構決めてかかるタイプだよな……いや、性別を疑えというのも酷な話か。
今回は偶々温水君と会えたが、原作二巻に相当するエピソードでは、殆ど僕の出番はない。八奈見さんとのデート(ではない)、朝雲さんとの合流、綾野さん・焼塩さん両名の尾行、地下資源館での一件、そして夜の学校での密会。いずれも、僕の挟まる余地はないのだ。唯一関わるのは、文芸部女性陣+温水君で焼塩さんに会いに行く件だけ。というわけで、
「おっはようすっくん!今日皆で地下資源館行くんだけど、どう!?」
はい予定外ー。そういえばただのお出かけと認識していましたね。こういうことがあってもおかしくはないか。
「まあ、一応暇ですし構いませんが」
最初は驚いたが、よく考えれば別に困ることもない。むしろあの名シーンを見られるのはありがたい限りだ……残念ながら、温水君のモノローグは聞けないが。
「やったー!さっき小鞠ちゃんも誘ったんだけど、下の子の面倒見ないといけないからって断られちゃって」
「小鞠さん、弟と妹がいるんでしたね。何かお土産でも買っていきましょうか」
「そうだね、何かお土産……地下資源館って何売ってたっけ」
「……何売ってるんでしたっけ」
まあ、それはともかく。
焼塩さんに連れられてバス停へ向かうと、すでに温水君以外の面々が揃っていた。
「あれ、周堂君?」
「あたしが誘ったの。今日って皆でお出かけでしょ、折角だしと思って」
「周堂さんとは、前文芸部で本を借りたとき以来かな。紹介するよ、俺の彼女の千早」
「朝雲千早です。実は私、前々から周堂さんとお話してみたいと思っていまして」
可愛らしく顔の横で手を合わせる朝雲さん。だがあの笑みは、小鞠さんに対し腐女子と連呼して殺していた時と同じ笑みだ。
「デリケートなこととは重々承知ですが、男装について是非お話を伺いたく!」
「そんなこと聞かれたの初めてですよ……まあ、僕は別に構いませんが」
……この発言を後悔するくらい、僕はバスの中で朝雲さんに質問責めにされたのだった。
「おーい、温水ー。待たせたな」
「いや、時間通りだし……あれ?周堂?」
地下資源館前での待ち合わせ。バス組と合流したのはいいが、何故かそこに周堂も混ざっていた。せっかくなら多い方が楽しいじゃん、とは焼塩の弁である。
まあ、実際不都合は無い。焼塩経由で誘われたなら、俺が八奈見にアタック云々という話が伝わることも無いだろうし。
というわけで、気にせず地下資源館を楽しむことにしたのだが。
「どうした周堂、なんかテンション低いな」
ぐだぐだと文句を言っていた八奈見同様、周堂もまた元気が無い。
「逆にどうしてあなたたちはそんなにテンション高いんですか。地下資源館ですよ、地下資源館」
「こっちの台詞だな。なんてったって地下資源館だぞ、地下資源館。男ならテンション上がるだろ」
俺がそう言うと、何故か周堂は大きく溜息をついた。
「そういうとこですよ、温水君」
最近随分と聞くようになったその言葉を、残念そうに呟いたのだった。
温水君の鈍感ぶりには参るね、全く。いやまあ、女だからテンションが低いのかと言われればそれも違うんだけど……単に人生2週目なので、地下資源館ではしゃぐような年甲斐の無さは持ち合わせていないというか。え?海では小鞠さんと一緒にはしゃいでたろって?海と地下資源館じゃ訳が違う、僕も豊橋育ちなので何度か来てるし。
ま、皆に水を差すのは僕の望むところではない。それなりに楽しませていただくとしよう。
……前言を撤回する。くそっ、割としっかり楽しい……!なんやかんやで八奈見さんが楽しそうにしているのも納得だ。
「うわっ、これ重っ!ちょっ、誰か手伝って!」
「微力ながら」
八奈見さんと共に金属塊を持ち上げるべく奮闘していると、ふと視線を感じた。
振り返ると、温水君が焼塩さんと話しながら生暖かい目でこちらを見ていた。目が合う。
『どうだ、楽しいだろう地下資源館は』
……そんな風に言われている気がした。十中八九錯覚だが、いやに達成感のある顔なのがなんとも……ウザい。
「だめだ~、持ち上がんないや。腕疲れちゃった」
そう言うと八奈見さんはクイズコーナーへと移動していった。確かあれは3人プレイで、焼塩さんと温水君と遊ぶんだっけか。
綾野・朝雲カップルの邪魔をする訳にも行かないし、一人で遊べるものを探すとしよう。
気づけば随分時間が経っていた。僕たちは併設の視聴覚教育センターへ移動していた。
