黒夜、後に白日~裏ボス転生者、周りを曇らせながら能天気に戦います~   作:せみふぁいなる

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すぐ(当社比)(大嘘)(それにしても一ヶ月超えはやり過ぎ)

働きすぎなのか、また体調を崩していました……。
私はね、思うんです。こんなに体を壊しやすいのなら、次いつ書けそうか言わない方が良いのではないか……って。


フリーダムなそれぞれ

 

 

「────ご主人様、あの、もう大丈夫です……」

「ん、そっか。──改めて、レイゼさん。……まず、もっと前に言うべきだったと思うけど、その。……それだけ心配してくれていて、ありがとう。そして、すみませんでした」

 

「いえ、私の方こそ──と、言おうと思いましたが……。このままだとお互いに罪の意識がありすぎて、謝罪合戦になりそうですね?」

 

 レイゼさんが先程まで流していた涙を拭い、クスッと笑う。

 

「そうです。ご主人様、次に『せーの』でどっちも同じタイミングで謝罪して、それで終わりにしましょう?」

「……そうしようか」

 

 レイゼさんが簡潔に纏めて終わらせる方法を提案してくれたので、それに乗っかる事にする。

 実際このままだと埒が明かなそうだったし。

 

 

「「せーのっ」」

 

「「すみませんでしたっ!」」

 

 

 互いに頭を下げ、同じタイミングで、同じ謝罪の言葉を口にする。

 

「……ふふっ。ご主人様、これで今回の件は終わりです。後はやる事だけやって、帰路に着くと致しましょう」

「まだまだ説明だのなんだのとやる事はあるからね……。精神的に疲れる……」

 

 ふぅと少しため息を着いた所で、ふと気になる事が出来る。

 

「……そういえば、こうしてレイゼさんと会話している間、周りの人達は何をして……? レイゼさんの泣き顔は見られないように隠しておいたけど、結界を貼り忘れてたから声は聞こえてたはず……」

「……ご主人様、その“私の泣き顔”は忘れませんか?」

「うーん、可愛かったし無理な相談かなぁ……」

 

「……今後新しい方が来たら、『ご主人様に“二回も”泣かされた』とお伝えしたいと思います」

「すぐ忘れますはいもう忘れましたごめんなさいだからやめて下さい本当に」

 

 これ以上カッコ悪い所は見せとうない!

 

 ……いかん、話が逸れた。

 

「んんッ、それで結局、周りの人達は俺達の会話を聞いてたのか……?」

 

 咳払いで誤魔化しキョロキョロと周りを見渡すと、各々が仲のいい人と喋っているのが見えた。

 ……少しマナー違反だとは思うけど、会話内容が気になるので聞き耳を立ててみる。

 

 

 

 

「恩返しの為にメイドなんて受けちゃったけど、私達今の所何も出来てないのよね……。……いえ、弱気になっちゃダメよ。まだ全然時間も経ってないんだし。これからよ、これから!」

「……お、お姉ちゃん、もうあんまり拒否感無いんだね……?」

 

「────誰がチョロいですって?!」

「い、言ってないよ?! お姉ちゃん?!」

 

 

「黒斗さん、見る度に強くなってる気がするんだよね。毎回羽の枚数も違うし、どういう事なの……? う〜、私も負けてられないなぁ……。もっと強くなったら、ゼクスも意思を持ったりするのかな? 制御出来なくて暴走〜、とか無いよね?」

「……そうなったら、私だけじゃめいちゃんを止められない気がして憂鬱ね……」

「大丈夫! その時はメッ! ってして止めるから!」

「……暴走してる時点で出来なさそうじゃない? 制御が効いてないって事なんだし」

「え? 意思を持ってるって事は会話出来るって事なんだから出来るよね?」

 

「──え?」

「──え?」

 

 

 

「………………(俺ァ何時までこのままでいりゃいいんだ? 身体が痛ェんだが……)」

「………………(ディネアン様の気配が……しかし、神たるお方のディネアン様が負けるはずが……)」

 

 

 

 …………どうやら先程までの会話の最中、口を挟む雰囲気じゃなくなって暇を持て余した人達は各々好きな話を自由にしていたらしい。

 

 尚、明華ちゃんのゼクスが意思を持ち始めた場合、能力と俺の魔力との相性を鑑みて、仮に暴走した際には俺も止めるのは苦労するだろう……とは言っておく。

 

 一方、そんな自由すぎる話をしていた人達とは別に、ストーカー君──あいや、今冷静に考えてみたら違うか──“(元)”ストーカー君と教祖ジジイは諦めたのか、黙ってプラーンと吊り下がっている。警戒しておいたのは間違いだったのかと思うレベルで本当に何もしなかったな、この人ら。

 いや、(元)ストーカー君は性格が結構サッパリと言うか、なんかな性格っぽいし、前回の時点で既に諦めてそうか。

 

