仮面ライダーヴァリアブル   作:puls9

22 / 35
file22 オクワード・アトモスフィア

 

真っ白な部屋に一人の少女が立っている。シグナライザー改を腰に巻いたエフェクトだ。彼女の後ろから声をかけたのは創斗とトワル。二人の周囲には機材が置かれている。

 

「エフェクト。準備は良いか?」

「当然! いつでも良いよ!」

『それでは開始です』

 

彼女がメモリアライズバッジを起動させた。

 

<バタフライ!>

 

バッジがベルトにセットされるとエフェクトの背後に無数の蝶が集まり大きな蝶となって出現する。

 

「変身!!」

 

エフェクトがベルトを操作した。

 

<Wake Up Date! バタフライ・エフェクト!!>

<シグナライザー、カスタマイズ!>

 

彼女が仮面ライダーへと変身。エフェクト改がホルスターからエフェクタールガン改を引き抜く。即座に連射。弾丸が向かう先には丸状の的。その中心が綺麗に撃ち抜かれた。

 

「はあっ!」

 

エフェクト改が羽を展開して跳躍。空中を舞いながら方向を変えると再び引き金を引く。彼女の周囲にある的が次々と撃ち抜かれていく。

 

「よし。良い調子だ」

 

計測機器を見て創斗が頷く。そして機材を操作した。エフェクト改の前にホログラム状のマルティプルワーカーが複数出現する。

 

「最後だ」

「エフェクト、頑張ってください」

「オッケー!」

 

エフェクト改が駆け出す。そして向かってくるマルティプルワーカーを、ある者は蹴り、ある者は拳銃を鈍器代わりに殴りつけ攻撃を繰り出していく。

 

「これで終わりだぁ!!」

 

<バタフライ!>

<データストームエフェクト!!>

 

ベルトを操作してエフェクト改が螺旋回転を描いてキック。マルティプルワーカーを纏めて打ち倒した。

 

「テストプレイ終了だな。調子はどうだ?」

 

創斗がエフェクトへ声を掛ける。

 

「問題な〜し。完璧完璧♪」

 

エフェクトが変身を解きながら笑ってみせる。

 

「そいつは良かった」

 

創斗は機材の回収に取り掛かる。トワルも彼を手伝う。

 

「いや〜。ブラボー、ブラボー! 凄かったよエフェクトちゃん!!」

 

拍手と共に現れたのは玲。後方から心護が付いてきてきた。

ここはD.A.T.A基地の最下層。戦闘訓練を行うフロアだ。創斗達はここを借りてシグナライザー改の最終調整を行なっていたのだ。

 

「心護もそう思うでしょ?」

「……」

 

玲の言葉に心護は答えない。ただ警戒の眼差しでエフェクトを見ていた。

 

「あー……、オホン! そろそろ約束の時間だし向かおっか!」

 

気を取り直して玲が言う。創斗達は頷くと上の階へと移動を始めた。その道中、ひっきりなしに視線を感じる。よく見るとD.A.T.Aの隊員達が遠巻きにこちらを見ている。彼らの見つめる先にはエフェクトがいる。

 

(まぁ、無理もないか。ついこの間まで敵対してた訳だし)

 

創斗は前方を歩くエフェクトを見る。彼女はトワルや玲と仲良く喋っている。理由が理由なだけに良くない感情を持つ気持ちは分かる。創斗の内心はとても複雑だ。

やがて会議室へとたどり着く。扉を開けるとすでに長官である和明が座っていた。その傍らには錬児が体を小さくして縮こまっている。

 

「失礼します。エフェクトを連れてきました」

「うむ。座りたまえ」

 

和明に促され創斗達は椅子に座った。席は創斗、錬児、エフェクト、トワルの順番。彼らと向かい合うように和明の両隣に心護と玲が座る。

 

「な、なぁ。オレここにいて良かったのか?」

 

何故か手を挙げて質問する錬児。答えたのは創斗。

 

「良いだろ。お前も、もう関係者だからな」

 