八奈見さんがプラネタリウムの存在に気付き、見ていこうかという話になる。……そろそろか。
温水君と八奈見さんを二人きりにしたい綾野君と、綾野君と朝雲さんを二人にしておきたい焼塩さんが……あれ、そういえば僕いるじゃん。どうなるんだ、この場合。
「ね、光希さん。これって謎解き要素もあるそうなんです、一つ勝負でもどうですか」
「へえ、面白そうだな。なあ、檸檬と……周堂さんも、一緒に勝負しないか」
「あたしも?」
「僕もですか」
綾野君にとっての目的は温水・八奈見ペアを二人きりにすること。どう分かれるのか不透明な今、先手を打って僕を含め四人で見ようと誘ってくるのはおかしいことではない。ただ、焼塩さんからすればそうもいかない。
「さ、行こうぜ二人とも」
「待って、あたしすっくんと見るよ。光希は朝雲さんと一緒に見な」
「ん……そっか、その分け方もありか」
「うーん……私としては、焼塩さんとも仲良くしたかったのですが。一緒に見ませんか?勿論、周堂さんも」
「ありがと、でも折角だし二人で見なよ。さ、行こすっくん」
……参ったな。このままの流れだと、焼塩さんが『惚れた男』発言をしなくなる。いや、まだ軌道修正は可能か?少しばかり会話の流れを誘導してやれば、あるいはなんとかなるかもしれない。
「謎解き勝負には興味がありましたが……お二人は恋人同士ですものね。二人きりの方がいいでしょう」
アニメで二人が腕を組んだとき、焼塩さんは動揺する素振りを見せた。彼女には悪いが、恋人同士というところを強調して言う。祈るような心地で、僕は次の言葉を待つ。焼塩さんが、口を開いた。
「そうそう、ちゃんと自分の彼女を優先してあげなって」
「……なんか、かえって気を遣わせちゃったみたいで、悪いな」
「ほんとほんと。あたしの惚れた男なんだから、もっとしゃんとしなって!」
通った……!周囲が息を呑むなか、僕は息を吐く。原作とは経緯は違うが、台詞の大意は同じだ。上手くいって良かった……けど。
こうなると。彼女の失言は、僕のせいなんじゃないか?ぐさり、と、何かが胸を刺した。
「あ……ちが、あたし、ちがっ」
焼塩さんが、顔を青ざめさせて走り去る。その表情が目に焼き付いた。胸に刺さった何かが、ぐるりと捻られる。心臓を抉られたような心地だった。
ああ――そうか。僕は。僕自身の意志で、焼塩さんの失言を導いたのだ。
耳鳴りがする。朝雲さんの声が、よく聞こえない。
温水君は駆け出した。僕はその場に立ち尽くしていた。
地下資源館での一件から時は流れ。今俺たちは、焼塩に会いに新城まで向かっている。現在は途中の道の駅で休憩中だ。
八奈見は五平餅と睨めっこ、小鞠と月之木先輩は食べ物でBL談義。全く我が文芸部の女子共はと思いながら車に戻ると、周堂が車で待機していた。
「お帰りなさい、温水君。他の皆さんは?」
「そろそろ出発したいって言っといたけど、まだかかりそうだ」
と、周堂の隣の席に紙袋が置いてあるのを見つけた。今回、総勢5人と言うことで月之木先輩は大き目の車をレンタルしており、最後方の席を周堂と荷物が使っている。だが、あの紙袋はこの道の駅で買ったもののように見えた。
「その袋は?」
「月之木先輩に、焼塩さんのお祖母さんへの手土産の選定を任されまして。このあたりで買えるものは食べ慣れているかもしれませんが、無いよりは」
「あー、そうか。全然考えてなかった、さすがにしっかりしてるな先輩は」
「……あの人をしっかりしてると言うのには、すさまじく抵抗がありますが」
「それは、確かに」
先ほど読んだ先輩の小説も、年齢規制なぞ知ったことかと言わんばかりのガッツリしたBL作品だったし。
「ま、それはともかく。温水君はどう思っていますか、今回の件」
「どうって……」
「焼塩さんにかける言葉は決めていますか、という話です。温水君はそっと話を聞いてあげるってタイプかもしれませんが」
「……まあ、な。俺そんなに話すの上手くないし。というか、それを言う周堂は決めてるのかよ」
「勿論、謝罪です。あの言葉は、僕の発言がきっかけで出てしまったものですから」
「あの様子だと、遅かれ早かれ言っちゃってた感じもあるけどな」
「だからこそ、ですよ。きっかけを与えたことは重くとらえるべきです」
そう言う周堂の表情は、普段より力なく見えた。
「そりゃ、確かにそうかもしれないけどさ。周堂だって、わざとじゃないわけだし」
「…………そう、ですね」
