TS転生者は負けヒロインたちに温水君を攻略させたい 作:あどべんちゃ
想像を遥かに上回る反響で、正直身の丈に余るほどと感じています。贅沢なことです。
その日の晩。温水君から言われたことを思い出し、小鞠さんに連絡を取る。
『別にいいけど、何の用だ』
『でも、本番もうすぐだし。急がないと』
……まあ、そうなんだよな。進捗はあんまり芳しくないのは確かだ。
『いい。私一人でやる』
……やっぱりそう言われてしまうよな。
『心配するな、ちゃんと出来る』
……うーん。微妙に噛み合っていない。この時期の小鞠さんはかなり気を張っているし、仕方ないといえば仕方ないんだが。
温水君の頼みには、残念ながら応えられそうにない。
翌日、水曜日。今日は小鞠さんが倒れてしまう日だ……万が一ということもあるので、僕は無理を言って練習を休み部室に来ていた。原作ではそういうことはなかったが、頭など打っては大変だ。
「小鞠さん、もう来ていましたか」
「す、周堂か。ゆ、昨夜は、気遣ってくれて、ありがとな」
「別にいいですよ、結局何もしてませんし」
「それは、そうと、な、何しに来た。い、忙しいって聞いてたぞ」
「一日ぐらい、何か力になれないかと思って。僕に手伝えることはありませんか」
「い、いい。私一人で、やる」
「……そうですか。それじゃ、今日は練習サボっちゃいますかね」
「だ、大丈夫なのか」
「高校生が習得できる礼節なんて限界がありますよ。あ、お茶淹れますね」
なるべく小鞠さんから視線を切らさないようにしつつ、パックのお茶を淹れる。
「さ、どうぞ」
「あ、ありが――」
置かれたティーカップに、小鞠さんが手を伸ばす――緊張の糸が、緩んでしまったのかもしれない。その手は虚空を切って、小鞠さんの身体が傾いていく。
「っ、小鞠さん!」
床を蹴って、手を伸ばす。何事もなく、小鞠さんの華奢な身体は、僕の腕の中に納まった。
ほっと息を吐いて、部のグループチャットにメッセージを飛ばす。さあ、頑張って保健室まで連れて行かないと。……意識のない相手をおぶるのって難しいな。かといって俵抱きもな……しょうがない、一応は女子同士だしお姫様抱っこでも問題はないだろう。
周堂からの小鞠が倒れたという報せを受けて、俺は保健室へと急ぎ足でやってきた。
「小抜先生、小鞠は……」
「大丈夫よ、寝ているわ。過労と寝不足ね」
それを聞いて、ほっと胸をなでおろす。周堂が一緒にいたわけだし、最悪の事態は無いとは思っていたが。
その周堂は、小鞠の寝かされたベッドの横に座っていた。
「小鞠、怪我はないんだってな。お前のお陰だな」
「僕がいる時に倒れたのは、不幸中の幸いですね」
「ツワブキ祭の準備、頑張ってたんだってね。限界までやってみようって、先生にも経験あるわ……聞きたいかしら、その話」
「「いえ、結構です」」
俺と周堂が異口同音に返答すると、小抜先生は残念そうに頬を膨らませた。が、すぐに真面目な顔になって立ち上がる。見れば、小鞠が上半身を起こしていた。
「起きたのね、小鞠さん。もう少し寝ていても良いと思うのだけど」
「い、妹……保育園、迎え、い、行かないと」
ふらついた様子でベッドを降り、歩き出す小鞠。すぐに足が絡まり、一番近くに居た周堂が身体を支える。
「温水君、椅子を持ってきてちょうだい」
慌てて丸椅子を運ぶと、周堂が小鞠を座らせた。
「えっと、小鞠の親って迎えに来れないんでしょうか」
「仕事中で連絡が取れないみたい。小鞠さん、妹さんの保育園には学校の方で電話をかけておくわ。どこの保育園か、教えてくれるかしら」
「お、弟も、家で一人なので……や、やっぱり、帰ります」
立ち上がった小鞠の足取りは、やはりおぼつかない。小抜先生が手を貸して、小鞠の背中を優しく叩く。
「仕方ないわね、先生が車で送るわ。妹さんも迎えに行きます」
