ツンツン頭さんを守護りたいスレ【滞空回線は糞】 作:原石うじゃうじゃ
「面倒臭いね」
約六百メートルは離れた場所にある雑居ビル。
その屋上で、ステイルは双眼鏡から目を離した。
「戦力って意味ならそれ程じゃない。見た感じだと、屋敷自体は何の変哲もない、正に『学園都市にある家』といった感じだ。あんな和風な形だけどね」
「
「元気いっぱいだね。『歩く教会』が既に破壊されていたのもあって、てっきりそれなりの傷を負ってたとは思ってたが…」
「…」
ステイルは、すぐ後ろに立つ女の方を振り返らずに、続ける。
彼の脳裏に浮かび上がったのは、青髪の少女であり。
「なるほど、あの女が庇ったのか」
「はい。彼女の容態は?」
「同じく元気いっぱい、既に治療は完了していると見た方がいいだろう」
振り向くと同時に、ステイルは渡された紙の束、それに印刷された写真を眺めた。
その中には、双眼鏡越しに眺めたあの屋敷に、現在いる人間の情報がまとめられている。
一枚一枚、そこに記されている情報を誤りなく、頭に入れていく。
「肉体系の超能力、もしくは再生系の魔術か。…と思ってたが、まさか答えは『
「記録によると、彼女は自身の異能を『呪術』と称していたらしく…」
「おいおい。魔から身を守るためとか、占いするためでもなく人を治す力が呪術だって?随分と陰陽道は優しくなったものだね」
それに。
「仮にあの力が陰陽道由来のものじゃないとしてもだ、神道だってそれこそ、あんな便利なものじゃないだろう?ただ触れて、力を注いで治してハイ終わりだって?笑えないね」
そう言ってステイルは、渡された紙に記されている人間の情報を次々と確認していく。
そして、頭に入れる情報が増えていく度に、それと比例してステイルの眉が顰められ。
呆れたように言った。
「こいつも『原石』、これも『原石』…」
「……」
「こっちはレベル0…だがこれも、こいつも『原石』??…ちょっと待ってくれ、いくらなんでも多すぎるだろう?」
「私も、誤りかと思い何度も確認しました。ですが……」
ぱっと見ただけでも、稗田阿求に仕えている『原石』は二十人を遥かに超える。
しかもこれはあくまでも、『稗田阿求に仕えている』人間なのだ。他の学区、そして他に所属している『原石』を含めた場合、一体何人になるのか?
その規模は、今と比べて一回りも、二回りも大きくなると予想でき、ステイルは思わず呟く。
「………
学園都市の開発によって、能力が発現した学生を人工ダイヤと称するならば、生まれつき異能を携えた者は天然のダイヤモンド。
正に文字通りの『原石』。滅多にお目にかかることのない、希少な存在である筈のそれが、こうして見るだけでも、両手の指でも数え切れない程存在する。
かつて彼らに憧れを抱き、追い付こうと極めた『技術』こそが『魔術』…そのルーツを他の誰よりも知る身として、ステイルは呆れた。
遥か昔に、彼ら『原石』に恋焦がれたであろう先祖たちは、一体何を思っているのだろうか……
「インデックスを連れた
「一瞬とはいえ、あなたを出し抜いた青髪の少女も気になります。ただ…」
「…?」
どこか気まずそうな雰囲気を醸し出し、神裂は。
「ほ、方法は…その」
「言うな」
忌々しい記憶を脳の奥底に閉じ込め、ステイルは口に咥えて取り出した煙草の先を、睨んだだけで火をつける。
そうしてもう一度、「面倒臭い」と言って。
先ほどまでの緩んだ空気を、一蹴して言葉を続ける。
「……防犯カメラに赤外線センサー、それに警備員という純粋なマンパワー…正に科学ならではの守りって感じだ。下手に攻めれば人目は避けられないだろうね、休みで人のいない学寮のそれとは訳が違う」
「魔術要素はないと見るべきでしょうか?」
「聞きかじっただけのお粗末な結界術なら、簡単に攻略できて楽だったんだがね」
三度、面倒臭いと最初に付け加え。
「生憎機械の対処は専門外。…悔しいが、今は様子見に徹するしかないね」
「……………………」
ステイルはじっと、双眼鏡を使わずにじっと、六百メートル先に視線を向ける。
たとえ魔術師であろうとも、『聖人』でもないステイル自身の肉体は、そう分かりやすく常識を超えたスペックを持っている訳ではない。
豆粒以下に過ぎない、たった一つの曖昧な光。それは先ほどまで、双眼鏡でようやく確認できた阿求家が放つものであり。
「楽しそうだったよ」
不意に、神裂に視線を向けることなくそう言う。
ステイルの脳内には、双眼鏡越しに先ほど確認した、インデックスの姿が脳裏に強く焼き付いていた。
笑っていた。
自分と同じ、下手をすればそれ以上に特異な、魑魅魍魎とも言える強い個性を持った人間たちに囲まれて。
それはもう、楽しそうに――
「あの子はいつも楽しそうだ。だけどその中でも…あんなに嬉しそうに、笑って涙を出しているところは何回あったかな」
「……」
「『動く魔法図書館』、『完全記憶能力』…不思議なものだ、彼女に過酷な運命を強いていたこれら肩書が、あの色物たちの間に交じるとただの『個性』になっている」
「…複雑な気持ちですか?