「……?まあ、そんなに思いつめなくてもいいと思うぞ。あれだったら、俺が一緒に謝ってもいいし」
「……温水君がそんなことを言うなんて。変わりましたね、本当に」
「知り合いがそんな顔してたら、心配にもなるだろ」
「そこは友達って言ってくださいよ。そういうとこですよ、温水君」
ようやく周堂の表情が緩んだことに、なんだかほっとする。やはりこいつは、こうして笑っているほうがしっくりくる。
と、周堂が呆気にとられた様子でこちらを見ていた。
「……随分な殺し文句ですね、温水君」
「え、今の声に出てたか」
「小声でしたけどね。……なるほど、こういうところか、温水君は」
「その言い回し、流行ってるのか?」
どういうところなんだ、一体。
散々寄り道した末、結局道が分からないということになり。陸上部部長からの連絡待ちで、俺たちは八奈見の先導で映えスポットへ来ていた。
小鞠と沢ガニに構っていると、突如八奈見がキレた。すまん、素で忘れてた。
「そんなにカニがいいの!?ふん、もーいいよ、周堂君に撮ってもらうから!周堂君、温水君からスマホ貰って」
「……だそうだ。周堂、頼む」
「僕も別に写真撮るのは上手くないんですがね……八奈見さーん、先程みたいにポーズとってくださいポーズ」
「はーい……えっと、どんなポーズがいいかな」
「僕に聞かないでくださいよ」
あれこれ悩んでいる八奈見を前に周堂がシャッターを押せずにいる中、ふと視界の端に人影が見えた。月之木先輩は車で番をしているはずだが、とよくよく見れば、その人影は焼塩だった。
「……!?」
思わず声を上げそうになるが、焼塩が口の前に指を一本立てるジェスチャーをした。
そのまま、焼塩は八奈見に忍び足で近寄る。八奈見はポーズを考えるのに夢中で、焼塩に気付いた様子は無い。
「ちょっと、八奈見さーん?僕、腕が疲れてきました」
「ごめーん、もうちょっと待ってー!」
様々なポーズを試している八奈見が、少し前傾姿勢になり。そこに、焼塩が抱き着いた結果。
「……あ」
「おや」
もつれるように、二人が川に落ちた。悲鳴が響く。
「皆さんといると、退屈しませんね」
呆れたように、周堂は構えていたスマホを下ろす。
「俺は暇な方がいいよ。さ、二人を引き上げようぜ」
なお、思いの外周堂は役に立たなかったことを記しておく。あいつ意外と力無いな。
焼塩さんの祖母の家に泊まることになったその晩。皆が寝支度をしている中、僕は焼塩さんにこっそりと声をかける。
「焼塩さん。ちょっと、二人で話したいことがあるのですが」
「二人で?」
「はい、二人きりで」
「そっか、じゃあ……いい場所、知ってるよ」
そうして連れられた先は、一本道をおりたところにある神社。
「考え事とかする時はね、よくここに来るんだ。で、話って何?」
「その……謝罪、です。あの出来事は、僕の不用意な発言がきっかけですから。本当に、申し訳の無いことをしました」
「え、いや、いいって!悪気があったわけじゃないじゃん」
「…………そう、ですよね。焼塩さんは、そう言ってくれますよね」
あれは。悪意ではなくとも、明確に故意だった。けど、それを言うわけにはいかない。僕は未来が分かるんだなんて言えないし、この世界はフィクションだなんてもっと言えない。
ああ、いや。いっそ、言ってしまおうか。未来が分かる、とは言わずとも、予感がした、ぐらいは。
「……すっくん?」
「僕は。あの時……」
焼塩さんは、不思議そうに僕を見つめている。本当に、優しい人だ。彼女は、この後温水君に打ち明け話をして、涙を流す。その程度には、まだ整理がついていないはずなのに。それでも、僕を許してしまうのだ。
胸に刺さったままの何かが、暴れている。
……駄目だ。他の誰に打ち明けても、彼女にだけは。言って、嫌われるにしろ許されるにしろ。それで楽になろうなんてのは、駄目だ。
「……何も、考えていませんでした。焼塩さんがどう思うかなんて、ちっとも」
この後悔は、傷は。僕がずっと、抱えていかなければならない。
「良いって、ホントに。どうしてもっていうなら、今度どっか遊びに行こうよ」
「……それでいいのでしたら、是非」
「よし、約束ね!あたしこのままここで走ろうかなって思ってるんだけど、すっくんはもう寝るでしょ?帰り道分かる?」
「大丈夫です。それでは、また明日」
「うん、また明日」
神社を後にする。一人の帰り道が、ひどく心細かった。