数日前の一件。アーシリーコードに誘拐されたあの一件で恐らく錬児の事は向こうにも知れ渡っている可能性がある。それならば錬児とD.A.T.Aに接点を持たせておくのは悪くないだろう。

 

「そっか。ならよろしくお願いします」

 

錬児が心護達に頭を下げる。心護達も小さく頷いて、薄く笑顔を作った。

 

「それでは始めよう」

 

気を取り直して和明が咳払いをする。これから行われるのはエフェクトの尋問だ。アーシリーコードについて知るべき事を聞く。その為に設けられた時間だ。

 

「何でも聞いてね。……と言いたい所だけど、ワタシもそこまで詳しく知ってるわけじゃないからあまり期待しないでね」

 

頬を掻きながら微妙な顔を作るエフェクト。

 

「ではまずアーシリーコードの構成メンバーを教えてほしい。エルフは何人いるのかが知りたい」

 

口火を切ったのは和明。

 

「え~っとね、」

 

エフェクトが親指を折り畳む。

 

「まずワタシことエフェクト。今はこっち側だけどね」

 

続けて人差し指を畳んだ。

 

「次はアンビシャス。ワタシと一緒に人間をモッドに変える実行部隊で、……アーシリーコードの中で人間を一番憎んでる」

「そう言えば、アンビシャスは何でそんなに人間が憎いんですか?」

 

トワルが尋ねる。前々から気にはなっていたが聞く機会が無かったのだ。

 

「昔、人間に酷い目に遭わされたんだって。具体的に何があったのかは聞きづらくて聞いてないけど。アンビシャスの左目、眼帯で隠してるけど機能してないんだ」

 

エフェクトが投影するように自分の左目を手で覆ってみせる。

 

「他にも色々されたみたい」

「だから憎んでる……」

「ちょっと違うかな。アンビシャスは他のエルフが同じ目に遭ってほしくない。だから危険な存在である人間を削除しようって思ってるんだ」

「そうなんですね……」

 

思い返すのは彼に勧誘された時の記憶。何があればあそこまで人間に憎悪を燃やせるのか。アンビシャスに何があったのか。トワルは彼に思いを馳せる。

その傍らでエフェクトが中指を折り畳む。重苦しい雰囲気を変えようと少し明るい声を出した。

 

「次はアクロ。と言ってもアクロについてはワタシ、あまり知らないんだよね。基本的に別行動だから。でも、アクロはたいていアイの指示で動いてる。アクロがいるって事はアイが絡んでるって事だから注意が必要かも」

「あいつはおれの父さん、伝導 想助に反応してた。何か知らないか?」

「うーん。……ごめん、分かんない。前にワタシにも尋ねてきたけど、ワタシはその名前知らなかったから。もしアーシリーコード内で聞いてたら覚えてる筈だし」

「そうか」

 

創斗は俯く。両の手をテーブルの上で握りしめながら。

 

「最後はアイだね」

 

エフェクトが皆を見回しながら薬指を折り畳む。

 

「アイは徹底的な秘密主義者。ワタシやアンビシャスもその姿を見たことがないんだ」

「見た事がないって……そんな事ある?」

 

すかさず玲が聞く。エフェクトもその反応を予想していたのか落ち着いて頷いた。

 

「そんな事あるんだよね。皆の前に出てくる時は基本的に目がクローズアップされた画像で現れるの。だから彼女がどこで何してるのかも分からない」

「……」

 

会議の最中。心護は何も喋らず黙ってエフェクトを見ている。未だ警戒感を顕にしている。

 

「でも一つだけ分かってる事もあるよ」

「それは?」

「アーシリーコードを作ったのがアイだって事」

「「「「「!?」」」」」

 

彼女の発言に一同が瞠目する。

 

「どう言う事だ?」

「どうもこうもそういう事だよ。と言ってもワタシもアンビシャスから教えられた話だし。ワタシが生まれた時には既にアーシリーコードは出来てたから特に気にしてなかったんだけどね」

 

エフェクトは折り畳んだ手を広げては握るを繰り返す。

 

「何でアイがアーシリーコードを作ったのか、どうして今になって人間を取り込んでいるのか。正直疑問は尽きないかなぁ……」

 