うん、それがいいだろう。小抜先生は人間性に問題はありそうだが、保健の教師としては今のように真面目だ。
「周堂さんか温水君、小鞠さんの家は分かる?」
「あ、一応」
思わず答えてしまったが、この流れはまさか。
「僕も分かりますが……未来の副部長にお任せします」
にこやかに、周堂が答える。こいつ、逃げやがったな。
「それじゃあ温水君、一緒に来てちょうだい」
そういう小抜先生が、普段とは打って変わって真面目な調子なので……俺は、断れなかった。
木曜日の深夜。八奈見さんから、グループLINEに招待された。
『温水君の妹ちゃんからタレコミがありました。温水君、明日の早朝にこっそり自分だけで準備を進めようとしています。水臭いと思いませんか』
『そーだそーだ!』
と、同調するのは焼塩さん。
『あいつ、俺が手を貸すって言ったの忘れてるのかな』
『温水さんにはお世話になりましたからね。私たちも手伝わせてください』
と、綾野君、朝雲さん。
『全く、温水君には困ったものです。僕も彼には借りがありますからね』
と送信する。この光景はひとえに、彼が築き上げた周囲との信頼によるものだ。多分温水君は、そんなこと思ってもいないだろうけど。
『あいつもいい友達に恵まれたな。なんか俺感慨深いよ』
『八奈見ちゃん、情報提供ありがとね。皆、温水君に思い知らせてやりましょう』
と、玉木さん、月之木さん。……思い知らせてやりましょう、はどうなんだ。いや、なんとなくニュアンスは分かるが。周りに恵まれていることを理解させよう的なことだろう、多分。
という訳で、翌朝結構キツめの早起きをして学校へ。
焼塩さん、八奈見さんに続いて、温水君に声をかける。
「人を頼るのも一つの長所。僕にそう言ってくれたのは温水君でしょう」
少しカッコつけた言い回しになってしまったが、本心だ。いやまあ、こうなることを知っていたから余計に印象に残ったというのはあるんだけど。
玉木さんの掛け声で、文芸部の展示の用意が始まった。とはいえ、僕と八奈見さん、焼塩さんはクラスの準備があるので途中でハケてしまうのだけど。
百均が開く頃になり、買い物に向かった焼塩さんと八奈見さんを見送る。
「買い物リストはよく確認してくださいね、焼塩さん」
「やだな、あたしだって買い物ぐらいはできるよ」
「僕もそれを祈っています。それと八奈見さん、くれぐれも買い食いはしないように。お腹が空いたときのためにガムを渡しておきます」
「周堂君、私をなんだと思ってるのかな」
と、温水君が作業しながら話しかけてきた。
「そういや、荷物重いだろうし八奈見より周堂の方が……あ、いや、お前そんな力無いんだったな」
素で言ってるのか揶揄ってるのか、温水君は時折判断に困る。でもちょっと笑ってたように聞こえたので多分後者だ。
「こんな時に揶揄わないでくださいよ。さ、僕らは作業を進めましょう」
時計を見やる。HRで一度教室に戻らないといけないし……昼頃にはもう執事喫茶の準備に行かないといけない。僕が手伝える時間は、そんなに多くない。
さあ、常にラストスパートの気持ちで。素早く、しかし丁寧にやっていこう。
夕方、クラス企画での作業を終えて文芸部に戻る途中で、なんとなく周堂の1-Aにも寄ってみた。あいつのことだし、明日は接客で忙しいだろう。揶揄う、もとい、様子を見れるのは今が最後だ。
開きっぱなしになっている戸から顔を出す。
「すいませ――」
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「うぉ!?」
死角から周堂の声が降ってきた。どうやら戸の影で入ってくる人を待ち構えていたらしい。
「……なんだ、温水君でしたか。大奥様、僕の知人です。実践練習は別の方でお願いしたいのですが」
大奥様?
