黒夜、後に白日~裏ボス転生者、周りを曇らせながら能天気に戦います~ 作:せみふぁいなる
右手の封印が解かれちゃうとこうなります。見辛いし展開が忙しすぎてただの駄作だとはぶっちゃけ自分でも理解してます。ハハッ
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「──クソ、埒があかない……なッ!」
〘────それはコチラのセリフでもある。貴様、少しスペックが良すぎるのでは無いか?〙
何本も何本も何本も出てくる"ヤバい予感しかしないレーザー"を躱して、斬り飛ばして、いなして、グレイスの射程距離内に神が入るまで近付こうと試みる。
魔法陣が一瞬展開されるが、それも文字通りほんの一瞬しか構築時間が無い。それ故に、このレーザーは事実上ほぼ前兆無しで撃たれているというのが凄く厄介だ!
〘────っと、危ないじゃないか。乱暴な男は嫌いだぞ?〙
「生憎と生まれつきなんだ、甘んじて受け入れてくれ」
〘────そんな性格の奴は受け入れたく無い、な!〙
「──っ!? あっぶ、なっ……! いきなりカウンターとかするなよ、さっきまではして来なかっただろ! 唐突な予定変更してくる奴は嫌いだぞ!」
レーザーを躱し、グレイスを振るが難なく避けられる。避けている姿が飴になった〇ジットみたいで若干面白い。
時折フェイントを混ぜたり、不意を突こうと魔法を様々な角度で飛ばすが……むしろ、俺の攻撃を躱されると同時にカウンターのレーザーを複数撃たれ、やむを得ず距離を取る。
俺の攻撃ターンはこれでまた終わりか……!
〘────生憎、生まれつきサプライズ好きでな。受け入れてくれ。……ふむ、それにしても今のを避けるとはな。全て反射なら、貴様の体のスペックは余程高いと見えるな。しかし、あれからずっとターンの奪い合いで、これでは予想通りのイタチごっこだぞ? 人間というのは考える生き物だろう、何か手は打たないのか?〙
この神の言う通り、このままでは状況は変こわらずだ。
あの少し俺がカッコつけた開戦の合図以来、俺とディネアンはずっとこのターンの奪い合いを繰り返していた。
先程のカウンターは、それに飽きてきたディネアンが少し変化球を混ぜてきたという訳だ。
こうして考え事をしている間にも、レーザーは幾本と飛んできている。
ディネアンがどれ程の魔力量があるのかは分からないが、復活しかけとはいえ神だ。無限に等しいだろう。
そう仮定すると、持久勝負には当然持ち込めない。これからはカウンターが頻発される事を考えると、俺のターンの時間もこれから減るだろう。いよいよ無しだ。
火力勝負も勿論考えたが、これも無しだ。"消えろ"と、そのたった一言だけで消される魔法に撃つ意味なぞ無い。
"消えろ"と、そう言う暇も無いほどに攻めて攻めて、それでやっと魔法が撃てるようになるのだ。大魔法は、いくら構築が早くても発動するまでのタイムラグが存在する。必ず消されるだろう。
よって、火力勝負も無し。
今の俺に出来ることは限られている。
その限られている考えうる中で恐らく一番勝率が高いのは……やはり、ディネアンが言っている通り、人間らしく"搦手"だろう。
しかし、この戦闘の中でそれを思い付けるほど俺は頭が良くない。頑張って考えてはいるが、今の所どうにも浮かばない。
いや、正確にはあるにはあるのだが……どれもこれも成功率が低い物ばかり。しかもリターンが見合っていない物ばかりだ。どうしたものか……うごごごご……。
〘────考えろと言った我が言うのもなんだが、あまり其方にリソースを割くと当たるぞ? こんな風にな〙
「は? ──ばっ、しまっ──」
癖のようにまた余所見をしてしまった俺に、ディネアンがレーザーを撃ってくる。
それも、
この神、まだ技を隠し持ってやがった…!
様々な条件が揃った上での完全な不意打ちに、俺の体はギリギリ着いていけなかった。
これは、直撃だけは避けれるが……掠る程度には当たるか……!
「(……ご主人に傷は付けさせない……!)」
「あー、クッソ…………んぇ?」
回避行動を取りつつも当たる事を覚悟していた俺は、大変に間抜けな声を出してしまった。
当たると思っていた物が、『夜界のような結界』と目の前で競り合った後に、対消滅したからだ。
間違いなく、直前に声がしていたグレイスのお陰だろう。
〘────……ほう? 完全に当たったと思ったが……。魔力の出処は……その武器か? 興味深いな〙
「(……ご主人の魔力貰った時、いざって時の為に私の中に幾らか残しておいてた。………魔力貯金、ぶい)」
ウチの子はどこまで優秀なんだ本当にもう!!!