「……、」
炎の魔術師は答える。
「――少し、ね」
神裂はそれに答えることなく、静かにステイルの後ろに立つ。
重い液体を吐き出すような、ステイルの発した明確な言葉はそれが最後で。
そこからはじっと、双眼鏡越しにインデックスを観察して、十数分。
神裂が次に聞いたのは、ステイルの呆けた声。
「……なんだって?」
――この時、上条当麻とインデックスは、阿求家から
1080:名無しの転生者
飯テロの時間じゃぁあああああ
1081:名無しの転生者
インデックスの動きが見えん
この子本当に魔力練れないんだよね??
1082:名無しの転生者
ペンデックスのエネルギー補填に全ブッパしてるのでハイ
1083:名無しの転生者
つまり素の動きか……
1084:名無しの転生者
食べるスピードがヤバい…息を吸うように食ってやがる
いや一番は…
1085:名無しの転生者
咀嚼してる?大丈夫?
普通口に詰め込んだら噛む為に腕は止まるくない?
1086:名無しの転生者
>>1085
口に食べ物を運ぶと同時に咀嚼、そして飲み込みと息継ぎを同時にやってるんだぞ
1087:名無しの転生者
わけがわからないよ
1088:管理人
「インデックスさん?ちゃんと息しないと危ないですよ??」
「咀嚼と同時に呼吸も行ってるから問題ないんだよ!」
「そ、そうですか…」
1089:名無しの転生者
大丈夫みたいですね
1090:名無しの転生者
ほな大丈夫かぁ…
1091:名無しの転生者
そっかぁ…()
1092:名無しの転生者
(絶え間なく食べ続けるインデックス)
(無くなり次第料理を出し続ける裏梅)
1093:名無しの転生者
わんこそば食ってんじゃねぇぞ
1094:名無しの転生者
飲み物みたいに白米かっさらってんじゃねぇよ
1095:名無しの転生者
上条さんは…
うん…めっちゃ疲れてるな……どこかの誰かのせいで
1096:名無しの転生者
たんとお食べ
1097:名無しの転生者
疲れてるのは表情だけで食べる動作は全部高速なんだよなぁ
1098:名無しの転生者
草
1099:名無しの転生者
人間は食欲に抗えないからな
1100:名無しの転生者
インデックスの食欲が止まることを知らないんですけど
1101:名無しの転生者
このままノンストップで最後まで行くんじゃね?
1102:堕堕堕堕神器
追加分の料理持ってきたでぇ(ノッシノッシ
1103:名無しの転生者
インデックス噴いたーっ!?
1104:名無しの転生者
上条さんむせたー!!
1105:管理人
「フォォォォォォォォォ」
「おい、この小娘の食べる速度が想像より速いぞ、どうする」
「フォォォォォォ、フッフォォオオ…」
「分かった、魚類は冷蔵庫の下から三番目の段の奥だ、まだ鮭が残ってた筈だぞ」
「フォフォフォォオオオ」
「「何で言葉が分かるんだ(よ)!?」」
平然と会話を交わすイルオーマさんと裏梅さんに草を禁じ得ない
1106:名無しの転生者
うーんカオス
1107:名無しの転生者
お前フォォオオ以外喋れねぇのかよ!
1108:名無しの転生者
まぁ神器だしなぁ…声帯とかないし仕方な
いや、神器ってそういうもんだっけ…
1109:名無しの転生者
あ、イルオーマが上条さんの隣に座った
1110:堕堕堕堕神器
「フォフ、フォォオオオ!」
「……………………」
よろしく、上条さん!(訳)
すっげぇ!主人公が目の前にいる!かっこえぇ…!
1111:名無しの転生者
フリーズしてる…
1112:名無しの転生者
上条さんめっちゃ困惑してて草
1113:名無しの転生者
絵面だけなら完全にホラーなんだよなぁ
1114:名無しの転生者
ゼルダの伝説のボスキャラってそういうとこあるから
1115:名無しの転生者
絵面と鳴き声に反して心の声が可愛い
1116:氷の解体人
おい、何勝手に座ってる?狭いぞ離れろバカ
1117:堕堕堕堕神器
いたい…
1118:名無しの転生者
裏梅さん容赦なく蹴りぶち込んでて草なんですわ
1119:名無しの転生者
心なしかイルオーマの顔が外国の泣き顔スタンプみたいな形に…
1120:氷の解体人
さっさと離れろバカ
1121:堕堕堕堕神器
いたい……
1122:名無しの転生者
まだ蹴ってる…
1123:名無しの転生者
こいつ宿儺よりよっぽど宿儺してない??