「駄目よ周堂。時間も機会も限られているの――次に入って来た人を、問答無用で練習台にする。そういう話だったでしょう」
大奥様、と呼ばれた女子生徒は、何故かサングラスをかけて奥の席に陣取っていた。こんな濃いキャラのまだ見ぬ同級生がいたとは、恐るべしツワブキ。
「仕方ありませんね。ぬ――坊ちゃま、こちらの席へ」
「え、あ、おう」
囁くようにそう言って、周堂は俺を案内する。なんか、近くないか……?やはり良い匂いがするし。
「お水を用意いたします。ご希望のお食事が決まりましたら、またお呼びください」
「あ、うん……」
恭しく礼をしてバックヤードに去っていく周堂を前に、俺は混乱するばかりだった。
お冷を持って戻って来た周堂に、とりあえず注文を伝える。
「えと、じゃあ紅茶とサンドイッチで……」
「承知しました」
やはり恭しく礼をして、またバックヤードに戻っていく周堂。少しして戻って来たが……お盆の上には、何も乗っていない。
「あれ、注文したやつは」
「申し訳ありません、本日はあくまで練習ですので。在庫管理の都合もあり、今回は提供できかねます」
なんなんだ。じゃあもうあと俺帰るだけだろ。
「じゃあいいよ、俺文芸部の方行くから」
「お見送りいたします」
「ああ、うん……」
ちょっと揶揄ってやるつもりが、なんだか面倒なことに巻き込まれてしまった。……早々に解放されたし、よしとしよう。
「行ってらっしゃいませ、坊ちゃま」
またも礼をする周堂に背を向けて、俺は早足で歩きだした。本当、なんだったんだ。
ツワブキ祭当日。
昼頃まで当番を勤め上げ、八奈見に後を頼んで、俺と小鞠はツワブキ祭を見て回っていた。
「そ、そういえば、周堂のやつは、どうしてるんだ」
「あいつのクラスは執事喫茶だ。昨日様子を見に行ったけど、様になってたぞ」
受けたサービスの内容はともかく、立ち居振る舞いは中々のものだった。
「す、周堂が、執事――待て、よ、様子、見に行ったのか」
「え、うん」
「じゃ、じゃあ、接客とかされたり、したのか」
「まあ、一応……どうした、小鞠」
ついに、俺と周堂で不埒な妄想を始めたのか。そう思って顔を覗き込んでみるが、小鞠の表情はそういう時のそれとは微妙に異なっていた。
「ぐっ、邪道……いや、絵面はかなり……けど周堂は……でも執事だし……」
ぶつぶつと呟く小鞠の眼は輝いておらず、頬も上気していない。よく分からんが、俺と周堂の組み合わせは小鞠のそういう好みからは外れているらしい。
「気になるなら、ちょっと覗いてみるか?」
俺がそう聞くと、小鞠は猛然と頷いた。
「と、とりあえず、実物は、み、見ておきたい」
というわけで俺たちは執事喫茶へと向かったのだが……予想を超える、すさまじい混み方だった。
漏れ聞こえてくる周囲の会話の限りでは、周堂を含めイケメンが多いことで人気を博しているらしかった。
「さ、さすがにこれは……」
「ああ。この様子だとあいつも忙しいだろうし、邪魔するのはやめとこう。……そういやお前、人多いのあんま好きじゃないだろ。大丈夫か」
「ま、まあ。今は、遠巻きに見てるだけだし、大丈夫だ」
「そっか。早いとこ退散しようぜ」
「……わ、私のこと、よく見てるんだな」
「ん?まあな、褒めてくれても――」
「違う、キモい、死ね。し、死ね」
「なんで二回言った」
それは、まさに地獄だった。常に礼節に気を張りながら、稼ぎ頭だと言われ昼食以外休憩無しで出ずっぱり。労働基準法に違反してたりしないだろうか。
共に働く執事の皆は、もはや性別の壁を越えた戦友と言えよう。このひと月で、随分クラスの男子と仲良くなった気がする。
「ツワブキ祭三年分働いた気がするよ……」
執事の誰かが呟いた言葉に、全力で頷く。先程生徒会長によるツワブキ祭終了の放送が行われ、僕たちの戦いは終わりを告げたところだった。
パーティションで着替えのための仕切りを作っていると、スマホに通知が。