帰ったら何でも言う事聞いちゃう!
「(……ご主人、『なんでも』って……軽率にそういう事言うよね。……やめた方がいいと思う)」
だが断る。
「(……でもそれはそれとして、帰った時に言う事を聞く約束……『なんでも』を付け足してね)」
……まぁこの話は後でって事で。
今はそれどころじゃない奴が目の前に居る訳だしな。
逃げた訳ではないぞ??
〘────その武器、意思があるな? まるで感情があるかの様に魔力が動いている。デートに別の女を連れてくるとは、浮気か?〙
「生憎こっちの子が本命でね、いやぁすまない。お詫びとして楽に殺してやる」
〘────では私が背中を消してやろう〙
「普通刺す所じゃないか?」
〘────神なのでな。刺すというだけでは味気無い〙
「なら仕方ない……のか?」
グレイスが意思を持った武器と言う事もバレたか。
いよいよ決定打を出しづらくなって来た。
……もう、さ。思うんだけども。
グレイスが出した結界……擬似夜界とでも呼ぶか。アレがレーザーと相打ちになったって事は、意外とそこまで頭を使う必要は無いんじゃないか?
アレも俺の魔力で出来た物……だよな?
「(……私がそもそもご主人の魔力で出来てるから、そうだと思う)」
だよな。
……ふーん?
つまり、"俺の魔力が消されなければ良い"という事じゃな?
良い事を思いついた。少しグレイスに悪いような気もするが、コレならすぐ実行出来て、かつ成功率も高いと見た。
〘────また堂々と考え事か? 本当ならまた何か仕掛けてやってもよいが……折角だ。何もしないでやろう。どんな事をしてくれるのか、実に楽しみだな?〙
おぉ、しかもこのタイミングで神が故の油断をしてくれるとは、かなり都合が良い。これで心置きなく実行に移せると言ったものだ。
「(……私に悪いとか考えてたけど、結局何をするの? そこまでは見れなくて分からない……)」
なに、とてもシンプルな話だ。そうでも無いと俺がこんなすぐ思い付ける訳が無い。
まず、このままではディネアンと俺はずっと決着が付かない。
それを解消する為には、お互い何か相手の予想を上回る、もしくは予想の裏をかくような何かをしないといけない。
が、俺にはそんな策は思い付かなかった。──しかし、ここで先程グレイスが見せてくれたレーザーとの対消滅が出てくる。
「(……私の?)」
いぇす。
あのレーザー、神というだけあって恐らく直撃すればタダじゃ済まないのだろう。
しかし、俺の魔力とは……いや、正確に言えば、
『夜界』は、
……そう、
俺が創り上げた魔法は、結構な数に
「(……ご主人、物騒だね)」
誤解しないでくれ、グレイス。ただちょっとこっちの方が楽だったから……。
どうにもこの"黒"という力、消滅の性質と
そういう魔法だけやけに作りやすいのだ。スッと内容が頭に入ってきて、後はそれを魔法陣に描き出すだけ、みたいな。
そして、グレイスが教えてくれたあの神の……ディネアンの祝福。確か、『祝福のついた魔法に当たった人・魔力は
「(……ん、そうだよ。私は魔力そむりえなので)」
それは初めて聞いたが。なんだ魔力ソムリエって。
まぁつまり何が言いたいかって、"黒"の恐らく根幹部分に関わってくる
俺の頭が残念といえど、コレは割と自信のある予想だ。
さて、そんな予想をした俺が思い付く、この戦況を覆す一手。
至極単純、シンプルイズベストな策とは。
『いっぱい消滅の色を濃くした武器を創って、近付いてぶっ飛ばす』。
……ただそれだけである。
あのレーザーに一方的に勝てるレベルの
……な?簡単だろ?
「(……実質、この後の予定がちょっと早まっただけ?)」
そうとも言うかもしれない。
まぁでも、ついでにグレイスの強化もできるかもだが、それは流石に本来の予定通り、ちゃんとこの戦いを終わらせてからゆっくりとするつもりだ。
「(………ん、予定を前倒しにして、今私以外の武器を使うから悪い気もするって言ってたんだ?)」
そういう事です。誠に申し訳ございません。
〘────しばらく考え事が纏まるまで待ってやろうと見ていたら、唐突に自分の武器に頭を下げる、とな。……人間というのは、奇妙な生物なのだな。主従が逆転してしまっているでは無いか。武器を使う側では無く、使われる側に回るとは〙
やかましい!
