黒夜、後に白日~裏ボス転生者、周りを曇らせながら能天気に戦います~   作:せみふぁいなる

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コロナの後遺症で一生ゲホゲホ言ってました。ていうか今もしてます。


人と集まって自分だけ話せないと虚無になる

 俺は、Happy Endを目指したい。

 自分含めて全員が幸せになれるような、そんな夢のような終わりを。

 

 だけども、ここは前世で大好きだったゲームの世界。原作のシーンを生で見てみたいし、それが崩れるような関わり方はしたくない。

 だから遠くで見てたり、こっそりと原作に無かった裏組織をパワーでねじ伏せたりしてた訳だ。

 やはり筋肉…!筋肉は全てを解決する…!

 

 しかし、だ。ここで今回の仮面君とのバトルの話になるのだが。

 

 正直に言うと、最初の接敵シーン以外、ほとんどの展開が違かった。

 

 

 カッコつけて俺が風花ちゃんを守った時。あそこは本来であれば介入する気は無かった。

 理由は簡単。アレは元々、明華ちゃんが助けるシーンだからだ。

 …だが、しかし。俺が介入したという事はつまり、急遽オリチャーを発動し介入せざるを得ない事情があったという事だ。

 その事情というのは、だ。…あのままでは、明華ちゃんがギリギリで間に合わない可能性が高かった。原作からの乖離は承知で臨んでいたが、よりにもよってなタイミングだったし、何より俺が油断していて、反応が少し遅れた。これは俺が悪い。

 そして何よりも、仮面君が原作より少し強くなっていたのだ。俺にとっては微小な差でも、明華ちゃんや風花ちゃんにとっては大きな壁となるだろう。

 それ程に、あの仮面君は強くなっていた。

 

 とまぁ、俺が助けに入ったのにはそういう事情があったのだ。

 

 カッコつけも、明華ちゃんにそれをなるべく気付かれない為に、咄嗟に出した言葉だったりする。フォローしつつ、なんとかソコに意識が割かれないようにするにはどうすれば良いのか。俺の小さい脳みそで考えた結果がアレだった。

 

 それと、最後の決着の瞬間。アレだって、本来ならちゃんと間に合うシーンなはずなのに、実際はレイゼさんが居なければ間に合わず、相打ちとなってしまっていただろう。

 

 さて。ここまで話しておいて結局、俺が何を言いたいのかというとだ。

 

 ……これ、間違いなくこれからの展開も全部微妙に違うよね…って。

 しかもその微妙が致命的な所にあるから、俺が出ざるを得ないという。あまり関わりたくないのに、関わらなければそもそもHappy Endには辿り着けないと。うーんこの。

 

「グレイス、どう思う?」

「…いきなり聞かれても、今は鎌じゃないから心読めない…」

「え? でもこの前は俺の心を読んだかのように返答してきてた…」

「…それは、ご主人が顔に出やすいから」

「あ、やっぱりそうなの?」

「…かなり分かりやすい、と思う…」

 

 もはや、あまり関わりたくない、という信条は捨てるべきなのかも知れない。そう考えつつ、俺は落ち着くためにグレイスを撫でようと、目の前の撫で心地が良さそうな頭に手を伸ばす。

 今後を考えると胃痛が凄くて、つい手が伸びた。

 俺は悪くない。

 

「…現実逃避もここまでにして、そろそろ向こうに行った方が良いと思う。 でもそれはそれとして、帰ったらもっと撫でて欲しい」

「やっぱ行かないと駄目ですよね、そうですよね。…武器状態で良いから、グレイスも来ない?」

「…元々その予定。 レイゼも、既に姿を見せてるし着いてくると思う」

「優しさが染みる…」

 

 結構憂鬱だけど…行くしか無いしなぁ。頼むから要らない事は言うなよ、俺の口。あと頼むから出るなよ、俺の内なるオタク部分。

 俺が行く決心をして立ち上がると、グレイスも素早く武器状態になり、俺の手元へと収まる。

 

「(…ご主人が何か口を滑らせても、いざとなったら私も人型になってサポートする)」

 

 もうっ、本当にこの子はっ!

 帰ったらいっぱい撫でちゃう!