『小鞠がお前の執事姿見たがってたから、写真送ってやってくれないか』
……うーむ。なんとなくだが、BL妄想の種にされそうな気がする。いや、僕は女なんだけど……温×虎とかのこと考えると、執事服の僕で妄想するぐらいは全然初歩な気がするから困る。
まあ、いいか。小鞠さんはこのあとが辛い時期だし、多少良いことがあってもいいだろう。
パシャリ。自撮りには不慣れだが、こんなものだろうか。
小鞠さんに送信すると、程なくして返信があった。
『似合ってる。けど、なんか違う』
『それは、BL的な意味でですか』
『そう。でも男体化すればイケるな』
さいですか。さて、ちゃっちゃと着替えてしまおう。僕が仕切りの向こうに引っ込まないと、男子の皆も着替えられないし。
そういえば、ついぞ知り合いの誰も店に来なかったな。あの混みようではさもありなんといったところだが……まあいいか、温水君には昨日会ったし。
次は部長会に係る一件……とはいっても、僕は八奈見さん、焼塩さんと一緒に合流するだけだ。悩める温水君を手助けするのは、八奈見さんと佳樹さんの役目。頑張ってくれ、温水君――あれ。
すっかり忘れてたけど、そもそも小鞠さんが思いつめたのは、部活が玉木さん、月之木さん、小鞠さんの三人だけということで生まれた不安からだったよな。今回は四月から僕がいて、でも同じように思いつめてるよな。
……僕はそれなりに、小鞠さんと仲が良いつもりだったけど……文芸部が僕の居場所だって、ちゃんと伝わってないんじゃないか?
小鞠さんが思いつめるのも当然、か。また失敗していたらしい……人生、上手く行かないものだ。二週目でも。
「小鞠ちゃんをいじめるなーっ!」
「っ、うお!?」
小鞠と俺の間にあった静寂は、突然の闖入者・焼塩によって破壊された。焼塩はそのまま俺を締め上げいやちょっと苦しい待て待て待て―――
「わ、私、いじめられて、ないから」
「へ、違うの?あたしトーク画面見ててっきり……」
焼塩が腕を緩めたその隙に抜け出す。空気、新鮮な空気を……!
「は、はぁ……えっと、トーク画面って」
「お二人とも、ずっと文芸部のグループで話していましたので。申し訳ありませんが筒抜けでした」
階段の下から声がかけられる。どことなく疲労した様子で、周堂と八奈見が階段を昇ってきていた。
「小鞠ちゃん、ずっと不安だったんだね、ごめんね。あたしたち、これからも友達だよ!」
「うぇ、ちょ、苦し……」
「……その様子だと、ちゃんと話できたみたいだね」
「なんとかな。ありがと、八奈見さん」
「どーいたしまして。カリスマコンサル八奈見ちゃん、これにて任務完了、なんて」
こつん、と八奈見と拳を合わせる。
……そうだな。意識の外だったけど、八奈見も、焼塩も、周堂も、文芸部の仲間だ。
いつの間にか、日は沈んでいた。焼塩を先頭に階段を昇りながら、物思いにふける。
この繋がりは、いつか途切れてしまうだろう。けど、何もそれは俺たちに限ったことでもない。
仮初めの繋がりを、紡いでは解き、それを繰り返して生きていく。それは寂しいことかもしれないけど、悲しいばかりでもない。そう思った。
屋上ではしゃいでいた八奈見が、ふと俺の方を見た。
「そういえば、温水君はちゃんと言葉を返してあげたのかな。小鞠ちゃんに言わせてばっかりじゃなくてさ」
「え、返事したけど。あれで十分じゃないか」
「なんだ、あれからもやりとり続いてたんだ。どれどれ」
スマホを取り出した八奈見の表情が固まる。
「うわ、温水君、これは……言い訳できなくない?」
俺に向かって突き出されたスマホの画面には、俺が送ったメッセージが表示されている。
『俺、ずっと一緒にいるから』
「……?変なこと言ってないよな?これからも文芸部にいるし、辞めない、って」
「おおう……温水君、まさかの天然だったか。そういうとこだよ」
またそれか。どういうとこなんだ一体。