俺が勝手にやってるだけじゃい!
「(……頭上げて、ご主人。……別に、あんまり気にしてない。──ん、うそ。やっぱり少しは気になる。……言うこと聞く権利三回)」
はい、喜んで!
「(…………なら、いいよ)」
少し間をあけ、グレイスが許可をくれる。
優しいね……ありがとうね……。
「──じゃあグレイスの許可も貰った事だし、いっちょやりますか。グレイスの時以来の『
〘────まだ待つ必要がありそうだな? 神をここまで待たせるとは、我以外の神ならキレてるぞ〙
「……お前、なんでやろうとしてる事はヤバいのにそんなに性格は良いんだよ。世界七不思議だろ」
〘────むしろ、この性格故と言ったところだがな。……考えは纏まったのだろう? これ以上我を待たせるな、暇だ〙
「……本当になんでなんだ……?」
正直自分の復活を阻止しようとしている敵に対してする行動じゃ無いような気もするが……まぁ、その結果都合の良い展開になっているので良しとする。
さて、もう少しだけ待ってくれそうなので速攻で行動しようか。
──用意しますは、俺の心からの純粋な『想い』。それと、どんな武器を創るのかの想像力。後は俺の魔力をありったけ。
発動するのは『武器創造』。……なお、今回の戦闘ではどうせレーザーに消されるからと使われる事は無かったし、これが終わってからも無い。
今回俺が創り出そうとしている武器種。
それは、日本人の心────『刀』だ。
理由は簡単。今回はグレイスと合わせての手数が欲しい。その為大剣は却下。純粋な片手剣もあったが、今の俺でレーザーに勝てる程の
レーザーに勝てる程の大きさがあって、かつ片手で振り回しやすく、ある程度の小回りも効く。そしてなにより重要な『カッコよさ』……。その条件を満たした武器が、俺の今考えつく中では刀となった。これが理由だ。
──さて、理由も話した所で。
用意する物はもう揃えた。込める想いは、グレイスを創った時とは違う。グレイスには、『目標の為にも、もっと強くなりたい』と、そう想っていた。
ならばこの子には、こう想おう。『心に生じた迷い諸共、
……自分に対する、ある種の戒めの様なモノである。
自分が滑稽だと思わない事も無いが……まぁ、そんなの今更だ。
どうせ尽きる事の無い俺の魔力を、『武器創造』が耐える限界値までぶち込んでやり、まず刀を創り出す。
そしたらそこへ、エンチャントの要領で俺の想いを……いや、願いを込めた魔力をまたありったけぶち込む。
込める性質は、勿論
ここまで複雑な付与を出来るようになった自分を心の中で称賛しつつも、俺はグレイスを創り出した時を思い出していた。
成功なら恐らく、付与を始めてしばらくした段階で……ッ!来た!
〘────ほう、これは……貴様、人の身でありながら
俺は成功の証と思っている、あの
あの時より成長して落ち着いているからか、それともそもそも周りが黒く染まっているからなのか……あの時ほど、「眩しい!」と大袈裟な程に感じる事は無いが……しかし、それでも目を瞑ってしまう程には眩しくは感じてしまっている。だからなんで黒い光なのに眩しいんだよと言いたい。
黒い光(?)を気にしないように目を瞑り、依然想いを脳内で思い浮かべながら付与をし続けていると、グレイスの時のように次第に光が収まってきているのが、瞼越しに薄らと感じる。……周りが黒いので、本当に収まってきているか不安だが。
不安を隠せず、ゆっくりとビビりながら瞼を開く。
すると、先程まで無かったはずの
──どうやら、大成功のようで。
安心すると同時に、ホッと溜息を吐き、緊張も一緒に体の外へ出していく。
「────黒斗様の意志、確かに拝領致しました。──僭越ながら、私も黒斗様の武器として、貴方のお側にいる事を許可して頂けますでしょうか?」
「当然。むしろ俺からお願いしたいくらい。どうか側で俺に協力してくださいってね」
「──フフッ、感謝致します。黒斗様」
そう言うと、時間が無い故に今は名付けられないが、刀ちゃんが刀身が真っ黒で、白い紋様が不規則的なようで、しかし規則的に刻まれた武器形態へと姿を変え、俺の手の中に収まる。
あー、好きです。
「(す、好きですか? 突然言うんですね、黒斗様は……)」