 

─────────────────

 

 さて、あの後すぐに俺とグレイスは明華ちゃんと風花ちゃん、そしてレイゼさんが待っている場所に着いたのだが。

 

 明華ちゃんと風花ちゃんには来ないと思われていたのか、なんか大層驚かれた。 特に風花ちゃんには。 …会ってそんなに経ってないし、会う回数すら全然無かったはずなのに…。なんでぇ…?

 

 

 そこからの明風コンビの行動は早かった。

 「さぁ行きましょう!すぐ行きましょう!」と、グイグイと押されて、決着場所から少し離れたカフェへと連行された。…これ、「強引にでもしないとスグ逃げそう」とも思われてない? 泣くよ?

 俺別にすぐ逃げるメタル系モンスターじゃないからね?

 爆発系魔法とか、使えるけど別に使わないからね?

 

 

 …と、まぁ。そんなこんなで、多少解せないような気がしつつも現在へと至ります。

 俺の正面に明風コンビが、そして俺の左隣にレイゼさん、右隣に「ただの武器ですよ〜」と言わんばかりに、武器状態でジッとしているグレイスがいる。

 

 あ、安心してください。俺の羽は、連行される段階で既にしまってあります。

 う〜ん、偉い!! 人は学ぶ生き物!

 

 

 意味も無く心の中で自分を褒めていると、向かいにいる明華ちゃんが喋り始める。

 

「あの、まずは改めてお礼を言わせて下さい。 今日は本当に、私達を助けてくださり、ありがとうございました!」

「わ、私からも。 貴方達が助けてくれなかったら、私達二人共あそこで命を落としてたから…。 助けてくれて、ありがとうございました」

 

 明風コンビが頭を深々と下げる。

 こう何回もありがとうありがとうと頭を下げられると、逆に心が痛い。あとついでに胃も少し痛い。

 ただでさえ相手は推しだっていうのに。耐えてるモノが大きすぎて、口から緑の血出そうだよ、俺。

 

「あ〜っっと…その、なんだ。 既に感謝の気持ちは頂いてるし、頭を上げて欲しいなって。 何回も頭を下げられると、なんか逆に俺の心に来るから…」

「私も、ご主人様のご命令を実行しただけですので。 そこまでする必要はございませんよ」

 

 …レイゼさん?事実とはいえ、なんか俺に少しこの二人の矢印を行かせようとしてない?

 

「気の所為でございます」

「…? 何が気の所為なの?」

 

 いつもの様にレイゼさんが心を読んで返答したせいで、明華ちゃんが頭に疑問符を浮かべちゃったじゃないか!

 

「んんっ! レイゼさんの言葉は一旦置いといて…。とにかく、気持ちはもう受け取ったから。 もう特に気にしなくていいから! おっけーい?」

「…まぁ、アンタがそこまで言うなら…分かったわよ。…あっ、分かりました」

 

 別に素で話してくれても良いんだけど…。まだ好感度というか、信頼値が足りなさそうだ。

 …いや、実は別に今後に支障はあまり無いんだけどもね。やっぱり信頼しきって貰えないのは少し悲しくもあるなぁって。

 仕方ないんだけど。

 

「じゃあ、お礼はここまでにして。…その、私がお誘いした本命の理由と言いますか…。 お二方の事を、少しでも良いので教えて頂けたらな、と

…。 特に、お兄さんの方を知りたいです。まだ名前も教えて頂いてないので…」

「…あっ、そういえばそうだっけ? アハハ、ごめんごめん。すっかり忘れてた」

 

 そういえば、名前も教えて無かったわ。

 そりゃ信頼しきるのは難しいだろうね、だって助けてくれても名前すら分からんのだからね。

 

「じゃあ、改めて自己紹介と行こうか。 俺の名前は暗夜黒斗。 好きに呼んで貰って構わないよ。好きな事は…んー、いっぱいあるけど、自分の好きな景色を眺める事…かなぁ。 逆に嫌いな事は、その好きな景色を壊される事」

 

 嘘は言ってない。好きな景色(CG)を眺めるのが好きだし、それを他人にぶち壊されるのが俺は嫌いだ。

 ほらね?嘘は言ってない。

 

「俺の事は、まぁよく分からん怪しい奴程度に思ってて良いんだけど…。そうじゃないんだよね?」

「勿論よ。 私としては、アンタ…あっ、貴方の事、信頼したいと思ってるので。 聞かせて貰えますよね?」

「私も、聞きたいことが沢山あるので。…聞かせて、貰えますか?」

 

 ここまで言われちゃうとなぁ…。はぁ、俺ってこんな押しに弱かったっけ…。

 あっ推し補正入ってるからかぁ!

