ツンツン頭さんを守護りたいスレ【滞空回線は糞】 作:原石うじゃうじゃ
とまぁ、紆余曲折がありつつ。
世間をそれなりに騒がせていた『連続発火強盗』の三人は、呆気なく車に乗せられた。
「大安なのに……今日大安なのに……!!」
「煮るなり焼くなり好きにしろよ、生命までとられないならどんな折檻でも受けてやるぜ」
「殺す…殺す…!!」
品性の欠片も感じない男たちの捨て台詞が聞こえてくるが、慣れたものなので無視をする。
「折角超能力が使えるってのに、なんであんな馬鹿な使い方しかできないんでしょうね」
「さあなぁ……」
吉田は困惑というよりも、むしろ呆れたような表情をして。
「あーあー…こりゃ酷ぇ…シャッターも木端微塵だ…あれ修理するの大変だろ?」
「……瓦礫やら硝子やらの撤去作業もあるし、最低でも…」
「うへぇ…今でさえこんな頻度で騒ぎが起こるのに、『
それは美琴も同意する。
実際、彼ら『
今でこそ、この光景が当たり前のものにはなってはいるが、最初期の『
いかにも『
こうしている間にも、車が一台やって来て。
「事後処理部隊、到着…」
「よっすー!今日もよろしくね!」
「あ~荒んだ心が癒されるぅ~…」
流れるように能力者三人を下し、尚元気いっぱいな白髪の少女。
『
パン、と両手で軽く自分の頬を叩いてから、彼らはテキパキと行動を始め、『連続発火強盗』の後始末を開始する。
途中、通報を受けてやって来た別の『
「……相変わらず仕事が早いこと」
そう、あまりにも早い。
怪我人の確認やら主犯人物の連行やら、『
『
だが毎日起こる騒ぎ、そして『
結果としてたくさんの人が助かっているのだから、別にこれくらいはいいんじゃね?というのが総意だった。
ふと。
「あれ?白井黒子さん、御坂美琴さんも」
鈴が鳴るような可愛らしい声。
声のする方を振り返ると、そこには頭に花畑が咲き誇る少女がいた。
少女は美琴たちの姿を確認すると、
「えっと、初春飾利さんだっけ。黒子と同じ『
「はい!覚えていて下さったんですね」
「まぁね」
一度見たら中々忘れられない見た目をしているのだから、それは当然なのだが。
当然、そんなことを口に出すわけもなく。
「…?初春、あなた…」
と、二人の会話に割って入るように。
先ほどまでクレープに舌鼓を打っていた白井が首を傾げて。
「以前風邪っぽいと言っていませんでした?体調はよろしくて?」
「え?」
「あーいや、それは…」
思わずじっと顔を見るが、やはり美琴には、初春のどこをどう見ても健康体としか思えない。
それほど会話を交わしていない自分とは違って、彼女なら、僅かな違和感にも気づけるのだろうか?
初春は気まずそうだったが、美琴は心配そうに。
「体調悪いの?なら休んだ方がいいわよ?どうせあと数日で夏休みだし」
「あー…本当に大丈夫なんです、ホントに元気いっぱいで…その……」
初春は少し言葉を溜めてから。
「私、最近オープンしたイタリア料理店に行ってきたんです、それから一気に体調が良くなって」
「はぁ……"身体の不調があっという間に治る"なんて噂のある、あの……」
「はい、『パール・ジャム』です」
訝しげな白井とは違い、初春は顔を綻ばせた。
「白井さんも行ってみませんか?きっと気に入ると思います」
「……『
「そ、それは勿論!ハイ!働けるときは働きますっ」
「いや、あんたも今は仕事してないじゃない」
「……ぐぬぬ」
思わず美琴が突っ込む。
すると白井は忌々しそうに、視線を瓦礫の撤去作業を続けてる『
「……お姉様は
「え?」
再び、美琴は視線を『
先ほどまで、自分が見ていたのは白髪の少女の、花が咲くような笑顔だった筈なのだが。
既に別の巡回場所に行ったのであろうか、既に彼女はいなくなっており。
代わりにいるのは、まさしく魑魅魍魎と呼ぶべき『
「ったく一般市民区域で暴れやがってよォ~…」
「ウチらの身にもなれってんだ…チッ!さっさと取り掛かんぞ」
「不良のクソがッ」
「だり…死ね…」
「ヒャッハァアア――ッ!
死人のような顔をしつつ、口ではこの惨状を作った強盗犯にネチネチと愚痴を吐きつつも、瓦礫の撤去スピードは依然と早い。
もはや彼らにとって、これはもう慣れた仕事の一つなのだろう、あっという間に散らばる硝子、砕けたコンクリートや捻じれたシャッターを回収。
美琴とそう変わらない歳である筈なのに、『
一人立派なモヒカンを頭に、元気に掃除に取り掛かる少年(?)もいるというのもあって、その光景はあまりにも異質だった。
あの…と、近くにいた別の少年が、おずおずと声をかける。
緑色の腕章を付けていることから、彼もまた『
「て、手伝いま――」
「いいえ結構です!これが私たちの仕事ですからァ!」
「もはやパターン化されてるのでェ!下手に人と役割を増やすと作業の調子が崩れるんでェ!」
「猫の手も借りたいけど!借りたら余計時間がかかるジレンマに苦しむのでェ!」
「は、はいィ!?」
ふぅ、と息を吐き。
「…あ、そこの瓦礫はそっちに、あと硝子結構散らばってるから気を付けろ」
「クッソこのシャッター二世代前のか…代用できねぇ?」
「そこのボルトを加工しろ、そうすりゃ一時的に代用できる」
「あ~だる…これまた追加で書類書かなきゃいけねぇじゃねぇかよ…」
「不良のクソが…死ねッ!」
その後、まるで何もなかったかのように、ネチネチと不良や強盗犯に対する愚痴を吐き続けながらも、彼らは黙々と銀行の復旧作業に取り掛かる。
オンとオフの切り替えが凄まじい…そう思う。
あくまでも学生の行動の範疇で収まる『
改めて念を押すが、目の前で復旧作業をする事務処理班のほとんどは学生で、しかも美琴とそう歳は変わらない筈なのだ。
だがこれは、下手をすれば『
と、白井は再び口を開き。
「…あれに、割って入れと…?」
「……いや、何でもないわ」
「あはは……」
何も言い返せない美琴と、言葉に困った様子の初春。
こうして、世間をそれなりに騒がせた『連続発火強盗』事件は。
美琴と白井が、楽しくクレープを堪能している間に、勝手に解決してしまったのである。
密漁アワビ
最近、学園都市にある店をオープンした料理人。
『スタンド』能力ではなく『ギフト』を有しており、これは相手の体調不良が分かるだけで、身体の不調を治すのは純粋な料理スキル判定。
あらゆる毒持ち植物や動物を組み合わせる奇跡の料理として、彼は特許を取得している。
見た目は岸辺露伴は動かないのトニオ・トラサルディー(実写)。
この世界の一般人たち
転生者のバタフライエフェクトによって、SAKAMOTO DAYSの『呑気』TOUGHシリーズの『愚弄』彼岸島の『下劣』等が入り混じった虹色民度となっている。
治安の悪さ自体はとある据え置きなので、一方通行に喧嘩を売る不良たちは普通にいるし、しかも上記の語彙をミックスした状態で喧嘩を売っているので。
一方通行は原作以上のストレスを今も雑魚処理で感じていたりする。
結果として美琴と白井はクレープをちゃんと食べる事ができました、よかったね。