そうごちる。そして両の手を打ち合わせて皆の視線を集めた。

 

「さてこれで全部かな。今のところ知ってるエルフはこれで全員だよ」

「今のところ?」

 

エフェクトの言葉に創斗が反応する。心護も目を鋭く細める。

 

「まるでこれから増える可能性があるみたいな言い方だな」

「可能性はあると思うよ。ワタシだってアイに作られたし」

 

またしても爆弾発言。一同二度目の驚愕。特に錬児は一番驚いていた。

 

「マジですか……?」

「マジマジ。マジもんのマジ。アンビシャス、アイ、アクロは第一世代。最初に生まれたエルフ。そしてワタシはアイによって作られた第二世代ってわけ」

 

彼の呟きにエフェクトは頷く。事の重大さが分かっていないのかとても無邪気な笑顔だ。

 

「それならさぁ、一度検査してみない? アイに作られたなら何か仕込まれてるかも」

「あ〜! それ良い考えだね! そうするそうする!!」

 

玲の提案を受けるエフェクト。話を聞いていたトワルが難しい顔で呟いた。

 

「でしたら、わたしはどこで生まれたんでしょう?」

 

全員の視線が彼女に集中する。

 

「言われてみれば確かに」

「エフェクトちゃんは知らない?」

 

創斗と錬児がエフェクトに聞く。

 

「それが実はワタシも知らないんだ。アンビシャスも知らなかったみたい」

「……ならわたしも検査してもらえませんか? 何か分かるかもしれません」

「うん。了解!」

 

玲が了承する。

その時、心護の携帯が鳴る。すぐにスマホを操作した。

 

「もしもし。……分かった、すぐ行く」

 

心護が立ち上がる。そして和明に耳打ちをする。

 

「平長官。例の件、準備が整いました」

「そうか。先方には話を通してある。くれぐれも気をつけたまえ」

「了解です」

 

出口の方へと歩き始める心護。その背に創斗が声をかける。

 

「何かあったんですか? おれも手伝いましょうか?」

「いや必要ない。俺達だけで大丈夫だ」

「そう……ですか……」

 

すると和明も立ち上がった。

 

「今回の尋問はここまでにしよう。エフェクト君、協力感謝する」

 

そう言い残し二人は部屋を後にする。

 

「ならワタシも行くね」

「何か用事ですか?」

「うん。ちょっと野暮用」

 

スキップ混じりでエフェクトも出ていく。

 

「夢崎さん。研究室貸してもらっていいですか?」

「勿論オッケーだよ。何するの?」

「シグナライザー改を作ってみて新しい発想が浮かんだのでちょっとやってみようかと」

「いいねいいね。アタシも手伝うよ」

 

創斗と玲が連れ立って退出した。取り残されたのはトワルと錬児。

 

「オレってこれからどうすればいいと思う?」

「さ、さぁ?」

 

二人は曖昧に笑い合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「エフェクトが生きていた!?」

 

アーシリーコードの拠点にてアンビシャスが驚きの声を上げる。彼と会話をするのはタブレットの中のアイ。もちろん画面には目の画像が映し出されている。

 

『ええ。ですが彼女はどうやら人間側に着いたようです』

「どう言う事だ?」

『さぁ分かりません。直接本人に聞いたほうが良いと思いますよ』

 

人を食ったような態度のアイ。アンビシャスは苛立たしげに唇を噛んだ。

 

「そうさせてもらう」

「おわっ!?」

 

踵を返すと進行方向にいた毒島を突き飛ばして拠点から出ていった。

 

『大丈夫ですか、毒島?』

「はい。アイ様、それでご用件は何でしょうか?」

『D.A.T.Aが動いたようです。陸馬会(むつまかい)の方々はまだご存知無いようですのでご連絡を』

「!? かしこまりました」

 

毒島が恭しくお辞儀する。そしてスマホを取り出した。

 

『さてどうなりますね?』

 

アイは楽しげに呟くのだった。

 

 

 

 

 

その頃。心護はD.A.T.Aの隊員達と合流していた。場所は公曽区の繁華街。

 

「お疲れ様っす、隊長」

 