 

 

 まぁ、聞かせて大丈夫な事は言っときますか。

 この子達、結構嘘とか見抜けるタイプのはずだし。

 

「そこまで言われちゃあ仕方ないなぁ…。でも、その前に。 レイゼさんも自己紹介しとこう。 そうじゃないと、説明出来ない事とかあるかもしれないし」

「かしこまりました」

 

 そう言うと、レイゼさんが椅子から立って、行儀良くお辞儀をして自己紹介をし始めた。

 

「改めまして、私の名前は、レイゼと申します。ご主人様のメイドをさせて頂いております。 普段は家事等の雑事を担当させて頂いております。ご主人様に泣かされた事もあります。よろしくお願い致します」

 

 そう言うと、レイゼさんは行儀良く椅子に座り直して、またお辞儀をして黙ってしまった。

 

 …あの、レイゼさん?一つだけ、誤解が生まれかねない事を言いました?

 いや、誤解というか、事実ではあるんだけども。

 

「……」

「……」

 

 二人ともなんか凄い目でこっち見てきてるぅ!

 アレもう眼光だけで魔獣倒せるだろ、怖すぎるんですけど!

 

「……誤解なんです。 いや誤解じゃないんだけど、誤解なんです…」

「……サイテーです……」

「……サイテーね……」

「グハッ!?」

 

 おれ の むねに つうこん の いちげき !

 

「ひ、久しぶりにダメージを貰った気がする…。」

 

 レイゼさんは素知らぬ顔で座って微動だにせず。

 …いや、ちょっと上機嫌だな。多分これからもずっと根に持ち続けるんだろう…。

 まぁ、それは俺のせいだし気にしては無いから問題は無い。

 

「うぐぐ…とりあえず、それは置いといて、だ…。 何から話したものかな…」

 

 ん〜…あぁ、俺の事なら、とりあえずアレは話すべきだな。

 

「あー、コレはとりあえず伝えておくか。俺の魔力のお話。とは言っても、あれだけ近くで見たんだから正直な所気付いてはいると思うんだけど…。 俺の魔色は、"黒"だ。 闇とかじゃなくて、正真正銘あの"黒"」

 

 目の前でバンバン使って見せたし、言うまでも無い事だろうけど。

 それでも、目の前の二人は驚いたのか目を見開いて、俺を見ていた。

 

「ソレと、ちょくちょく出してた羽だな。 アレは魔色とかは関係無くて、俺の身体の一部だ。目立っちゃうから、今は出せないけども」

 

 そう言った辺りで、風花ちゃんが手を挙げる。

 どうぞ、と手でジェスチャーをすると、風花ちゃんは質問しだした。

 

「あの…"黒"を魔色として持ってるって事は、やっぱり世界征服とか考えてるんですか…?」

 

 …仮に本当にそう思っていたとしたらどうしたんだろうか、この子は。

 世界征服をコッソリ企んでる人に、堂々と聞いた事になるんですが。胆力が予想以上に凄いな?

 隣の明華ちゃんも凄い焦ってるから! 気付いてあげて!

 

「そんな楽しくなさそうな事、考えもしてないさ。 世界征服なんて企んでたら、あの時魔獣を斬り殺してなんか無いよ。安心して。…大体、俺にそんな器は無いと思うしね」

 

 それを聞いて、心から安心したようにホッと息を吐く二人。

 …ゲームの時もそうだったけど、やっぱり見てて愉快だなぁ。感動モノだ。

 そんな二人相手だから、俺も緊張で倒れないで済んでるわけだし。

 人たらしか何か?

 

「話の続きと行こう。考えついてでさ、話したい事があるんだよね。 …俺の目的について、とか」

 

 少し口の端を上げて、ニヤッとしながら言う。

 ポイントは、ほんっのちょびっとだけ魔力を漏らす事。

 なんか簡単に圧が出るよ!