「(……なんか、面白くない)」
それを見ていたディネアンが、口も無いのに感嘆のため息を漏らす。
〘────貴様、本当に面白い物ばかり見せてくれるな。我の
「いいか? カッコイイはな、世界を救うんだよ」
〘────フッ、覚えておこう。……さて、もうよいな? 流石の我も待ち疲れた。──面白い物を見せて貰った礼だ。我も本気でかかるとしようぞ〙
「むしろ今まで本気じゃ無かったんだな……やっぱ神は神なのか」
〘────我が至近距離での戦闘でカウンターしかしなかった所から気付くべきだな。まだまだ精進せよ。……まぁ、我が消し飛ばすので精進しようも無いが。それに、順当に行っていればそろそろだろうしな〙
「……? 何がだ?」
俺の質問に、ディネアンが上機嫌そうにフワフワと横八の字に動いて答える。
〘────なに、復活
「それは、つまり────??!! 嘘だろそういう事か? いや、でもどうやってだ?!」
〘────あの部屋に入る前から、徐々に我の気配が大きくなっていた事に貴様は気付いていたハズだろう? アレは貴様にこの空間へと隔離された後も続いていた。──既にあの時点で手遅れだった、そういう事だ。戦いに夢中になっていて、気配の機微を感じ取るのを失念していたか? 所詮、まだ人間という事だな〙
ディネアンがそう言うと、光の玉状態のままで空間内の"圧"が脅威的な速さで増していく。
それと同時に、グニャグニャと光の玉が変形し、人型へと形作っていく。……この状況下でも「ニチアサ女児向けアニメの変身シーンみたい」と思ってしまった自分を呪い殺したい。
〘────貴様へ決定打を与えず、会話を交え意識を逸らす。まさかここまで上手くいくとはな。お陰で復活までの時間を稼げた……感謝するぞ?〙
「……これも戦闘経験の無さが原因って事で」
姿を変えながら、ディネアンは話す。
〘────そして、貴様の戦闘IQの低さも原因だな。まぁ、会話は面白かったぞ? ──それに、最初にも我は言ったはずだ。この形態でも、貴様に勝つには少々苦しい物がある、と。精々勝利の為の努力を惜しむなよ?〙
そう喋りながらも、やがて姿を変え終わり、先程より遥かに強い"神性"を感じる気配を身に纏う、一目で
……やっぱニチアサじゃん……。
そんなクソバカな事を考えている間に、ディネアンは早速とでも言うように大量の魔力の塊を俺へと向けて来ていた。
もう発射三秒前、と言った具合。間もなく俺に向かって飛んでくるだろう。何もしなかったら俺が消えるだけ。
強いボスには、第二形態があるのが当たり前。
そんな事も忘れていたとは、前世含めての平和ボケと言うのは恐ろしい物だ。
行儀良く頭を使うだなんて、結局俺の性には合わないらしい。なんせ、頑張って頭を使っても結局敵の手の平の上で踊ってただけなんだからな。
〘────頭を使おうとするのも良いが、そろそろ……本能のままに命を懸けた本気──
────『迷いを斬る』。殺し合いに迷いなんて要らない。頭を使うくらいなら突っ込め。避けろ。当たらなければ死ぬ事は無い。近付いて斬れ。
前の世界で最黒をクリアした時、俺の一番安定したパーティーは脳筋育成した主人公ちゃんを軸にした編成だったはず。あれと同じ事をするだけだ。
あぁ、全く本当に。自分の馬鹿さ加減にイライラしてくる。しかし、それと同時に────楽しくなりそうだ、と。心の奥で、薄らとそう思っている自分が居るのも確かだった。
刀ちゃんとグレイスを構え、有無を言わさず飛んできた魔力を
【悲報】グレイス、ご主人のはっちゃけ具合に疲労してあまり喋らなくなる。
刀ちゃんは黒髪ロング黒和服、頭にデカリボン、白いハイソックスに身長168cmでお願いします。後の要素は個人個人で想像してください!!!!!!!!(クソデカ大声)
次回はベリーベリー頑張って急ぎ書きますが、お仕事次第で早くなるか遅くなるか決まりそうです。
前書きでも書きましたが、展開が迷走してるのは何とか許してください。もう悪い癖なんです。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!
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