出迎えたのは仁美。真剣な表情で敬礼する。

 

「それで進展はあったか?」

「まだっす。……それにしてもまさか反社までもがアーシリーコードにいるとは世も末っすね」

 

心護達がこれから向かうのは陸馬会という反社会的勢力。表向きは繁華街の建物の貸し出しをだが、その実態は違法薬物の取引会場や犯罪者の隠れ家として運用させている。最近では詐欺グループの拠点としても貸し出しているとか。まさしく祭波市における目の上のたんこぶとなっている組織だ。

流石に反社会的勢力となれば協力者という立場の創斗達を巻き込むわけにはいかない。その為、この件はD.A.T.Aで対処するという方針が取られた。

 

「長官が警察と話を着けてくれた。そのおかげでこの件は俺達の管轄になった。皆、準備は良いか?」

 

心護の呼びかけに隊員達が頷く。そして彼らは陸馬会の拠点へと向かって歩き出した。

陸馬会の拠点は繁華街の路地裏。そこに立つビルを丸ごと拠点にしている。心護達はその建物の中に押し入った。

 

「失礼する。D.A.T.Aだ」

 

部屋の中には見るからにカタギでは無い男達。心護達を見ると殺気立った表情で臨戦態勢に入っている。

 

「何かと思ったら正義の味方のD.A.T.Aさんですかい。何の用です?」

 

そう言ったのは金髪サングラスの男。陸馬会の組長、陸馬 駿(むつま しゅん)。椅子に座り、足を組み、馬鹿にしたような下卑た笑みを浮かべている。

 

「お前達がアーシリーコードと繋がっている。という情報が入った。悪いが建物内を調べさせてもらうぞ」

「アーシリーコードぉ? 知らねぇなあ?」

 

陸馬が椅子から立ち上がる。

 

「おたくらに何の権限があるんです?」

「こんな権限があるんだよ」

 

取り出したのは令状だ。警察との交渉で手に入れた代物だ。流石の陸馬もこれは予想外。まさか違う組織同士で、こうもスムーズに動いているとは思わなかったからだ。

 

「という訳だ。良いよな?」

「ちっ!」

 

念を押す心護。陸馬は露骨に悪態を突くと椅子を蹴り飛ばす。そして懐からモッドライザーMarkⅡを取り出した。

 

「こうなっちゃあ仕方ねぇ。お前ら殺るぞ!」

「あいよ!」

 

陸馬会の男達がナイフや鉄パイプといった得物を持ち出す。D.A.T.Aの隊員達も警棒や拳銃を取り出し応戦。陸馬はモッドライザーMarkⅡを腰に巻き、メモリアライズバッジを起動させた。

 

<モッドライザーMarkⅡ!>

<ホース!>

「電令」

 

メモリアライズバッジをドライバーにセット。ボタンを押す。

 

<ハック! クラック! バーサーク!!>

<アーシリーコード:マンティス! アップロード!!>

 

紫色のアンダースーツの上に装甲が張り付いていく。変身が完了して現れたのは馬の下半身に人間の上半身が合体したシルエット。さながらそれは神話に登場するケンタウロスのよう。

 

「そっちがその気なら相手になってやるよ」

<キマイライザー!>

<レオ!>

 

心護もメモリアライズバッジを取り出しベルトに装填。エネルギー状の獅子が雄たけびを上げる。

 

「変身!!」

<覇王! 魔王! 百獣の王!!>

<データベース:レオ! ガオー!!>

 

心護がマルティプルへと変身を果たす。そしてファイティングポーズを取った。対峙するのはホース・モッドMarkⅡ。

両者互いに睨み合う。先手を取ったのはホース・モッドMarkⅡ。四本の足で即座に距離を詰め、拳を叩き込む。マルティプルも咄嗟に拳で迎撃。その衝撃で二人が吹っ飛び、ビルの外へと投げ出された。

 

「速いな……」

 

地面から起き上がりながらマルティプルが呟く。

 

「ソレガ売リダカラナ!!」

 

意気揚々とホース・モッドMarkⅡが再突撃。素早く側面に回り込みボレーキック。マルティプルが地面を転がる。

 