 

 あっ、流石に目の前の二人にしか分からない程度だからね?公共の場でそんなテロみたいな事せんて。

 

「まぁでも、そんな複雑な目的がある訳でも無い。至極単純だよ。…”刺し違えてでも、ヤツらを消す事”だ。…ね? 簡単でしょう?」

 

 そして、既に消したヤツらの幹部の一人がコチラになりますってな感じか。

 

 はい。仮面君は敵組織の幹部の一人です。

 まぁあるあるだよね、チュートリアルとか序盤で、弱い敵幹部が居なくなるの。

 彼は犠牲になったのだ。

 

「その、ヤツらと言うのは?」

「んーと…これだけ思わせぶりな事言っておいてなんだけど、それは多分俺の口から言っても分からないかな…。多分、自分で知る必要があると思う」

 

 流石にコレは、俺から言ったらまずいかなって。後の展開的に。

 致命的な所にある微妙な違いが、致命的にデカすぎる違いになってしまう。

 それはちょっと、俺の胃的にも世界的にも色々と良くない、と思う。

 なんだっけ?こういうの、バタフライエフェクト?って言うんだっけ。蝶の羽ばたきがどうとか。

 

 正直なんかカッコイイよね。ワクワクが止まりません。

 

「まぁ、すぐ分かると思う。多分だけどね。 後は聞きたい事、ある?」

「はい、あります。…あの、一昨日くらいに、遠くから私達を見ていたのは何でなんですか? それがどうしても気になって」

 

 やっぱ聞いてきますよね、流石に。

 めちゃめちゃに目合ったもんね、あれ。

 

「あー、ソレか…。 簡単に言うと、実力審査…みたいな物かな? 今日の仮面君に対抗出来そうかなって見てたんだよ」

「…じゃあ、今日あのナニカと私達が対峙するのを、貴方は分かっていたんですか?」

 

 ちょっと痛い所突いてくるなぁ…。

 まぁ当たり前の疑問だけど。言い訳考えといてて良かったぁ!

 

「そうなるかな。 コッチでもアレの動向は掴んでてね、ある程度予想してたんだよ」

「…まぁ、とりあえず分かりました」

「あっ、じゃあ次私が質問してもいいかし…良いですか?」

「うん?全然いいよ。 あと、素で話してくれても構わないよ?喋り辛いだろうし」

 

 何じゃろなと。

 なるべくチョロい質問であって欲しい。切実に。

 

「分かりまし…分かったわ、ありがとう。 聞きたい事なんだけど、あの魔獣を倒して、薬をくれた時があったじゃない?」

 

 あっ、ふーん(察し)

 

「あの時に、めいちゃんに飲ませてくれた薬が暴走したのって、故意だったのかしら?」

「えっ?! ふうちゃん、私それ聞いてないよ!?」

「言ってなかったからね」

「えぇ?!」

 

 改めて思い出すと、あの時の俺、情けなさすぎるな…。

 修行が足りん!!

 

「アレは、うん。普通に予想外の事故でした。 誠に申し訳ございませんでしたハイ」

「あっ、アレ演技じゃ無かったのね…」

「待って待って、どういう事?! 私あの時、知らない間にまた死にかけてたの!?」

 

 明華ちゃんが大きな声で問い詰めてくる。

 そんなに大声出してると…

 

「あのー、すみませんお客様。 他のお客様のご迷惑になりますので、大声は控えていただけると…」

「あっ、すみません…恥ずかしい…」

 

 まぁ、そうなるな。

 いや、そりゃ誰しもがあの反応にはなるだろうけど…。

 寧ろ、良く今まで店員さん見逃してくれてたなぁとは思う。

 

 あっ、すみません。コーヒーもう一杯貰えますか?

 

「うぅ…ふうちゃんのせいだよぉ…」

「悪かったわよ。 言っちゃうと、めいちゃんワタワタしちゃうんだろうなって思って言わなかったんだけど…。 教えておいた方が良かったわね、ごめんなさい」

「うぅ…いいよ…」

 

 うーん、絶景かな。

 この景色だけでコーヒー5杯いけそう。

 そんな馬鹿な事を思っていると、思い出したように風花ちゃんが問いてくる。

 

「あっ、そうだわ。薬で思い出したんだけど、まだ聞きたい事があったのよ」

「ウェルカムです」

 

「さっき、魔色が黒って言ってたじゃない? じゃあなんで、あの時めいちゃんの魔力を操作出来たのかなって思ったのよ」

「私の魔力を操作?!それも聞いてないよ?!」

「言ってないもの」

「もぅ、ふうちゃんの馬鹿〜!」

 