1124:名無しの転生者
原作未履修でもスレの流れ的にこの後のイベントは何となく察してそうなもんだが
それでも死んだらその時はその時で開き直ってる人間やぞ
その上で今を楽しく生きるって前に言ってたし
1125:名無しの転生者
転生経験してるとはいえ人生目標がガンギマリ過ぎる
1126:名無しの転生者
こいつ宿儺よりよっぽど宿儺してない???
1127:死海文書
皆で食事はやはり楽しいものですね
1128:名無しの転生者
出たわね、今ある意味一番活躍してるあっきゅん
1129:名無しの転生者
材料費全部負担するってマジすか?
1130:死海文書
私めっちゃ金ありますよ?
1131:名無しの転生者
へぇ…
1132:名無しの転生者
まぁそらそうか、稗田家だし
1133:名無しの転生者
上条さんのとこの学校って常盤台と比べても給料あんま出なさそうだし、必然的に阿求自身の稼ぎになるしな
1134:名無しの転生者
当然だろって言葉しかない
1135:名無しの転生者
新鮮味ないよな、本でも出して稼いでるタイプ?
1136:死海文書
FXですけど
1137:名無しの転生者
考え直せ馬鹿!!!!!!
1138:名無しの転生者
見事に予想を裏切りましたねコイツ…
1139:名無しの転生者
お見事です阿求ボー
やはりあなたは素晴らしい転生者だ
1140:名無しの転生者
嘘つけっさっきまで新鮮味ないとかつまんなそうな反応だったやんけっ
1141:名無しの転生者
もっと他に方法あったろ!?FX戦士くるみちゃんみたいになるぞ!?
1142:名無しの転生者
あれは悪例を超えた悪例だから…
1143:死海文書
「それでは、腹も膨れたでしょうし…」
ここからが本題です
1144:名無しの転生者
当たり前のように話題ぶった切ってんじゃねぇよ!!
…はぁ、いよいよか
1145:名無しの転生者
確か阿求先生は上条さんたちを別の場所に移動させるって言ってたよな
1146:名無しの転生者
ペンデックスの処理…というより一番の問題はあの『羽』か
1147:名無しの転生者
屋外の開けた場所がいいんだろうが…いや、この辺は後で考えるべきか
1148:名無しの転生者
でもどうやって移動させるんや?まさかタクシーに乗せるってわけじゃないやろ
1149:髭ダルマ
フフフ…甘いぞ皆の衆
1150:名無しの転生者
ショタジジイじゃん、元気?
1151:髭ダルマ
>>1150
黙れ
…とにかく、ワシらが幻想殺しに触れていたのは、ある目的があったわけで
1152:名無しの転生者
へぇ、自分の手で触れたいって理由以外でちゃんとあったんだ?
1153:髭ダルマ
いや触ってた時普通に興奮した
1154:名無しの転生者
キッショ(パカッ
1155:名無しの転生者
こいつはこういう奴だよ…
んで?
1156:週末博士
完結に説明すると、上条くんが『蔵』を通れるかどうかの検証です
1157:名無しの転生者
あー、そういや蔵ならそこからの移動も簡単か
…でも無理やん
1158:名無しの転生者
テレポーターとかいい例だろ、『上条当麻』全体を対象にした異能は全部消されるやんけ
1159:名無しの転生者
それともあれか?右腕消し飛ばしてから蔵空間に入れんのか?
その後回復
1160:名無しの転生者
>>1159
原作何百段飛ばしで別条さんが生まれるだろうが!!却下!!
1161:名無しの転生者
で?結局答えは何なんすか?
1162:髭ダルマ
いいや?もう答えは出てるけど?
1163:名無しの転生者
…えっまさか
1164:市場男
その通り、俺の『蔵』を使って、上条一行をこちらに
1165:名無しの転生者
出たなチート蔵
1166:名無しの転生者
いやいやいや、無理だろ?上条さんの右手あるじゃん
1167:名無しの転生者
それともあれか?蔵なら『幻想殺し』貫通できるとか?
1168:市場男
そんな美味い話がある筈ないだろ?
普通に『蔵』は『幻想殺し』に効かないし、上条当麻の転送なんて絶対無理
1169:名無しの転生者
じゃあどうすんだよ
1170:名無しの転生者
蔵が効かないのに蔵で送りますは意味わかんなくない?
