【完結】TSつよつよメスガキイニシエーター   作:むにゃ枕

2 / 7
02.カデナイヨ

 マイペースな覚醒メスガキイニシエータの明香と、ツッコミ役かつプロモーターの嘉手納は、ネットで依頼を探していた。

 

「おい! 見ろよ明香! すげぇ依頼だぞ!」

「お兄さん、かなりアホっぽい発言ですね。メスガキポイントが10pt貯まりましたよ」

「じゃあ、ティッシュと引き換えでお願いします」

「かしこまりました。温めますか?」

「なんで、ティッシュ温めるんやねん!?」

「急な似非関西弁、キモっ。大阪ゲットーの人に言ったら殺されますよ」

「いや、明香の発言の方が失礼だろ。大阪エリアだよ。あそこは独裁っぽいけどゲットーは失礼だろ」

「でも、箱の中に籠もってもガストレアに殺されるだけですよね。立派なゲットーです」

「待て。政治の話はよそう」

 

 明香と嘉手納は歴史的な和解を果たした。

 

「で、その詐欺依頼ってなんなんですか?」

「これだ。ケースを探して3000万だとよ」

「ん? あー」

「政府の依頼だぞ。怪しくないぜ。本物だ」

「見当は付いてるんですか?」

「いや、全然分からん」

 

 明香の瞳には、¥30,000,000が映し出されていた。

 

「このケース、昨日、私たちが目撃してます。臭いは覚えてます。チョロい依頼ですよ」

「昨日? あのガストレアが抱えていたモノか。印象的だから覚えてる。警察に引き渡したはずだよな?」

「ええ。ですが、この記事を見てください。聖天子の親衛隊が襲撃を受け全滅しています」

 

 嘉手納は察しの良い方だ。決してバカではない。しかし、明香の頭の回転が速すぎるのだ。

 

「つまり、どういうことだ?」

「私たちが回収したケースは、大変、価値のあるものだったということです。警察に渡したケースが、聖天使親衛隊まで上がり、それを何者かが、奪取したのでしょう」

「おいおいおい。めちゃくちゃヤバい話じゃないか」

「でも、3000万ですよ。私の鼻で行方は分かります」

「その奪取した奴はヤバイ奴だよな……戦力が足りないかもなぁ……」

「じゃあ。力を隠している系の蓮太郎さんに頼みましょう」

「え? 蓮太郎って強いの?」

「ええ。芋砂お兄さんより強いですよ」

「芋砂とか言うなよ……俺はお前とは違って殴られたら死ぬんだよ……」

「私も死にますけど!?」

 

 嘘である。明香はめちゃくちゃ頑丈だった。モノリス外への探索依頼で、推定ステージⅣのガストレアとダメージレースで勝負し、バットで殴り殺した実績を持っている。

 

「もう、お前1人で良いんじゃないか?」

「常識的に無理ですよ。何考えてるんですか?」

「えっ? お前、常識側なの?」

「ええ。スーパークレバー幼女なので」

「幼女は自分のことを幼女とか言わないんだよな……」

「うるさいですね……」

 

 2人は金欠である。モノリス外へ向かうのならば、何らかの乗り物が必要となる。4駆をレンタルしたいのだが、未探索領域へ向かう乗り物のレンタル料は非常に高価だ。

 

「よう! 蓮太郎! 金貸して!」

「おい! 人ん家に入ってきて言うのがそれかよ!」

 

 里見家は、嘉手納の借りている部屋の隣だ。すぐに行ける。朝方だったこともあり、蓮太郎と延寿はまだ家に居たのだ。

 蓮太郎は、この話を聞いて飛びつかなかった。

 

「木更さんに確認する。俺のポケットマネーじゃ払えそうにない」

「んじゃ、俺たちも着いていくわ」

 

 天童民警事務所の立地は異常だ。ちなみに嘉手納民間警備会社は、事務所を持っていない。維持費が高いのとノリと勢いで生きているからだ。

 

「木更さん、まだ里見お兄ちゃんとくっつかないんですか? 付き合っちゃえば良いじゃないですか……どうせ、くっつくんですから」

「明香ちゃん。デリカシーって知ってるかしら?」

「デリカシーなら、コンビニで売ってましたね」

「そう……もういいわ。嘉手納くん。ちゃんとイニシエーターを監督しなさい。この子が困ることになるわよ」

「あっ、はい」

 

 嘉手納は明香を肘打ちした。明香は、嘉手納にやり返した。メスガキゴリラパワーで嘉手納は吹き飛んだ。

 ゴミ箱を頭から被った彼は、ヨロヨロと立ち上がった。

 

「明香ちゃん……弁償してもらうわよ」

「……はい」

 

 刀を構えた木更は、ブチギレる五秒前といった様子だった。

 

