戦国BASARA 勘違い天女とバケツ人魚と   作:サボテンダーイオウ

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なぜ気づかないのか?それは単純だからである。

天姫視点

 

私が偶然来てしまったのはどこかの合戦場のようだ。

昔の刀持ってる御侍さんたちが命を懸けて己が殿の為に身を賭けて戦をしているところ。

私も三国で馬乗りながら単騎で突っ込んだもんだな~、なんてのんきに思い出してたんだけど。

まさかまさか、目の前で昔の侍たちの闘い場面に出会うとは思いもしなんだ。

 

「そのような構えで我に刃向うなど、愚かな」

 

いきなり斬りかかってくるなんて反則でしょうが!

私はあの~突然スイマセン。決して怪しい者じゃないんですけど。

ここってどの辺ですか?って丁寧に聞いたつもりなのに、顔を青くして御侍衆は鬼でも見たような恐怖にひきつった顔をして我先倒したらん!って感じて私に襲いかかってきてるんですよ。

 

「面妖なっ!」

 

「物の怪の類かっ!」

 

「我が物の怪と?」

 

なんで私が妖怪なんだよ!?

確かに今のスタイルは、目元を覆うように鼻まで隠している仮面に長い黒髪は後ろで高い位置で縛っていて、いつのまにか三国で着慣れた中国風の着物を身に纏っている。

確かにあんたらから見たらこの服装は異国かもしれないが、たったそれだけじゃね?

たったそれだけで面妖とかってなんだよ。まじでなんだよ。人種差別よくないよホント。

そういうやつってこう偏見が、刀持つこと多いんだよね。

武力国家とかいうの?

だったら、勝手に恐れてればいいじゃん。私はあんたらなんかと相手している暇ないの。

 

「ならば恐れおののけ、無駄に命を散らすことなかろう。……我が首、貴様ら塵ほどに同列と思うな」

 

そう口にしながら、愛刀『月光』キラリと構えでおっさん共に殺気をプレゼントしました。

 

「ぐぁ!」「じょわっ!」

 

おっさん衆が面白いくらいうめき声を連続であげていきバッタバタと倒れたり、はたまた我一目散と逃げていく。

良かった、あんまり戦闘したくないんだよね。

とか思ったのはつかのまの話。うじゃうじゃ斬りかかってくるものだから、あー、もういい加減キレそうになったときにピコン!名案が浮かんだ。

そうだ、現場を指揮している大将がいるはず。

ならば彼らのとこにいって部下たちに襲い掛かるのをやめるよう頼もうかなと考えたのだ。

膳は急げ。私はド派手に戦闘を繰り広げている場所を感じ取り、刀を鞘におさめ一気に跳躍した。カエルみたいにね。

 

「…………おまえ、は…」

 

男でへそだしって初めてみた。かなり衝撃はある。でも腹筋がすごい割れててかなり鍛え抜かれた体だ。どうやら彼の獲物は己自身の肉体のようだ。

 

「我が名、知りたいか?我を知りたいか?」

 

え、私の名前知りたいんですか?別にいいけどでも私先急いでるんですよね。

 

「………」

 

「……貴殿、は三成の知り合いか?だからこうして乱入したのか」

 

戸惑い気味に話しかけられたけど、私はこんな今にも貧血気味で倒れそうな青白い顔した男の人は知らないですよ。なので素直に言った。

 

「知らぬ」

 

「!?」

 

「知らないのに、三成を助けるのか…。不思議な奴だな…」

 

さも呆れた表情で言う彼の方が一般常識的に言えば不思議の部類に入るのではないか?

…ってそんなものどうでもいいわっ!

 

「我にはどうでも良い、早く消えるが良かろう」

 

ギラリと相手方を睨めばヘソだし彼を含めて

 

「…ほう!」「クっ!?」

 

男どもが一気に戦闘態勢に入った。もしかしたら私の殺気に気がついて反応したのかもしれない。さすが戦国武将だ。

 

「…我が覇道。何人たりとも邪魔する事敵わん」

 

そこのキランキランしてる人、邪魔しないでくれませんか?私の狗楽探しの邪魔するなんていい度胸じゃないか。しばいてやろうかぁ?

