腕利きの民警により、明香が作り出した悪人抹殺くんαは破壊された。この討伐は、派手に大立ち回りをしビルを破壊しながら行われたため、何も知らない民衆はコレが諸悪の根源だと思い込んでいた。
政府もそれに乗っかり、ステージⅤガストレアウェアウルフの討伐成功を発表した。
「明香。お前、将来的には爆乳美女になってたよなぁ……」
「以前、まな板とか言ったことを訂正してください。私は、成長するので」
「ああ。それは悪かった。それで、なんでこんなことをしたんだ?」
「ノリと勢いですね」
「ノリと勢い!? 絶対に違うだろ。もっと思想とか有るだろ」
明香は、手をモジモジさせた。
「お兄さんと一緒に過ごせる世界が欲しかっただけです。今のままだと、街に出ることも出来ません。だから、ちょっとだけ世界を良くしたかっただけです」
「お前がやったことで、かなりの数の犠牲者が出てるんだぞ」
「うっ。それは、まぁ。でも、私がガストレアに変えたのは、悪人ですよ。私が法だったので、殺人犯や強盗犯はガストレアに変えても良いじゃないですか!!!」
「それは私刑だ。いけないことだよ。俺だって、裏で呪われた子供たちを差別している奴がいるのは知っている。正直、よくやったと思っちまう。けど、いけないことなんだ」
「うっ。反省してます。もうしません。でも、お兄さんだって悪いんですよ。もっと私を心配してもよかったのに。私がステージⅤのガストレアってビビッてたじゃないですか。だから、お兄さんが私を忘れられないようにしたかったんです」
嘉手納は、溜息を吐いた。
「俺は、お前のプロモーターだ。だから、何があってもお前を裏切らない。お前がいなくなって寂しかった。俺は、お前がいないと駄目だ」
「じゃ。結婚するって言ってください」
「…………いや、それはちょっと」
「東京エリア、滅ぼしますよ!!」
「それもやめろ!!」
明香は、ガストレアウイルスを作用させ、自分の身体を成長させる。
「おい、待て。何をする」
「えい。ふふ。おにーさん。よわ~い。体格に劣るイニシエーターに勝てるわけないんですよ。このまま、既成事実を作ってやります!!」
嘉手納は、急成長した明香にベッドに押し倒される。上にのしかかられた、嘉手納は動けなくなった。
「ん?? 何? なんかしてくるんじゃないの??」
「えっ。あっ。うう。こ、こういうのって、どうすればいいんですか!? お兄さんがリードしてくれるんじゃないんですか!!?? じ、自分から、お兄さんにキスするのとか、恥ずかしいじゃないですか!! それに、明日以降も生活は続くんですよ。ここで、もし本当にお兄さんが嫌だったら、気まずいじゃないですか。じぇ、じぇんじぇん。全然ビビってるとかじゃないんですよ!!」
「無理すんなって」
混乱していた明香の体勢を崩す。明香は、混乱のあまり幼女形態に戻っていた。嘉手納は、明香の頭を撫で、頬に優しくキスした。
「ひ、引っかかりましたねお兄さん!! 私の罠ですよ! 私が恋愛弱者なわけないじゃないですか! これは、交渉のテクニックです!!」
林檎のように明香の頬は赤かった。強がりであることは、明らかだった。
「しばらく、俺の隣にいるのはお前だけだ。人生は長いんだ。じっくり考えろよ」
嘉手納の頬にも少し朱が差していた。
東京エリアの混乱は、しばらくたって収まった。一割ほどの人間がガストレアウイルスの保菌者となったため、政府は、呪われた子供たちの人権を認める法律を認め、異例の早さで施行した。また、それと同時にガストレアウイルスのワクチンが完成し、製品化された。
室戸菫によって作られたワクチンは、弱毒化させたガストレアウイルスで免疫を作る生ワクチンだった。
IPS細胞のような細胞初期化能力。ガン細胞のような細胞の不死化。ガストレアウイルスは、厄介な性格を持つウイルスだ。
しかし、須垣明香という特異点が全てを変えた。ガストレアウイルスに感染し、癌化した細胞を容易く元に戻す力と、健康な細胞を癌化させる能力は、菫の研究を爆発的に加速させたのだ。
また、ガストレアウイルス感染者の対症療法や治療方法の研究も爆発的に加速した。更には、ガストレア化した人類が元に戻る方法も、産み出された。とはいえ、この方法はコストが高すぎるためほとんど行われなかった。
バラニウムに変わる、対ガストレア武装としてAGV金属が考案され。すぐに実用化された。ガストレアウイルスの不死性を低下させるこの金属は、ガストレアの脅威を過去のものとした。
人類はゆっくりと、ガストレアから生存圏を取り戻しはじめていた。
「お兄さん。私15歳になりましたよ。そろそろABCで言えば、B以上の関係になってもいいんじゃないですか?」
「未成年に手を出すのは不味いだろ」
「もう手、出してるじゃないですか。私は、お兄さんのこと大好きなんですけど。お兄さんだって、私以外の女を作らなかったじゃないですか」
「お前が、風俗にまで付いてくるからだよ」
「でも、お兄さんあの時、すごく優しかったじゃないですか」
「マジで後悔したからな。自己嫌悪で死にたくなった。もうしない」
「私は全然オッケーなんですけど。須垣明香はお兄さんのイニシエーターで、お兄さんの恋人なので」
明香が手を差し出す。嘉手納は、少し躊躇って手を繋ぐ。
「ほら。愛しているって言ってください」
「…………愛してるよ明香。これで、十分か?」
「ええ。嬉しいです」
明香の頭が、嘉手納の肩に当たる。嘉手納は明香を愛おしそうに抱きしめた。
会話の練習のため書きました。全編ギャグで会話メイン。ハッピーエンド万歳