1171:市場男
いやだから今言ったろ
上条一行をこちらに
1172:名無しの転生者
……はい?
最初に異変が訪れたのは、庭園の方からであった。
…それまでに、上条は己の目が捉えた、いくつもの信じられない光景はあったが、それはまた別の話。
「腹が減っては戦はできぬ」という、己の副担任の言葉に甘え、普段の不幸に塗れた生活からは考えられない程、胃に食べ物を詰め込んだ時。
インデックスは既に、成人男性の平均食事量の、軽く十倍の量は食べており、現在はリラックスしている猫の如く、地面に伸びて恍惚としていた。
『異能』の絡む違和感。
上条が庭園のそれに気づけたのは、普段のよく降ってくる不幸の、踏んできた場数があってこそだろう。
違和感。
「……?」
だが、上条はそれに危機感を覚えることはない。
断言できるが、この屋敷は上条の知る限り、一番安全と断言できる程には戦力が充実している。
もしもここにカチコミをかけようものなら、門番の双子によって軽く揉まれてそれで終わり。
仮に空間系の能力者が、屋敷内のどこかにテレポートでもしようものなら、すぐに警報が鳴り響き、ヤモト・コキ率いる『忍軍団』によって、見るに堪えない結末を迎えるだろう。
第七学区の、これといった特色のないとある高校に所属している教師が、何故ここまでのセキュリティで守られているのか…といった疑惑はあるが。
とにかく、上条は広間で美食の余韻に浸りながら、視線の先で発生している『何か』を、呆然として見ていた。
「おや、思ったより早く来たようですね」
そして、やはりその『何か』は敵対するようなものではないらしい。
阿求の言葉が紡がれると共に、その『何か』はポコポコと大きく、人間サイズに変化して。
現れたのは、上条と歳の変わらないであろう少女。
「阿求さーん、お待たせしましたー!」
一見紫色にも見える。やや青みがかった灰色の髪。
軍服を思わせる黒色の服装に身を包む少女は、スキップをしながら近づいて来て。
それに合わせ、阿求が説明を続ける。
「上条くん。君とインデックスくんをある場所に連れて行く為の案内人が彼女です」
「どうも~」
「あ、どうも」
遅れて挨拶。
へらへらと笑いながらも、その瞳は誠実さを醸し出しているのが分かる。
「ところで先生?ある場所というのは一体…」
「上条くんも聞いたことありませんか?――『楽座市』、それの競売人である当主と私は個人的に仲良しでして」
「へぇ~…ん??はあっ!?」
伊能忠敬も知らない上条であるが、『楽座市』の言葉自体は知っている。
驚愕が冷めるより前に、阿求は続けて。
「楽座市を取り仕切る漣家…それに仕える、『異能』持ちの人間で構成される特殊部隊『
「…………失礼ですが、お歳は?」
「15です」
まさかの同い年。
某ビリビリ中学生と同じく、同い年~年下の人間の、華やかな経歴と己の差に、上条は打ちひしがれる。
少女は誇らしそうに。
「そうなんです、実はそうなんです!とても偉いんです、私!」
「……………」
「さぁ、思う存分敬いなさい♪」
「こら話を脱線させない。…さて」
と、二人の話を一時的に中断させて。
阿求はいつの間にか取り出していた携帯電話らしき物で、誰かと通話を開始する。
――らしき物。そう称したのは、それがあまりにも、見慣れない形状だったから。
阿求の手に握られた、今時見ない形。――
おそらくは話に付いて行けるように、阿求が配慮したのだろう。
その奇妙な携帯電話からは、こちらにも聞こえる程の音量で、スピーカーから誰かの声。
「"豆博士"?準備はよろしいですか?」
『ふるるるるるるる!こっちはいつでもOK!るる』
「えぇ…では始めましょうか」
再び、上条の視界に映る『何か』の気泡。
次の瞬間、阿求家は『転送』されてきた巨大な扉によって、大きくその地を揺らす事となった。
漣家所有、地下墓地。
――『
座高鎌
漣家に所属している『原石』の少女。
しかし元ネタ的に力の実態は魔術サイド寄りなので、本来の力を学園都市で振るう機会があまりなく、そこが寂しい。
見た目は終わりのセラフの柊シノア。
豆博士
普段は『蔵』空間に暮らしている優秀な人(?)。
本人は学園都市のハイテクさが大好きで、本当はそこに住みたいが、見た目が見た目なので悔し涙を流して『蔵』で住んでいる。
見た目はマリオ&ルイージRPGのゲラコビッツ。
上条さんの記憶はどうなる?
-
答え①ヒーローの上条は突如記憶が甦る
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答え②仲間がきて光の羽から助けてくれる
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答え③忘れたまま。現実は非情である。