 

「去ね」

 

どうでもいいけど、早くどいてくれませんか?出なければ消えてくれませんか?

あの侍の大群を早く撤退してほしいんですけど。

道を塞がれてイライラモードは火山噴火しそうですよ。

どうやら私の気持ちを理解してくれたようでヘソだしルックの彼は

 

「……今回は引き上げるとしようか。俺の名は徳川家康!貴殿とはまた逢えるような気がするな」

 

となぜか笑顔で自分の名前を名乗って、「忠勝!」なんて叫んでお空から飛んできたロボット?の背中に飛び乗って飛んでいきました。びっくり、あの人って徳川家康だったのね。

あんな格好してたんだ、……ずいぶん教科書と違うけど…。勉強になった。

 

「………」

 

とりあえずあっちの団体さんは帰るみたいだし、私も行くかと崖の方へ足を動かした。

しっかし、あの忠勝?って呼ばれたロボは人間なんだろうか?

まるでゴーラちゃんみたいじゃないか。

 

「……お待ちくださいっ!」

 

え?呼び止められた?振り返ってみるとあのひょろっとした男の人だった。

なんか息切れみたいなのを起こしているようで胸部分を抑えながら必死に私に向かって

 

「もしや、もしや!」

 

ともしやもしや!と連呼している。どうした!?『もしや』って何!?

もしかして『もやし』って言いたいの?胸を抑えているのは苦しいからなのか!?

猛烈にもやしが食べたくて食べたくてでも心臓部分に問題を抱えていて

もやしを食べることができない!

という状態なのか!?

これは大変だ、なんとかしてもやしを手に入れなければ。

というか、この男性今にも倒れそうなほど汗を大量に流している。そしてとうとう苦しさからなのか、地面に片膝をついてしまった。

 

私は彼の方へ歩み寄り同じように視線を会わせるため膝をついた。彼の肩に手を置いて

 

「辛いか、苦しいか」

 

と容体を尋ねてみた。

どうしよう、もやしって何処で手に入るのかな。病人に聞くわけにもいかないしな…。

 

「………辛くなどありませぬ。…こうして再び逢える事を夢見ていたのですから…」

 

そういって彼は泣きだしてしまった。そんなに辛いのか!?

もやしー!何処だ!!?

彼は病人なクセして肩に置いていた手をガシッと掴み自分の両手で包み込む。

 

「貴方様が目指す道にどうか、どうか今度こそ!三成を御傍に!」

 

え!?狗楽捜しに付き合うってのか?そんな容体で?

無理しない方がいいんじゃないかな、ってかもやしはいいのか?というか見ず知らずの人がなんで私の妹の事を知ってるのか?ハッ!?もしかして狗楽を見かけたのか!

 

「その言葉偽り、ではないな?」

 

「ハッ!」

 

マジで?我が愛しの妹がいるの!?よっしゃ!すごく見た目のリーゼントと違っていい人じゃないか、この人。名前なんて言ったけ、『三成』って言ったかな?名乗ってくれたんだから自己紹介しなきゃな、私も。

 

「三成」

 

「はっ」

 

「我が名は神崎天姫、である」

 

「…天姫様…それが貴方様の真なる名」

 

「永き道になろうぞ」

 

「この三成、今度こそ、今度こそ!貴方様をお守りいたします!」

 

随分張り切っているみたいだ。さっきまで死にそうなほど青い顔してた人とは思えないくらい。とりあえず、私は仮面を取った。

狗楽捜しを手伝ってくれるんだからね。それに仮面が蒸れて仕方がなかったから。

 

私の顔を見た途端、三成さんが息を呑むような音を出した。

 

「かならず、手に入れてみせる」

 

狗楽との感動的な再会と言うワンシーンを夢見て。

私は決意新たにするのだ。この三成さんと一緒に!

 

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