 あー、それも当然気になるよね。

 この世界って、基本違う魔色の魔力を操ろうとしたら体爆発するし。

 

「あぁ、それね。アレもやってる事は単純だよ。 まず、そこの白い髪の子…」

「あっ、すみません。あんな事言っておいて、私達も自己紹介してませんでしたね。 私の名前は白羽明華と言います」

「私は草壁風花よ。 他の事に気を取られてて遅くなったけど、まぁよろしく頼むわ」

 

「あぁ、ありがとう。こちらこそよろしく頼むよ。 …それで、まず白羽さんの魔色は"白"だろう? そして俺の魔色は"黒"で、正反対の色。 普通ならコントロールが出来ず、体が爆発する所だな。当然、俺もそう思ってた」

「…なら、どうして?」

「あの時、俺もよく分からないんだけど、用意しておいた薬の効果が暴走してね。魔力回復薬だったんだが、白羽さんの魔力限界値を大きく上回る勢いで、魔力が回復してしまったんだ」

「えぇ?!」

 

 いや、アレは本当にビックリした。

 風花ちゃんはどうって事無かったのに、明華ちゃんの時だけ異様に回復したんだから。

 

「それで、あの場で白羽さんを助けるにはもう、中の魔力を俺が直接取り出すしか無かったんだ。 俺は黒以外にも、白にも多少の適性を持っていてな。 魔力のコントロールにも自信があったからそうしたって訳だ」

 

「あの時めいちゃん、コイツに手を握られてたわよ」

「手っ、手を?! つまり私は、寝てる内に勝手に手を掴まれて、体の中まで見られちゃったって事…!?」

 

 おーっとっとっとっと。大変言い方が宜しくないな?

 …あっ、明華ちゃんの頭から煙が出始めた。話題を変えないと気絶しちゃいそう。

 …俺じゃなくて、明華ちゃんが気絶しそうになるのか…。純情で大変可愛いね!! 俺も尊死と罪悪感で自殺しそう!!!

 

 オタクは二度死ぬ!

 

「ごほんっ、まぁとにかく。 あの時やった事は簡単で、多少ある適性を活かして、"白"をコントロールしてオーバーした分を空に放っただけだよ」

「全然簡単じゃないわよ、それ」

「言葉って難しい」

 

 やる手順は簡単だったけど、やる事は難しかったね。

 少しでも油断してたら足がもげてた。

 …なに?手を繋いでるのになんで足かって? …うーん、それは俺も分からん。

 なんか本能的に「足がもげそう」って思ったからかな。

 

「さて、後俺に関しての質問は無いか?」

「あっ、じゃあ最後に聞いてもいいですか?」

「私も、最後に一個あるわね」

 

 二人が互いに目を合わせる。なんだ?

 

「…ふうちゃん、多分一緒の事考えてるよね?」

「…えぇ、だってアレは流石に…ね?」

「そうだよねぇ…じゃあ、一緒に言おっか。せーの、でね!」

 

 どうやら話はまとまったようで。

 息ピッタリの動きで、二人一緒に質問してくる。

 

「せーのっ」

 

「「その横の子は誰ですか?!」」

 

 …えっ?横の子?

 

 嫌な予感がするのを抑えて、ゆっくりと横…つまり、グレイスが武器として成りすましていた方である、右の方を見る。

 そこに居たのは…

 

「…すー…すー…んゅ?」

「…あー…なるほど…?」

 

 眠くなって油断したのか、いつの間にか武器状態から人型へと変わり、天使のような顔で寝ているグレイスが居た。

 

 …………グレイス、人見知りで怖いだろうけど……

 これは流石に、俺もどうしようも無いかも。覚悟を決めてくれ、天使みたいなウチの子よ…

 

 




もう早いもので四月です。皆さん、体は大事にしましょう。
因みにレイゼさんは、何か聞かれるまで自分から喋りません。他人の前なので。

-追記-
6/10、見やすくなるよう少し文をいじりました。仕事で!体がい゛た゛い゛!!!  でもオイラ負けないよ。

ここまで見て下さり、ありがとうございます!気が向いたら是非、感想・評価の方よろしくお願い致します!
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