黒夜、後に白日~裏ボス転生者、周りを曇らせながら能天気に戦います~   作:せみふぁいなる

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明けましておめでとうございます!
どうか今年も拙作をよろしくお願いします……!


同居人(実体は無い)が増える……ってコト?!

 

 

 

 あの後、さっきまで殺し合ってた相手がご丁寧に説明してくれると言うので、胃が壊れそうになりながらもなんとか皆を落ち着かせる事に。

 そこそこ時間は掛かったが、しかしなんとか成し遂げる事には成功した。代償として武器っ娘以外からのジト目を頂いたが。

 

 

 俺はこれから“いきなり独り言をブツブツと喋りまくる危ない人”となるので、武器組以外の人達とは距離を取っている。

 ウチの子達はディネアンの声が聞こえているのでこっち側だ。

 え?情緒不安定で危ない人なのは元から?それはそうだ、返す言葉も無い。

 

 

〘────ふむ、ようやくか〙

「あ〜はいはい、お待たせして申し訳ございません……って言っとけば良い?」

〘────……まぁ、()いだろう〙

「……ご主人、嫌いな相手には目に見えて態度悪いね」

「相手は世界滅亡級だったのですし、仕方無いのでは?」

「……ん。別に、だから悪いって言ってる訳じゃないからね」

 

 目線を逸らしつつ、そう言ってくれるグレイス。

 優しいなぁ……。

 

 相手によってこうなるのはもう前世からの癖だ。ちょっと直そうと頑張った時期もあったけど、どう足掻いても直る気配が無さそうなのでスグにやめた記憶がある。

 

 

「で、早速だけど。何故お前はまだ生きてる?」

〘────そう急くな。落ち着いて話をする為に他の者を鎮めたのだぞ。まぁ貴様が胃を犠牲にしただけで、我は特段何もしておらんがな〙

 

 ディネアンに呆れ混じりの溜息を吐かれつつそう言われる。

 少しイラッときたが、いちいち突っかかってたら話が進まないので我慢。

 

「そうだけど、流石に緊急事態すぎてな。お前が手を出して来ない理由も含めて早急に知りたいんだよ」

「……ん、まぁ概ね同感」

「同じくです」

 

 取り敢えず早く知りたい。疑問が多すぎる。

 …敵同士なのだから、当然疑いつつではあるが。

 

〘────まぁ良いだろう。今の私には嘘をつく理由も無ければ、反抗する理由も無い訳だしな〙

 

 またまた溜息をつかれる。

 やはり腹立つ。

 

 

〘────遠回しな話は好かんのでな、結論から言おう。……どうやら、無の神“だった”存在である私、ディネアンは──黒斗、貴様の“黒”に吸収されてしまったらしい〙

 

 

 …………はい?

 

 

〘────また、それに伴って貴様の“黒”の力が増幅した。良かったな? 全人類が渇望しているであろう“神”の領域へと、貴様は無事に足を踏み入れたという事だ〙

 

 

 ………………はい?

 

 

〘────我との戦いでそこそこ消耗したはずの貴様が、何故肉体的な疲れを余り感じていないか。簡単だ、我を吸収した事で使った分のエネルギーが凡そ回復したからだ〙

 

 

 ………………ぱ、ぱーどぅん?

 

 

〘────……はぁ、これだから人間と言うのは……。そんなに言って欲しくば、もう一度貴様の脳へと情報を“簡潔に”送り込んでやろう。感謝するがいい〙

 

 顔は見えないが、言動から既に見下しているので恐らく表情も上からになっている事だろう。ウザイ。“簡潔に”と強調して来るのが尚ウザイ。

 

 またまたまた溜息をつかれつつも、ディネアンは理解したくない俺の耳──いや、頭に直接語る。

 

 

〘────神である私は消え、貴様の内へと吸収された。しかしこうして意識は残っている。やれる事は喋ること以外無いがな。よって、神でもなくなり使命が無くなった事で暇になった我は、貴様で暇を潰してやろうと以上だ。──よく分かっただろう?〙

 

 

「……グレイス、刀ちゃん」

 

「………………ん、何? ご主人」

「………………黒斗様、その……なんと言いますか……ち、力が増えて良かったですね?」

 

 

「──今すぐ“コレ”を追い出す方法知らない?」

「「……私が聞きたい(です)」」

 

 

──────────

 

 

 ……更に詳しく聞いた所、つまりはこういう事らしい。

 

 

 最後にお互いの技が衝突

 ↓

 その際、“黒”と“無”が競合を起こしたのか、未知の力が発生。ぶつかり合いの敗者であるディネアンの元へと力が全て押し付けられる

 ↓

 未知の力による物か、それとも“黒”のせいなのか、はたまたその両方の性質なのか、意識が戻った際に“黒”に吸収されている事に気付く

 ↓

 自分の力も体も全てが吸収されているが意識はあるので、暇になったディネアンは俺の記憶を見つつ喋って暇を潰そうと、そういうことらしい。

 傍迷惑すぎる。

 

 ……あと、そうはならんやろ。

 

 

〘────なっとるやろがい、と返せばよいのか?〙

「うるさい! なんだ、それも俺の記憶で読んだのか?! それを返されるってそういう事か?!」

〘────暇であるが故つい、な〙

 

 この“黒”の関係者になったら俺の記憶見れるバグどうにかしませんか??