「隊長!?」

 

隊員達がワークライザーを操作する。

 

<アント!>

<シャット! ガード! ファイト!!>

<データベース:アント! ロールアウト!!>

 

マルティプルワーカーへ変身するとホース・モッドMarkⅡへ立ち向かっていく。だがしかし、

 

「オラオラ! 遅セェ! 遅セェ!!」

 

スピードは向こうが上。縦横無尽に駆け回るホース・モッドMarkⅡにマルティプルワーカー達は翻弄される。次々と攻撃を食らって倒れていく。

 

「このままじゃ不味い」

 

見かねたマルティプルが仮面の奥で歯噛みする。その時、背後から声がした。

 

「わぁお。凄い状況だね」

 

振り返るとそこにはエフェクトが立っていた。何故か頭に果物の皮やら埃やらが付着しており、服も乱れ汚れている。

 

「お前が言うな」

 

思わずツッコミを入れてしまうマルティプル。

 

「まあまあ、気にしない気にしない。ワタシも手伝うよ」

<シグナライザー改!>

 

不敵に笑うエフェクト。シグナライザー改を腰に巻いてメモリアライズバッジを起動した。

 

<バタフライ!>

「変身!」

<Wake Up Date! バタフライ・エフェクト!!>

<シグナライザー、カスタマイズ!>

 

装甲を纏いエフェクト改へ変身する。そしてエフェクタールガン改を引き抜いた。狙うはホース・モッドMarkⅡ。その左肩に弾丸が直撃した。

 

「グアッ!?」

 

攻撃を食らい、仰け反るホース・モッドMarkⅡ。

 

「やっほい! ワタシも混ぜてよ」

「テメェ!!」

 

狙いをエフェクト改へと定め、ホース・モッドMarkⅡが駆ける。すぐに距離が縮まっていく。しかしエフェクト改は慌てる事なく羽を展開。上へと跳躍した。

 

「甘い甘い♪」

 

ホース・モッドMarkⅡの頭上へ位置取ると発砲。弾丸が雨のように降り注ぐ。

 

「ソンナモン、当タルカヨ!!」

 

されどそのスピードは驚異的。細かく動き回り弾丸を次々と躱していく。

 

「ならこれはどう?」

 

エフェクタールガン改の一つを変形させると二丁の拳銃が合体。途端に上部が展開してスコープが現れる。エフェクタールガン改に備わった機能。ライフルモードだ。エフェクト改はスコープを覗き込み、標準を定める。そして引き金に手をかけた。放たれた一撃は一直線にホース・モッドMarkⅡの右前足を撃ち抜いた。

 

「ギャアッ!?」

 

ホース・モッドMarkⅡが転倒。地面に転がった。すかさず拳銃モードに戻すと倒れているホース・モッドMarkⅡに連射。弾丸が次々と着弾していく。

 

「これでとどめ!」

 

地面に降り立とうとするエフェクト改。だが横から人影が現れ、彼女を攫った。

 

「あ~れぇぇぇ~!?」

 

そのまま遠くへ飛んでいく。

 

「クソッ! オマエラ、撤退ダ!」

 

やっとこさ起き上がるホース・モッドMarkⅡ。しかしダメージは大きく傷だらけ。悪態を突くとそのまま逃走した。

 

「あいつ!?」

 

それを見たマルティプルが指示を飛ばす。

 

「全域の隊員に通達。市民の避難誘導およびモッドの行方を捜索」

「了解っす。隊長はどうしますか?」

「……俺は」

 

顔を向けた先はエフェクトが連れ去られた方角。逡巡の後に答える。

 

「俺はエフェクトの方へ行く」

「お気をつけてっす」

 

マルティプルと隊員達は別方向へと駆けていった。

そして、エフェクトはというと無人の工事現場に連れてこられていた。誘拐した人影はゆっくりと地面に降り立とエフェクトを解放する。

 

「……久しぶりだね、アンビシャス」

 

彼女の見据える先に立っていたのはアンビシャスだった。彼は無言のままベルトへと手を伸ばして――

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。