 

「……そもそも私がそんなにチョロかったら、今まであんな生活で生きて来れなかったと思うのよ。つまり私はチョロくないって事に──あ、話は終わった?」

 

 クドクドと“いかに自分がチョロくないのか”と話していた夏希ちゃんが、話を終えた俺とレイゼさんに気付く。

 夏希ちゃんはチョロいって感じじゃなくて、多分前の生活よりも幾らかは安心出来るようになったから、心が緩んでるんじゃないだろうか。

 俺はそれでいいと思うし、寧ろそうでないと俺が安心出来ないけど。

 

「……ん、無事和解。世話の焼けるご主人」

「それについては誠に申し訳ないと日々思っている所存でして……」

 

 今まで気を使ってくれて黙ったままだったのに、唐突に毒吐いて来たよこの子。

 それもまた可愛い。

 

「(……ん、あの明華って子にも何時も同じ事思ってるくせに)」

「俺が平常心を保つ為に、余り思わないようにして口にもしていなかった事をなんか知られてる?!」

「(黒斗様が生み出した子は全部分かるんですよ〜)」

 

 つまり刀ちゃんにも大体伝わってしまっているという事に……?

 

「(……その、はい)」

 

 オーマイガッ!!

 

 

「わっ?! く、黒斗さん? どうしていきなり崩れ落ちて……? あっ、そっか?! そうですよね、戦った後で疲れてるのに、ずっとここで立ったままなのも辛いですよね!」

 

 明華ちゃんがワタワタと心配してくれる。

 優しさが染みるけど、今俺が倒れ込んでるのはそんな理由じゃなくて……。もっとくだらない理由でェ……。

 ただ恥ずかしさの余り倒れ込んでいるだけでェ……。

 

「……メイドならここで介抱するべきよね?」

「は、初仕事、かな?」

「……気合入れるわよ! ……もう捨てられたく無いし……

 

 ……俺の安易な倒れ込みでこうなったのは謝るから、取り敢えず事の顛末とか色々と説明させてくれません??

 

──────────

 

 

 

「────えーっと、つまり黒斗さんは……」

「心配かけたくないからって、レイゼさんにしか伝えずにその『神』とやらを倒しに行って……? ……この時点でバカね

「け、結果的に勝ちはしたけど、結局心配は掛けちゃってて……」

「で、心配させちゃったレイゼさんが私達以外にも声を掛けて、最終的にこの大集合ってワケね……バカね

 

 ズバッと言ってくる二人の言葉が刺さるっ!

 

「っていう事は何よ、その『神』ってヤツと戦ってたからそんなデカイのが背中に生えてるワケ?! 行く前と見た目変わりすぎよ! あとアンタ気付いてないかもだけど、所々血が出てたり服が削れてたりしてるわよ! どちらにせよ気付いてるわよバーカバーカバカ主人!」

 

「お、お姉ちゃん落ち着いて……」

 

「……やっぱりあの子、私と気が合う様な気がするわね……言いたい事全部言ってくれたし」

 

 実際二人は仲良く出来そうである。

 えっ、ていうか血出てる?本当に?

 

「……ん、ほんと。ご主人、気付いてなかったの?」

 

 き、気付かなかった……。

 避けるのに余裕ない時があったから、ソコかなぁ……。

 

私達を拾った責任を取らせる前に死なれたら、たまったもんじゃないんだから……

「……や、やっぱりお姉ちゃんって……」

「チョロくないったら!」

「ひゃあ?!」

 

 姉妹が仲良さげに会話をしているのを横目に、他の言いたい事がありそうな人の話も聞く事に。

 

「その……黒斗さんって、私が思ってる以上に凄かったんですね……?」

バカには変わりないわよ、めいちゃん」

「なんかふうちゃんの口が悪い! ……んんっ、ふうちゃんの口の悪さは後で矯正するとして、です! 凄い力を持ってるのは分かりましたが、だからって他の人に協力を仰がないのは逆に無責任だと思います!」

「今回ばかりは相手が相手だったから、どうしても巻き込みたくなくて……」

「じゃあどうしてグレイスちゃんは一緒なんです?」

「ヴッ」

 

 一瞬で痛い所を突かれた。

 そりゃあまぁ、グレイスも出来れば巻き込みたくなかったのはそうなんだけどな……。

 

「……ご主人、私には頼ってくれた。武器としてはすごく嬉しい」

 

 ……ええ、そうです。

 グレイスがいないと俺の今の実力じゃあ無理かなって、そう思ったから家を出る時に連れてきたんですぅ!

 なんだ、文句でもあるかこんにゃろー!