「あの〜。用件に入っていいですかね……」

「いつまでゴミ箱被ってるのよ??」

「俺の前世はヤドカリだったみたいで、なんか居心地が良くて……すいません……今外します」

 

 几帳面な木更が、ゴミ箱の中を空っぽにしていたため、嘉手納はまだ辛うじて綺麗だった。

 嘉手納の説明を聞いて、木更は頷いた。

 

「良いわ。私なら車を貸してくれるところを知ってるから、教えてあげる。お金もある程度出すわ」

「ありがとうございます。これで1500万が手に入るぞ!! 蓮太郎お前も1500万だぞ!!」

 

 未探索領域を、明香の鼻を使いケースを追うのだ。強奪犯がどのようなルートで逃げているかが、鍵になる。

 

「取り敢えず、臭いの強い方に行きましょう。まだ東京エリア内にいるかもしれません」

「おう!」

 

 四人乗りの高機動車を借りた一行は、臭いを追った。モノリス外に臭いは続いていた。

 

「なぁ、アレって軍用車だよな?」

「嘉手納もそう思うよな……」

 

 蓮太郎の視線の先には、車列が有った。自衛隊のものだ。民警と軍は敵対していない。仲良しではないが、同業者ではある。

 

「臭いが強くなってますね。間違いなく、あの中にいます」

「マジかぁ」

「むっ? 普通に問い正せば良いのでないか?」

「奴ら武装しているし、3台もいる。数が多い。組織絡みの陰謀が有るんだよ」

「むむむ……」

 

 対戦車ミサイルや、そういったものは用意していない。嘉手納のスナイパー・ライフルが、最大口径だ。

 

「蓮太郎……俺が狙撃で援護するから、お前たちは普通にしてろ。話せば分かるかもしれん」

「多分、無理だろうな……」

 

 蓮太郎は、車列の後方に車を付けた。向こうも気付いていたようで、武装した兵士と、奇抜な格好をした男が降りてくる。

 

「里見くん。随分早いとうちゃッッッッッッグッっ」

「どーも仮面さん。須垣明香です」

 

 仮面の男は、明らかに曲がってはいけない方に腕が曲がっていた。

 

「貴様ァ!!」

 

 兵士が発砲するが、明香の方が早かった。兵士たちの四肢がバキバキに砕かれている。

 

「えっ? めちゃくちゃ喧嘩っ早くない? 本当に敵だったのか?」

「挨拶前のアンブッシュは、一回までセーフです。まさか、蓮太郎さん、そんなことも知らないんですか?」

「妾もそんなことは、知らんぞ!」

「良い機会だから覚えておくと良いですよ」

「いや、民警にそんな常識ねぇよ!!!!」

 

 仮面の男のイニシエーターが、二刀を抜き明香に襲い掛かる。明香は刀をベキベキに圧し折った。

 

「実は、良い人だったんじゃないか?? 正当防衛してるんじゃないか??」

「変な仮面の男は、大体敵キャラですよ」

「妾はあの仮面、好きじゃぞ。蓮太郎にも似合うと思うのじゃ」

 

 聖天子親衛隊が奪われたケースを、明香はいとも容易く取り返していた。

 

「ぐふっ、なんなんだお前はッッッ!? まさか新人類創造計画の試験モデルか!? こんなところで負けるなど!!」

 

 嘉手納が、蓮太郎に指示を出す。蓮太郎は、敵の車を破壊した。

 

「アンブッシュが効いてない。それに、目的はケースだ。逃げるぞ!!」

「嘉手納、お前何もしてないじゃねぇか……」

 

 蓮太郎の言葉に、嘉手納はしょんぼりした。

 

「芋砂お兄ちゃん、敵追ってきてるよ。出番でしょ。仕事して」

「マジかよ……」

 

 嘉手納は、窓を開き身を乗り出す。そして、スナイパーライフルで、追っ手を狙撃した。ワンマガジン撃ち込んだ弾は継矢のように、同じ位置を穿ち、仮面の男が張ったバリアのようなものを貫いた。足を撃ち抜かれた男は、それ以上追ってこなかった。

 

「芋砂お兄ちゃん、本当に芋砂得意だよね」

「うるせぇ。近距離ゴリラに言われたくねぇよ」

 

 ケースを取り戻した蓮太郎たちに、聖天子は直々に礼を言った。ボーナスを含め、報酬は1人あたり2000万円となった。里見ペア、嘉手納ペアのそれぞれに4000万円が入ったのだ。

 

「蓮太郎! 焼肉行こうぜ!! 俺たちやったんだ!! イヤッホー!!!」

 

 こうして、ケース回収依頼は終了した。この依頼は嘉手納ペアにとっては、美味しすぎる仕事だった。




蛭子影胤テロ事件RTA、多分これが一番早いと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。