「……だ、そうですが。どう思います、小鞠さん」
「残念ながら、し、新部長は、そういう男だ」
「ぬっくんは部長なんだから、しっかりしてもらわないと」
あれ、ひょっとして四対一ですか……というか、今。
「えっと……部長、俺でいいのか」
そう言うと、八奈見と焼塩が顔を見合わせて、それから俺の前まで小鞠を押してきた。
「えと……ぬ、温水。言ったからには、せ、責任取れ」
「それは、つまり……」
小鞠は、不埒な妄想をするときとも違う、とびきりの笑顔で俺を見上げた。
「逃げられない、からな、頼むぞ――部長」
その晩。僕は小鞠さんに電話をかけた。
「小鞠さん、今よろしいですか?」
『き、奇遇だな。私も、電話、しようと思ってた』
「そうなんですか?小鞠さんの要件から聞きますけど」
『あ、えと、じゃあ……ご、ごめん、周堂。私、お、お前のこと、ちょっと、苦手だった、というか』
「え」
め……ちゃ、くちゃ、ショックなんですけど。
『あ、いや、その、実は嫌い、とかじゃ、なくて。お前のこと、よく、分かってなかった』
「……と言うと」
『周堂、ずっと、本読んでて。あんまり、な、何、考えてるか、分かんなかった、から。それで、その。いつか、ふらっと、い、いなくなりそう、とか。そんなこと、お前に対して、思ってた』
僕ら、結構話……いや、そういうことじゃないんだろうな。昼間も考えていたことだが、『僕は文芸部が居場所だ』、と、小鞠さんにうまく伝わっていなかった。原作に沿うことだけ考えればそれでも問題は無かったし、事実春の僕はそういう風に考えていた。
焼塩さんとの一件で、彼女たちはキャラクターではなく、実際に傷つく人間なのだ、と気づいた頃には、すでに小鞠さんの中にその不安は芽生えていて。
『先輩たちが卒業したら、一人になる
グループLINEに送られたその文を思い起こす。八奈見さんや焼塩さんと仲良くなっても、彼女たちには他の居場所があると考えていたように。僕と仲良くなっても、不安が消えるわけじゃない。
「……小鞠さんが謝ることじゃありませんよ。特に春先の僕は、そう思われても仕方なかったですし」
『い、今は、そんなこと思ってないからな。ちゃ、ちゃんと、文芸部の、仲間』
「分かってますよ、ありがとうございます。……僕も、そのことで話したかったんです。ちゃんと、『僕は文芸部が好きだ』って、言ってなかったですもんね」
『わ、私が言うのもなんだけど、普通、そ、そんなこと言う機会、ないだろ』
「はは。それもそうですね」
でもね。僕は、知ってたんです。小鞠さんが、そうやって思いつめること。
……反省して次に活かすのって、難しいですよ。温水君。っていうか、他ならぬ君が『そういうとこだよ』って言われてばかりで、全然反省できてないじゃないですか。そういうとこですよ。
『……?周堂?』
「すいません、考え事を。今日は冷えますから、暖かくして寝てください」
『す、周堂もな。じゃ、じゃあな』
……さて。恐らくは今日の一件から、小鞠さんは温水君を意識しだすはずだ。うまいこと、背中を押して―――あれ。
恋バナって、どうやってするんだ?
ツワブキ祭前日の接客練習の様子を見ていたら、小鞠からの評価はまた違ったものになっていたかもしれません。何の補足だ。
真面目な方の補足。小鞠と周堂の電話での会話は、私の読み込み不足が発覚して急遽書き足した場面です。なので伏線もへったくれもなく不自然極まるのですが、文芸部にオリキャラを足した二次創作としてここの理屈は明示しないといけないという感覚がありました(だから不自然でもいいよねという話でもないのですが……)。
以上、そういうことを考えて書いたんですという言い訳でした。
現在ストックは8話まで、毎日更新はもうちょっとだけ続くんじゃ。
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