 

〘────残念ながらバグでは無い。諦めるがいい、人間よ〙

 

 

 イラッ。

 

 

「──よし、教祖を吹き飛ばそうと思う。グレイス、刀ちゃん。異論は?」

「……ん、別にいいと思う。ご主人に危害が無ければ何でもいい」

「私も特段何も無いですね。すぐにでもやってしまいましょう!」

「オッケー。じゃあ善は急げって事で……」

 

〘────待て人間共、早まるな。あの老いぼれは我の神生の中でもそこそこな出来の奴だったのだ、せめて命は待ってやれぬか?〙

 

 じゃあ早速、と皆の元へ行こうと足を出した所で、ディネアンから焦り声でストップがかかる。

 やっぱ神って結構感情豊かだよね。神話とかでもあんま人間と変わらないらしいし、そんな物なのか。

 ……それはそれとして吹き飛ばすが。

 

 

〘────待てと言っているだろう、我の言葉が聞こえぬのか?〙

「……人間には感情という物があってだな? つまりはそういう事だ」

〘────つまりどういう事だ? ……いや、()い。分かった。気に食わぬ事があるならば謝罪してやろう、それでどうだ?〙

「なんでこの期に及んでまだ上からなんだ……。その態度でいる限りは考えは変わらないぞ」

 

 俺の中に入り込んだのは、まぁわざとじゃ無いから仕方ないにしてもさぁ……。

 “人間”だの“貴様”だのと呼ばれて、しかもウザ絡みして来るし、そもそもついさっきまで戦ってた相手だし……。“元”敵、として考えても、そんな簡単には優しくなれんよ……。

 俺の器がもっと漫画の主人公並にデカかったら許せたかもだが……。

 

 

「……はぁ、まあいいや。無理矢理直させるのも難しいだろうし、そもそも俺の気が進まない。……ちなみに、“黒”に吸収されたって事は、俺の内から出れたりは……」

〘────それは無いだろう。貴様に気付かれる前に我も試してみていたが、どう足掻いても不可能だった。……仮に出られたとして、既に我に力は無いのだから意味が無いとスグに諦めたが〙

 

 あ、ですよねー。

 じゃあなんだ。つまり俺はこれから、この元神と一緒に過ごす事になってしまったと言う事か。

 

 ……罰ゲーム?

 

〘────罰ゲームとは、我も傷付くのだぞ〙

「戦ってる最中は上位存在としてすっごい煽り返して来てたのに?」

「……ご主人もノリノリで話してなかった?」

「……そういえばそうだった……。いやほら、自分の考えた魔法とか使えてテンションが上がってたからさ……」

「黒斗様って良くも悪くも子供っぽさが抜けてないですね〜」

 

 うるさいやい!

 こちとら前世では成人もしてなかったんだぞ!

 

 

〘────ああそうだ、貴様の前世で思い出した。貴様に一つ聞きたい事があるのだが……〙

「俺の前世で聞きたい事があるって時点で嫌な予感しかしないけど……なんだ?」

 

 

 

 

〘────貴様、何故“あんな経験”をしておいて、人間を憎まずいられるんだ? 不信になったっておかしくは無かろう?〙

 

 

 

 

「……あー、うん。そんな事だろうと思った。……答えないとダメ?」

〘我が見られるのは貴様の記憶だけだ。当時の心境、それと“深層意識”までは覗けぬ。ソコの武器共も同じだろう。──これから貴様の中で暮らすことになるのだ、教えてくれたって構わぬだろう?〙

 

 

 言うか迷っている所に、グレイスと刀ちゃんがクイクイと袖を引っ張ってくる。

 なんだ?

 

「……その、ご主人。私も聞きたい」

「私も、黒斗様のお話聞きたいです」

 

「「ダメ……(でしょうか)?」」

 

 

 こっ……これはっ……勝てない……?!?!

 

 

「グッ……! ……わ、分かった。分かったから、その上目遣いをやめっ……!」

 

 このままじゃ、光の波動で消えるっ……!

 

 

 

 

「……ぜぇ……ぜぇ……。……はぁ、よし。整った……。あんま面白い話じゃないけど、そこまで聞きたいなら話すよ……」

 

 

「あれは前世での、まだ物心が付いたばかりの話だ────」

 

 




明けちゃいましたね〜、年というヤツが。
大分早く感じます。

どうか今年一年も、お身体にお気をつけてお過ごし下さい!

あ、今回はあくまで繋ぎ回です。
次回、黒斗君の過去話となります。

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