 

「……文句は大アリですけど……まぁ、よく考えてみると私達じゃ無理やり着いて行ったとしても、悪く言ってしまえば足手まといでしたでしょうし……開き直った事以外は仕方無かったと言うことで、不問にします」

「あっはい……ありがとうございます……」

「そんな急激に落ち着くのね……中にスイッチでもあるのか疑いたくなるわね、アンタ……」

 

 明華ちゃんと風花ちゃんのジト目が俺に刺さる。

 推しからのジト目は大変気持ち良くございます。ありがとうございます。

 

「……なんか少し悪寒がした気がする」

「奇遇ねめいちゃん、私もなのよ」

 

 「こわーい」と二人で抱き合う明華ちゃんと風花ちゃん。

 ……ヨキカナ……

 

 頑張った甲斐あったぁ〜……

 

 …あっ、スグに離れちゃった……

 もう少し見たかった気もするが、まぁ仕方ないだろう。

 

「気を取り直して、次の質問です。ぶっちゃけあのメイドの子達も気になってると思います。……あの二人は誰です?」

 

 明華ちゃんが指を指したのは、プラーンと包帯に巻かれて吊るされている、ほぼ物言わぬ物体となった二人組。

 (元)ストーカー君と教祖である。

 

 安心して欲しい、二人とも魔力は流れているのでちゃんとご存命である。

 どう説明した物かと頭を捻るが、余り良い言葉が出てこない。こう、簡潔に纏められるいい言葉が欲しい。

 何故なら、細かく説明すると長くなって面倒臭いから。

 

「……ん。ご主人、なうろーでぃんぐ……。ちょっと待ってあげて……?」

 

 グレイスからの支援が入る程には、俺は今迷っている。

 んー、あー、んー??

 ……いや、こうでは無いし……。

 

 

 

 …………あっ!

 良い言葉をやっと発見したぞ!

 そう!コイツらはズバリ……!

 

 

 

「敵宗教の勢力です」(言葉足らず)

 

 

 

「「「「?!?!?!」」」」

 

「……ご主人……」

 

 俺の言葉を聞いて、武器組以外の各々が速攻戦闘の準備に入る。

 ……あっ、これやっちゃった?

 

 

「あーちょちょちょ、待って待って! 言葉足らずだった! そっちの片方の簀巻きになってる方は多分もう大丈夫だから! やるならアッチを!」

 

 そう言って教祖の包帯の方に指を指す。

 ふぅ、これで万事OK。

 

 

 

 

〘────ほう、我の部下をリンチしようと? ……いや、もう我の部下では無いのか? なんにせよ、万事OKでは無い事は確かだろう?〙

 

 

 ……へっ?

 ん?幻聴か?

 

 

〘────幻聴では無いぞ、安心するがいい〙

 

 

 ……いやいやいや、普通アレで終わりじゃん。

 確かにラストにしては呆気無い終わりだったけどさ、それでもあそこで終了の雰囲気だったじゃん。

 

〘────ああ、確かに終わったな。我という“神”は〙

 

 ……じゃあ、なんで生きてる……?

 

 ──“ディネアン”

 

〘────ふむ、これを“生きている”と言えるかは些か疑問の余地があるがな〙

 

 

 はい?

 さっきから何を言ってんだこの神は……

 

 ……そういえば、あれ?

 なんで周りの人は“教祖に武器を構えたままで、この神の事は警戒していない”んだ?

 

 この声は俺にしか聞こえてない、のか?

 

「……ん、ご主人。……何が起こってるの?」

「少し予想外ですね……。私、生まれてからまだ全然経ってないのに、人生経験がかなり豊富な方なのでは無いですか?」

 

 武器組には聞こえている……?

 何故?様々な疑問が頭を埋め尽くす。

 

 何故、神は……ディネアンであろう“声”は攻撃してこない?

 何故、武器組と俺にだけ声が聞こえている?

 何故、あの時結界の中から存在は完全に無くなっていたハズなのに、こうして声を掛けてこれている?

 

 

〘────まぁ待つがよい。私の予想を話してやろう。その為にも、まずはあの者共を落ち着かせるのが先だろう。貴様の失言からああなってしまったのだからな?〙

 

 

 

 …………どうやら、神関係の面倒事はまだ少し続きそうだ。

 

 神って全員こんなしつこいモノなのか?

 神様はそんなにしつこくなかったし、コイツだけか?

 

 あ〜、胃が壊れそうだ……。

 

 

 

 




なんか神様とか上位存在って、結構しつこく生きてるイメージがあるんですよね。
あ、ちゃんと気まぐれとかじゃなくて元々決めてたので安心してください。じゃないと流石に、この神様のラストがアレなのは浮かばれませんし。

ここまで見て下さり、誠にありがとうございます!よろしければ是非、感想・評価・お気に入り登録をよろしくお願いします!作者の励みになります!
……お恥ずかしい話、一日一回はお気に入りが増えたりしてないか確認したりしてます。へへ。
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